Menu
 > レビュワー
 > かっぱ堰 さんの口コミ一覧。6ページ目
かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748
>> カレンダー表示
>> 通常表示
101.  オーライ 《ネタバレ》 
監督・脚本の安田真奈という人は「幸福のスイッチ」(2006)で名前を見たことがあるが、この映画はそれ以前の、現・パナソニック(当時・松下電器産業)の社員だった時代のものである。当時はまだ主要キャストとそれほど違わない年齢だったはずだが、その後は子育て期間を経て今も監督・脚本業を続けているとのことで、最近の作としては、小芝風花さん主演の近大マグロのドラマ「TUNAガール」(2019)というのがあるらしい(Netflixで見られるとのこと)。  この映画は20年前の低予算映画になるが、前記の映画と比べてもまだ習作のように見える。個人的感覚としては、まずは映画の紹介文に書かれていた主人公の現状が映像からは感じ取りにくかった。また他者の心をしっかり受け止めず、適当に流してしまったことへの罪悪感のようなものも出ていたようだがちょっと半端な気もした。 しかし終盤の燃えかすの場面で、主人公がその瞬間の思いのままに今なすべきことを実行し、そこから最後の題名の意味につながっていく流れは悪くなかった。また劇中芸術家の作品が、木で暖かみを出すという当初の手法から、金属(燃えない)でも同じように感じさせる形に変わっていたのは、作家の芯になるものを残しながら表現技法の幅を広げたという意味だろうから、この人物が2年間で確実に前を向いて進んできたことの証拠かとは思った。クリエーターの人は、何もないところからまた新しく作るからクリエーターなわけである。  キャストについては、監督が奈良県出身とのことで役者も関西方面が多かったらしく、主要人物4人のうち男2人は、自分としてもこの頃の他の関西映画で見たことがあったようである。女性2人に関しては、芸術家役の人が可憐で折れそうだが色気もある美女なのはなかなかよかった。また主人公(春日結)役の三嶋幸恵という人は、役者なので当然作ったところはあっただろうが、いわば素材を生かした料理法という感じで、ポスターのイメージとも違う実物の存在感に非常に惹かれるものがあった(惚れた)。男はどうでもいいとして、女性を魅力的に見せてくれる映画だったかとは思った。 そのほか関西映画らしい?可笑しみとして、電話での妹の態度には少し笑わされた。
[DVD(邦画)] 5点(2020-10-24 08:29:17)
102.  犬鳴村 恐怖回避ばーじょん 劇場版 《ネタバレ》 
本編を見てからなので期待感は全くない。 冒頭の説明通り、ホラー場面に手を加えて怖くないようにしたものらしく、コメントでドッキリを予告するとかキラキラの装飾とか、「イラストで表現します」と書いておいて「いらすとや」風の絵を実写に被せるといった加工をしている。怖さの緩和以外にも、観客が見落としそうな一瞬の映像を親切に指摘するといったこともしているが、しかし見所には全部コメントが付くだろうと思い込んでいると、序盤で立小便かと一瞬思わせる場面などはかえって見落としてしまいそうだ。ほか「応援タイム」というのもあったが観客の全員が沈黙していただろうと想像される。  ドラマ部分は変更がないようだが、しかしこんなふざけたホラーにしておいて、全体を真面目な顔で見ることなど初見の観客に可能なのかどうか。せっかくの物語を背景音楽やコメントが明らかにぶち壊しているところがある(主に2か所)。 逆に本編を見た者としては全編突っ込み入れまくりにして笑わせてもらった方がよかったが、ドラマ部分はほとんど加工がないのでそういう見方もできなくなっている。わずかに可笑しいのは「こんにちは、いぬです!」「失敗しちゃった笑」「ここは便所ちゃうで~」「電話かけたいねん」くらいのもので、これなら公式のギャグPVでも見た方がよほど笑える(鷹の爪コラボなど)。 一応全部見た結果として、これはやっつけ仕事ではないのかと正直思った。  なお同じ映画を繰り返して見た形なので、本体部分に関して改めて思ったことを書くと、 ○祖父宅から見えた山霧はいい感じ。祖父は全部わかっているが思いを押し込めている。 ○帽子の男は昔風だが渋味があってクールな奴だ。 ○海でなくて湖だという件は本編段階からあるとぼけた場面で、こういうのは「呪怨」以来のこの監督の持ち味である。 ○エンドロールの背景で空から現地へ迫る映像は迫力がある(行くな)。 ○主題歌がかなり心を打つ。これで鑑賞後の感情が支配されてしまう。 そのほか人物の関係で、奥菜恵の出演場面には注意喚起のコメントがついていたが、それ以外にも例えばファン向けに「三吉彩花ちゃんでたー!」と書いて盛り上げるとか、「宮野陽名ちゃんはSeventeen専属モデル。この頃まだ15歳!」とか紹介を入れるとよかったはずだ。ちなみに突撃バカ役の大谷凜香という人は、しつこいコメントのせいで小便娘ということがますます強く印象付けられてしまっていた。
[インターネット(邦画)] 1点(2020-10-17 08:22:35)(良:2票)
103.  犬鳴村 《ネタバレ》 
