1. お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方
ネタバレ 橋爪さんが主人公で、橋爪さんのための映画かと思っていたらもう一人の主人公がいたんですね。水野勝くん演じる菅野涼太くん。母の死が原因で疎遠になっていた父と和解するという流れはとても良かったと思います。大原家と出会い、なんだかんだで50年も連れ添ってきた夫婦を見て、愛とは寛容であることを学び、そこから父と和解するという流れはとてもスムーズに感じられました。 失礼ながら、剛力彩芽さんが思いのほか良かった。 葬儀屋が遺族にたいして、ご愁傷様でした、ではなく、大変でございました、て言っているのが印象深く、この映画でそういう言い方もあることを知りました。お恥ずかしい...。でもためになりました。 金婚式のスピーチで石橋蓮司さんの言った、夫婦とは人生という名の舞台の共演者である、がめっちゃ刺さりました。 アジフライの伏線回収がお見事で、味があってすごく好きなシーンでした(*⌒―⌒*) 観る年代によって捉え方の変わる映画だと思います。人生折り返した私にはスーっと入ってきて心地よかったです。ただ映画としては可もなく不可もない印象、かな。 でも続編もとても楽しみです。 [インターネット(邦画)] 5点(2025-06-15 19:46:51)《新規》 |
2. 変な家
ネタバレ 左手の儀式はわかったんだけど、じゃあ父親の死の真相は?本家に送られてきた2本目の左手は誰が?とか、まあ結局解決されてないものもあるわけで、そこはあれこれと推理を巡らせてみてください、ていうやつだとしてもな~んか巡らせてみたい気持ちにならないんですよね。 それと姉夫婦は結局殺人は犯していないて言ってたけど、じゃああの発見されたバラバラ死体とか、変な家にあった血の跡(何事もなく普通に暮らしてればああならないし、そもそもなんで拭き取らんのよ)とか、色々辻褄が合わなさすぎるよな~...て思ってたら最後の最後に実はやっていたんじゃないかと匂わせるから、じゃあやっていたとしてだ殺人を、いくらなんでも殺しのプロでもないド素人がそんなことをして警察に全くマークされることもなく逃れるなんてありえないでしょ。日本の警察は優秀なんだよ。悔しいけど(笑) それと本家の当主が主人公じゃなくって親族を殺しちゃったのもわけわからん。あとなかなかショットガンぶっぱなさないのもなんだかな~だった。極めつけは「悪魔のはらわた」よろしくチェーンソー振り回して登場したお婆ちゃん。あそこは笑うところですよね?(笑) あああ!!!! そういえば!!!! 本家の儀式から逃げ出して開かずの扉の空間に身を潜めてた時、それまで泣いてた赤ちゃん全然泣かなくなったのあれ不思議やねん!www ツッコミどころ満載ではあるけれど、まあまあ妥協してこの点数です。 [インターネット(邦画)] 5点(2025-06-14 19:39:38)《新規》 |
3. トラペジウム
ネタバレ アイドルを夢見る少女の甘酸っぱくも爽やかな青春映画...鑑賞前はそう思ってました。ところが始まってみるとこの主人公、東ゆうちゃんはとんでもなく自分勝手で、今まで散々オーディションに落ちてきたことでアイドルになるための周到な作戦を考え、その作戦を成功させるために大胆かつ巧妙で姑息なやり方を実行していきます。その彼女の行動がとにかく結果的に誰かのためではなく自分のためなので、物事がちょっとでも思うように進んでいかなくなるとすぐに舌打ちしたりイライラしてきます。もうこれが本当に主人公とはとても思えないんです。はい。 ところがこれが不思議なことにそんな主人公、東ゆうちゃんの何とも危ういその性格が逆に何か起きそうな緊張感を生み出し、ついつい映画の世界に引き込まれちゃってました。だって彼女、常に地雷と隣り合わせでいつ踏んでもおかしくないから、もう見てられないのよ...ん?あれ?見てられない?いえいえ、映画はちゃんと観てますんで。はい(^_^;) で、ついにその地雷を踏んじゃうんですよね。まあ正確には何度か触れちゃってはいたんですが。北の亀井美嘉ちゃんに彼氏がいたことが発覚した時、そして口パク・歌詞宿題事件へと・・・最終的には大河くるみちゃんに限界がきて職場放棄・・・で、アイドル、アイドルとしての夢はここで終わる・・・。