721. ゼロの焦点(2009)
《ネタバレ》 映画の前半は、オリジナル(野村芳太郎監督映画)の省略された部分や不十分だったことを丁寧に扱って好感が持たれたが、後半から終盤の作り替えられた部分は何だろう。原作小説の内容とは近くなっても、雰囲気は遠くかけ離れたまた別の映画になってしまった。これが良いか悪いかは見る側の判断だろうが、私には暴走のように思える。 また映画の主人公を広末涼子が演じているが、これがまったく原作のイメージではないように感じられる。 [DVD(邦画)] 5点(2012-01-24 20:55:53) |
722. 風の谷のナウシカ
登場人物が多く物語も複雑で難解、アクションシーンも好きでない。久石譲の音楽は良いのだけど・・・。 [DVD(邦画)] 5点(2012-01-21 11:10:51) |
723. 男はつらいよ 寅次郎恋やつれ
再び吉永さんということで大いに期待したのだが、ものの見事に期待はずれ、少しもおもしろくない。父親が娘に話しにくいということはよくわかるし、宮口精二もそういった父親像をよく演じているが、何かちょっと違う。特に寅さんは今回は何をしたのだ?という感じ。吉永さんも実生活で結婚してしまったし、何か魅力なくなった感じだし、・・・。 歌子さんが大島に行ってやりがいのある仕事を見つけたことと、寅さんが大島に行ったのではなく、絹代さんのところへ行って挨拶をしたこと、さりげないラストは良かった。 [映画館(邦画)] 5点(2012-01-04 22:56:52) |
724. 忠臣蔵 花の巻・雪の巻(1954)
最後になって討ち入りに加われなかった毛利小平太を準主役にした忠臣蔵だ。描き方としてこういう描き方もあるのかもしれない。 映画は控えめな演出ながら、本格的に堂々と進む。松本幸四郎の内蔵助も、長谷川一夫や片岡千恵蔵と比べ遜色ないと思う。しかし鶴田浩二の小平太は雰囲気に合わないような気がするし、エピソードもそれだけが浮いている感じ。チャンバラの時間も長くて嫌だ。 ところで内匠頭の時世の句が読まれるのはわかるが、内蔵助をさしおいて忠左衛門の「君が為・・・」が朗々と読まれるのはなぜ? [DVD(邦画)] 5点(2011-12-21 16:58:07) |
725. もう頬づえはつかない
ベストセラー小説の映画化ということで見たけど、さほどおもしろくなかった。桃井かおりのけだるさは役にあっているとと思うが、だらだらとした雰囲気が私には合わない。 [映画館(邦画)] 5点(2011-12-12 21:07:34) |
726. 忘れえぬ慕情(1956)
長崎を訪れた異人さんとの恋と言えば、真っ先に思い浮かぶのが蝶々夫人(マダムバタフライ) それと似るといえば似ている。そしてどちらも・・・。 長崎の街に55年ぶりに登場という触れ込みで、長崎の映画館は久しぶりの満員だった。昭和30年、私が小学校に入ったばかりの頃の長崎の街が再現されるのを見ずにはおられない。その頃のグラバー邸、料亭、キャバレーなど、見るものすべてがなつかしかった。 だがその反面、映画のストーリーはどこにもあるような話で、何ということはなかった。気になったのはゲルト・フレーベ、もちろん純粋のドイツ人なのだが、その彼がフランス語の先生とは、恐れ入った。 [映画館(邦画)] 5点(2011-12-04 07:04:51) |
727. 黄金の犬
テレビドラマが大変良かったので、映画版も見たががっかりだった。どちらが原作に近いのか知るよしもないが、とにかく違和感を覚えた。 映画のゴローはテレビドラマ同様大変すばらしい。さすが「黄金の犬」と呼ばれるだけのことはある。だがどうも人間の物語の方は好きでない。(島田陽子さんをのぞいて) [DVD(邦画)] 5点(2011-11-30 06:29:39) |
728. ガス人間第一号
特撮と言えば円谷英二、私の子どもの頃はゴジラ以降怪獣映画、特撮映画が大流行だったが、私はあまり好きではなかった。この映画ももちろんその部類で片付けていいのかもしれないが、少し違うのような気もして気になって見てみた。だがやっぱり評価しづらい。八千草さんの美しさは言うことなし。 [DVD(邦画)] 5点(2011-11-27 10:06:16) |
729. ぼくらの七日間戦争(1988)
