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FSSさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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1.  ゲド戦記 《ネタバレ》 
※ 原作未読 ※  今さらですがレビュー。  とにかく登場人物の背景や行動原理が不明で、最後まで何の説明もないまま話が進み、勝手に大団円みたいに終わる。「世界の均衡が崩れた」とか、「光と闇ガー」とか、「生と死ガー」とか、そのまんまセリフで説明しちゃうセンスの無さ。そもそも何がきっかけで「世界の均衡」が崩れ始めたのかも不明。「世界の均衡」なんてそう簡単に崩れるものじゃないはずだから、余程のことが起こっているのだろうと思われるのに、肝心のその理由は曖昧なまま。そうした世界観の構築や背景描写がいい加減なので、世界がそんな緊迫した状況にあるように感じられない。ドラゴンや魔法の影響力がどれだけある世界なのかとか、魔法使いが毛嫌いされている理由とかも分からないまま。もっとこの辺はいくらでも上手く見せることが出来たはず。  アレンが父王を刺した理由も不明のままだし(これは原作に無いシーンらしく、吾朗氏が偉大な父親である宮崎駿を超えてやると言う意思表示のようですが、それならそれで、尚の事、きちんと父子の関係性などの背景を描くべきでは?)、魔法剣を奪った理由も不明。王様が無事なのかも不明だし、そもそも一国の王を刺したら王子と言えど無事に復帰できるとは思えないのに、アレンの後日談的なことにはまったく触れられないまま。  ハイタカも凄い魔法使いのくせにほとんど何の役にも立ってないし、「魔法剣」がどういう力を持っているのかも不明。クモの「不老不死を追い求める悪い魔法使い」というキャラ設定も陳腐すぎて、ボスキャラとしての魅力や凄みが感じられない。  極めつけはテルーがドラゴンに変身するラスト。いくらなんでも唐突すぎて( ゜Д゜)ポカーン。あとで調べたら「世界の法則が変わったから」という理由らしいが、法則が変わったら人はみなドラゴンになる世界なの?なんで?でも作中でドラゴンになったのはテルーだけだよね?なんで?ドラゴンと人間の関係は?テルーの親は人間なの?テルーはドラゴンとのハーフなの?などなど…。  突っ込みどころは他にも幾らでもあるが、とにかく問題はこれらの分かりにくさが監督による「原作の独自解釈」、「省略」、「説明不足」からくる突っ込みどころであるという点。  相変わらず芸能人声優の演技もヒドいですね。まだ岡田准一と菅原文太は感情の起伏に乏しいキャラ担当だから運が良い。棒読みの粗がバレにくい(笑)。一方、テルー役の手嶌葵とテナー役の風吹ジュンのセリフ棒読みがヒドすぎる。田中裕子も小声すぎて何を言ってるのか聞き取れない。香川照之も棒読みに毛が生えたレベル。その辺の素人さんでももう少し感情込めた演技するよ。この芸能人を声優として起用する悪習はいいかげん改めて欲しい。本業の声優さんに対して失礼だよ。それにしても原作者の人が気の毒になる出来だった。
[DVD(邦画)] 0点(2017-12-30 17:33:04)(良:1票)
2.  ドッペルゲンガー 《ネタバレ》 
内容的にはタイトルズバリの映画だけど、単にドッペルゲンガーが死を予兆するという、ホラー的な展開ではなく、その人間の内面に密かに息づく二面性が具現化し、本人との対話を果たすという、まさにフロイト的アプローチを試みた作品。そこにこれまたいかにも黒沢監督らしい、ホラーともサスペンスともコメディともつかない独特な世界観で味付けされた映画。  「自分にウソをつかずに生きること」を主題に据えつつ、思うがままに欲求をさらけ出す行為のリスクとリターン、また自分の内面を否定し、押さえ込もうとする行為の意味を見つめ、そのふたつのバランスの取り方を考えさせられる。大きなリスクを取らず、自分の内面を押さえ込んで終わる方が良いのか、リスクを取る代わりに自分に正直に生きた方が良いのか。もうひとりの自分も他ならぬ自分自身であり、自分から生じたものは、「正邪」含めて、すべて自分が受け入れるくらいの器と余裕が無いと、人間として危ういのかも知れない。  ただ作品の評価としては、「設定だけ考えて、あとは成るがままに撮った」といった印象が強く、少し散漫。展開に緩急が無く、これと言って意外性のあるオチも無し。ドッペルゲンガーに翻弄される人がもっといれば面白くなったかも。惜しい。
