21. 南極料理人
あたし、これ好きだわぁ。極限の閉鎖空間というシチュエーションコメディとしてこれほど良く出来ている映画は久々に見た気がします。大笑いする様な物では決して無いのだけど、ひたすらクスクスと笑わせてくれる。過去にも似た様な映画あったなぁと考えてみたら「タンポポ」ですよね。アプローチの仕方は全く違うのだけど、目標としてる所が非常に近い所にあると思います。 [DVD(邦画)] 9点(2010-06-03 01:49:11)(良:1票) |
22. おくりびと
《ネタバレ》 あたしは納棺を一族で行ってきたので納棺師という仕事があるのは知っていたが(葬儀屋に聞いた。)、実際にやっている所は見たことが無かった。死後2週間経った遺体の納棺後に匂いが気になり銭湯で何度も体を洗う、鶏肉に吐き気を催す→直後に妻に欲情するシーンというのは、ある意味、物凄く生々しい現実の葛藤を思わせる。それを主人公の心境の変化に併せていく撮り方は非常に上手いと思う。 こういった職業に対しての差別は古くからあるものだけど、そういったものが端的に杉本哲太と広末涼子の役のシーンで表される。その変化を示すシーンも主人公の献身的な姿によるところであるのも上手い。他の役者は非常に曲者ながら、映画を引き立てるのに十分なほど良い演技をする。特に山田辰夫の演技というのは思わずあたしも感情が入ってしまった。 滝田映画といえば、食べ物への表現は本当に面白い。物凄くこだわりがあって、毎回楽しみな部分のひとつでもある。 同名の漫画が出ているが、この映画に興味を持った人には是非ともこれも読んで欲しい。映画を基本的になぞらえているが、これもまた良い出来である。 [映画館(邦画)] 9点(2008-10-03 12:49:04) |
23. パッチギ! LOVE&PEACE
《ネタバレ》 あらー、前のお二方は評価低いな。あたしはこれ、非常にいい映画だと思いましたが・・・ こういう映画って2作目になると、いかにも二匹目のドジョウという感じで悪くなるもんだと思うんですよ。でも基本的にとりあげているネタを変えたことが、別物の映画として見られたのがあたしには良かったです。 多分、日本人の描かれ方の酷さを言う方はいらっしゃると思ってましたが、なんと言いますか、この映画の肝は基本的に"体制側に居ない人たち"の話なんです。今まで、あまり物語にされなかった在日の芸能関係の話ってのは、今まで、ハリウッド映画の商業主義、自国主義、差別的な映画を云々言っていたあたしも、判っていても、ガツンと頭を殴られたような衝撃がありました(これこそパッチギ)。確かに、アメリカにおける日本人の描かれ方の拙さは、相変わらずではありますが、同様に今までの日本映画の描かれ方についても同じ事が言えたというのがショックでもあり、井筒さん自らの反省と批判なんだろうなぁ、と感じています。それ故に、クライマックスシーンのキョンジャの言葉になったと思うし、あの言葉は日本人であればこそ、考えないといけないものがあるんじゃないかな、とあたしは考えます。 [映画館(字幕)] 9点(2007-05-20 17:07:56) |
24. 男はつらいよ
《ネタバレ》 これが長寿映画の第一作目と思うと、この出来の良さには感嘆する。出てる役者がみんな上手いので、見ていて何の引っ掛かりも無い。普通にこの表現をすると面白みが無いというイメージで取られてしまうが、この映画の場合は何も引っ掛からないからこそ、親近感、温かみ、下町の情緒というものが感じられる。あたしみたいな田舎者ですら、知る事の無い下町の風情に懐かしみを感じるというのが映画全体の出来の証明だろう。寅さんが博とさくらの披露宴で打つ演説にあたしはホロリとさせられてしまった。 [DVD(邦画)] 9点(2006-11-03 20:28:27) |