《ネタバレ》 若い世代にとっては「ホーム・アローン」のケビン少年を思い浮かべるかもしれないが、私の年代で思い浮かぶのは、どうしても大学紛争であり、浅間山荘事件である。 時の権力に逆らい安保反対と管理統制に反発した日々、機動隊が強行突破するのは全く同じ、違うのはあくまで映画であり、青春ドラマだということだ。 この映画の中学生たちも管理教育に反発し、教師や親に反抗する。そしてそこに中学生同士の結束や思いやり、チームワークが生まれるのだが、やや描き方が甘い。そしてまた突如として現れた自衛隊の戦車、私はこれがせっかくの映画をぶちこわしていると思う。 さらに唐突なラスト、学校はどのように変わったのだろうか。打ち上げ花火でごまかしてはいけないと思う。 宮沢りえに関しては、他の皆さんが言われているように、文句なし。美少女No.1 [DVD(邦画)] 5点(2011-11-19 21:59:38)(良:1票) |
730. 朝を呼ぶ口笛
《ネタバレ》 新聞社主催の全国中小学生綴り方コンクールで、文部大臣賞を受賞した吉田稔の「新聞配達」の映画化、吉永小百合の映画デビューにもなった。 映画はいかにも文部大臣賞らしい内容で、明るくすがすがしい。夜間高校をめざす新聞配達少年が、父母の病気や手術による家庭困窮に遭遇したが、周囲の励ましやカンパなどによってがんばり抜く。 14歳の吉永小百合もまた、明るくまぶしいほどの輝きである。 [DVD(邦画)] 5点(2011-10-15 23:45:50) |
731. カルメン故郷に帰る
私の子どもの頃はカラー映画は大変珍しく、「総天然色映画」という名前でもてはやされたものだ。この映画こそ当時見たわけではないが(お子様には無理だったのか?)、当時の人気はすごかったのだろう。しかし何せカラー日本で初めてというのは大冒険だったろう。 妙なクラシック音楽や信州の大草原での踊り、暗い感じのオルガンというアンバランスの中で、高峰秀子のはじけっぷりは見事。 [DVD(邦画)] 5点(2011-10-12 16:33:54) |
732. 喜劇 団体列車
《ネタバレ》 佐久間さんが前回以上にマドンナ役を果たし、渥美さんが虎さん役になってしまった。それはそれで良いと思うのだが、ラストに来て四角い顔の赤ん坊はやりすぎではないだろうか。せっかくの人情喜劇が単なるお笑いの世界に成り下がってしまった。 [映画館(邦画)] 5点(2011-10-11 21:05:14) |
733. 妹
藤田監督による秋吉久美子主演映画の2作目、前作に続いての大胆なヌードを披露するが、映画館で目のやり場に困ったことを今でも覚えている。その秋吉だが、家を飛び出しのは何か訳があるのだろうなと思っていたら、やっぱり・・・。 その兄を演ずる林隆三、初めはいかつい髭を生やしていたが妹が帰ってくるなり、そってしまう。こんな妹だけど何とかしようとするけなげさを見せる。 妹が同棲していた相手耕三も行方がわからないし、その兄妹らも探している。だが耕三の上の兄夫婦は自殺してしまった。こっちの原因は私にはよく分からずじまいだった。 [映画館(邦画)] 5点(2011-09-23 12:10:41) |
734. バージンブルース
「ジンジンジンジン、血がジンジン」なつかしいなあ、バージンブルース。女子寮に押し入った泥棒さんと仲良くなるのかと思いきや、脱サラの借金を抱えた中年ダメ親父と・・・。自称バージンだし、万引き犯で追われてりゃ仕方ないかと思いつつ旅をする。 灰色の浪人生活の憂さ晴らしだろうか、そういえば、この時代はここいう映画が多かった。秋吉久美子はそういう映画を代表する女優とも思える。 この映画では野坂さん自身による「黒の舟歌」を拝むことができる。 [映画館(邦画)] 5点(2011-09-22 07:56:29) |
735. 獄門島(1977)
同年に制作された「悪魔の手毬唄」と比べるとずいぶん見劣りがすると思う。「獄門島」も「悪魔の手毬唄」も同じ横溝正史、監督も金田一耕助も同じ、しかも「見立て殺人」ということも。 一方が俳句、他方が手毬歌という違いなのだが、手毬歌が映画の中に自然と馴染んでいたのに対し、俳句の方は何かとってつけたような感じでぎくしゃくしている。そして最大の問題は犯人を変えてしまったこと。映画は映画の作りがあるから、変えてはいけないとは言わないが、変更した良さもわからず、最後までどうも不自然だらけだった。 ところで全くの余談だが、三木のり平と坂口良子の親子、のり平の清十郎が「お夏清十郎」であれば娘のお七は「八百屋お七」とは何と芝居じみていることか。もちろん映画の中に出てくる「娘道成寺」も [映画館(邦画)] 5点(2011-09-19 07:55:36) |