[ビデオ(邦画)] 6点(2007-08-16 18:44:29)(良:1票)
3.  デビルマン 《ネタバレ》 
真の駄作。とにかく「映画製作において、やってはいけない事の集大成」。超スーパーミラクル反面教師。  どんなド素人が作ったって、「デビルマン」に対する理解と愛情があれば、ここまでヒドい出来にはならない。断言できる。原作に忠実だったのは登場人物の「名前」とアキラ君の「Tシャツのデザイン」くらい(笑)。いや、笑えない。  「デビルマン 糞」で検索すれば、いくらでも感想は出てくるので、ここで私がいまさら書くことも無いが、映画そのものの感想よりも、それ以前の疑問として、何故、こんなプロ意識の欠如した映画監督に、またよりにもよって原作版「デビルマン」の映画を撮らせようなんて話になったのか???私が分からないのはそこ。この監督の撮った他のクソ映画を見れば、そんな大役をまともにこなせるような「才能」も「センス」も「やる気」も無い事は、今までの悪しき実績から明白なんだからさあ。上層部の馴れ合いと、いい加減な製作姿勢のおかげで、稀代の名作漫画がひとつ穢されてしまった訳で、こんな映画が「デビルマン」として世間に発表されている事が日本人として恥ずかしいし、原作ファンとして非常に憤りを覚える。  主役二人の演技が学芸会以下なのも、ミキちゃんがショートカットじゃないのも、冨永愛が生乳どころか、作り物の乳すらつけるのを嫌がってシレーヌのイメージが壊れたのも(そんなに嫌なら始めからシレーヌ役なんか引き受けるなよ)、すべての責任は、そういう原作無視のキャスティングを組んだ監督を始めとする上層部にこそある。  この作品に価値があるとすれば、映画を作るには何よりも作品に対する「愛情」と「理解」こそが大切であると、その無残な姿を世間に晒す事で訴えた事だろう。  「映画製作において何をやったらダメなのか」。  これを見るだけで、そのすべてが分かる。世のクリエイター全員が後学のため見る必要あり。
[DVD(字幕)] 0点(2007-08-16 18:25:27)(良:3票)
4.  GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 《ネタバレ》 
アニメーションの表現技術は素晴らしいものの、作品全体が「表現と思索の実験場」と言った趣で、恐らく原作やテレビシリーズを見ていない人は置いてきぼりだろう。  「情報化社会における個の喪失と再確立」という哲学的なテーマも、そこに共感出来ない人にとってはツライものがあるだろう。  ただ、「私って何?」という、どんな人にも大抵は共通する普遍的なテーマであるだけに、もう少し監督の自己満足よりも「娯楽性」を意識した分かりやすい作りにして欲しかった。  何より残念なのは、なまじ今作は話題性ばかり先行してしまって、普段アニメを見慣れない人が興味本位や偏見込みで見て、「理解できないから駄作」と評価してしまうケースが多いこと。テレビシリーズの方は劇場版とはストーリーや世界観が少し違い、物語の背景に社会的なテーマを含ませており、非常にレベルの高いものになっている。アニメ版を未見の人は偏見を捨てて見て欲しいところ。
[DVD(邦画)] 8点(2007-08-13 01:17:36)
5.  ギミー・ヘブン 《ネタバレ》 
せっかく「共感覚」という面白そうなアイデアを盛り込んだのに、それがミステリーのギミックとしても、テーマとしてもほとんど機能していないのが最大の欠点。  さらに肝心の脚本構成は文字通り「話」になっていない。陳腐で恥ずかしいセリフ回し(「君はオレが守る」とか「君の目は好きだったビー玉に似てるんだ」etc.)、センスの無いネーミングの数々、ダラダラとした展開、説明不足な人物描写、「共感覚」を表現するためのビジュアル面での演出不足、説得力に欠ける殺人の動機etc.etc...。坂本裕二氏は映画「世界の中心で、愛を叫ぶ」の脚本担当らしいが、はっきり言ってセンスが古いと言うか、感性がベタ過ぎると思う。  あの少女が共感覚を持つがために、誰とも分かり合えない孤独から人を殺すというのは、まあ分からないではないが、なぜ養父を次々に殺すのかが意味不明。虐待されていたとか?いまいち分からない。  また、新介が好きなら、なぜ貴史について行く?