25. ミニパト
《ネタバレ》 これ、同時上映映画(WXIII 機動警察パトレイバー)を何回も見ないと見れない訳で(当時3話を一話づつ、ランダム上映していた)、あたしは2話だけ見たんですがね。 全話見たら、こりゃホントに面白い。1話が銃器のウンチク話、2話がパトレイバーの世界観、そして3話目が特車2課の裏話と、トンでもない話な訳で、ある意味、本当にファンや、銃器マニアでないと判らない専門用語の連発が凄かったですね。 また、割り箸使った紙芝居という設定のCGアニメっていう面白さというかくだらなさにスタッフの意気込みが見て取れるんだよね。後藤さんのノホホンとした喋りや、シゲさんの超絶マシンガントークも面白いけど、やっぱり面白いのは忍さんのしゃべりは面白い。この辺も力が入ってるな、ってのが判りますね。 [DVD(邦画)] 9点(2006-07-23 14:33:24) |
26. 電車男
《ネタバレ》 良かったですよ。 あたしとしてはこの映画で言葉(台詞ではなく)の中に含まれる感情というものが良く伝わったし、それによって自分がこの映画の与える感動というものをどのように伝えようとしていかがわかったような気がしましたから。残念ながら、一番感動させるであろう告白のシーンであまり感動しなかったのだけど、それはそれ以上に電車男と応援する2ちゃんねらーの言葉に感動したからで、多分、この辺は人の感動に仕方に違いがあるから構わないんじゃないかと思います。ちょっと残念だったのは2ちゃんねらーの妄想(戦場)のシーン。コメディリリーフにしたかったのだろうけど、反って物語の勢いを削いでるきがしました。でもエンターテイメントとしては上出来だと思います。 [映画館(字幕)] 9点(2005-07-04 16:49:32) |
27. 空飛ぶゆうれい船
この当時のアニメは海野十三とかの影響がもろに出ているんだけど、今みても面白いですよね。あたしも「長靴をはいた猫」よりこっちの方が好きです。 9点(2002-07-23 21:12:22) |
28. マルタイの女
なんかこれで伊丹の映画が最後というのが残念で仕方ない。なんやかんや言われながらも、伊丹の「女」シリーズはどれも発想、映像、脚本、撮り方など斬新で良かったものが多かったと思っている。伊丹の映画を見て驚きだったのは、演技派の俳優が実に多いことだ。彼の徹底した”映画の中のリアリズム”というのが良く現われていたし、意外に見えるタレントの起用が実はその意外性こそがリアルに映るという事を見せた人だった。そういう点で、この映画では伊集院光、ラッキー池田、なんてタレントが実に良い演技をしているのが面白い 9点(2002-07-06 15:17:28) |
29. みんなのいえ
三谷らしさがよく出てる映画です。ただ、笑いがわかりにくい部分で沢山入っているのだけど、目立たないんで、気付かないよね。そこが減点要素かなぁ。【びでおや】さんと【ドラえもん】さんが”伊丹作品”を連想するという事だったが、裏を返すと伊丹と三谷以外の監督が日常を上手く捉えきれてないんじゃなかろうか。この辺は逆に外国の映画のようで、あたしは最初に見たとき、「マネー・ピット」を思い出しました。「マネー・ピット」はトム・ハンクスが一人で笑いを取りにいってる映画なんだけど、この映画はみんなどこかしらに持ってる日常の面白さというのがあって、妙に惹かれるものがあります。また相変わらず舞台のような長回し1カメの撮り方が多い様だけど、こういうのはさすがに舞台演出の妙だと思います。日本では結構名の知れてる有名人が、クレジット無しで出演してるのもある種のネタですね。エンドクレジットの”中井貴一 彼自身”というのは良かったなぁ。 9点(2002-02-09 17:52:14) |
30. トラ・トラ・トラ!
