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ゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 615
性別 男性
自己紹介  洋画は字幕版も吹き替え版も両方観た上で感想を書くようにしています。
 ネタバレが多い為、未見映画の情報集めには役立てないかも知れませんが……
 自分と好みが合う人がいたら、点数などを基準に映画選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。

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1.  北斎漫画 《ネタバレ》 
 夕立の中、皆が雨宿りする中で、一人だけ雨を意に介さず歩き続ける主人公の姿が、非常に印象的。  冒頭のシーンだけでなく、ラストカットでも同様の姿が描かれており、新藤監督としても、この「雨の中を歩く葛飾北斎」という強烈なイメージこそが、この映画を象徴するものであると考えていた事が窺えます。   十返舎一九や歌麿など、北斎の他にも当時の著名人が次々に登場する為、それだけでもワクワクするものがありましたね。  特に曲亭馬琴の登場のさせ方は上手く、北斎を居候させてやっている気の良い親父さんが「滝沢馬琴だとか、曲亭馬琴だとか、ご大層な名前付けて粋がって……」と妻に詰られる形で、自然と「この人が馬琴だったのか!」と観客を驚かせてくれるのだから、心憎い。  ちゃんと事前に「読み本書きを目指している」という伏線があった為、違和感も無かったですし、予め正体を察していた人でも、ここの件はニヤリとさせられたんじゃないかなぁ、と思います。   泥臭い創作者達の物語という事で、基本的なストーリーは非常に好ましいものがあったのですが、難点としては「いくらなんでもエロスに偏り過ぎ」「老人になってからの件はコントにしか見えない」という辺りが挙げられそう。  本映画の「売り」の一つであろう「蛸と女体の絡み」にしたって、そちらの性癖に疎いせいか、自分としては全くピンと来なくて、むしろ白けてしまったのですよね。   終盤にて「枕絵は、もうこれでおしめぇだ」「いつまでも若ぇ娘と茶番している暇は無ぇわな」と吐き捨て、いよいよ北斎が「俺自身が納得出来る絵」に取り掛かろうとした矢先に死んでしまう……という展開なのも、実に寂しい。  結局、この映画では「若ぇ娘との茶番」がメインになっており「富嶽三十六景」の件なんかも、サラッと短時間で流されてしまっていますからね。  劇中で描かれる北斎の人物像はとても魅力的だったと思うのですが「えっ、そこにスポット当てちゃうの?」という感じで、戸惑いの方が大きかったです。   情熱を秘めた主人公の北斎、良き友人であった馬琴、複雑な魅力を備えた娘のお栄の存在、この三者だけでも十分面白いだろうに、何で余計なエロスを交えちゃうかなぁ……と思ってしまったくらい。  自分の場合、そういうのはサービスシーン的にチラッと挟むくらいが好ましく、この映画みたいにメインに据えられてしまうと、どうも「そんなに沢山はいらないよ」と辟易してしまうみたいです。   そんなこんなで、中盤以降は観ていてテンションが下がってしまったのですが、それでもラストシーンの「雨の中の北斎」を目にすると、良い映画だなぁ……と思ってしまうのだから、全く以て困り物。  「終わり良ければ総て良し」という言葉を連想させられる、そんな一品でありました。
[DVD(邦画)] 6点(2017-04-18 16:31:10)
2.  僕達急行 A列車で行こう 《ネタバレ》 
 優しい映画ですね。  登場人物は善人ばかりだし、失恋というテーマを扱っていながらも暗くなり過ぎる事は無く、仕事での成功や友情など、明るく幸福な要素の方が色濃く描かれているように感じました。   森田監督の遺作という事で、最後に「ありがとう」という文字が浮かび上がる演出も、じんわりと胸に沁みるものがあります。  それだけに、全面的に作品を褒めたくなるような気持ちも強いのですが……正直に言うと、退屈に思えたシーンも多かったです。  「融資してくれーっ!」や「いちごミルク」の件なんかも、あと一歩で感動出来そうだったのに、ちょっとわざとらしく思えてしまい、ノリ切れない。   ゲームの話で盛り上がり、効果音付きで戯れてみせる件も、どうにもオタクっぽ過ぎるというか、観ていて痛々しく感じちゃいましたね。  監督さんに悪意は無いんだろうけど「鉄道の話で盛り上がるシーン」は非常に夢がある感じに描かれているのに「ゲームの話で盛り上がるシーン」はギャグで済まされており、そこに違和感が生じてしまった気がします。   その一方で、やはり主題となる「鉄道」に関する描写は力が入っているというか「模型」や「駅弁」など、押さえるべき点はキチッと押さえている感じがして、非常に好ましかったです。  自動車ではなく、電車を用いての移動ならば、恋人同士で話したり触れ合ったりする事に集中出来るし、お酒だって飲めるんだと示す辺りも上手い。   主人公が二人いる事を活かし「音楽を聴きながら窓に流れる風景を眺める」「電車が立てる駆動音や車輪の音に耳を傾ける」というタイプの異なる楽しみ方について、お互いに語らせる辺りも良かったですね。  それがラストの鉄道旅行における伏線となっており、音楽否定派だった方が笑顔で音楽を聴いている姿に繋がっていたりするんだから、実に微笑ましい話。   趣味を持つというのは如何に楽しい事か、友達がいる事は如何に素晴らしいかと教えてくれる、そんな一品でありました。