はっきり断っておけば殺す必要すらないじゃん。むしろ邪魔なのは恋人の方でしょ。それに貴史があそこまで彼女に惚れ込む理由もはっきり描かれているわけではない。  他にも適当に逃げた先の廃墟に監視カメラが取り付けてあったり(しかも貴史がどこに逃げて行くかも分からないのに、ちょうど見やすい位置にあるw)、「ピカソ」がプリペイドの携帯電話の番号を知っていたり、暴力団とどう関係しているのかとか、あのゲームをやっているとなぜ死にたくなるのかとか(あんな単調なクソゲーをトリップするまでやり込むわけないだろw)、突っ込みどころは数知れず。凄腕のハッカー(クラッカー)とか?とにかく基本的に設定の荒さが目立つし、人物描写も薄っぺらい。  音楽の使い方は悪くないし、「共感覚」のアイデアさえ作中で上手く活用出来ていれば面白くなる潜在力はあったはずだけに惜しい。脚本ですべてダメにされた感じ。
[DVD(邦画)] 3点(2007-08-10 23:55:54)
6.  幻魔大戦
小学生当時、映画館に見に行って衝撃を受けた作品だが、リアルタイムで見るのと、今見るのとでは、これほど印象が違って感じられる作品も珍しいかも。まあ、当時の時代の空気感の中で見ないと、単に古臭いだけのアニメに思えちゃうのも無理はない。  当時はあのリアルなキャラや、壮大なストーリーに衝撃を受けたが、今見ると、さすがに絵には古さが感じられるし(まあ二十年も前なんで当たり前だけどw)、基本的に作画レベル自体も高いとはいえない。大友氏のキャラデザも垢抜けないし、それぞれのキャラの活躍や見せ場も少ない。ストーリーも壮大な割にはいまいち盛り上がり切らず、テーマも描き切れずで中途半端。  ただ、これをリアルタイムで見た人は、一度は「絶対零度!」って叫んだ経験が、それこそ絶対にあるはずw。最近のアニメや映画には、あまりこういう感覚を共有できる「何か」を感じないのも確か。なんてコトを思いつつ、当時を懐かしく思い返した。ローズマリーバトラーの主題歌も最高。カセットテープで持ってたな~。  実質的には6点くらいが妥当だけど、当時の「思い出」込みの点数と言うことで8点献上。
[映画館(字幕)] 8点(2007-08-10 23:45:19)
7.  THE END OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に 《ネタバレ》 
『エヴァに出てくるセリフや伏線等で無駄なものはひとつも無い』。  この前提で見る事が基本中の基本。  確かに製作者の意図を離れていたり、説明しきれずに破綻している伏線もある。しかし「マルホランド・ドライブ」などの評価もそうだが、「理解出来ない=駄作」と即断してしまい、作品内に配置された謎や伏線を自分から積極的に解釈していこうという意欲が無いと、この作品の意外な奥深さや面白さを発見出来ないのも確か。しかしそれではあまりに勿体無い。  私も最初は「完全に破綻した」と思ったが、色々な本やサイトを参考に解釈した結果、謎に解釈を摺り寄せるようなマネをする事もなく、ほとんど全ての謎はすっきり理解できた(本は北村正裕氏著「エヴァンゲリオン解読」がお奨め)。  一見、破綻しているとしか思えない内容も、きちんとした知識と想像力を持って解釈すれば、設定やストーリーはもちろん、使用されるセリフや専門用語以外にも、各タイトルやキャラ名、シーン毎に使われる音楽に至るまで意味があり、その演出が齎す効果のあらゆる部分に監督の計算が浸透しており、決してデタラメな作品ではない事がよく分かる(使途とは何か、人類補完計画とは何か、ゼーレとゲンドウの目的の違いとは、レイは何者か、何故シンジはアスカの首を絞めるのか等、全て説明可能)。  ただそこまで理解したり、謎解きを楽しむには、この作品に対する愛着だけでなく、宗教や哲学、オカルト、神話、雑学的興味なども含め、相当の知的好奇心が必要とされるので、そこまで付き合えない人がいるのも仕方ないかも知れないが、あらゆる意味において強烈な印象と影響を残す歴史的傑作であった事に疑う余地は無い。OPだけでも一冊本が書けてしまう位の情報量が詰まっている作品なんてアニメに限らず前代未聞だろう。  この映画の公開直後から現在に至るまで、監督の妄想や裏切りと糾弾する人は多いが、それはこの作品を従来の普通の「ロボットアニメ」の感覚で見ているからだろう。例えば、やろうと思えば、ラストもシンジが大活躍して、量産機を倒しまくり、皆の魂を救ってハッピーエンドとする事も出来たはず。しかしシンジを「人類を守るヒーロー」にせず、とことん人間の内面や他者との付き合いに悩むキャラとして描き、「アイデンティティの追求」に徹した事に、この作品の意義があるのだ。