やっぱり凄い映画だと思う、みなさん日本軍の評価が高いのだけど、あれは日本軍側の撮影が殆ど日本人で行なわれているからなのと、脚本の手直しを黒澤明がやってるからなんだよね。でも所々おかしい所はやはりあって、やっぱり黒澤明にメガホンとって欲しかったなぁ。このレビューの時点で「パール・ハーバー」は未見なんだけど、みなさんの評価見て大体の見当がつきました。やっぱりこの映画の方がかなり映画の出来として良いとおもいます。 9点(2002-01-08 12:56:20) |
31. 花いちもんめ
千秋実が老人痴呆という演技を実に見事に演じた傑作です。海外でもこういう病気をストーレートに持ってきた映画は当時としては珍しかったのですが、これは痴呆老人介護を行なった事のある人には非常に共感を得られるんじゃないかと思います。 9点(2002-01-08 12:53:47) |
32. あしたのジョー2
まぁ、あしたのジョーと同じなんだけども、こっちの方が映画を前提にテレビがあった分映像やシナリオ的には優れていたと思います。やっぱり新しく作ったお陰かな。 9点(2002-01-07 18:24:46) |
33. ビルマの竪琴(1956)
実はカラー版よりもこっちの方があたしは好きだったりします。何がカラー版との違いは役者の迫力と色。どちらも役者は上手いのですが、こちらの方が水島の葛藤する姿が鬼気迫るものがあるし、井上隊長のなんとしても全員日本に帰らせたいという思いがあふれてます。逆に見えないのが色、カラー版の製作のきっかけがあの時の思いを色で出したいという監督の思いからだそうで、見たときドキッとしました。あの大地の赤はちょっと忘れられない色でした。 9点(2001-11-29 19:02:41) |
34. おもひでぽろぽろ
今の人にこの映画見て共感とか湧くかなぁ。一歩間違うとこの映画は時代懐古趣味の趣があるもんだからタエコと同年代を子供と過ごしてきた人は良いけど、そうでない人がどう見るかってのが一番あたしの気になるところでした。以外にも子供達はそういう事には順応性早いんだよね。でもそれ以上に気になったのは方言。柳葉を起用したのは東北出身という事でなんだろうけど、彼は秋田、映画は山形、言葉が違うのは東北に住んでいる人は結構指摘してましたよ。数年しか東北に住んでいないあたしにも変な違和感がありましたから。 9点(2001-11-20 19:03:04) |
35. 夢(1990)
みんな多分、この映画から「黒澤はもう・・」って言い出したんだね。あたしはこの映画好きだけどなぁ。全然昔から彼のテイストは変わってないと思うのだけど、こういう幻想的なの作られると戸惑っちゃうんだよなぁ。あの「狐の嫁入り」なんかとても映像としても表現としても択一してると思いますが・・・ 9点(2001-11-16 19:00:43) |
36. ふたり(1991)
大林自ら「新・尾道三部作」と称した第1作目の映画ですが、今までの「尾道三部作」にあった思春期の恋しい気持ちとはまったく異なる映像にはっとさせられました。映画のための原作は二度と作らないといった赤川次郎を映画に呼び出しただけの効果はあったかな。赤川次郎の書く残酷さを大林のタッチで実に巧く捉えてます。役者の中では主役の石田ひかりと中島朋子以上に中江由里、島崎和歌子などの脇役が実にいい演技をしてるんだ、特に岸辺一徳の淡々とした演技と嗚咽する瞬間のギャップの激しさが演出としては見事でした。でも大林のブルーバックの使い方のおかしな所は相変わらずですなぁ。 9点(2001-11-15 20:29:15) |
37. ウォーターボーイズ
いや、すごい、素敵、すばらしい。まあ、粗探ししたらきりが無いけど、それ以上にストーリーが面白い、役者(学生達)がいい、撮り方がうまい。なんにも増してシンクロナイズドスイミングが思ってた以上に綺麗で、後半はちっとばかし見とれてしまってる自分がなんか悔しい(笑)。あと、水の青が実に良い色として出てたね。 9点(2001-10-25 20:34:35) |
38. 忍者武芸帳
映像の全部をマンガの「原画」を使っているのは凄い。印刷されたマンガからは絶対に読み取れない漫画家の書いた鉛筆線や修正に迫力を感じたのは私だけではないと思います。それを丁寧に映像化した大島渚はやはり奇才と言うべき方だと思います。 9点(2001-09-27 20:05:52) |
39. 銀河鉄道999
松本零ニのアニメの中では1番スケールの大きさや、独創性が高くて好きです。マンガの哲郎と比べると格好良すぎるのが難点なんだけど、子供の持つ想像力の前にはそんな事全然関係ありませんでしたね。 9点(2001-09-27 19:03:42) |
40. 転校生(1982)
ある意味、大林宣彦の挑戦的な映画だっただけに、映画としての良さがあっても評価が分かれる作品だと思います。裏話も色々ある作品ですが、尾身としのり、小林聡美の(失礼ながら)決して美男・美女でない2人が映画が進むにつれて、格好良い男の子・可愛い女の子に見えてくるから不思議です。 9点(2001-08-20 17:55:05) |