4人の少女それぞれの考え方が違うから「アイドル」という「象徴」「偶像」に対する考え方も違っているのがとても面白くもあった。一人は圧倒的で輝く存在。一人は運命として流れに身を任せる。一人は恩人であり親友との繋がりの場所。一人は人前が苦手で夢よりも現実的。三者三様とは言ったもんだが四者四様ですね。この4人がじつに見事に混ざり合ってるようで混ざり合っていない危うさがこの映画大の魅力。 そんな4人の少女たちの中で一歩距離を置いて見守る少年、工藤真司くん。実は彼が最終的にこの物語のキーマンになるわけなんですが、その1枚の写真の中に写っている性格の全く違う4人の少女たちの笑顔は、アイドルとしての笑顔ではなく、穢れのない純粋な笑顔。それこそが、トラペジウム、決してキレイで完璧でなくてもその純さこそが生きる、生の喜びなんでしょう。 本当に素晴らしい作品でした。「アイドル」という題材をこういった切り口で見せてくれたことに驚きと感動です。ありがとうございました。 余談ですが、東西南北が所属する事務所の外観・・・1階にたい焼き屋があるんですがあれってハロプロのオフィシャルショップのある外観と似ていて、もしかしたら狙ってますかね?w [インターネット(邦画)] 7点(2025-06-08 16:16:51) |
4. ショウタイムセブン
ネタバレ オリジナルの韓国映画「テロ、ライブ」は観ていないけれど、最後まで引き込まれて面白く観れた。 最後の放送中のニュースに速報ニュースが被って、そっちのネタの方が注目度的に大きいと放送中のよりもそっちにシフトチェンジされるのがなんとも皮肉で、さらにその後にアイドルの新曲披露って・・・まぁこれがずっと、テレビが放送し続けている事実なんですよね。 テレビなんて、いや、マスメディアなんて所詮エンタメだと思って向き合ってなきゃあ、おかしくなっちゃいますよ。 あ!そうそう。人が死んだかもしれないのに救急にも連絡せず、脈を測ったりして死んだかの確認もしないのはちょっと無理がありますね。 あと警察の行動が雑すぎるw [インターネット(邦画)] 6点(2025-05-31 15:22:35)(良:1票) |
5. お母さんが一緒
ネタバレ 原作者のペヤンヌマキさんの舞台劇を、監督の橋口亮輔さんが脚色して映画にした作品。母親への誕生日プレゼントととして三姉妹が温泉へとやってくる。現在は三女の清美だけが今も母親と暮らし、長女の弥生と次女の愛美は独身でそれぞれ一人暮らし。なのでこの温泉旅行が三姉妹が久しぶりに会うこととなる。母親への誕生プレゼントの温泉旅行で楽しくなるはずだったが、日頃から溜まりに溜まったストレスと、過去からの因縁などが引き金となり、とにかく口喧嘩が止まらなくなる。映画が始まって終わるまでほぼずーーーーっと喧嘩。本当ならそこまでやられると飽きるし疲れてもいいのに、全くそんなこともなく、この口喧嘩についつい引き込まれていってしまう。というのも、その口喧嘩が次から次へと手を変え品を変えでよくまあこれだけネタを思いついたもんだと感心もし、なおかつ兄弟・姉妹のある人なら分かるあるあるもあって共感も出来てしまう。本当に見事な脚本。また三姉妹の、江口のりこさん(長女)、内田滋さん(次女)、古川琴音さん(三女)の演技がずば抜けて素晴らしくって、怒ったり泣いたり笑ったり喜んだりとその喜怒哀楽の変化をこの作品で全てさらけ出して、それもめっちゃ自然体なのが本当に素晴らしかったです。また唯一の部外者であり三女の恋人役のタカヒロを演じたお笑い芸人の青山フォール勝ちさんも、役にピッタリ当てはまっていてとても良かったです。彼がまたこの作品のキーマンにもなるので、そんな大役をナチュラルな感じで演じられてて、失礼なが驚いちゃいました。ほんと、とても良かったです。 とにかく終始喧嘩をしているので最後どうやって終わるんだろう、とエンディングを迎えた時にあ!そっか!それか!ととあるアイテムの伏線回収がお見事すぎて感動しちゃいました。 もしかしたら人を選ぶ映画かもしれないけれど私にはめっちゃ刺さりました。 [インターネット(邦画)] 6点(2025-05-14 05:05:41)(良:1票) |
6. 母性