[映画館(邦画)] 10点(2007-08-10 23:32:58)(良:1票)
8.  親指さがし 《ネタバレ》 
<原作未読・映画版のみの評価>  まあ、都市伝説でも、怪談でも、ネタは何でもいいけど、ホラーやサスペンスといったジャンルにとって大事なのは、やっぱり設定を生かす「演出」だね。こればっかりは監督にセンスが無いと、どうしようもない。そう言う意味でも色々と突っ込み所が多い作品。  普通、ホテルの廃墟跡で子供が遊んでて行方不明になったら、家出と結論する前に子供が入り込んだり、落ちたりしそうな所を集中的に探すだろ。そもそもなんで知恵は由美子が通気口に隠れた事を警察に言わなかったんだ?別に落ちたのは知恵のせいじゃないんだから、言わない理由が分からない。由美子に嫉妬していたからとか、ふざけて押したら落ちたとか、何でもそれらしい理由は付けられるはず。  だいたい由美子が死んだのは100%本人の自業自得。助けられなかったどうのという以前の問題。幻覚を見るほどに自責の念に駆られたりする原因としては無理がある。  武の背中の手の跡にしても、作中で扱うなら、落ちていく由美子が掴まろうとして引っ掻いた傷跡だったとか、必然性のある理由ならいくらでも考えられるだろう。この辺の設定の甘さが突っ込み所として目立つ。  演出面にしても、ボイスチェンジャーで変えたような太い声で「オヤユビヲガエゼ~」と言わせたりするところに、監督の恐怖演出に対するセンスの無さを感じる。この地点で見る気が失せる。実際、登場人物の演技なども、監督の演技指導を含めヒドいもの。  綾の舌っ足らずな喋り方にイライラさせられるし、小学生の頃の「由美子がいなくなったら探してくれる」「うん、絶対に探して見せるよ」なんて恥ずかしい会話にもセンスが無い。お互い好きな相手だけど、告白はできないでいるって程度に匂わせとけばいいんだよ。  また、序盤では誰かの悪戯かも知れないのに、その検証もせず「このままじゃ、あたしたち殺されちゃう~」と早々にパニくってるのにもシラけさせられるし、信久が公園のトイレで殺されるシーンにしても、何故あんなに不気味な公園のトイレにわざわざ入っていくのか分からないし、智彦が武に襲われるシーンでも、どうしてスコップを投げ捨てるのか等、いちいち行動や言動に納得の行く必然性が無い。  当たり前の話だけど、やはり脚本や演出にセンスが無いと、作品全体の説得力も無くなる事をこの作品が証明している。
[DVD(邦画)] 3点(2007-07-16 13:32:16)
9.  日本沈没(2006) 《ネタバレ》 
<原作・オリジナル版未見。今作のみの評価>  こりゃヒドい。内容はまさに「ドラゴンヘッド」+「アルマゲドン」。オリジナル未見なので先入観を持たずに見たつもりだが、それ以前の問題。とにかく人間描写から演出全般、登場人物のエピソード、セリフ回しに至るまで、全てが陳腐でセンスが無い。「ヒナを助けようとしてあなたまで落ちちゃって」とか、「命より大事なものがあるの。人を好きだっていう気持ち」とか、「オモチャを取り上げられた子供みたいね」とか、「溶岩でもんじゃを焼いて食っちまえばいいんだよ」とか、「君に会えて良かった」とか、どうしようもないセリフのオンパレード。  感動演出も露骨で押し付けがましい。自分の弱さを吐露する玲子の口をキスで塞いだり(このシーンはマジで寒気が走った)、死ぬ決意を持って別れたのに、ヘリに乗り込むところでまた玲子と会わせてダラダラと抱擁シーンを見せつけたりと、今どき少女漫画でもやらないような寒々しい三文メロドラマにウンザリ。クドくなってるだけだって、何で分かんないの?監督さん。「草彅と柴咲のラブシーンを増やしましょうよ!」っていう芸能事務所からの圧力?感動させたいなら、ヘリのシーンは間に合っちゃダメだし、間に合わせたいなら前日のテントでのシーンは不必要。  まあ、無関係な美咲を助けて自分の着ていたジャケットをかけてあげるという押し付けがましく記号的な偽善的導入シーンから、その後、惹かれ合う理由も無いのに恋愛ドラマが展開されるシーンに至るまで、だいたい予想はついたが、ここまで演出全般にセンスが無いとは思わなかった。  草彅剛を始め、メイン登場人物の演技もヒドいけど、これに監督の演技指導やセリフの陳腐さが拍車を掛けている(豊川悦司がパソコンのモニターを「ふざけんな~!」と殴るシーンには大爆笑)。  おまけに日本は沈没しないというオチ。リメイクに当たって解釈を変えるのは良いとしても、コレはどう見ても、製作サイドの「アルマゲドンみたいにしたらウケるよね。大作っぽいし」というアホで自己満足的変更に過ぎないだろう。  本当は0点だけど、CGや特撮担当のガンバリに敬意を表して、せめて1点献上。 
