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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2524
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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161.  さびしんぼう
前半の暴走おバカ映画ノリと、後半の悲しい物語とが、きちんと1つの映画の中に同居していて、深い余韻を残す映画です。お父さんがお風呂で言う「人を好きになったなら、その人の欠点まで含めて全部好きになれ」ってセリフ、それがマドンナとさびしんぼうの、見えない部分に対する想いになってゆく流れは秀逸。甘く切ない、だけどおバカ映画としてもなかなかに高ポイントな映画なのでした。
[映画館(邦画)] 8点(2003-12-05 15:01:44)(良:1票)
162.  がんばっていきまっしょい(1998)
高校時代が遠い昔な私にとっては、この映画、過ぎ去りし日の青春の思い出という感じ。この映画が描いた世代に近い人間なモノですから、今の高校生とは違う、当時の高校生の雰囲気、モロにキました。今思えば明らかに「昔」の世界なんですよね。田中麗奈の、あんまり愛想ない、だけど凛とした表情が魅力的でした。試合シーンでの無骨な字幕に違和感があって、あそこはもう少しなんとかなんなかったのかなぁ、とは思いましたけど、全体的には私にとってふわふわと心地よく癒される映画でした。映画の世界に入りこんでいた私は、映画館を出た瞬間に広がった新宿の街の風景に、なんだかがっかりした事を覚えています。そして、この映画を見た10年前より新宿はもう少し更に大都会になっていて、この映画は更にもう少し昔の世界。
[映画館(邦画)] 8点(2003-11-30 14:22:21)
163.  回路 《ネタバレ》 
この映画を見たのは有楽町で、見終わった後、映画では誰もいなくなっていた有楽町の街、主役の二人が車で走った道を歩いてみました。そして人がいっぱいいた事に安心(あの細っこいマリオン脇の道をなぜわざわざ走ったのかはちょっと疑問でしたが)。淋しい、って感じる気持ちを人類滅亡レベルで描いてみせたこの映画、その原点は、迷子の子供の気持ちかも?って感じました。信頼してる人との繋がりが断ち切られる恐怖、心から依存している存在を失う恐さ。関係を繋ぎとめるために、安心していられるために、一生懸命コミュニケーションを試みているこの時代に、コミュニケーションが断ち切られる恐さ、依存できる人を失う恐さ、そして自分が忘れ去られる恐さを、ドン!と提示してくるこの映画は、見終わった後、考えれば考える程、恐さがじんわりねっとり湧き上がってきます。世界の全体像が描かれず、主人公達が見ている世界だけで展開するというリアリズムも(実のところ予算の関係だとしても)、いっそう恐さを盛り上げていました。オバケが恐い、って映画とはちょっと違う気がします。
[映画館(邦画)] 8点(2003-11-29 15:14:10)
164.  ウォーターボーイズ 《ネタバレ》 
バカが一生懸命な映画、っていうのはいいやね。アフロ炎上とか失神イルカ人口呼吸とか、本当にバカで大笑い、だけど、バカが最後にバカの感動で締めくくってくれて、「ありがとう、バカ!」って。自然な演技とは無縁の世界だけど、この映画にバカ以外の何を求める?みたいな感じで大好きです。バカばんざい!