ネタバレ 原作は未読。でも湊かなえさんの本は何冊か読んだことがあったので、映画を観ていかにも湊かなえワールドだな~て思えた。 父と息子とは違って母と娘の関係性ってそこに「命」が深く関わってくることだと思う。この映画でも「命」を紡いでいくことの尊さが表現されてました。それと劇中にほとんど出てこない永野芽郁さんの役名が最後に出てくるけれど、あそここそ名前=命だとそう感じずにはいられませんでした。 とても重々しくも観ていて吸い込まれていく吸引力のある重厚な映画だな~、て思っていたら最後の最後に主題曲が流れ出して安っぽいテレビドラマみたくなってしまって残念でした。それもなんか急に爽やかな感じに...。それまでの全てが台無しです。日本アカデミー賞で優秀助演女優賞を受賞された永野芽郁さんの演技も素晴らしかったんですが、彼女の少女時代を演じた落井実結子ちゃんも本当に素晴らしかった。特にキティちゃんのシーンは圧巻でした。 恐らく自分とは一生関わることないであろう世界の異質な人たちの物語として、傍観者的な感覚で眺めるように視聴いたしました。ま、こんなんもあるよね。 [インターネット(邦画)] 5点(2025-05-11 16:38:12) |
7. 君たちはどう生きるか(2023)
ネタバレ 初めから「難解」とか「不評」とかまあそれなりに心の準備は出来ていたし、ある程度ネット上で色々と情報も得てしまっていたので、宮崎監督の想いや、またいろんな方の評価等を加味した上での鑑賞となりました。何よりも地上波放送で無料で視聴(ノーカットかはわからないけど)できたので気楽に観ることができました。で、まあ確かに色々と言われることは理解できた。でも個人的にはそこまで酷いとは思はなかったし、そこまで難解とも思はなかった。まずとにかくアニメーションとして色彩が綺麗で動きが本当に滑らかでうっとりです。そして宮崎駿監督の言いたいことも伝えたいことも理解はできた...はず。世の中には色々な形の悪がある。その悪とどう向き合いどう対処していくのか。この映画では人を死に追いやる兵器の一部を作る父親がいる。その父親が死んだ母親の妹と再婚。その妹が叔母さんから義理の母へとなることへの抵抗感と受け入れにくさ。優しく接してくれるのに心の中では認めきれないというジレンマ。そのジレンマが自分自身を悪としてしまう。戦争という世界的な悪も、己の中にある醜い悪もどちらともどう向き合っていくのか。どう生きていくのか。それをこの映画は問うていると思いました。そして今は戦時中でもなく豊かで便利な時代となった。その代わりに様々な形の悪が生まれてしまった。SNSによる誹謗中傷。ハラスメント、セクハラ、モンスターペアレンツ、ネット詐欺、あおり運転、ながらスマフォ、ポイ捨て、盗撮盗聴、そして最近現れはじめたAIによる犯罪。こういった多様化していく悪に対してあなたたちはどう生きていくんですか?そんなメッセージがこの映画にはあると感じました。 正直世の中は理不尽なことだらけ。それでも生きていかなければならない。そんな理不尽にイライラする自分の中にある悪意とも向き合いながら・・・。 おっと!なんか随分と大げさなことを言ってしまいましたが、でも別にそこまでこの作品をめっちゃ評価しているわけではないんです。はい。すいません。もしも事前に情報を得ておらず真っ新な状態で観ていたら恐らくなんじゃこりゃ!? だったとは思います。さらに何回も観たくはなりませんから...(;´∀`) [地上波(邦画)] 5点(2025-05-04 19:34:24) |
8. かくしごと(2023)
ネタバレ 少年が実は記憶喪失じゃないっていうのはまあなんとな~く分かっていたので、そこまで最後の種明かしには驚きはしなかったけれど、おそらくこの作品の狙いはそれよりももっと深いものだと思う。ただその深いものは分かるっちゃあ分かるんだけど、いかんせん設定がぶっ飛びすぎちゃってるんであまりリアリティは感じにくかったですね。 認知症の父親と記憶を失った少年というコラボそのものは悪くはないと思うんですけど。 役者さんたちの演技力の素晴らしさにこの点数にしました。 まあどうでもいいかもだけど、もしあのまま少年を育てていくことができたとして、学校はどうしてたんだろう...(;´∀`) それといくら田舎町とはいえ一般市民が当たり前のように飲酒運転しちゃうのもね(^_^;)これじゃあ恐らく地上波では放送できないかも(笑) [インターネット(邦画)] 5点(2025-04-27 08:42:17) |
9. カラオケ行こ!