[DVD(邦画)] 1点(2007-07-04 14:27:36)(良:1票)
10.  稀人(まれびと) 《ネタバレ》 
「呪怨」とは違う方向性を目指したいのかも知れないが、ホラーとして実に中途半端な作品。「恐怖とは何か」というテーマに囚われ過ぎて、自家中毒を起こしているように思われる。  とにかく恐怖演出を含め、作品全体の方向性が不明瞭で、結局、何がメインに見せたいのか、最後まで伝えきれずに終わっている。原案が監督とは違うようなので何とも言えない部分もあるけど、アイデアが具体的な形になっていないのに作り始めて、そのまま何とな~く惰性で最後まで行ってしまったような印象を受ける。  内的な恐怖と外的な恐怖が混然となっている事に加え、主観視点と客観視点が混在しまくる妙なカメラアングルのおかげで、余計に作品としてのまとまりが感じられない。謎もはっきりしないまま放置されているものが多いし、登場人物にベラベラと陳腐で説明臭いセリフを喋らせ過ぎているのも難点。  それにしても、この監督さんも、有名になるのとは反比例するかのように、OV版「呪怨」→劇場版「呪怨」→「稀人」と、ホラー映画としての質が目に見えて低下している。  始めからホラー監督としての才能は無かったのではないかと疑ってしまうくらいの凋落ぶり。ギャグ漫画家が辿るように、ホラーというひとつのジャンルの表現にばかり気を取られ過ぎて、「何が怖いのか」とか、「お客が何を望んでいるか」という常識の柱を見失っているように思う。  もっと単純に「カメラを通した冷めた視点」で都市伝説を追っていくという見せ方にした方がまとまりもあるし、よほど恐怖の本質に迫れると思うけどなあ。  一度、ホラーというジャンルや商業主義的発想から離れて、表現者として何がやりたいのかという原点を見つめ直して欲しいところ。
[DVD(邦画)] 2点(2007-07-02 16:49:23)
11.  猫の恩返し 《ネタバレ》 
お手軽な展開やノリが悪い訳ではないけど、いかんせん盛り上がり所が無いのが致命的。テレビ放送で改めて見ても、この印象は変わらず。  特に肝心の「猫の国」に行ってからがつまらない。まるで世界の「広がり」や「空気感」を感じられない「箱庭」のような狭苦しい世界観にはがっかり。背景などは文字通り「書き割り」にしか見えない。原因のひとつは背景の描き込み不足。ディテールに拘らない水彩画のようなタッチで、あまりにさらっと描かれ過ぎているので、実際にそこにあるような実在感や存在感が弱いのだと思う。  ストーリー展開もファンタジーを免罪符に中途半端に「何でもアリ」にしてしまっているので、一番の山場であるはずの猫の国からの脱出シーンにまるで緊迫感が無い。特にあの迷路と塔のシーンがあまりにも適当すぎ。頂上まで上ったら何故か空の上で、そこから飛び降りれば現実世界に戻れるという展開にも納得できる理屈や必然性が何ひとつ無い。  一見、スピード感があるように見えるが、それはテンポが良いのではなく、単に上映時間の短さから「端折られている」だけのこと。だから終わってから印象に残るものが何も無いのだろう。  確かに「ナウシカ」や「ラピュタ」のような大作と比べるのは酷かも知れないが、やはりジブリの看板をしょっている以上、それだけの責任や期待も発生する訳だから、もう少しがんばって欲しかった。あまりにもこじんまりとし過ぎている。ただそれでも、最近の作品(「千と千尋」や「ハウル」)に比べれば、まだマシかも(笑)。  それと話題作りのために芸能人を声優に起用する悪習を止めてもらいたい。お世辞にも上手いとは言えないし、何より本職の声優さん(特に新人)の活躍の場を奪っているのが問題。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-06-25 13:34:21)(良:1票)
12.  トゥームレイダー 《ネタバレ》 