地元PRに使えるネタではないはずだが、現地の自治体が実名を出して特別協力していたのはかなり驚いた。県警名と車のナンバーも実在であるのに電力会社だけ架空になっているが、ちなみに現実の犬鳴ダムは県営である。 ストーリーはかなり説明不足に見えるので、欠落部分を勝手に補うと次のようになる。 ***** 村人は昔から周辺住民に忌避され恐れられてきたと想像される。ダム建設なら金と脅しで立ち退かせれば済むはずが、皆殺しにまで至ったのは会社の意向というよりも、この機会に忌まわしいものを一掃したい、という周辺住民の集団意志があったからではないか。その先頭に立った旧家に主人公の母が嫁に来たのは、憎むべき家系の廃滅または乗っ取りの意図が背後にあったと思われる。また今回の事件がきっかけで、それまで知らぬふりをしていた周辺住民も、まるで全てが旧家のせいだったかのように責任転嫁を始めたようだった。 事件のあと、旧家は家庭崩壊を免れたようでもあったが、しかし村人の子孫は確実に社会に紛れ込んでおり、その異能はやがて周辺住民の脅威になっていく恐れもある。そうするとダム建設時の虐殺も、社会の多数派たる周辺住民にとっては一理あったことになるか。あるいは大した脅威でもなかったものを、脅威のように言い立てて差別し迫害した多数派への復讐が始まるということかも知れない。 ***** 家単位で見ると憑物筋の特徴も出ていたようだが、村単位ではネット発祥の怪談「コトリバコ」や、欧州でのポグロム(イェドヴァブネ事件など)を連想させられた。ちなみに実在した犬鳴谷村はこれとは全く違うものであり、上記はこの映画限りでの解釈である。 個別の場面としては、若年女子が股間を黄色くして歩くのが衝撃的だった。白い服に映る映像を振り払おうとする演出も悪くなかったが、終盤のトンネル内の揉め事は早く終わらせろと言いたくなった。なおラストのトンネル映像が本物だったとすれば、ここが一番怖かった。  人物関係では、三吉彩花嬢は長身で美形の医師かと思ったら臨床心理士だそうで、女性っぽさは抑えていたがすらりとした姿には終始見とれていた。ちなみに劇中の子役はこの人の子役時代とは似ていない。また村娘役の宮野陽名という人は撮影当時まだ中学3年生だったとのことで、若いのにプロ根性があるようなのは感心した。ほか突撃バカ役の大谷凜香という人は、「ミスミソウ」(2017)でも悪役だったが今回またひどい役だったので、今後もどうか頑張って演技者として大成してもらいたい。逆さになった一瞬の表情は輝いていた。 [2022/7/23変更] 突っ込みどころの多い映画だが、「牛首村」までのシリーズ3作の中では最も総合的なエンタメホラーになっていて悪くないと思ったので点数を+1にしておく。エンディングの空撮とテーマ曲が心に残る。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-10-17 08:22:32)(良:2票)
104.  シライサン 《ネタバレ》 
小説版は読んでいない。 まず目に関して、失明してもその場では死なず、例えばバケモノだけが見える状態でずっと生きていかねばならなくなって絶望する、という話だったら怖いと思うが、今回はそういう趣向ではなかったらしい。また「〇〇」という言葉を20歳まで憶えていると死ぬ、という都市伝説のように、記憶が自分の意思で制御できないことは恐ろしさにつながるが、この映画ではその点は強調されず、呪いの開始時点を示すにとどまっている。 主人公が考案した対抗手段は独創的なようでもあるが、自分としては既に2011年の別の邦画ホラーで見たことがあり、正直またこれかと思わされただけだった。ただしその映画が、あからさまに観客を巻き込もうとする作りで悪意まで感じられたのに対し、この映画は遠慮気味でかえって意図が不明瞭になっている。エンドクレジットの「脚本…」には気づかない観客がほとんどではないか。 どうもホラーとして徹底せず、あえて怖さを削いでいるような微妙な感覚の映画だったが、ドラマの面では最後まで主人公男女が他人行儀だったのは悪くないと思った。特に男が善良そうで嫌味がないので、せっかく一度はつながったのに切れてしまった、という切ない心情を素直に受け取れなくもなかった。  その他雑記: ○真面目なホラーなら、わざとらしく声を作った小噺など披露しなくていい(怪談師志望か)。何でみんな話し方を真似するのか。 ○黒目がちなバケモノの顔は古代メソポタミアの男女像を思わせる。じっと見ることにどれだけの意味を込めてあるのかわからなかったが、とりあえず観客側も「映画一本分くらい」は気を散らさずにちゃんと見ていろ(エンドロールも)とは言われていたらしい。ちなみに複数のうち1人でも見ていればいいのなら便所には行ける。 ○主人公が読んでいた「民間伝承における死生観」という本のページをよく見ると、「死者の出た家で猫を飼っていた場合…」という同じ文章がなぜか二か所に書いてあるのは不気味だ。気づいてしまうと呪われる。 ○劇中時期が3/11の前後だったことに意味はあるか。あったとしても失敗している。 ○キャストに関して、主演女優は地味に見えるが印象は悪くない。江野沢愛美という人はモデルが本業だろうが今回は全体像でなく顔で見せている。また「地獄少女」(2019)にも出ていた仁村紗和という女優が個性的美女で目を引かれた。谷村美月さんは最後まで生き残る役だった。
[インターネット(邦画)] 5点(2020-10-17 08:22:29)
105.  うめく排水管 《ネタバレ》 
冒頭から「新型のウイルス」の感染拡大が語られるので、そういうのは洒落にならないからもうやめろと言いたくなるが、別に2020年の事態に悪乗りしているわけではないので文句もいえない。劇中の潔癖症の人物が手洗いをする際に、指の間を洗っていたのはリアリティがなくはなかった。 しかしその潔癖症の人物が「歩くWHO」だとか、そのWHOが「国境なきヒーローたちの団体」などと無責任に宣伝するのは世界を欺いて破滅させようとでもいう意図なのか。この映画自体が、表側のきれいなものと裏側の汚いもののせめぎ合いの話だったとすれば、国際機関にもその話を当てはめろということになるだろうが、この時点でそういうことまで意識していたかは不明である。  そのウイルス関係を除けば意外に原作に近いので、これはこれでいいと個人的には思った。変にラブストーリーを作り込んでいるが、結果は同じというかさらに徹底させたようでもある。汚いものはさっさと死滅させてしまえという気にはさせられるが、同時に見ている側(男)の被虐嗜好を刺激するところもないではない。 