ネタバレ 原作の漫画は未読。ただその原作の漫画が面白いという評判は伝わっていました。たしかにカラオケを通してのヤクザと中学生という異色のコンビは面白い。それ自体はいいのだけれども、やっぱりリアルに考えちゃうとありえないしファンタジーなお話。そもそも歌が上手くなりたいのならこのネット社会、いくらでも探せば手段や方法はありそうなものだし、それに狂児は元々カラオケ店でバイトをしていたんだから歌の上手い知り合いくらいいそうなもの。それと聡実くんも狂児に声をかけられてなんで簡単にカラオケ店に行っちゃうんだかわからない。原作ではその辺りの流れは丁寧に描かれていたのかな?映画だと省略されててなんで?てなってしまった。狂児の性格から推測するとどうしても脅したり無理やりって感じはしないんですよね。だからこそ尚の事なんで?でした。 それとどうしても、ヤクザ=おバカ、みたいな設定をしてしまうステレオタイプはなんとかならないものかと。まあでもそもそもが、ありえない、を大前提にしているわけだから、それらもひっくるめてさっきも言ったようにもはやファンタジー、ということなんですね。まあなのでこの映画はファンタジーとして捉えればまあまあ楽しむことは出来ました。てか結局親分さんの誕生日カラオケ大会の結果はどうなったんだ?すごく気になる~・・・(笑) 綾野剛さんの内に秘めたる殺気と気迫はさすがでした。それと聡実役の齋藤潤くんの「紅」はめっちゃ熱かったです。最高でした。 [インターネット(邦画)] 5点(2025-04-12 17:45:45) |
10. 湯道
ネタバレ 題材もテーマもいいのにムダに長い。もっとコンパクトにまとめてればな~...。長湯は禁物ですね。あ!もしかして、豪華俳優陣にそれぞれの見せ場を作るために長くなっちゃったのかな? 湯ナイテッドステーツのダダスベリのインパクト強w [インターネット(邦画)] 4点(2025-03-22 20:04:15) |
11. 侍タイムスリッパー
ネタバレ タイムスリップしてきた戸籍謄本もない身元不明の人間が、海外進出までする大スターになる摩訶不思議さはさておいて(笑)本当に評判通りの良い映画でした。タイムスリップしてきた侍が現代の色んなものに驚くのは今まで色々と見てきたけれど、ショートケーキを食べてこんな美味しいものが誰もが食べれる世になったことに感動するあのシーンは、思わず涙が出てしまうほど名シーンでした。主人公が実直で穢れなき武士道を生きてきた人物だからこそ余計にその想いがストレートに伝わってきました。 この映画で言われている通り、時代劇、特にテレビでは再放送や特別放送以外ではほんと見なくなり、映画では「武士の家計簿」や「大名引越し」などのようなちょっと変わった視点から描かれる作品が増え、たしかに変化、衰退している昨今。それでも「室町無頼」や「十一人の賊軍」のようなしっかりとしたチャンバラ時代劇も作られなんとかその存在を保ってはいる。保ってはいてもじゃあ盛り上がっているかと言われればまだまだそこまでではない。バラエティでは昭和ブームなどとやたらと昔がクローズアップされることが目立つけれど、それでも「時代劇」そのものが一つのムーブとなることはない。この映画が大ヒットし日本アカデミー最優秀作品賞まで受賞したことをキッカケに何かしらの追い風が吹けば、農作業の合間をぬって作品を完成させた安田監督も本望でしょう。 ただ昔のような「時代劇」ではなく今の時代に合わせた進化した「時代劇」でいいと思います。それは今まで一人称が「拙者」だった主人公高坂新左衛門が最後に「俺」と言ったように、変化して生きていくことこそ大事なんだと思います。斬られ役をやりながら生きていても心のどこかで侍としての本懐がまだくすぶっていて、そのくすぶりが宿敵と再会してさらに強くなり、真剣を使い宿敵との真剣勝負へとなっていく。ただ非常に面白かったのがその真剣勝負の中でそれまで染み付いた殺陣の動きが出ちゃうところ。