「バイオハザード」同様、ゲームは自分でキャラを動かし、謎解きが出来るからストーリーの稚拙さを許容できるのだという事を再確認。  ゲーム版1作目からのファンとしては納得できる内容とは言えない。  確かに、遺跡などの雰囲気はそれっぽいし、アンジェリーナもララ役として見事にハマっている。でも評価出来るのはそれだけ。  映画化する以上、もっとストーリー性を高めて欲しい。敵が人間ばかりなのでアクションにも盛り上がりがない。ゲームファンとして痒いところに手が届かないもどかしさを感じる。リアリティ無視でいいから、動く石像以外にも、もっと古代の怪物のような幻想的な敵を出して欲しかった。   PS.こんな映画を見ているくらいなら、ゲーム版をやっている方がはるかに面白いので、未プレイの人はぜひ一度遊んでみて下さい。難易度は激高ですがw。
[ビデオ(字幕)] 2点(2007-06-12 10:56:41)(良:1票)
13.  荒神 《ネタバレ》 
同監督の「ALIVE」や「VERSUS」、「あずみ」よりはマシ。と言うか、エラソーな物言いを覚悟で言わせてもらえば、「漫画的アクションの映像化」という点において、一応は見られる程度の演出になっているというレベル。  とは言え、「人外の者」同士の死闘を描いたわりに、その戦い方が旧来のチャンバラのパターンから逸脱しておらず、「動いたら切られるかも」と言うようなピリピリした緊張感や殺気に欠ける。要するに、お互いの「全存在」をかけた闘いなのに、そこまでの死闘に見えないのだ。  最初の酒を吹きかける奇襲は良いが、あそこは武蔵が簡単に腕を切られるのではなく、まったく意に介さず刀で受け止めて、「おいおい、慌てるな。酒がもったいないだろう」とか、「相手に酒を吹きかけて機先を制する…。遅れてるな、人間のケンカはよ」くらいは言わせるべきだろう。勇次郎なら言うね(笑)。そういう「相手の凄さ」を見せる事でキャラも立つし、相対的にこちらの強さも示す事が出来るのに、それをやらないというのが分からない。今どきの日本の漫画を見れば、この程度のキャラ演出は基本だけどなあ。  また、どうせお互い人間じゃないんだから、ギリギリのところで「真の姿」に変身するくらいはやって欲しかった。「この姿に戻るのは佐々木小次郎と戦って以来、何年ぶりだ…」とかさあ。ゾッドなら変身するね(笑)。  相手も宇宙人という無茶な設定を持ってくる勇気があるなら、「目から怪光線」とか、「口から小型ブラックホール」とか、「4本の腕で抜刀術」とか、もっと良い意味でメチャクチャやっても良かったと思うけど。  何にしても、相変わらずこの監督の「売り」であるアクション演出にセンスが無い事には変わり無い。もっと漫画を読んでセンスを磨いた方がいい。 
[ビデオ(邦画)] 4点(2007-06-12 10:35:53)
14.  サイレン FORBIDDEN SIREN 《ネタバレ》 
私もゲーム版は、あまりの不条理な難易度と自由度の無いゲーム性、ころころ操作キャラが変わる細切れなストーリー展開などに嫌気が差して序盤で投げ出したクチ(笑)。  しかしストーリーは気になっていたので、この映画版で理解しようかと思っていたら、どうやらストーリー展開はゲーム版とは違うらしい。  大胆に解釈を変えるのは良いとしても、基本的にホラーとしては思わせぶりなだけで、たいした事のない恐怖演出とストーリー展開に拍子抜け。特にあの「幻覚オチ」は手抜き過ぎでしょ。いくら息子を亡くしたトラウマがあるとは言え、彼女の見る幻覚と過去の事件とが何故かリンクしていたり(隠し部屋の写真とか)、父親や村人の襲撃シーンを全部幻覚で済ますのは無理がある。「人魚の肉」と「不老不死伝説」という設定や、あの赤い服の女など、作中での扱いが中途半端な伏線が多いのが原因。  それこそゲームのように、過去の事件の謎を探っていく情報収集や謎解きの過程をしっかり描いて欲しかった。そうすれば自分が見る幻覚との相関関係にも必然性が出てくるはず。  また、監督の演技指導のせいもあるが、市川由衣の演技もキャーキャー叫んでいるだけで、だんだん甲高い声が耳障りになってくる。ココリコ田中直樹や阿部寛もミスキャスト。特に田中が鉄塔で変貌するシーンには爆笑。完全に「絶対に笑ってはいけない 夜美島1泊2日の旅」。 
[DVD(邦画)] 4点(2007-06-09 11:20:23)
15.  茄子 アンダルシアの夏 《ネタバレ》 