[映画館(邦画)] 8点(2003-11-27 13:42:51)(良:1票)
165.  学校の怪談4 《ネタバレ》 
賑やかなドタバタを繰り広げた前3作とはガラリと趣向を変えて、日本の風景の中に展開する幽霊話となった今作は、『2』でチラリと感じさせた郷愁が前面に押し出されています。時を隔てて津波で死んだ子供達が救済される物語は、深い味わいを持って描かれ、良質な和風ファンタジーへと昇華されていると思います。これは本当に、「日本の映画」ですね。
[映画館(邦画)] 8点(2003-11-24 15:39:16)(良:3票)
166.  学校の怪談2 《ネタバレ》 
都会の子供、田舎の子供の対立から始まるこの映画は、1作目の、子供を楽しませるというコンセプトからもうちょっと進んで、大人にはちょっと郷愁を与える映画になっています。古い学校の佇まいは、おじいちゃん、おばあちゃんのエピソードと共に、子供にはちょっと判りにくい、感傷的な世界。今作も途中で展開が延々と空回りする部分があったのがちょっと残念ですが、時代に媚び過ぎていない良質な映画でした。
[映画館(邦画)] 8点(2003-11-24 15:30:36)(良:1票)
167.  病院坂の首縊りの家 《ネタバレ》 
最後の市川=石坂金田一作品は、色々と盛り込んでいた前作の『女王蜂』から一転、虚飾を一切排除した、鉛色に沈んだ映画でした。悪く言っちゃえば、とってもジミ。若い人々のドラマを中心にした事で、世代の移り変わり、去ってゆくものの淋しさを感じ、シリーズの終焉にセンチメンタルな気分。一貫して人の業と、その悲しみを描いたシリーズだけに、この最終作はその終わりに相応しいドラマを描いて幕を閉じたと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2003-11-22 14:08:13)
168.  獄門島(1977)
『悪魔の手毬唄』から一転、ブルーの海に島影が映えるこの映画は、シリーズ中でも最も明るい色調となり(音楽も明るめ)、軽いタッチの映画になりました。狂い咲く三人娘の描写も煌びやかでなんとなくユーモラスで、その分、モンペ姿の大原麗子は、ちょっとワリ食っちゃった感がありますが。前作からたった4ヶ月で登場したにも関わらず、急ごしらえ感は一切なしの、きっちり作られた一本となりました。原作のイメージからは離れていましたが(テレビの古谷一行版の方がずっと忠実でした)、市川=石坂金田一の楽しさをたっぷり味わえる一編でした。ただ、了沢が「シャア」なモノですから、『ガンダム』以降、この映画を見るたびに「小坊主なのにシャアの声・・・」って。頭の中で了沢に「今はいいのさ全てを忘れて」ってテーマソング付けちゃうし。
[映画館(邦画)] 8点(2003-11-22 13:45:44)
169.  バトル・ロワイアル
冒頭の、父親が「秋也ガンバレ」の文字を残して死んでいるシーンで「無責任な親」と思った瞬間から、この映画が言いたい事がどんどんと伝わってきて、見ていて心が痛い映画でした。反社会的な映画ですが、実のところ、青春映画の秀作なのではないかな、と思います。政治家がケチをつけたあたりも、なんとも象徴的というか、この映画にふさわしいエピソードですね。
[映画館(邦画)] 8点(2003-11-21 14:13:25)(良:2票)
170.  ゴジラ-1.0 《ネタバレ》 
 『ユア・ストーリー』で山崎貴監督許さん!状態なのだけど、それはそれとして『シン・ゴジラ』よりずっと楽しませて頂いたわ。モブ以外は政治家と役人と自衛隊員だけな『シン・ゴジラ』よりも民間人視点で怪獣を描いたこちらの方が好み、それはもう子供の頃から一貫した嗜好だしね。まあ主役は特攻隊の生き残りの復員兵だけれども。   今回のゴジラは基本『もののけ姫』よね。ゴジラは巨大生物と言うよりも化け物、妖怪、もののけ、タタリ神のような感じ。背びれを立てながら海をやってくるその顔、その目は微妙に生物感に欠けていて、大入道とかダイダラボッチみたいなイメージ。戦争を起こす人間に怒る破壊神ね。  一方で怪獣映画にしては妙にたっぷり描かれる生活描写。戦後の焼け跡のミニマムな地点から再スタートする人の営み。  