1. ワラライフ!!
えーと、沖縄映画祭というのが出来て、その主催が吉本興業で、吉本が出資してくれて、映画を作るのは悪いことでは無いと思います。勿論、吉本の芸人が出るのも何の問題も無いよね。 でも、監督に吉本の芸人を使うというのが正しいのかと言えば、ちょっと疑問を持たねばならないと思う訳ですよ。木村祐一という人は料理が上手くて、放送作家も出来る凄い芸人だと思うけど、映画監督としては少し疑問が残るよね。 正直、この映画に関して言わせてもらえば、何をしたいのか、何を言いたいのか全く判らない。多分、ラストの主人公の一言というのが全編に掛かってくる木村監督の言いたい事だとは思うのだけど、全く判らないんだよね。 物語がコラージュの様に断片的に出てきても、それが物語と完全に繋がっている訳では無くて、話が急に変わってしまったり、物凄く思わせぶりに出てくる人も大して使われることも無く消えたりしてね。 脚本とは別に物凄く不快だったのは、登場人物が全然歳相応に見えなかった事。吉川晃司も鈴木杏樹も演技自体は悪くない(むしろ、好演している)のだけど、なんだか年齢から見た主人公のとの関係が親子というよりは、少し歳の離れた兄弟程度にしか見えない。ついでに言えば、時代設定もかなりいい加減で、過去のエピソードで出てくる年代というのは恐らく監督の子供の頃である70年代中盤から80年代なのだけど、映画の中の現在が2005年だとしても、主人公の推定年齢と差が開いている。こういうところこそ丁寧に作らないと、どんどんとボロが出てくるような気がします。 あと、吉本の芸人さんって、比較的演技が上手い人が多いのだけど、主役をやった芸人さんの中では、村上純は物凄く演技が下手だと感じました。確か、しずるってコントがメインじゃなかったっけ?その割には・・・って感じがしますね。 [映画館(邦画)] 3点(2011-03-09 12:46:16) |
2. 私の優しくない先輩
《ネタバレ》 あたしの個人的な感想としては「まだ、その域に達していない」かな。 (分かる人だけ笑ってくだされば結構です) ヤマカンのやりたいことを理解している訳ではないけど、彼自身が「”アイドル映画”として作った訳では無い」というのであれば、そうなんでしょう。でも、完全にそう見えてしまうんだよね。その時点で内容の如何に関わらず、監督の作為が伝えられていないのだから、それは失敗だよね。公の場でそれだけキチンと発言をするのだから、そうした意思を映画で見せることが出来ないという時点であたしは評価を下げました。内容的には面白いと思いますよ。一人称で高いテンションでの独白と、如何にも”低予算で作りましたよ”感たっぷりの荒さの残る映像やフレームワークは、非常にあたしの好みでもありますから。でもね、本人は意識していないかもしれないけど、大林宣彦、相米慎二とかいった監督のアイドルを起用した映画のオマージュとも取れるようなカットが随所に出てきて、自分の映画として昇華されてればまだしも、そうなっているとは思えない部分が多いんです。多分、その結果が”アイドル映画”に見られるという事なんだと思うんだよね。 役者に関してもみんな良くやっていると思いますが、金田の演出はあれで良かったのかなぁ?とちょっとだけ疑問でした。先輩の気持ち悪さを表現するのに、金田の芸人としての動きをそのまま使うって言うのは、演出として完全に敗北宣言してるって事じゃないかな?あの動きをしている事で、金田のファンは満足かもしれないけど、あたしはそういう動きは芸だけにして欲しかったですね。 ヤマカン自身は乗り気ではなかったらしいけど、エンディングの出来が一番良かったんじゃないかな?「鈴宮ハルヒの憂鬱」のエンディング、「らき☆すた」のオープニング、「かんなぎ」のオープニングと、ちゃんとここだけが演出として成立してる気がするんだよね。 まぁ、このエンディングが一番評価されるって所が、この映画の評価なんじゃないかな。 [映画館(邦画)] 5点(2010-09-28 12:37:05)(良:1票) |
3. 笑の大学
あたしも、舞台を見たクチなんですが、舞台という閉塞された空間でのシチュエーション・コメディ(というかファルス)を映画化するという点で、三谷幸喜は3本の映画の脚本を書いているが、今回の映画が一番上手くいってない様に思いました。勿論、映画にした方が舞台で判らなかった部分とかもちゃんとフォローされてる訳ですけど、舞台だと、そこに演者の力量が問われてくる、こういう部分で役所広司は舞台での向坂役の西村雅彦がダブって見える程、見事なくらい嵌っていましたが、【恭人】さんと同じで、稲垣吾郎はミス・キャストだったとしか思えなかったです。やはり、映画・舞台での絶対的な経験差があって、”これが近藤芳正だったら・・”と思わず呟いてました。(舞台では椿役が近藤芳正でした)稲垣は三谷に似た感性を持った様な風貌があるだけに、演じきれなかった感じがあってとても残念です。 全体的には三谷的なこれまたちょっと見では判らないような演出が盛りだくさんで、あたしは面白かったのですが、残念ながら気付く人が相変わらず少ないですね。演出的には三谷のくどさというより監督の演出のくどさがだったのかなぁ、あたしは星護は名前しか知らなくてテレビでも見たことが無かったので判らないのですが、【恭人】さんと【あにやん】さん の言ってる事を受けると、なんとなく理解ができた気がします。 7点(2004-11-22 22:00:35) |
4. わが青春のアルカディア
【koshi】さんと同じで、期待しすぎただけにがっかりした思いがありますね。あたしの友人(松本零士ファン)はやっぱり全面OKでしたがなんか中途半端な感じがありました。 5点(2002-10-20 10:21:20) |
5. 私は貝になりたい(1959)
これ見たとき、”戦犯”ってなんだろう、と涙しながら考えました。フランキー堺という人柄の良い顔と柔らかい声、鋭い演技を備えていた人が居た事と、当時の撮影技術が発展途上であったことがかえってこのドラマに引き込まれる要因になっているように思います。これがカラーなら・・・と思った事が何度もありましたが、所ジョージ主演でリメイクされたのを見て面白かったけど興ざめした感じがありました。それは所ジョージの責任ではなくて、当時の撮影スタッフ見たいな思いを感じながら仕事をする人が減った為だと思います。 10点(2001-08-20 20:49:45) |