<原作未読・映画版のみの評価>  作品として唐突と言うか、いきなり舞台が「アンダルシア」で、いきなり「自転車レース」の途中で、いきなり「兄貴の結婚式の日」で、いきなり「茄子がうまいんだ!」とか言われてもなあ…。  テーマと言うか、伝えたい事は分かるんだけど、観客を作品に引き込む下準備も無いままに、無理矢理に話を聞かされているような違和感がある。そう言う意味では、時間的に短いのも良し悪しだね。短時間のせいで、キャラや舞台設定の丁寧な描き込みもされないまま話が進むため、登場人物の心情に感情移入ができない。かと言って、これ以上長くされると今度はレースのテンポが悪くなるし…。  また、その自転車レースもリアルではあるものの、その分、アクション性は低く、これと言って盛り上がる部分が無い。疾走感もいまいち。スポンサーとの関係やライバルとの心的な駆け引きなども中途半端。  まあ、あまり大げさでドラマチックな展開を求めるような作品ではない事も分かるし、全体的にはよく短編にまとめたなあと思うけど、それで作品として面白くなっているかと言えば、正直、微妙なところ。  設定が中途半端にリアルな分、キャラクターやストーリー展開に魅力が無いのが致命的。そういう意味でも、アニメのメリットを活かしていないのが残念。
[DVD(字幕)] 5点(2007-06-06 17:45:19)
16.  CURE キュア 《ネタバレ》 
邦画、洋画含めてサスペンスホラーの中ではトップレベルの怖さ。  怪物や殺人鬼に襲われるよりも、自分も他人も含めて「人間の精神」こそが、最も不可解で恐ろしいものだという事を再認識させられる。  「あんなに簡単に催眠術に掛かる訳がない」とか、「犯人に魅力が無い」という部分もあるが、この作品の恐怖の本質は、「人が誰でも潜在的に持っている他者への殺意は、きっかけがあればすぐにでも顕在化する」という点にある。つまりあの伝道師や催眠術はただの「きっかけ」でしかなく、「殺意の象徴」という存在であり、イコール犯人という位置付けではない。そこを見誤ると、この作品の恐ろしさは理解できないと思う。  殺意の本質は自分の心の中にあり、犯人がいるとすれば、それは見ている自分自身という事かも知れない。
[ビデオ(邦画)] 10点(2007-06-06 16:24:30)(良:1票)
17.  盲獣VS一寸法師
もっと奇抜なカルト映画かと思ってたら、マジメにやってる作品だったのか(笑)。  江戸川乱歩の作品が持つ、怪奇・猟奇・エログロ・昭和初期のモダニズムなどの魅力を出そうという意欲のようなものは感じるけど、出来上がったものは悲しいまでにチープで中途半端。ほとんど学生の自主制作映画レベル。  出演者の演技もひどい。セリフはアフレコみたいだし、おまけに棒読みで、失礼ながら「素人レベル」と言うしかない。  「盲獣」と「一寸法師」をわざわざひとつの物語として統合しているのに、基本的にそれぞれの事件が独立していてほとんど無関係。ここが致命的。その結果、本格推理ものとしても、エログロナンセンスとしても中途半端になっている。ラスト間際にだけ、ちょろっと出てくる丹波哲郎の存在も意味不明。  やはりイメージを想像で補っている部分が大きい乱歩の世界観を映像化すると、どうしても安っぽくなってしまう。
[DVD(邦画)] 1点(2007-06-06 12:37:09)
18.  五条霊戦記//GOJOE 《ネタバレ》 
これまた中途半端。「義経と弁慶の関係に対する新解釈」という設定はいいけど、肝心の解釈に特筆すべきものが無く、ストーリー展開に盛り上がりが無く退屈。  アクション面での演出も中途半端で「カッコ良さ」の演出にセンスが感じられない。ザコ敵は刀を振りかぶって「わーっ」と突っ込んで来ては、流れ作業のようにズバズバ切られていくだけという古臭いチャンバラパターンで、リアリティもカッコ良さも皆無。義経も弁慶もあれだけ強い理由が作中で描かれていないため、その強さに説得力が無い。  あと、やたら映像が安っぽく見えるのは、ひとつには照明の使い方に問題があるように思う。本来は暗い森や夜のシーンでも、不必要なほど煌々と照明をたいているためか、人物が妙に明るく浮き上がっていて、外での撮影のはずなのに、まるでスタジオ内でのセット撮影のような狭苦しさや違和感を感じる。  ラストも結局は別人を立てて、本人たちは歴史の闇に消えたってこと?何か中途半端な終わり方だな~。   