映像的には、技術的なことはわからないが安っぽいのはわかるとして、わざとらしく作った色付き映像とか管内の視覚イメージとか美女2人のじゃれ合いなど退屈を紛らわす要素は入っている。タイトルのところで背景と一緒に、人物が媚を売るような姿でうねっと丸まるのはよかった。ちなみに途中で歌が入るのは、この頃のトンデモホラーでそういうのが流行っていただけのことと思われる。  登場人物としては、美女姉妹の容姿がこのレベルだと申し分ない(大変結構だ)。あの両親でこの娘では実子とも見えず、優良ブリーダーからでも入手したのかと思わせる。姉役は「歌う本格派女優」で妹役はグラドルという違いがあったらしいが、妹役の方は「口裂け女2」(2008)にも重要人物で出ていたのは知っている。ほかに母親役の播田美保という役者は、「口裂け女0 ~ビギニング~」(2008)では奇怪な女としかいいようがない容貌だったが、今回はわりと普通で超個性派女優という程度にとどまっていた。 この監督の作を褒めるつもりは全くないが、今回は特に気に障る箇所もなかったのでそれなりの点をつけておく。2点くらいかと予想していたが倍増した。
[DVD(邦画)] 4点(2020-09-19 13:29:20)
106.  幽鬼<OV> 《ネタバレ》 
もとは「妖恋歌は一陣の風に」という題名だったとのことで、「幽鬼」よりはイメージが広がる名前だがますます意味不明である。ちなみにドラマCDも出ていたらしい。 映画としてはよくある安手のホラーだが、全体構成がかなり特徴的である。芸能事務所のタレント売り出し企画によくあるオムニバスホラーのようだが、実際はオカルト雑誌の投稿の再現映像を並べた形にして、そのうち一本が本筋につながっていくので純粋オムニバスではない。なお芸能事務所のタレントとしては、藤江れいな(主演、公開当時はNMB48)、溝口恵さん(吉川妹役、2017年「人狼ゲーム ラヴァーズ」出演)、笹丘明里(吉川姉役)といった人々がイトーカンパニー所属というのを確認した。 以下、一応オムニバスとして個別に書いておく。  【霧の中の死人憑き】 実体験として語られているが、壊れたものがいつの間にか直っていたとか半端な後日談など、単に投稿者が見た夢の話と思って間違いない。不採用で当然だが、ちなみに共時性の話とも取れる(ずれた正夢、過去との決別)。 【おまじない】 中2女子の投稿ということになっている。いたいけな少女が「殺す」などと不穏なようでいて、ほのぼの感も出ているので嫌いでない。早々にガセ認定されたので笑った。 【アパートの怪】 その辺のものが次々倒れる/崩れるよう仕込んであるのは可笑しい。投稿者がニヤリと笑うのは、創作小話ならともかく実話の映像化としてはウソくさく、後日談も取ってつけた感がある。結果的に不採用。 【蛇女の姉妹】 これが本筋。最初は再現映像だが、取材に行ってからの部分は劇中現実になる。投稿文で読んでいた時の人物イメージと、実際に会った時の印象が全く違う(演者も違う)のは面白い。よくある“田舎の怖い話”のパターンのようだが、劇中ではあくまで現実であり、東京まで被害が拡大するので怖がるべきである。なお蛇女(妹)の造形は「蛇女の脅怖」(1966年英)を真似ている。 【ひとり舞台】本編でなく特典映像。本筋とは無関係に、同じ出版社の他部署の社員が語るサイドストーリーになっている。言うほど怖い話でもなく、同僚に突っ込まれて終わり。  以上、よくある安手のホラーだが楽しいところもあり、またオカルトライターのお仕事映画も兼ねている。オカルトなめんな、という気概をもって頑張ってもらいたい。
[DVD(邦画)] 5点(2020-09-12 10:23:22)
107.  雨の町 《ネタバレ》 
見ている間じゅう原作がどうなっているのか気になって仕方なかった。やむを得ず読んだが、それ自体は何とか成り立ちえていた短編を、長編映画にした段階で破綻したようでもある。 まず撮影地に関して、群馬県中之条町の中心街は原作の町に近い気はするが、実際の出来事はほとんど山間部(旧六合村?)で起きており、また序盤で申し訳程度に天気雨が降ったものの、基本は好天の日のため題名のイメージにかなりそぐわない。撮影の事情を観客側が斟酌してやらなければならない状態になっている。 またこの映画独自の趣向として、現代の都会では自宅に安心できる場所のない子どもがいる、という社会問題を最初に提示したのは特に悪くなく、主人公が劇中の子どもらに同情する理由にもなっている。しかし一方で「カッコウ」という言葉が原作のような侵略者的な存在を思わせるため、可哀想な子どもというイメージとの整合が取れない。最終的には侵略テーマの雰囲気が強くなり、当初の社会問題はどこへ行ったのかという変な印象を残す。 そもそもバケモノの基本的性質が整理されていないようで気分が悪いが、あるいはこの映画では少年と少女の性格付けが違っていて、少年の方は原作通りの侵略者だが、少女の方は当初の社会問題に対応した映画独自のキャラクターだったということか。それにしても少女の元の家庭環境に問題があったようでもなく、主人公の思いに直接つながる存在には感じられなかった。結果的に何を受け取ればいいのかわからない半端な作りで、どちらかというと見て損した部類の映画だった(感想もまとめにくい)。  その他気づいた点として、 ○根本原因は何なのかという疑問を持ったまま解消されずに終わる印象だったが、それは「あまんじゃく」などという言葉を半端に出したためである。 ○少年少女がモンスター化するのは安直だ。オカリナも安直だ。 ○内臓がないというのも映画独自のことである。「内臓がないぞう」というオヤジギャグを言いたくなる。 ○成海璃子という人は「妖怪大戦争」(2005)に続き変な役をしているが、小学生にしては発育が良すぎるように見える。こういう少女が「お兄ちゃん好き」では、その方面の愛好者を狙ったように見えるがそういうことなのか。内臓がなくても女の子といえるのかと思ったが、あるいは内臓がない方が純粋な少女愛の対象かも知れない(突っ込み過ぎか)。