736. 天国にいちばん近い島
DVDに付いている特典映像、メイキングや監督インタビュー見たり聞いたりしていると、何となくこの映画の良さがわかってくる。 最初見たときは、何と薄ペラな映画だろうとしか思っていなかったのだが・・・。それにしても、何度もやり直しをしている原田知世やそれを暖かく見守る監督スタッフたち、共演者ら、それに独立運動の最中にあって協力を惜しまない地元の人たち・・・。 特典映像を見るまでは3点だったが5点に変更。 [DVD(邦画)] 5点(2011-09-14 22:28:42) |
737. 霧の旗(1977)
松本清張の好きな小説であり、倍賞千恵子の映画によってますます好きになった私は、当然のごとくこの映画も期待して見た。 山口百恵はデビューした頃は主に都倉俊一の歌を歌っていたが、この頃になると宇崎竜童の歌を歌うようになり、少女から大人の女性への変貌を遂げる。そしてこの映画でも、アイドル女優を超えた精一杯の演技をしていると思う。 しかし所詮十代の若さでは、大人の世界を操るには早すぎた。しかもお決まりの三浦友和、さすがにこの映画では役どころはないだろうと思っていたが雑誌記者としてやっぱり出てきた。こうなるとやはりアイドル映画の枠は超えられない。すぐれた作品であり、脇役陣もしっかりしているのに惜しい。 [映画館(邦画)] 5点(2011-09-11 11:38:29) |
738. 羅生門(1950)
《ネタバレ》 「わからん、さっぱりわからん。恐ろしいことだ」と言いながら、実は一部始終を見ている。私にしたら「何がわからんのか、何がおそろしいことなのか」と思っていたら、一緒に見ていた妻が「皆がなぜ嘘を言うのかがわからないと言ったのでしょ」と明快な答、なるほどと納得。人間のエゴがおそろしいのか。 グランプリ作品らしいが、私の好みではない。 [DVD(邦画)] 5点(2011-08-29 21:02:05) |
739. 南極物語(1983)
2頭の樺太犬タロとジロ生存のニュースは、当時小学校6年だった私もしっかり覚えている。それこそ瞬く間に日本国中に感動と驚きをもたらした。まさに「奇跡」であり、今で言えば、なでしこジャパンがサッカーで金メダルを取ったときのようだった。 それから二十数年後この映画が制作され、勤務していた学校の高校生らと一緒に学校鑑賞として見たのだが、感動は今ひとつ、やはり現実のニュースには遠く及ばない。 さらにまた二十数年後DVDで鑑賞し、撮影秘話(大変な苦労での撮影だったらしい)などを聞くと別の意味で感動した。撮影の大部分は他の土地で行われ、南極ロケはほんの一部分らしいが、それでもすばらしい大自然である。 私のこどもの頃は、米ソが競い合って人工衛星を打ち上げたり核実験を行っていた時代、国際地球観測年として戦後間もない日本も参加したのだが、米ソに比べると日本は大変お粗末なものであった。観測船「宗谷」は最新鋭の砕氷船どころか、老朽船に近い船を改装したものであり、氷をわる能力も米ソの砕氷船の5分の1以下だったらしい。毎年のように氷に閉じこめられ、米ソの砕氷船に助けてもらうという有様だった。 その辺の事情を知らないと、なぜ犬を助けなかったかを理解できないと思う。 [映画館(邦画)] 5点(2011-08-18 18:10:29) |
740. 夕凪の街 桜の国
いい映画に見えて、いい映画になりきれていないように思える。情感を大切にして淡々と物語っていく雰囲気は、私はとても好きであり、その点前半はまずまず。しかし後半がいけない。いっぺんに興ざめ、親父さんの行動も不審なものだが、それを追いかける娘たちの行動は何といいようもない。原作か脚本かどちらかがまずいのだろうが、監督かキャストかもしれない。現代っ子を表したのかもしれないが、前半の良さが台無し。 [DVD(邦画)] 5点(2011-08-10 13:36:21) |