あれはわざとなのかたまたまなのかは分からないけれど、死人を出したら作品がどうなってしまうのかをちゃんと理解し合っていたということなんでしょうね。そして決着がついて過去と決別しそこで「俺」って...もうマジで実に良く出来た脚本でした。 あとこの映画でもう一つ大事なテーマ、メッセージがあって、人を殺すことの重み、痛みをしっかりと描いていることです。私たちは当たり前のようにアクションや娯楽性の高いドラマや映画などで人が人を殺すシーンを見てきてますが、そこに命の尊さを感じることはあまりないです。でもこの映画はコメディ色も織り交ぜながそれをごく自然な話の中にぶち込んで来たもんだから大したものです。その尊さをしっかりと伝えてきたからこそラストの殺陣のシーンは固唾を飲んで見入ってしまいました。殺陣だけで心臓をバクバクさせられたのっていつ以来だろうか・・・いや、過去にあったかも定かではないのでもう初めてということにします。 とにかく本当に素晴らしい作品でした。最後もコメディな要素のまま終わって作品全体を重々しくしすぎてないのも好感が持てました。ありがとう。良い映画でした。 [インターネット(邦画)] 7点(2025-03-22 08:35:30)(良:2票) |
12. 私にふさわしいホテル
ネタバレ 主人公のヒロインそのものはめっちゃ面白いのに、それだけで作り上げられている感が否めない。もったいない。活かしきれてない。とにかく中だるみも酷い。もっとはっちゃけて欲しかった。ただ主演ののんさんはとてもチャーミングで魅力的で、このヒロインにピッタリのはまり役でした。 [インターネット(邦画)] 3点(2025-03-16 11:57:32) |
13. MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない
ネタバレ かなり評判が良かったので、結構期待値上げて観ちゃいました。結論から言うと確かに面白いことは面白かったんですが、そんなに大絶賛するような映画なのかとも。大雑把な話の内容は大体分かってはいたんですが、何ていうかその分かっていた範囲を特に超えるようなこともなく終わってしまって、感動や興奮、高揚感、うわ~やられた~そうきたか~、等々を感じることがなかったんです。期待値を上げすぎてしまった反動なのかとも...。 まあでもループすることによって仕事がどんどん上達していくというのは結構面白かったし、職場ループの本質をついてるな~と思いました。 それとちょっとだけ気になっちゃったんですが、会社以外の他にいる人たちってこのループ現象をどう感じているんだろうかって。例えば窓から見える横断歩道でハンカチを落としてそれを拾うあの二人とか。何回も繰り返しているって気付かないんですかね。ループの原因の部長と関わりのある人物で半径何メートル以内とか、そういった縛りがあるのかな?まあどうでもいいことなんでしょうけどね。 マキタスポーツさんだけめっちゃ浮いて見えたのは他の役者さんを知らないから?(笑) [インターネット(邦画)] 5点(2025-03-02 07:29:09) |
14. こんにちは、母さん
ネタバレ まあある程度仕方はないのかもしれないけれど、山田洋次監督もだいぶお年を取られてきたな~と感じずにはいられませんでした。とにかく観ているこっちが恥ずかしくなってしまうようなクサイ台詞のオンパレードはまさにザ。昭和で、古き良き時代とかそういったニュアンスではなく、もうそういったことを平然とやれてしまうようになってしまったんだなと。昔の山田洋次監督作品にも確かにクサイ台詞はそりゃあありもしたけれど、なんていうか作品の中で自然としっくりときていたんですよ。でもこの作品でのクサイ台詞は妙に浮いちゃってるんです。違和感に似たような、ビシッとハマってこないんです。必要以上に演じさせちゃってるんです。大泉洋のナレーションもいらないなと。はい。だからとにかくもうみんながみんなお芝居していますよ、演技していますよっていうのがヒシヒシと伝わってきちゃうんです。