[DVD(邦画)] 3点(2020-09-12 10:23:18)
108.  海底軍艦 《ネタバレ》 
名前は海底軍艦だが実は陸海空の万能戦艦で、かえって普通に海上を航行する場面がない(黒と赤の塗り分けが無意味)。見た目は昭和じみて古風な気もするが、劇中の雄姿を見ればシンプルで精悍なデザインだと思わされる。 また怪竜マンダは目がネコなので、大写しの顔が出るとニャンといいたくなった。  物語に関しては、この当時なりに戦争を扱ったものになっている。愛国心など今の若い者には理解できないだろう、と言われた神宮司大佐の娘は、女優が1941.12.17生まれ(開戦のすぐ後、戦艦大和の竣工の次の日)とのことで、戦争中に生きてはいても、戦争自体は覚えのない人々が成人する年齢になって来たという感慨が当時の人々にあったのかも知れない。 それでも戦わなければならない場面というのは依然としてあるわけで、この映画に関していえば、まるで帝国主義時代の感覚で世界に覇権を拡大しようとする悪の帝国を国際社会は許さないということである。海底軍艦は国際連合の要請を受けて出動した形になっており、かつての日本海軍が世界平和のために役立ったというのはまことに喜ばしい。 ただし、ムウ帝国というのは人口何人だったのかわからないが、結局全滅してしまったらしいのは悲惨だ。再生可能エネルギーである地熱を高度に利用していたらしく、技術面で協力できれば人類社会に貢献できたはずだが残念なことだった。  人物の関係では、ヒロイン役の藤山陽子という人は正統派の美人女優のようで、特撮関係では「宇宙大怪獣ドゴラ」(1964)にも出ている。知らない間に娘がこんな清楚な美女になっていたのを見てもっと驚け、と神宮司大佐に言いたくなったが、その娘に大嫌いと言われてしまって大ショックという気持ちはわかる。 また皇帝陛下は小林哲子という女優で、劇中では高貴で高慢な顔をしているが、頬が結構ふっくらして、男と並ぶと小柄だったりして可愛く見える。終盤この人を連れ回して帝国の滅亡を見せつけるのは酷ではないかと思っていたが、やはり悲しい最後だったのは心が痛かった。 ほかに水着モデル(リマコ)役は北あけみという女優で、端役だがなかなかいいキャラクターになっていた。  ちなみに全く関係ないことだが、「ムー」といえば個人的には昔懐かしい雑誌の名前である。今も続いているとは知らなかったが、先日創刊40周年とのことで記念号を買ってみると「読者投稿 ムー民広場」というのがあって笑った。おれもムー民と名乗ってみたい。
[DVD(邦画)] 6点(2020-08-16 09:52:52)
109.  妖星ゴラス 《ネタバレ》 
企画段階で当時のSF作家がアイデアを出した、と小松左京氏が書いていたのを読んだ覚えがある。黒色矮星という言葉は実際にあるようで、劇中でも「老年期に入った太陽」と説明されており、造形物の印象と違って表面は気体(水素)という設定だったらしい。半径は地球より小さくても質量が6千倍というのは、当時の一般人の感覚からすれば意外な設定なのではないか。 こういう場合に最も現実的なのは逸らすことではないかという気がするが、劇中の人々もそのような考えではあったらしい。しかし質量が大きすぎて不可能だったため、結果的に逃げるというユニークな方法になったと見える。対策の開始から結果が出るまで時間がかかり、途中で正月が挟まるのがいい雰囲気を出していた(決戦前の小休止のような)。 特撮に関してはそれなりだが、南極の工事現場はかなり本物っぽいので感心させられる。また本邦初公開のジェットビートルが、ちゃんと怪獣を攻撃できる仕様だったのは安心した。この映画が1979~82年、「ウルトラマン」が90年代の話とすれば、これの改良型を科学特捜隊で使っていたと考えても変ではない。  政治面ではリアリティがあるともいえないが、隼号の尊い犠牲(万歳!)に応えられない政府や国民でなく、科学者主導で地球を救うというのが昔のSFらしい理想論かも知れない。偉い学者が徒然草を引いて、人間はいつの時代も目先のことに追われている、と語ったところで街の風景を映したのは「日本沈没」のような悲哀感を出していた。理系だろうが古典にも親しんでいるのは本物の知識階層である。 また宇宙省の長官(大臣でなく?)が、突然押しかけた若い連中を座らせて、ちゃんと話して聞かせたのはさすが人間が大きいと思わせる。「話せばわかる」とはこのことだ。しかしその「宇宙のパイロット」に関して、隼号はともかく鳳号はあまりにいい加減な連中なので呆れた。軍隊でないから規律が緩いのかも知れないが、今後は宇宙省も採用方法を見直した方がいいのではないか。  ほか女優陣では、ダブルヒロインの白川由美さんと水野久美さんが、冒頭で何と服を脱ぎ始めるのでドキッとしてしまう。いつも清楚な印象の白川由美さんも、この場面では女の子っぽく見えたのは和まされた。水野久美さんはお色気場面もあったりしたが(これ見よがしなので笑った)、幼馴染に見せる気安い表情が可愛いのは感激した。
[DVD(邦画)] 6点(2020-08-16 09:52:44)
110.  ふたりの旅路 《ネタバレ》 