DVDの監督のインタビュー記事で、「これまでにないアクション(殺陣)」と自画自賛しているところを見て、失礼ながら失笑を禁じ得なかった。年齢的な事もあるだろうけど、恐らく監督は現代の漫画をろくに読んだ事がないのだろう。本気でこんな退屈な殺陣が凄いと思っているなら、はっきり言ってセンスが無さ過ぎる。  時代劇とは言えアクションを売りにする娯楽映画を撮るなら、クリエイターとして日本の漫画やアニメを見ておく事は「基本」と言っても過言ではない。それほど現代の漫画のアクション演出のセンスは高く、こんな旧態依然とした邦画のチャンバラアクションなどとは最早レベルが違う。今やハリウッドやディズニーのアニメスタッフに、日本の漫画やアニメの影響を受けていない者がいないと言われるのも、ある意味当然。  「ハンター×ハンター」「ナルト」「ブリーチ」「ワンピース」「クレイモア」「るろうに剣心」「ベルセルク」といった少年向けアクション漫画はいまだに軽く見られがちだけど、キャラクターの個性、アクションシーンの演出センス、戦闘時の心理的な駆け引き、展開の意外性などは、もはやこんなチャンバラをやっているだけのアクション映画など足元にも及ばないほどの高いレベルで完成されている事が、いまだに一般人どころか、映画監督をやるような人間にも理解されていないのがよく分かる。
[ビデオ(邦画)] 0点(2007-06-06 12:32:37)
19.  LOFT ロフト(2005) 《ネタバレ》 
う~ん、私もこの監督さんは「CURE」以降、注目してきたし、事実、ホラーやサスペンスのようなジャンルを撮らせたら、今のところ日本では一番上手いと思うけど、残念ながら今作は期待ハズレ。  他の方も仰っているように、相変わらず「日常の中に潜む非日常」とか、「自然な行動の中の不自然さ」みたいな場面演出は巧みだけど、今作は肝心のストーリーや登場人物の描き方が曖昧すぎる。この監督特有の「想像させよう」という狙いが裏目に出ている。  ミイラの存在が顕著だけど、「不可解な謎」の提示と「現実的解釈」のバランスが取れていない。どういう素性のミイラなのかの説明が無いのはともかく、「怨霊として甦っているのか、それとも妄想なのか」の描き方が中途半端なのが問題。それでいて編集者と考古学教授による「事件」の概要は説明過多なほどで、ミイラとの関係性が有りそうで無い、無さそうで有る、という微妙な扱い方。  他にも、泥を吐く冒頭やミイラの記録映画など、雰囲気だけとしか思えない伏線も多い。  その曖昧さが狙いなのかも知れないけど、やはり好意的に解釈するほど練られた脚本構成とは言い難い。何よりそれで「ホラーとして怖くなっていない」のが最大のネック。安達祐実も演技自体は悪くないけど、ホラー女優として出るにはメジャーすぎる。  吉岡の「動けるんだったら最初から動け!」というセリフや、死体に驚いて池に落ちる、お約束のような「落ちオチ」、しかも吉岡が落ちたままの終わり方など(中谷美紀がカメラの方を向いて「ダメだこりゃ」と言いそうw)、コントみたいなシーンもあり、より今作の微妙さを増している。
[DVD(邦画)] 5点(2007-06-01 01:18:35)(笑:1票) (良:2票)
20.  陰陽師Ⅱ
<前作未見>  怪しい色気のある野村萬斎はイイ。安倍清明のキャラクターイメージとも相俟ってカリスマ性すら感じる。このシリーズは、ほとんど彼の魅力だけで持っているようなもの。  しかし見所は彼のみ。日本神話を題材にしたやたら大仰なストーリー展開にまったく見合わない、悲しくなるくらいチープな特撮とセンスの無い演出にはシラけるばかり。潤沢に資金を使えないのなら、始めから金のかかる事が分かりきっている作品を選択しちゃいかんよ。  また、野村萬斎以外の登場人物がほとんどミスキャスト。中井貴一の緊張感の無い顔立ちはまるで悪役が似合わないし、はっきり言って演技も上手いとは思えない。伊武雅刀の一辺倒なテンションも癇に障るし、何よりあの「声」は聞き飽きた。  そんな中、深田恭子と市原隼人の演技は群を抜いて見るに堪えない。学芸会レベルと言うと学芸会にすら失礼なほど。映画に出られるような実力も経験も無い人間を話題性優先で採用してしまう悪習をどうにかしてもらいたい。
[ビデオ(字幕)] 1点(2007-05-31 00:06:40)
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