[DVD(邦画)] 6点(2017-04-10 19:44:44)
3.  包帯クラブ 《ネタバレ》 
 監督が堤幸彦で、原作が天童荒太。  「この組み合わせ、上手くいくのかな?」と不安に思っていたのですが、杞憂に過ぎませんでしたね。   どうしてもコメディタッチな作風になってしまうんじゃないかという不安は「鬱屈とした展開が続いても、どこか可笑しみがあって、重苦しくならない」という形で、良い方向に昇華されていましたし、真面目な場面はキチンと真面目に撮るという切り替えが、しっかり行われている事にも感心。  職人監督と呼ぶに相応しい、手堅い仕事ぶりだったと思います。   幾つか不満点もあったのですが、その一つとして主人公達の身勝手さ、まだ未熟ゆえの「厨二病」っぽさが挙げられて、そこは観ていて痛々しく感じられましたね。  青春映画には付き物な話だし、だからこそリアルなのだとも考えられるのですが 「上から見下ろしてモノ言ってんじゃねぇよ」 「アンタが世間の何を知ってるって言うんだよ」  と不良娘が金持ちの友達に説教するシーンでは、どう見ても不良娘の方が「上から目線」で「世間知らず」じゃないかと思えたりして、感情移入し難いものがありました。  学校側に包帯クラブの活動がバレた際に、自分達がやった事じゃないとしらばっくれて「私達のこと信じてくれないんですか?」と泣き真似する件なんかは、正直言ってドン引き。  騒動を巻き起こして警察に捕まった後に「親父さんが偉い人だから釈放してもらえた」というオチが付く辺りも、凄く恰好悪かったです。  また、原作者の著作に関しては「家族狩り」と「永遠の仔」くらいしか読んでいないのですが、その二つに続いて子供の性的虐待が扱われていたものだから「またかよ」と、少々食傷気味になってしまう気持ちもありましたね。   それらに対し、良かった点はと言えば、まず「包帯クラブ」の活動を行う姿が、とても楽しそうであった事が挙げられます。  ともすれば「癒し」「許し」「救い」などのイメージばかりが先走って、宗教的な画面にもなってしまいそうなのに、あくまでも「若者達のクラブ活動」である事を忘れておらず、観ていて「自分もやってみたいな」と思わされるような魅力がありました。  特にお気に入りの「鉄棒に巻き付けた包帯を逆上がりさせる」件が、実は伏線であり、ラストシーンにて鮮やかに回収される流れなんて、凄く嬉しかったですね。  飲食店に皆で集まって、美味しそうに料理を頬張りながら「将来の夢」を語り合うというのも、微笑ましくて良い。   「誰も知らない」で抜群の存在感を放っていた柳楽優弥が、立派に成長した姿を見せてくれるのも嬉しかったですね。  彼が演じるディノが経験した事件と、その後の顛末に関しては「被害者だけでなく、加害者も、難を逃れた第三者さえもが、傷を負っている」という形になっており、色々と考えさせられるものがありました。  罪悪感を乗り越えて、久し振りに再会した男友達と交わす会話の内容が「包帯クラブに所属している女の子達は可愛いかどうか」なんていう下世話な内容である辺りも、実に良い。  「包帯も自分で巻けるようになった」という台詞によって、彼が自力で立ち直ったのだという事を、端的に示す辺りも上手かったと思います。   包帯そのものには傷を治す力なんてなかったとしても「自分の事を想って、包帯を巻いてくれた人がいる」という事実によって、人が癒される事もあるのだなと、しみじみ感じられる。  ちょっぴり痛みも伴うけれど、それ以上に優しい映画でした。
[DVD(邦画)] 6点(2017-01-25 13:30:07)(良:1票)
4.  ぼんち 《ネタバレ》 
 「しきたり」「世間体」という言葉が出てくる度に、ちょっとした違和感というか、浮世離れした感覚を味わえましたね。  主な舞台となるのは戦前の日本なのですが、どこかもっと遠い国、遠い昔の出来事であるようにも感じられました。   何せ「妾を持つ事」ではなく「妾を養わない事」が世間からの非難の対象となるというのだから、現代の一般庶民からすると、眩暈がするようなお話。  お妾さんを何人も囲って、何人も孕ませて、主人公は良い身分だなぁ……と皮肉げに感じる一方、男性の本能としては羨ましく思えたりもして、何だか複雑でした。    終盤、戦争によって主人公は没落していく訳ですが、その尺が二十分程度しかなく、ちょっとバランスが悪いようにも感じられましたね。  もう少し苦労した事を示す描写が多かった方が、ラストの「まだまだ一旗あげてみせる」と気骨を失っていない主人公の姿を、素直に応援する事が出来たかも。   監督と主演俳優の名前を挙げるまでもなく、作り手の力量が確かなのは疑う余地が無いのですが、正直、少し物足りなさを感じる内容だったりもして、残念。  オチとして衝撃的に描かれている「男に囲われているだけと思われた女たちが、実は男よりもずっと強かだった」というメッセージに対しても(そんなの、もう分かり切った事だしなぁ……)と思えてしまい、今一つ盛り上がれない。  撮影技術が云々ではなく、こういった感性というか、価値観の違いによって、昔の作品である事を実感させられてしまった形ですね。   軽妙な関西弁での会話を聞いているだけで楽しくて、退屈するという事は全く無かったのですが、もう一押し何か欲しかったなと、勿体無く感じてしまう映画でした。
[DVD(邦画)] 5点(2016-07-20 19:46:12)
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