ラトビア・日本の合作だそうだが、まとまりが悪い。 まず、場所がリガである必然性が感じられず、要は神戸市とリガ市が姉妹都市だから、ということで感覚的に正当化するしかない。観光映画という意味もあるようだが、ピンポイントの観光案内的で街全体としてのイメージが得られにくい。なお「ルンダーレ宮殿」は美麗だがリガにはない(南方約80km、リトアニア国境に近い)。 また着物の話かと思っていると、そのうち料理にテーマが移ってしまうのは変だ。着物+和食ということなら、ラトビア側からすれば要は「日本」だからと一括して問題ない??と思うかも知れないが、実際作っていたのは和食でもない。握り飯でも作ってみせればよかっただろうが米がないか。 ほかラトビア側からは人間の鎖(1989年)、神戸側は震災(1995年)の話題が出ていたが、6年も時間差があるものを同時期のようにごまかして語っていたのは無理がある。さらにいえば、日本側関係者が全て神戸の人間なわりに、誰ひとりとして関西弁を話さないのも何だとは思うが、まあそこまでは言わなくてもいいかも知れない。  監督・脚本はラトビア人とのことだが、悪い面で邦画くさいのが鼻につく。ドタバタじみた展開で見ている方が気まずくなり、またzutisだと何度言われても聞き取れないのは非常に苛立たしい。深夜の旧市街で、変な日本人が一人でしゃべっているなど近所がどう思うかと気が気でなく、また噛み合わない会話からとんでもない事態に発展していくのも素直に受け取れない。これは昭和の喜劇映画でも志向しているのか。 物語の本筋に関しては、何が表現したいかわからなくはない。主人公が独り言をいうようになった事情を聞くと心が痛いが、今回の旅行でやっと心の中の夫に向き合えるようになったらしい。また気に障るから怒鳴るなというあたりは、古い日本式の夫婦関係が表現されていたように思われる。「理屈っぽいかも知れないけれどもいつものようにね」というのは万国共通かどうか。 そのほかこの映画の最大の特徴は、日本を代表する名優の表情を大写しでじっくり見せることだった。良くも悪くもこの役者ならではという登場人物になっていて、人によってはこれが何よりの見どころかも知れない。あんな台詞が初めから書いてあったわけはないが、あとでからラトビア語に訳したということか。
[インターネット(邦画)] 5点(2020-08-08 08:57:27)
111.  サイレン FORBIDDEN SIREN 《ネタバレ》 
背景設定としては15世紀の出来事を発端にして、1976年の事件と29年後(2005年)の今回の事件がつながっていたことになっており、いわば八つ墓明神の祟りのようなものが一貫していたらしい。「赤い服の少女」の赤い服は、むかし疫病(天然痘)の患者が着せられたものかと思ったが関係ないか。また赤と疫病からは「赤死病の仮面」を連想するがだから何だということはない。ちなみに海底ケーブルの切断というのは確かに不気味だ(2003年、伊豆半島沖の初島)。  内容としては、最初から薄っぺらいので真面目に見ようとする気が失せる。南の島(設定は伊豆諸島付近だが撮影は八丈島)で、陽光がさしていながら陰のある雰囲気を出そうとしたようでもあるが、変な外国人居住区とか変な住民、変な像、変な儀式など上っ面だけ適当に作った感じなのは気が抜ける。煙草の銘柄がKYONだとかいうのは全く面白くない。 観客を飽きさせないよう見せ場をつないでいるようではあるが、何かあるのかと見せておいて結局何もなく肩透かしだとか、光過敏性発作を起こしそうな場面(DVDの最初に警告が出る)が延々と続いてだれるなど、それほど感心されられるところはない。最後に意外な展開もあるが、「まさに奇跡」と言い訳したり、こじつけじみた説明でごまかしたりするのでうまく騙されたという気もしない。 ただ光の明滅とか大音響など刺激的な作りなのは特徴的かも知れない。鉄塔の場面では、台詞がかすむほどのサイレンに代わって大仰な背景音楽が鳴り続ける中、空が赤くなっているのが見えたという趣向は悪くなかった。 そういうことで別に恨みはないが、好意的ではないので低い点にしておく。  なおキャストとしては、主演の市川由衣という人は19歳くらいで可愛く見えるが、今回また変な役をやっている高橋真唯(当時)も、この人らしい個性的な可愛さを見せている。ほかは可愛くない。
[DVD(邦画)] 3点(2020-07-25 08:25:41)
112.  呪霊 THE MOVIE 《ネタバレ》 
知っている人にはお馴染みの張江肇・鈴木ワタル両氏製作の低予算ホラーだが、これは割と早い時期のものということになるか。もとはビデオシリーズだったものの劇場版とのことで、短編3つのオムニバスになっている。 以下【 】内は話数、[ ]内は点数。  【Episode 1】約20分。意味不明だったが考えたくもない。主演の市川由衣という人は、この頃「呪怨」(2002)と「呪怨2」(2003)に「千春」役で出ているが、同時期にこんな便乗企画(名前が)のようなものにも出ていたということだ。[1] 【Episode 2】約16分。語る気にならない。下ネタが多い。「LUCKY LEGS」(ラッキー・レッグス)という美脚アイドルグループのメンバー6人が出ているが、当時どの程度の存在感があったか覚えていない。美脚というのは要は細いという意味か。[0.5] 【Episode 3】約30分。小学生の主人公とその仲間3人の話。少年時代の記憶を切り取ったようなノスタルジックな雰囲気で、スタンド・バイ・ミーとの関係でいえば“死体探し”ならぬ“幽霊探し”ということになるが、その上で悔いと思いを後に残す作りになっている。台詞や演技はわざとらしい気もするが、いかにも小学生男子の会話のようではあり、「もう言うな」「ごめん」というやり取りなどは悪くなかった。やはり下ネタが出るが、思春期に入りかけの男子連中の関心事なので違和感はない。 テーマとしては“死んだらどうなる”ということで、「丹波哲郎の大霊界」とは対極の認識が提示されている。要はデスノートでいう「無だ」ということだが、立花隆の「臨死体験」というのもあるので、恐れることはないとこの少年には言ってやりたい。[5]  元のシリーズがどんなものだったか知らないが、1と2を見ればこの程度のレベルだったとは知れる。しかし第3話は劇場版らしく時間も長く、結構心に残る出来だったため全否定する気にはならなかった。
[DVD(邦画)] 2点(2020-07-25 08:25:39)
113.  魚介類 山岡マイコ 《ネタバレ》 