そうじゃなく感じる場面は多分ですが即興のアドリブなのかも。大泉洋が布団につまずいて転ぶシーンとか(笑) それと「寅さん」はフーテンで自由気ままだけど将来の不安しかない不安定さと、それと相反する町工場の大変だけれどもなんとか地に足のついた生活ができている安定さを描いていたけれど、この作品ではサラリーマンがまるでダメで、ホームレスが天使なのかも、て、ええ!!?? ですよ。サラリーマンの人たちだってみんなそれぞれ苦労しながらでもそれでも頑張ってるんだし、ホームレスの人たちもみな理由はあるのかもしれないけれど、もう少しエンタメとして前向きな演出で再起に向けて頑張る姿もあってよかったようにも思える。「寅さん」とは真逆過ぎちゃって戸惑いを隠しきれません。 それと新しく来た外国の神父さんやお掃除機のルンバとかに対するダメ出しな演出もあまり気分のいいものではなかったですね。 もうちょっとホッコリできる映画かと思ってたけど、自己犠牲が美しいみたいな感じで終わちゃって特に何も残らなかったです。 PS:山田洋次監督といえば前で演技しているその後ろでエキストラもしっかりと演技をしている。ていうのがよくあるんですが、今回も同窓会の相談で訪れた居酒屋でのシーンで、後ろの個室で賑やかに宴をしているエキストラの人たち、めっちゃ演技しててニヤってなりました。ほんと、好きですよねこういうの。 とまあさんざんダメダメな感じで言ってはきましたが、私も昭和の人間なのでどうしてもこういった世界観は落ち着けちゃうんですよね。なので出来不出来抜きでこの点数です。はい。 [インターネット(邦画)] 5点(2025-02-23 20:22:21) |
15. 線は、僕を描く
ネタバレ 普段そこまで知ることのなかった水墨画の世界を興味深く知りながら観れた。墨で描かれた一見すると地味に見える絵なのに、実はものすごくエネルギッシュな作業で、魂のぶつかり合いなんだというのが観ていて胸が熱くなった。ちょっぴり自分も描いてみたくなりました。 横浜流星くんは名前からてっきりアイドルなのかと思ってましたが役者が本業だったんですね。この作品が彼をちゃんと見た初めての作品でしたが、とても良い役者さんだと思いました。ちょっとした感情の細かな表現とかとても自然だったし、イケメンなのにそういった感じを封印しきって当たり障りのない普通な大学生に成りきってました。あとやっぱり清原果耶ちゃんは良い。彼女の演技は本当に素晴らしい。つい最近観た「まともじゃないのは君も一緒」で彼女のことをめっちゃ評価したんだけど、もっと売れてもいいみたいなコメント書いちゃってて、実際はもう売れっ子の女優さんだったんですね。お恥ずかしい。 主人公の親友が出てくるけれど彼の扱いがなんか中途半端な気がした。それと若者向け映画だから仕方ないとは思うけれど、夜行バスで故郷に帰るあのシーンはとても大事なシーンだと思うから、やっぱり歌(挿入歌)はな~...て思えてしまった。歌そのものはとても良い曲なのは分かるんですが、歌詞がそのシーン、夜行バスで故郷に帰るシーン、もうそのまますぎちゃってるのがなんか、映画も音楽も互を食い合っちゃってるみたいで...とにかくもうちょっと演出的にあそこだけがこの作品の中で浮いてしまって見えちゃいました。すいません。 江口洋介が水墨画を描くシーンが好きでした。特にTシャツで描きだすところ格好良かった。 [インターネット(邦画)] 5点(2025-02-20 15:09:39) |
16. まともじゃないのは君も一緒