それぞれに戦争を引きずるゴジラと一人の男の、戦争を終わらせるための戦い。怪獣よりも人間に寄った分、エンタメ感は不足気味かもしれないけれどレビューに毎度書いてる「怪獣と人間ドラマは水と油」って難点をそれでも両立させた怪獣映画としてこれまでで最高レベルだったと思うわ。  ドラマ部分の演技や映像の昭和感も時代を映してる感じで良かったと思うのだけどX見てると今風じゃないのが不満らしい人が多くてなかなか難しいわね。アタシには『シン・ゴジラ』のあの大量早口セリフの方がよっぽどヘンに思うのだけど。   で、ここからは難点を。山崎貴監督って節操の無さゆえの問題ってのがいつも付きまとう気がするのね。その最悪の結果が『ユア・ストーリー』ではあるのだけど。  連想される作品はいっぱい。『ジョーズ』『ターミネーター2』『ジュラシック・パーク』『インデペンデンス・デイ』『この世界の片隅に』『ファイナル・デスティネーション』『ダンケルク』。そして『すずめの戸締まり』。これは製作時期的に影響された訳ではなくて今の日本に生きる者が持つ共通の感覚から来てるのかしらね。  今回のゴジラはそれまでの自作の要素がたっぷりで(『三丁目の夕日』や『永遠の0』『アルキメデスの大戦』等々)、そこは上手くいってる面もあるけれど、でも『ヤマト』とはラストで決定的に矛盾するわよね? そういうのが彼の信用ならない部分なのよ。今回、自己犠牲を引っ張りながら最後に否定する、けれどそこまでに滅びの美学的なモノを漂わせちゃいませんか?って。日本大好き!っていうのは従来作から一貫してて、帝国主義や旧日本軍を否定するのは正しいとして、でもみんなで立ち上がってこの日本を守りましょう!みたいなナショナリズムの喚起みたいな面はアタシ的にはイヤなのね。もっと外向いていて欲しいわ。  あと多くの怪獣って歩いて移動するのだから「線」なのだけれども多くの怪獣映画が製作費やら脚本やらの問題で「点」になっていて、この映画はその怪獣映画の歴史の中でもかなりな「点」な映画で、そこが残念ね。   浜辺美波さん、以前からちょっと古風な佇まいのある、それゆえ普遍性を持った稀有な役者さんだと思っていたけれど、今回は時代設定にハマっていて彼女の魅力を生かしていたと思うわ。   でもあれこれと言いたいコトはありつつも大画面に映える骨太な、がっしりした映画を見たって感じがして満足したわ。
[映画館(邦画)] 7点(2023-11-05 10:41:20)
171.  BLUE GIANT 《ネタバレ》 
 絵作りや構成に疑問点がないワケじゃないのだけど、音の説得力で圧しきりねじ伏せられちゃった感じね。   主人公はいかにもマンガなの。天才の物語。努力して苦労して這い上がって昇ってゆく、そういうカンジじゃなくて努力はしてるけどそもそも最初の次元が違う、天性の才能を持った人ですよ、って状態で、だからそこはつまんないかな。マンガやアニメって受け手が自分では到達できないヒーロー的存在だからこそキモチ良くてウケるんでしょうけど。メンバーの他の2人に常人の努力家としての役割が与えられていて、だから引き立て役ではなくてもっとそちらを見せて貰いたい感じもあったのね。ピアニストの彼なんか後半フラグ立てまくっちゃってて可哀想だったわ。もっと大切に扱ってあげて、みたいな。   マンガ原作ゆえにエピソードがお団子状態、キレイに流れてなかったように思えるし(そのため?に回想形式にして予め結果、到達点を示してるのだけれど、小出しにしていてハンパだし、物語に対する興味をスポイルしてしまっていたように感じるわ)、演奏シーンでのCG状態は最近のアニメのロボットや宇宙戦艦、戦車かいなって思っちゃった。アレ、演奏をそのまま手書きで作画するのは作業的にほぼ不可能レベルだからプロの人のモーションをキャプってCGで再現してるのよね。でもなんだか動きがとても硬いわ。も少し細かくキャプらないとダメだったんじゃないかしら?  演奏中に音をサイケデリックなカンジで表現するのもなんだか湯浅監督のアニメみたいねぇ、って。ドラマ部分との食い合わせはイマイチじゃない?   それでも音でドーン!って。でも最初に彼が独奏してみせる音の凄さっていうのは正直なところ判らなかったのね。