2011年といえば、震災で多くの人命が失われた上に原発災害の恐怖に苛まれた年だったと記憶しているが、そういう時期にこういうふざけた映画を公開するのは不謹慎というしかない。ただし人というのは常に娯楽を求めるものであるから自粛していればいいともいえない。 映画の冒頭では、ナレーションと背景音だけで延々と聞かせる部分が長いので早く始めろと言いたくなるが、ここではあれだけの惨事をもう忘れかけたような世間への皮肉を語っていたようでもあり、また巨大生物の足音のようなものが響くのを聞けば、これはもしかすると「ゴジラ」(1954)で鳴らされた警鐘をここで再現してみせるつもりかとも思わされる。続く場面でも、主人公の「魚介類」がいつか哺乳類になりそうな台詞があり、「海棲爬虫類から陸上獣類に進化しようとする中間型の生物」のような正体が明らかにされるのかと期待させられた。 しかし結局その期待が実現したようでもなく終わってしまった。だから何だというのか。わかろうとする気にならない。  ほか全体的には、女子高生の格好をした出世魚という発想自体は悪くないので、もっと普通に面白くすればよかっただろうが何を面白がればいいのか全くわからない。役者連中のフリとかセリフとか顔つきが極端で、舞台劇を接写しているようなのが度を越して不快である。 これで一応はコメディらしいが、こういうことを言えば笑うはずだ、という共通認識が存在した昔の(田舎の)狭い社会でしか通用しないギャグのようなものを並べ立てても白々しいばかりである。だいたい「ゲゾラ」というのは一体何のことだ…個人的には知らなくはないが世間の常識とは全く思えないことを得意気にひけらかすオヤジ感覚は恥ずかしい。かろうじて椅子を食うというのは面白くもなくもなかったが、こういう陳腐な民族描写もそのうちヘイトと糾弾されるようになるのではないか。 ちなみにエンディングテーマの歌唱は心を打つものがあったが映画の中身とは関係ない。  キャストに関して、魚役(第1形態)の佐武宇綺という人は、少し前に「Re:Play-Girls リプレイガールズ」(2010)でわりとマシな役をやっていたのを見たが、今回さらにマシな役だったかどうかは何ともいえない。実質主演の高見こころという人も、これまで何度か見たことがあって次第に好きになって来た。今も多方面で活躍中らしいがもっと目立ってもらいたい。
[DVD(邦画)] 2点(2020-07-18 08:58:26)
114.  オッパイ星人 《ネタバレ》 
新規登録から15年間誰も書いておらず、「まだレビュー数0の作品」に時々出るので社会奉仕的に見る気になった。 製作上の意図としては「脱力ショートコメディ」だそうで、平均3分程度で全15話の小話集のようなものだがオチはあったりなかったりする。宇宙人4人と安アパートの部屋をCGで作っており、演者の顔だけ実写を貼りつけているが、顔だけなので実物のオッパイを見せる場面はない(そういうのは別のところで見た方がいい)。アドリブを多用した回もあったようだが、基本的には出演者が適当にしゃべるのではなく脚本担当者がいて、見た人間を笑わせようとして作ったらしいが笑えない。人類社会のほとんどに無視されて終わったのも納得だった。 内容について真面目に語るのも憚られるが少し書くと、第5話と第10話は最悪ではなかった。また第4話で、本国からの入電を読んでいる奴は最後に噴き出さなくてもよかった。  以下余談的に、今の若い人ならわからないだろうことを書いておくと、まずオープニングが昭和TV特撮のウルトラシリーズを真似たシルエットを見せていると思ったら、各話の題名が明らかに「ウルトラセブン」(1967~68)をネタにしており、どれがどれに相当するのか容易に特定可能である。第11話「正解は誰れのために」はネタ元の第30話「栄光は誰れのために」で、「誰れ」という変な日本語(送り仮名は不要)を使っているのをそのまま真似ているので少し笑った。 製作側の説明では、本来は全16話のところ「諸般の事情により、第9話は欠番」とされているが、これはその方面の団体などから糾弾されたというよりも、ネタ元のウルトラセブンで第12話が本当に欠番になったのを単純に真似たようでもある(問題にされるほどまともに世に出たとは思えない)。ただし本来の欠番の題名「遊星より愛をこめて」が、これの第6話「惑星より愛をこめて」で普通に使われているのはとぼけた感じである。 ほか宇宙人が安アパートに住んでいるのも、ネタ元のウルトラセブン第8話「狙われた街」のイメージかも知れない。1部屋に4人まとめて住んでいるのがいかにも外国人のようだった。
[DVD(邦画)] 1点(2020-07-18 08:58:22)(良:1票)
115.  地獄少女 《ネタバレ》 
マンガもアニメもドラマも見ていない。この映画で見た限り、「地獄少女」役がこの人なら少女である必然性もなく、制服姿も不要なので和装の超絶美女で通せばいいだろうと思った。 もっと殺伐とした話かと思っていたらそうでもなく、前半の物語では復讐の連鎖があっさり止まり(ただし事故物件が生じた)、後半では手前勝手な理屈で世界を破壊しようと企んだ奴が一人で滅んだのはいい結末だ。意外に人道的な映画という印象だった。  基本設定はよくわからないが、恨む相手に対面して直接殺害できるならそうすればいいだけなので、一般人が手を出せない相手(拘置所にいるなど)に復讐してくれる仕事人のようなもの、というのが地獄少女本来の役目らしい。ただし必殺シリーズとは違い、「人を呪わば穴二つ」の原則で厳しい歯止めをかけていると取れる(本人が直接殺してもどうせ地獄に堕ちる)。 地獄少女の立場としては、依頼されれば実行するのが基本のようではあるが、実行時に本音を吐露する場面もあり、また場合によっては再考を促すこともあったらしい。口上を聞けばこの世の悪を裁くのが本来の目的のようでもあり、そこに近づけるようその都度いろいろ配慮しているということではなかったか。非情なようでも決して無情ではないように見えた。  ところで主人公少女の末路について、結論的にいえば地獄に堕ちなくて済むと思われる。