1. 丹下左膳餘話 百萬兩の壺
完璧な脚本と演出と展開でもって、左膳、お藤、安吉、源三郎、萩野の味わい深い面々が織りなす人情時代劇に、爆笑し、苦笑し、ホロリとし、ハラハラし、これ以上ない心地良さに感動し通しでした。痛快無比の大傑作に出会えた事にも感激しています。 [DVD(邦画)] 10点(2011-10-25 20:41:43)(良:2票) |
2. 探偵はBARにいる
大泉洋と松田龍平のコンビは刺身と刺身のツマの様で絶妙。脇を固める面々も高嶋政伸をはじめいい味を出しています。ギラギラしていて雪を融かすかのようなエネルギッシュな街を舞台に彼らが織りなす物語は見応え十二分で惹き込まれました。けたたましい男性及び大泉洋は苦手なのに魅力を感じるなど・・・我ながら不思議であります。黒電話とマスターの昭和テイストも素敵でした。 [DVD(邦画)] 9点(2012-10-01 23:47:05) |
3. たそがれ清兵衛
幸せ、不幸せは自分の心の持ちようで、自分が感じるもの。自分の胸の内に譲れる事と譲れない事をしっかりと抱き、他人に何と思われ何と言われようが、娘の成長を楽しみに日々を過ごす清兵衛。その淡々とした様子が芯の強さ、優しさを見せ付けてくれる。ところで、今の世の中、便利で手間要らずしんどさ要らずの豊かな生活ぶりだけど、大量の資源を使った上に成り立っていて、子孫の時代に資源も自然も枯れ果てているように思える。幕末時代に戻る事はないが、便利さ一辺倒ではなく少し時代を戻したほうが良いように感じた。 7点(2004-05-02 00:35:15) |
4. 大河の一滴
「負けた事を何故喜ぶのですか」という印象深いニコライの言葉。敗北感、挫折感、喪失感をどのように受け止め、それらとどのように向き合って生きるのかを考えさせられます。父の言う「信念を持って生きよ」とは一つの負けにこだわって生涯という本質を見失ってはならない事だと私は受け止めます。もう一つ考えさせられたのが、父が娘に戦争時に感じたこと、文学の道を諦めた時の心境を語った事で、5年前に父を亡くした私は父の感じたこと、考えたことを何も知らぬ事に痛恨の思いがします。本作よりも良いと評される原作を読んでみます。 [DVD(邦画)] 6点(2008-04-05 22:49:40) |
5. 太平洋ひとりぼっち
お目当て森雅之さんは見せ場なしで市井のお父さん役は親子夫婦の絆が感じられない残念な姿でした。石原裕次郎の大根芝居と棒なナレーションには辟易でしたが、キチンと準備して臨んでいる姿は興味深いものがありました。 [インターネット(邦画)] 5点(2022-05-30 16:21:02) |
6. ダーリンは外国人
他人同士が暮らしを共にするというのは人種関わらずギャップがあります。そこに文化の違いが加わる本作。肝心の異文化ギャップの部分でもっと楽しませてもらいたかったですね。家事にいそしむ以外に仕事しているトニーの姿も見たかったです。日本人にも今時なかなか見かけない穏やかな彼が醸し出す空気に、心穏やかに鑑賞できるこじんまりとした小品。 [DVD(邦画)] 5点(2011-11-05 14:56:05) |
7. 魂萌え!
肉体的に下り坂となる年齢にあっても精神まで転がり落ちまいとする主人公に共感は持てますが、胸に迫ってくる程ではありませんでした。夫を始めとする男性陣が、本性を徐々に顕わにする愛人やホテルの御婆さんに比べ、個性に乏しく情けないキャラクターだったせいでしょう。また「家具のようだ」と思う妻にかける「ありがとう」の一言に、一生かかってもパートナーの心の奥底までは解り得ない事を思い知らされます。 [DVD(邦画)] 5点(2008-01-05 15:01:42) |