肺活量を誇ってます、ってだけの音に思えて(肺活量だけならアタシ6500ccあるので負けないわよ、って25年前の数字だけど)。それがピアノとドラムが加わっての具体的な音になってゆくと、ああ、凄いわ、って。3人の音がドラマを作って感動に繋がる、そんな映画だったわ。  音響を信頼してる新宿バルト9のドルビーシネマの箱でドルビーATMOSで見た(聴いた)ので本当にしっかり鳴ってて、なので説得力のある音で聴いたがゆえの感動、というのもあるかもしれないわ。  家のショボいスピーカーで聴いてたらここまでの感覚にはならないと思うので、これって音響の良い映画館で見るのが正しい映画なのかもね。
[映画館(邦画)] 7点(2023-03-14 16:03:05)
172.  かがみの孤城
 公開前なのでネタバレなし方向で。   最初に注意しておきたいのは学校でのいじめや無視の表現が結構バリエーション豊かにあって、その経験がある人はフラッシュバックを起こす可能性があるので気をつけて。もう何十年も前の経験だったアタシでもキツかったもの。あれって時間と共に薄らいだり癒されたりするモノじゃないのよね・・・   映画の中身についてだけれど、良い物語だと思ったわ。居場所を失っている子供たちに対して、ちょっと生きるヒントを与えてあげるような、決して甘くない世界だけれど、それでも道は見つけられる、そんな物語。誠実で丁寧な作りの映画。  物語には幾つかの秘密があって、進行と共に明かされてゆくのね。7人の最初の距離感ならともかく時間を経た上での関係性を考えたらそこまで延々気付かないのって不自然じゃない?って思うような秘密も複数あるのだけれど、それは作劇上、仕方ないと割り切っているのかしらねぇ。描かれる期間が割と長いゆえに7人が結びついてゆく時間も多いと思うのよね。意識し過ぎてしまうがゆえに逆に人との距離感を測るのが苦手なコたちゆえのぎこちなさゆえと解釈すべきかしら。   真面目に作られた映画なのだけれどちょっと物足らなさというか贅沢な注文を言ってしまうとアニメーションとしてのダイナミズムとか躍動感とか、そういうワクワクした感じに乏しいと思ったのね。原恵一監督は『クレしん』映画の時代にはそういう映像がいっぱい溢れていたのだけれど、それより後は誠実、丁寧、真面目の方は目立つものの絵が動いて楽しいって方面にはあんまり、みたいな印象。キャラクターデザインもアニメートも背景美術も決して悪くはないのだけれど、テレビアニメでも今はクオリティの高い作品が多いので、そこから映画として原恵一監督作品としての特別さというのは感じられなかったのね。   映画の中に存在する最も大切な要素、その場所やトリックや構造がいかにテーマを語っているのか、見終わってじっくり考察してみるのもいいかもしれないわ。
[試写会(邦画)] 7点(2022-12-20 15:00:06)
173.  MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない 《ネタバレ》 
 『カラダ探し』に続くタイムループもの。アチラがタイムループの繰り返し表現が少ないためにタイムループものとしての面白味が欠けていたのに対して、コチラは繰り返し表現がちょっとクド過ぎてゲンナリしちゃう感じがあって。ちょうどいいバランスって難しいわね。劇中で『ハッピー・デス・デイ』『オール・ユー・ニード・イズ・キル』、そして『恋はデジャ・ブ』に触れているくらいなので十分に研究してはいるんでしょうけれど。   でもコチラは「仕事」をテーマに楽しい映画に仕上がっているわ。   職場で繰り返されている一週間。映画の最初の時点で月曜日から同じ一週間を繰り返していることに気づいている社員が2人いて、いかにみんなに気付かせるか、そして原因と思われる部長に気付かせてタイムループから抜け出すかが明確になっていて。  全員がタイムループしてるって解釈は新しいかも。タイムループものって大体1人~3人くらいだけが時間の流れから取り残されてる、って設定のものが殆どだから。でも逆に2人(正確にはごにょごにょ・・・だけど)はみんなループしてるってどうして判断できたのかしら? ヘタしたら世界全体がループしてたのかしら? そこら辺は気にすんな、ってコト?   ヒロインが気付いてから映画が具体的に動き出すのだけれど、職場の序列に従って段階的に上に気付かせてゆく流れが面白く、部長に判らせるためにプレゼンしてみせるあたりは面白さの最高潮ね。ここはループの描写をキレイに省略、簡潔化して笑いに転化させていてお見事。そこで解決に至らず新たな展開になってからは少しシリアスになって映画の温度がちょっと下がっちゃった気がしないでもなく。  でもみんながループに気付いて同じ週を繰り返すうちにどんどん仕事が円滑に進むようになり「絵」も巧くなってゆく、協力して仕事を成し遂げてゆく感じが良いわ。   個人とチームとプライベートと仕事。この身近にして多くの人を悩ませる素材に対してこの映画が描いた姿は必ずしも正解とは言えないけれど(その理想はブラック企業的な面もあるわ)、仕事を生きる人たちには何かしら感じるモノがある映画ね。
[映画館(邦画)] 7点(2022-11-08 14:07:43)(良:1票)
174.  夏へのトンネル、さよならの出口 《ネタバレ》 
 『バズ・ライトイヤー』に続いてウラシマ効果モノ(こちらは特に物体が高速で運動している描写はないので相対性理論との関係は不明だけれども)。高校生の男女二人が時の流れから独立する、その二人の目指す道に違いが生じてゆくって点ではタイムループもののパターン的な面もあるわ。   ちょっと新海誠監督作品風味を醸していたりするけれど(雨がキーになってるし)、ありがちなベタベタした甘い描写はほとんど無し、モノローグでペラペラと世界や自分を語ってしまうこともなく、クールにタイトにまとまった83分ね。  二人にはそれぞれにシンドい過去があって、でもそれをドラマチックに盛り上げるのではなくて協力して不可思議な事象に立ち向かい冷静に探求・分析してゆく部分がメインになっているのが面白いわ。その上で二人の決定的な違いが明確になってゆくのだけれど。今を棄てられる主人公と棄てきれないヒロイン。  いつまでも過去に囚われず未来を生きる、ってとてもありがちな着地点に到達するものの、二人の間に生じたズレが新しいドラマを生んでゆくラストは単純なハッピーエンドではない、ちょっと苦い余韻を残すカンジね。   疑問点がないわけではなくて、転校早々のヒロインのやらかしは問題にならなかったの?とか(あれくらいだと停学とか退学とかってレベルよね)、主人公が到達して得たモノがそれまでと違ってああいうカタチだったのは何故?とか、主人公の携帯の契約は一体どうなってたの?とか。でも映画全体の印象に影響してしまうような大きな問題点というワケでもないし。  ただ、幼い子が命を失っちゃうって設定はたとえアニメでもシンドいわね。   語り過ぎない、盛り過ぎない、安直な結論に至らない、そんな抑制の効いたアニメだったわ。
[映画館(邦画)] 7点(2022-10-03 16:33:33)
175.  サバカン SABAKAN 《ネタバレ》 
  男の子2人、ブーメラン島まで当たり前のように泳いでいくのよね。えっ!?って。アタシ的にはめちゃくちゃ恐い映像。アタシ絶対すぐ溺れるわ。これだから都会モンはぁ、って感じ?  でも都会生まれから見ても地方の海辺の町を舞台にしたその世界にノスタルジーを喚起させられたわ。たっぷりと描かれる風景の美しさ、日本の良さが描かれた映画。   作家の男性が回想する少年の日のひと夏の冒険と別れを描いた映画、『スタンド・バイ・ミー』っぽいわ。冒険部分がメインのように期待しちゃうとちょっと違うのだけれど(冒険は映画の前半ね)、少年たちと世界との関わりが描かれてゆく流れが良いのよね。  2人の男の子はもちろん巧いのだけど、それ以上に彼らの生を彩る周囲の人たちが魅力的でいいの。パワフルで強い母ちゃんと母ちゃんに圧され気味だけど物分りのいい父ちゃん。多分あんまり演技してない、素が出てるカンジなのがとってもかわいい弟。莫迦っぽいけど恐い不良たちとかっこいい兄貴分。異様な雰囲気の駄菓子屋の夫婦。ちょっとセクシーな年上のおねえさん。執拗に追っかけてくるミカン畑のおやじ。大人の社会、若者の社会の中に触れて成長してゆく姿がユーモラスで楽しく見られたわ。   その分、友達の家庭に訪れる不幸が取って付けたような、いかにもこれこそ不幸な展開って状態で創作であっても嫌な感じがしちゃうのよね。お母さん一人で沢山の子供を育てていて、だけど事故でこの世を去って子供たちはそれぞれ親戚の元に引き取られてゆく、って邦画で昔から何度も何度も繰り返されてきた定番中の定番な悲劇ってカンジで。映画としてあのコたちにもっと愛を注いであげて欲しかったわ。エピローグ部分で一応救いが描かれてはいるのだけど。   同時期に『凪の島』という、やっぱり個性的な大人たちに囲まれた海辺の町に住む子供2人が冒険の旅に出ますって映画を見たのでのちのち印象ごっちゃになりそうな感が無きにしもあらずなのだけど、日本の風景、日本の人の暮らしを描いた映画をしみじみ味わうのって心が落ち着いていいわね。
[映画館(邦画)] 7点(2022-09-15 15:50:01)(良:1票)
176.  アキラとあきら 《ネタバレ》 
 三木孝浩監督の「記録と記憶の三部作」3本目。   大手銀行で東大卒エリート銀行員としてのし上がってゆく二人のあきら。町工場の息子、山崎瑛と大手海運企業の御曹司、階堂彬。情に厚い瑛とクールな彬、正反対な性格の二人が銀行のシステムに翻弄されながら成長してゆく物語ね。銀行の融資を決めるのは業績の数字、記録が全て、そこに情を持ち込むことで苦境に立ってしまう瑛なのだけれど、その情こそが困難を打開することになるのね。  彬の親が死に、弟が後継者となるものの、系列会社を経営する叔父たちの策略によって赤字経営のリゾートホテルの連帯保証をして窮地に陥る、そこから二人のあきらが活路を見出してゆく展開がスリリングに描かれるわ。  父が窮地に陥った時に見放した銀行員、手を差し伸べた銀行員、子供の頃の記憶から銀行員を目指した瑛は数字の記録だけでは突き破れない、人の過去の記憶を拠り所に突破口を開いてゆくの。   池井戸潤さんの作品らしい社会派サスペンスとカタルシスの世界で、三木孝浩監督作品らしさは抑え気味な感じはするのだけど、光と影を駆使した演出は変わらないし、それになんと言っても爽やかだわ。もう竹内涼真さんの爽やかっぷりが全編を貫いていて、ドロドロした物語のハズなのに妙に清々しいっていう。  そしてこれは爽やかキレイな三木孝浩監督作品に共通する意外な特徴なのだけれど、悪役が本当にイヤ~な空気を漂わせてるのよね。ヤクザとか出てくるとハンパなくて時に映画のカラーをおかしくしちゃうくらいで。この映画のユースケ・サンタマリアさんと大島さん(児嶋だよ!)が本当にイヤ~なヤツでタレントとしてのイメージに影響出ちゃわない?って心配になっちゃうわ。だからこそのクライマックスではあるのだけど。この映画では木島さん(児嶋だよ!)と塚地さんがお笑い畑の人なワケだけど『TANG』のかまいたちの二人とは全く次元が違う恐ろしい存在感で同じ監督であっちはなんでああなっちゃったかなぁ?って思ったわ。   無駄なく2時間ちょっとにまとまった映画はちょっと甘い印象もあるけれどそこに描かれた希望を肯定的に捉えたいわ。   平日昼間の渋谷のシネコンはアタシみたいな年寄りと10~20代前半の若いコ達に二分されていて、でもその若いコ達がみんなとっても静かに真剣に映画を見ていて、ああ、このコ達がこの映画を真面目に受け止めているってもしかしたら未来も少しは明るいのかもしれないわ、とか思っちゃった。
[映画館(邦画)] 7点(2022-09-08 20:51:43)(良:1票)
177.  キングダム2 遥かなる大地へ 《ネタバレ》 
 あら? 前作のレビュー書いてなかったわ。一応映画館で見たのだけど。個人的には「まさみ姐さん!たかお~w」って印象ね。それなりに面白かったのよね。でも今回はまさみ姐さん出てなさそうだったので、あーんまり食指動かなかったの。   だけどこれがまー面白いの!   前作のようなドラマは殆どなくて、ひたすら合戦なのよね。それなりにドラマがあるのは清野菜名さんの羌瘣くらいで。でも、そのドラマのなさっぷりが良かった、アクションに次ぐアクションで状況がどんどん変化してゆくのが面白いのね。  ハリウッドならば200億円くらいかかってそうな大スケールの中で大作感に圧倒されずにそれぞれの登場人物がしっかりキャラ立ちしてるの。もう戦ってばかりなのだけど戦闘の混乱と混沌の中に信、羌瘣、尾平・尾到兄弟、(カメ止め)澤圭の伍メンバーの命があって生き様があって。刀や槍を振り回して突き進む姿からこそ見えてくるモノが描かれているわ。  戦闘シーンの地理的な方向性が怪しいカンジはあったのだけれど(イマジナリーラインほぼ無視)、状況そのものは判り易く描かれていてひたすら合戦ながら単調にならずにダレ場ほぼなし。まあ信が傍観者になる総大将戦あたりはちょっと間延びしたかしら?   激しい戦闘の中で異彩を放って美しく舞う羌瘣がとても魅力的なのだけど、せっかくの清野菜名さんをもっとちゃんとキレイに撮ってあげられなかったのかしら? 随分老け顔に映っちゃってるカットが多くて、ああメイクさん、照明さん、カメラさん、どうした?みたいに思っちゃったり。そこは残念ね。  あとラストで山﨑賢人さん、吉沢亮さん、橋本環奈さんの3人がババーン!ってカッコつけてるカットがあるのだけど、嬴政と河了貂、今回殆どな~んにもしてないわよねぇ?  たかおは相変わらずヘンなたかおで大変良かったわ。   エンドロール始まっても最後の最後まで席を立っちゃダメな映画で、見終って続編はよ!ってなったわ。邦画でこれだけのスケール感出せるのって稀有ね。やっぱりCGを上手に使いこなせる佐藤信介監督ならではなのでしょうね。大作見た!って満足して足取り軽やかに劇場を後にできたのであったわ。
[映画館(邦画)] 7点(2022-07-28 20:19:07)
178.  犬王 《ネタバレ》 
 山田尚子監督の『平家物語』を見ていたお陰ですんなりと世界に入ってゆくことができたわ。『平家物語』のヒロインびわが見て触れて琵琶法師として語ってきた世界がここに語り継がれていて、ってまるで地続きのように見ることができて。   山田尚子監督の繊細な、静のアニメーションに対して湯浅監督は一貫して動のアニメーション。アニメーションの快楽は今回も爆発しているわ。  盲の琵琶法師ともののけの如き男がバンドを結成する物語、歌曲と舞踊が生み出す快感が画面いっぱいの絵巻として繰り広げられて。今に通じる青春映画のようでもあるわ。ただし、その背景には源氏に滅ぼされた平家の無常な世界があって、権力の介入による不条理な弾圧があって。  平家の亡霊を成仏させるたびに犬王が獲得してゆく人間らしさはまるで社会に摂りこまれてゆくようで、体制に反発し、あくまで信念を貫く友魚こそがロックな生き様を見せてくれるようで、二人の対比が最後には切なく迫ってくるわ。   ただ、ロックよりは琵琶や太鼓や鐘の音色のみで魅せて欲しかった感はあるのね。本来はそこに聴こえないハズのギターやベースの音がジャカジャカと入っていると、その音にこそレイヴ感が存在しているような印象を受けてしまうのよね。今の音に重ねる事で過去と今とを繋いでいるのは判るのだけれども、舞台装置も含めて今になり過ぎちゃってる、今の野外ライブを見てるのと感覚一緒、って感じになっちゃって。そこはもうちょっと工夫、音にも絵にも見せ方にも時代を意識させるデザインが欲しかったかな。  それから重要な歌唱シーンで肝心の歌詞が聴き取りづらかったのが残念。でもそれはハコの音響設備の問題かしらねぇ? 出力的には問題なかったのだけれども。  あと、中盤のかなり長いライブシーンはちょっとテンション維持できてなかったかも。そのアニメーションの暴走的な歪さは湯浅監督らしい、湯浅監督の魅力でもあるのでしょうけれども。   この無常なる青春映画、今に通じる表現についての物語、難点はありつつも楽しみ、そして考えさせてくれる映画だったわ。
[映画館(邦画)] 7点(2022-06-08 16:09:17)
179.  劇場版 呪術廻戦 0 《ネタバレ》 
 日曜の朝、神田沙也加さんの訃報にショックを受けて一週間でいちばん大切な時間「『プリキュア』見ながら朝ごはん」も味が全く判らず(コロナでなく)、何もやる気が起きなくて朝の9時半から夜の9時半までぼーっとアニマックスの『呪術廻戦』一挙放送を全部見てたわ。  それは伝統的なジャンプマンガフォーマットに最近のヤな流行りの人体欠損流血要素盛り盛りマンガでついでに『ハリー・ポッター』なカンジで(かなりスレたカンジのハリーとロンとハーマイオニーよね)、あんまり面白くなかったのね。もっともアタシは48年も前に『りぼん』『週マ』『別マ』に走って『ジャンプ』から離れてるので『ジャンプ』の何を語れるの?ってのはあるんだけど。   そんな状態でついでに『鬼滅』ボロクソに言ったアタシだから当然コレもボロクソに言いそうなモンだけれどこちらは楽しんだし面白かったわ。  何しろちゃんと映画一本で物語の始まりから終わりまで描かれてる、ここ大切ね。『呪術廻戦』の知識が一切無くてもこれ一作で楽しめる作りになってるの。  展開は早いし登場人物多いしエピソード盛り過ぎお団子状態で、もう少しゆっくり個々のキャラのドラマをじっくり見せて欲しいわ、とは思うものの、シネスコの画角に緩急、メリハリのあるアクションとドラマとスペクタクルの絵巻が繰り広げられて、映画見てる、って感覚をしっかりと感じさせて貰ったわ。   それに異形の者との純愛映画として『スタートレック』(ロバート・ワイズ版ね)『スペース・バンパイア』『パラサイト・イヴ』にも通じる(引用作品がイマイチ?)、クローネンバーグ的でもある物語を見せてくれてそれが感動的だったりして。  主人公・憂太は声だけじゃなくて性格的にもかなりシンジ君だけど正編の方の少年マンガ特有の最初から万能感丸出しな主人公・悠仁に比べると奥ゆかしく?って好感度高め。スクイブな真希姐さんは魅力的だしパンダ可愛いし。   あからさまに2曲の歌の尺に合わせた画面スカスカクレジットのろのろスクロールの長いエンドロールがウザかったのとマーベル映画的なエンドロール後のエピソードが???ってカンジだったけれど(アレで満席のお客さん達の余韻がヘンな事になってた気も)、洋画大作を蹴散らしてまで公開された事に怒りを覚えるような低レベルの作品ではなくてひと安心ってところ。
[映画館(邦画)] 7点(2021-12-26 11:17:45)(良:1票)
180.  サマーフィルムにのって 《ネタバレ》 
 ひと夏の青春物語、いいわよね。映画製作に賭ける高校生たちの姿は楽しくって愛らしくて。夜の体育館のシーンなんかあまりに楽しそうに青春していてこちらは逆に泣けてきたわ。出演しているコたちみんな活き活きとスクリーンの中に生きていて。   だけどラストシーンは監督とアタシとの間に「映画」に対する視点の大きな違いがある感じがして。  映画は撮影した瞬間から過去のものになってゆくわよね。永遠に閉じ込められてゆく過去。となるとそれまで映画=過去に固執していた主人公も未来から来たカレに対しても否定とまではいかないけれど、それじゃダメって言ってる気がするの。今を生き、そして未来を生きろ、ってコトで最終的に映画を棄ててる、映画を棄てたところから始まるような感じ。実際アレは映画から完全に離れてとても演劇的な世界なワケだし。それまで映画によって紡がれてゆく生のカタチを描いていながら最後は演劇としてオチる、その思考はなんていうか、現場主義的みたいな?  メインのコたちはともかく、あの場に「映画」を見に来ていた生徒達はアレで納得した、良かったのかしら? 本来は過去のモノとして完結しているハズの映画が止められて突如「今」がリアルに動き出す、それに置いてきぼりな感覚を受けなかったのかしら? アタシはモロに受けたのね。現場を生きてる、映画を生のモノとして感じてる人間からすればその感覚も理解可能なのかもしれないけれど、映画は出来上がったものが全てです、っていうアタシの視点からするとこれって激しい自己完結の物語に感じられちゃうのよね。そこに至って受け手はともかく送り手の自分は満足です、っていう。   やり直しの効く若さ、それはいいのだけど、映画はそのための踏み台? ならばそれはもはや映画じゃない他の何か、って気がするのね。まあ現実の世の中にも特別編とかディレクターズカットとかあるけどね。  コレって映画についての映画のように思えながら、映画を作る人についての映画なのね。その違いは大きいわ。そこに大いに引っかかって色々と考え悩んでしまったのだけど、でもそれはそれとしていい映画だと思ったのでこの点数。
[映画館(邦画)] 7点(2021-09-07 22:03:14)
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