それは主人公が恨みを晴らすのでなく、自ら地獄に堕ちる覚悟で親友の生命を救おうとしただけだからである。それでは依頼の条件が満たされないので契約も成立せず、処罰はフリーライターに代行させる形にしたのではないか。ラストの場面でも、地獄少女(とカラス)が空から2人を見守っていたように見えなくはない。 この監督だからといって救いのない結末とは限らない??わけだが、何より観客側としても、この主人公が地獄に堕ちては絶対困る、という気持ちで考えることが大事だ。そのように見れば悪くない映画であって、エンディングの雰囲気も余韻を残した(縦書きと曲が古風でいい感じ)。  キャストとしては、玉城ティナさんが人間離れした恐怖の最強美女になっているのは見ればわかるとして、実質主演である森七菜(もりななな?)という人も、天然小動物系少女をベースにしながらいろいろ個性的な顔を見せている。しょうもない邦画ホラーではあるが、新進女優にとってはなかなかいい出演作になったのではないか。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-07-04 09:59:36)
116.  血を吸う粘土 ~派生 《ネタバレ》 
また見てしまった。派生というか続編のようでもあり、若手多数出演の中で黒沢あすか姉さん(監督の妻)が奮闘するフォーマットができつつある。 今回も主要キャストとして、講談社主催「ミスiD2018」の関係者6人が出ている。選ばれただけあって容姿も高水準の人を揃えていたが、揃い過ぎて劇中人物としては不自然だった。なお主演の藤井愛稀(ふじいいつき)という人は、さすが主人公なので一筋縄ではいかない個性的な可愛さを見せている(母親とも津田寛治とも似ていない)。 バケモノ造形は、今回は粘土の素材感にそれほどこだわった感じには見えなかったが、鳥を捕って食うのが面倒くさいのは印象に残った。最後は何が出たかと思えば結局これかという感じだったが、このとぼけた顔を見せなければこの映画でないということではあるらしい。 ほかに映像面では、今回は普通にアーティスティックなビジュアルで見せていると思ったら、結局最後は本来の泥臭い世界が現出するという趣向だったようでもある。ビニールカーテンを使った虚構空間とかは面白くなくもない。  ストーリーとしては12年後の話だったようで、前回の怨念は薄れてしまって惰性的に凶行を繰り返すのかと思ったら、最後だけ唐突に前回並みのスケール感で大惨事が起きていた。この騒動の元凶になったジジイはいったい何がしたかったのか。ちなみに前回イモムシ(モスラ)と思ったのはミミズだったらしい。 ほかに人間ドラマ的なものとして、今回は主人公を中心にした家族関係のテーマがあったように見える。実父への思い、それとは別に実母への思い、養家の娘との関係など複雑だったようだが、切れ切れなのであまり心に残らない。どうもそういうところが素直に受け取れない作りなので、次回は(あれば)改善願いたい。  以上いろいろ書いたが、面白くなくもないが絶賛するほどでもないという微妙な感じなのは前回同様だった。しかし今回は総体的な映像面の印象と、主人公の可愛さで前回+1点にしておく。 なお笹野鈴々音さんがどこに出るのかと思っていたら何と顔が見えていないではないか。スーツアクターになってしまったのか。せっかく出るのだから可愛く見せてもらいたい(共演者のブログのようなものに打ち上げ時の写真が出ている)。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-07-04 09:59:34)
117.  Re:Play-Girls リプレイガールズ 《ネタバレ》 
変なものを見てしまった。 本来はアイドル・グラドルなど若手女子多数を揃えて無人島で殺し合いをさせるだけの企画だったのだろうが、この映画ではさらに若年者の自殺という変に重たい問題意識で肉付けしており、その肉付けがまた変に分厚いので非常に困惑させられる。 そもそも女子高生が無惨に殺されるのを見て喜ぶ映画自体が人倫に反するわけで、同様の枠組みで生命の意味を語る映画としては「人狼ゲーム」シリーズ(2013~2018)の例もなくはないが、この企画に関しては最初から動機のいかがわしさが臭うようで素直に受け取れない。キャストが女子限定か男女混合かだけでも印象が違う。 最終的には真面目な意図で作られたことも否定し切れなかったが、しかしネット上にあった公式サイトの残骸のようなものを見ると、“アイドル映画で何が悪い”と開き直っていたのが癇に障ったので、ここは順当にアイドル映画としての点数にしておく。映画製作に良心など期待するものではない。 ちなみにロケーション協力の愛知県豊橋市のイメージ向上にもつながっていない。  キャストに関しては知らない人が多いが、主演の外岡えりかという人は別の映画でネコ役をしていたのを見たことがある。また遠藤舞という人も同じネコ映画その他で見たことがあったので、あらかじめ若干の期待もなくはなかったが出番は少ない。 以上2人は当時のアイドルグループ「アイドリング!!!」所属だが、ほかにメディア主催のタレント発掘企画(ミスマガジン、日テレジェニックなど)からの出演者もいて、うち3人はそれぞれに焦点を当てたメイキングDVDが出ていたりする(今も売っている)。10年前の時点ではそういう方面からの期待もあったらしい。 なお個人的にはチヒロ(母親と対立していた少女)役の藤沢玲花という人の顔が印象に残った。この人はもともと役者志向だったようで、これ以前から仮面ライダーとか「山桜」(2008)とかにいろいろ出演しており、短編映画「ワタシのすみか」(2011年、小澤雅人監督)というのは今もネット動画で見られる。現在はプライベートでご多用中のようだが女優としての活動も続けているらしい。
[インターネット(邦画)] 2点(2020-06-27 09:51:18)
118.  メシア 伝えられし者たち 《ネタバレ》 