ネタバレ 大野と秋元のコンビが最高。まるで夫婦漫才かのような掛け合いでついつい見入ってしまった。結論から言って個人的には「普通」ていう概念は人には当てはまらないように思える。だって人の数だけ価値観や個性があるわけで、例え社会ルールや倫理観を基本としていてもやっぱり十人十色ではあるんじゃないかな。人それぞれの生き方があるんだと。だから人には「普通」は当てはめにくいですね。 ラストで秋元が受験に2,3回失敗して...て言ってたけど大学受験失敗して浪人生てこと?でもなんで学生服着てるんだろう?卒業してないの?よ~わからん。てかそこ大野ツッコまなかったし、よくよく思い返してみたらラブホに現役高校生は絶対にアカンやつなのにそこも指摘してなかった...つまり大野は秋元の実年齢、というか現状を把握していたってことですね。まあ入会時に必要事項を記入しているからそれで分かってはいたんでしょう。 それにしても清原果耶ちゃんは素晴らしかった。特にスナックでまるで酔っぱらいかのようにあーだこーだ騒ぎ立てるシーンは最高でした。表情の変化も素晴らしかった。もっと売れていいと思う。 数学て聞くとどうしても拒絶反応を起こしてしまうほど苦手なジャンルなんですが、数学は元々自然界にあるもの、ていう台詞にそういう考え方で学生時代に接しられてたらもっと好きになれてたかも。 ホッコリとできる映画でした。 [インターネット(邦画)] 6点(2025-02-05 16:42:08) |
17. そして、バトンは渡された
ネタバレ 見事にやられました。とっても良い映画でした。普通これだけ誰も彼もが良い人ばかりだと鼻についてもおかしくないはずなのに、全くそんなことにはならなくって、むしろ清々しいほど心地よかった。最後に石原さとみ演じた梨花のことが明らかになっていくシーンは全ての点が線で繋がってスッキリとしてそして、胸が熱くなり自然と泣けちゃいました。みぃたんが死なないで長生きしてね、て言ったあれが後々の全てへと繋がっていくわけで、だから必死に病を隠し続けたって分かってまた泣けた・・・。 全体的に編集が神懸かってます。こういった時間軸が交差する映画ってやっぱり編集が肝になってくると思うんですが、本作の編集は本当に素晴らしかったです。ちぃたんと優子が同一人部なのか違うのかっていう惑わせ方は実に巧妙でした。お見事。 ちぃたん役の稲垣来泉ちゃん。ベテラン俳優の中に混ざっても全く遜色ないほど素晴らしい演技してるな~...て思って調べたらもう子役デビューして9年も経っていたんですね。大人たちに翻弄されながらもスクスクと健全に育っていく姿を見事に演じきってました。将来が楽しみ。 卒業式に実は梨花が来ていたって後で知るけれど、体育館のあれだけ高い舞台からだったら後方にいる車椅子の人が視線に入らないのはちょっとおかしい。あそこは無理があるって思えた。それとやっぱり娘をバトンて表現するのはなんかモノみたいでそれには抵抗を感じてしまいました。表題なんですけどね。すいません。 まあでもなんだかんだで観て良かったて思えたこともまた事実。良い映画でした。ありがとう。 [インターネット(邦画)] 6点(2025-02-04 22:31:16) |
18. 八犬伝
ネタバレ エンタメには様々なジャンルがあり、中でも日々の疲れやストレスを忘れさせてくれるような作品は多くの人達に好まれる傾向にある。つまりそれがどんなに大げさな作り話であっても、この世界に必要とされているということ。それはもう何百年も前から続いているわけで、この映画はその重要性を改めて感じさせてくれた。劇中内で「侍として辛い日々があっても、どれほど「八犬伝」の正義に勇気づけられたことか」という台詞があるように、「実の世界」に生きる私たちにとって「虚の世界」は一つの道標となることもある。この映画のテーマは本当に素晴らしいと思います。 ただ全体的にやっぱり長いと感じてしまうし、病=悪と捉えてしまうのは昔だから仕方がないだけでは少々腑に落ちなかったです。それと「八犬伝」パートのチープさはもう少しなんとかならなかったものかとも...はい。 お路役の黒木華さんの立ち振る舞いや作法は本当に見事で美しい。特に代筆を願い出るシーンは美の極みでした。 実生活でどんなに善い行いをしても必ずしも報われるとは限らない。ならば善き行いなんてしなくても・・・て陥りやすい世の中ではありますが、それでも私は最低限できる善き行いはしていこうと思ってます。この映画を観て改めてそう考えさせられました。 あ、でも点数は・・・(^_^;) [インターネット(邦画)] 5点(2025-02-02 10:51:04) |
19. 室町無頼
ネタバレ 見終わって真っ先に思ったのは、こいつぁ昭和の頃によく作られたチャンバラ時代劇、ぽいな~でした。音楽然り、カット割り然り、極めつけは夕日を背に歩いてくる大泉洋たち然り。時代考証も一応はされてはいたみたいですが、もうそんなの関係ないくらいエンタメエンタメしまくりで、野暮なツッコミなんかいらぬお節介と思えてしまうほど、懐かしのチャンバラ時代劇を感じさせてくれました。で、最初に「ぽい」といったのは、あの頃の時代劇は勧善懲悪がほぼ主流だったけどこの映画は多少は勧善懲悪を本流としながらも、やや考えさせられる不変的な問いかけ要素も含んでいて、痛快なエンタメ映画にとどまっていなかったのと、それを象徴するかのような堤真一の存在が単純な憎たらしい悪役ではなかった点ですね。私利私欲ではなく揺るがない理念や信念を持って行動するタイプで、それでいて処世術で世渡りもするような、単純に善悪で割り切れるようなキャラではなかったです。まあ何となく中村主水みたいな、そんな感じでしょうか。 この映画の主演はもちろん大泉洋。彼のファンも大勢観に来るでしょう。がしかし、今回の大泉さん、あまり表情の変化がなく多彩な演技力をあまり感じられませんでした。主演とは言いつつもなんかそこまでぱっとしないんです。主人公ぽくないというか、困難や試練を苦労して乗り越えるようなこともなく、終始ひょうひょうとしているんです。だからどちらかといえば孤児の才蔵の方が主人公ぽくは感じられましたね。読んではいないけどもしかしたら原作小説は才蔵が主役なのかな?わからんけど。とにかくこの才蔵くんが努力して強く成長していく過程がまるで少年漫画のようで面白かったし、最後の大立ち回りも最高にイカしてました。ハッキリ言って大泉洋よりもめっちゃ強かったです(笑) 正直、もう少しコンパクトにまとめても良かったんじゃないかなとも。それと殺陣のシーンにもう少し迫力は欲しかったな。なので最初は及第点で5点くらいかな。て思いもしたんですが、チャンバラ時代劇がめっきり減って需要もあるのか分からぬこのご時世に、それでもこうやって作品として世に出してくれたことへの感謝と、作品から滲み出てくるチャンバラへの熱い愛をいやというほど感じ取れたのでプラス1点で6点にしました。あしからず。 追記:もしこれから鑑賞してみようかと思われているのなら、多少なりとも歴史を軽くかじっておくことをお勧めします。室町後期と応仁の乱あたりを中心に。私は知らない状態で鑑賞してしまったので知ってたらもう少し感じ方も違っていたかも...と後悔しちゃったので。はい。 [映画館(邦画)] 6点(2025-01-19 21:37:04)(良:1票) |
20. 怪物(2023)
ネタバレ 予告編だけの情報しかなかった時はもっと猟奇的な内容なのかと思ってました。実際に観てみたら全然違った。たしかにミステリーぽさはあるけれど、これはもう一つの純愛映画でしょう。同性愛に気付き始めてしまったまだ幼い男の子の純愛物語。私はそう捉えました。「怪物」ていうのは恐らくマイノリティを受け入れられない「偏見」への揶揄なのかな。または自分自身の中にある「嘘」に対するものかも。誰かにしか手に入らないものは幸せって言わない。誰にでも手に入るものを幸せって言う。この台詞こそが「怪物」に対しての宣戦布告なのでしょう。 物語は母親、教師、息子と、三人の視点によって進んでいきます。母親目線だった時は観客も「怪物」であるように仕掛けられて、教師目線でそこから少し距離を取れるようになり、最終的に息子の目線で全てが白日のもとにさらされて「怪物」から解放される。実に見事な編集です。 また一つとても良い映画に出会えました。ありがとうございました。 それとこれは余談ですが、安藤サクラさんの演技が個人的には一番、怪物、でした。ほんと、すごすぎです。 [インターネット(邦画)] 7点(2025-01-06 16:30:30) |