2004/1/10に作品登録されてから誰も書かずに放置されていたので見てやることにした。 要はアクション映画だろうと思ったが、沖縄の島が舞台とすれば同じ監督の「無人島物語 BRQ」(2001)のように、無人島で殺し合いをするだけの映画かと思っていたらそうでもなく、それよりもう少し込み入った話を作ってある。撮影もその辺で適当にやったのではなく本当に沖縄に行ったようで、サトウキビ畑や亀甲墓、村落風景などがそれらしく映っている。 筋立てとしては、かつて琉球王朝に仕えた支配層の末裔に対し、虐げられていた一族が復讐しようとしたように見せておいて、実は単なる悪人だった(顔を見ればわかるが)ので滅ぼされた話である。しかしラストがどうなったのかが不明瞭で、また題名の意味も最後までわかった気がしない。一応考えてもわからなかったからには仕方ないので、考えたこと自体が野暮だったと思うしかない。  主人公は真面目で非力な女子中学生で、「あたしはもう大人よ」とは一応言っていたがまるきり中学生に見える。敵の首領があまりに迫力のある悪人顔のため、こんないたいけな女子が対抗できるのか心配させられるといえなくはないが、他はともかくこのヒロインが悲惨な目に遭うはずもなく、やる時はちゃんとやるので当然大丈夫なわけである。 主演の森田彩華という人は当時「美少女クラブ31」というもののメンバーだったとのことで、美少女というより普通の中学生っぽいのがかえって親しみを感じさせたが、終盤になると少し美少女寄りの姿を見せていた。また、たくましいのと細身なのと対照的な体格のアクション女優2人(清水あすか/浅井星光)が見せる本格的(多分)なアクション場面は見どころだったかも知れない。 それほど絶賛するようなものではないが、正直それほど悪くない印象の映画だった。
[DVD(邦画)] 4点(2020-06-27 09:51:16)
119.  東京喰種 トーキョーグール【S】 《ネタバレ》 
基本設定が間違っているというのは前回書いたのでいいとして、また変に被害者ぶるのが気に食わないが聞かなかったことにするとして、今回は変態男の変な生態や変な欲望の描写が長いのでダレる。それぞれ持っているはずの武器のようなものもほとんど一瞬出るだけで、基本はただのアクション映画になってしまっていないか。あらかじめ原作段階から馴染んでいる人々が見て、ここは違うとか突っ込みを入れるための映画という印象だった。 出演者に関しては、いたいけな少女(今回少し大人っぽく見えた)は序盤で顔を見せただけで退場してしまい、また前回は古畑星夏さんがやっていた役も別人になってしまっている。呆れたのは、今回は佐々木希が少し活躍する場面があるのかと思っていたら出てもいなかったことで、それなら前回の顔見せは何だったのかと思ったが、考えてみれば当時もプライベートでいろいろ忙しかったからか。 なお山本舞香という人は、本人がけっこう硬派なタイプとのことでこういう役も向いているということらしいが、顔を見ればやはり可愛いのはいいことだ。またその友人役の森七菜(もりななな?)という人も、フレンドリーでちょっと煩わしい普通の女子になっていて好印象だった。やはり友達は大事にしよう。  ちなみに雑談として、偏見かも知れないが個人的感覚では、12星座のうちで最も格好悪いのはカニ座だと思っていた。カニ自体に罪はないわけだが、多くの人がカニといえば食い物としか見ていないような気がして(自分の周囲だけか?)、例えば自分は獅子座だ、というほど誇らしげに言えない。食い物というより先に、生き物には生き物としての敬意を持つことが必要だ。
[インターネット(邦画)] 4点(2020-06-13 08:57:02)
120.  ういらぶ。 《ネタバレ》 
原作の少女マンガは読んでいない(いちいち書くまでもなく当然だ)。女子中高生というより中学生以下?向けの映画にまともにコメントするのも大人気ないが、見てしまったので一応書いておく。 小中学生くらいなら、何かのきっかけで関係が変になって直せなくなってお互い困るのはありそうだが、精神的虐待を続けて人格形成にまで悪影響が及んでいるのは異常事態である。男の立場でいえばこういう女子を「好きすぎる」などということはありえないが、これを男が望んだというなら愛情とは別次元の異常な性癖が原因と思うしかない。それでも最後だけは劇的に都合よく事態が好転するのかと思っていたら、結局は支配と隷属の関係が解消されたようでもなく、これでは何のための物語だったのかわからない。この先には破滅的な未来しか見えない。 世間一般の女子がこういうのを好むというなら別に言うことはないが(おれに責任はないが世も末だ)、ちなみにネット上の評判を見ていると、成年女子と思われる人々が普通に酷評していたので安心した。  ところでイケメンで客を集めようとする企画では、対象層の反感を買わないよう、その相手役をわざとイモっぽく見せて、結果として魅力の感じられないヒロインになってしまうということがあるのではないか。他の映画でも見たように思うが今回は特に、ヒロイン役の女優がどうも割を食わされているのではないかという気がした。 ほかの登場人物としては、個人的には役どころとしても外見的にも、玉城ティナという人を見ていると安心できた。また妹役の桜田ひよりさんは、極端で破壊的な人物役などお手のものだろうがやはり面白い(やかましいが可笑しい)。「肉食なんでー」「知ってるー」というやり取りは笑った。もう一人、同じ高校にいたさっぱりして感じのいい女子役は、知らなかったが小野莉奈という人らしい。この人は年齢的に最も高校生らしく見えた。 ほかに評価すべき点としては、壁ドンしたら回転したという意外な展開と、ヒロインが発するブタさんの鼻音だった。
[インターネット(邦画)] 2点(2020-06-13 08:57:00)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS