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プロフィール
コメント数 44
性別 男性
自己紹介 ただの学生
よかったら、ふぉろーみー

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1.  君の名は。(2016) 《ネタバレ》 
君の名は。の面白いところは、記憶が薄れ、もはやその記憶が確かかさえも分からないが、運命的なものを感じる男と女が勇気を出して、振り返るというラストワンシーンを作るがために、体の入れ替わりや隕石やらのストーリーの大部分を一種のマクガフィンとして機能させていることだろう。正直、この大胆さには驚愕した。災害の風化という寓意は間違いなく存在するとは思うが、それよりも、秒速五センチメートルを意識したラストシーンだったと思う。  ピント合わせをしたかと思えば、引き戸の開閉を真横からローアングルで撮ったり、高速でカメラが移動したりと、実際かなり奇妙なことをしているのだが、リズムが生まれて悪くない。また、作画においては、モネっぽいと思ったのだが、光源あるいは光線そのものの使い方が印象的だった。例えば、三葉が消えるシーンで、光線を境とした、左右の立ち位置の徹底ぶりとかだろうか。隕石のシーンは、BGMや最早、お約束である女子高生の全力疾走の一押しもあって、本作の中で、素晴らしい出来には間違いないが、超越的な災害は残酷であり、また、美しいのだというクリエーターが抱える矛盾みたいなものも感じられて、ここら辺はジブリぽいと思った。
[映画館(邦画)] 7点(2017-02-08 01:36:00)
2.  おっぱいバレー 《ネタバレ》 
いまや、おっぱいを見たければ、スマホで検索すればよい。あんなに坂だらけの学校なんて、かわいそうだ。時代背景や、このバレー部が住まう環境を見る限り、この不便さが強調されているような気がします。その意図として、例えば、坂という地形は、単に小言を漏らして這いつくばって歩いていくものとして、映画では機能しているわけではなく、矛盾とも見て取れる、少年の純粋なエロの欲望さを満たす道具や、汗水を垂らし駆け上がる青春と、綾瀬はるかの教師としての矜持を真摯に示す舞台装置ともなりえ、同時に海や工場を見渡せ、昭和のノスタルジアを惹起させる機能としても効いています。そういった一見、文明が追いついてないからこその欠落、その不便さというものが清々しい感動に昇華されるお手本のような映画ではないかと思います。
[地上波(邦画)] 6点(2016-05-05 16:31:07)
3.  千と千尋の神隠し 《ネタバレ》 
ジブリの中では一番好き。ジブリの代名詞とも言える空を飛ぶという自由の象徴に突き進んでいくと思いきや、あわや軽々しくそれを放棄して、恐ろしい程、静かになってゆく。決して盛り下がっているというわけではなく、清められているというか、見終わった後、凛とした気持ちになっている。そういったところがたまらなく好きなのです。 母の腕にしがみつき、夢かうつつか定かではない世界に入り込む千尋。かつての心もとない千尋のようなカヲナシに付きまとわれるようにまでになった千尋が、帰り道、今までの出来事がまるで嘘だったかのように母の腕にしがみついて、歩いている。成長というものは同一の環境下で為されて初めて、形容される言葉なのかと思い知り、そのストイックさに驚きを隠せません。変わったのは千尋ではなく、環境の方であり、元々眠っていた力が引き出されていただけ。でも、必ず、経験、記憶、そういった類のものは然るべきときに然るべく発揮されてゆく。だからこそ、千尋の紫色の髪留めが静かに、しかし力強くキラキラと光っていることに心が震えて仕方ありません。
[ブルーレイ(邦画)] 9点(2016-05-04 01:25:11)
4.  ちはやふる 上の句 《ネタバレ》 
ちはやとたいちは良いけど、他三人のせいで乗り切れない。キャラが必要以上に濃くて、自分に合わないとキツイな。別に興味はないが、テンション高めの坊やは本当にカルタ強かったの。ネタじゃないなかったの。別に興味はないけどね。こういうのはあまり良くないと思う。カルタシーンでもカットカットの応酬で、一首を読み、それを聞いて、動き出す一連の動きの迫力は軽減されてる気がするのも不満かな。 でも、終始、ボヤけたあの照明はかなり印象的。ボヤけ過ぎて、5人の姿を撮れてないことも。それぐらいボヤけてる。雨が止んで、このボヤけた照明の復権こそがラスト、怒涛の畳み掛けの攻撃の始まりの鐘だったのでしょう。下の句では、このボヤけた照明が鮮明に映るシーンに注目でしょうか。
[映画館(邦画)] 4点(2016-04-25 02:29:18)
5.  百瀬、こっちを向いて。
振り向くというラブコメには必須な動きを禁じられる、すなわち、それは、ひとえにショットが切り替えされないということ。壊滅的に面白くはないけど。
[インターネット(字幕)] 3点(2016-04-25 02:14:51)
6.  東京公園
パスタを作り終えた小西真奈美は、部屋に入り込んで来る風を気にする素振りを見せて、窓をピシャリと閉め切ります。この瞬間、完全に俗世とは隔離された異空間が出来上がった、とも言えるでしょう。弟と姉ではなく、部屋の中に男一人に女一人。そうなることを刹那的に許された禁断の場と見て取れます。もし無人島に二人だけが‥のシチュエーションか。そうであるならば、その後の成り行きは必然と言えるでしょう。視線と視線が交錯し、互いに体を手繰り寄せ、唇と唇を重ね合わせる。三浦春馬のシャッター音は一枚一枚の服を剥ぎ取り、心の深層に侵入するエロさと危険性を感じました。ここで、車やバイクのエンジン音をわざわざ残すあたりは監督の意地の悪さか。そして、二度目の口ずけへと移る、このなんとも言えない程の焦れったい、間。これほど濃密な間は近年の邦画では類を見ないのは明らかではなかろうか。そして、時間は無常にも過ぎ去り、無邪気な子供の遊び声によって日常に連れ戻されたのであります。 ジッと被写体を捉え、シャッターを切る。写真を撮るという行為は視線と視線の交換ということには、ハッとした。ラスト、高橋洋が三浦春馬に見せる生の表情はとにかく感動的であるし、その後、流れる、再生を感じられるギターのBGMも素敵でした。喪に服す、榮倉奈々の黒のネイルが色づく日は近いのではなかろうか。
[DVD(邦画)] 8点(2015-11-21 00:20:17)
7.  トウキョウソナタ 《ネタバレ》 
ラスト、ピアノを弾く息子の姿を見守る香川照之が薄っすらと涙を浮かべる表情にはいたく感動しました。父として、サラリーマンとして、必死に背負い込んでいた体裁という肩の荷が降り、身も心も開放した男が、不意に幻想的で神々しいまでの美に邂逅した時、これ程美しく、生に執着した表情をするものなのかと。窓を閉めることから始まる映画であり、次男は窓が開いた開放的なピアノ教室に憧れ、母は屋根が開く車に心奪われ、父は窓から家にこっそり入る。ラスト、見事に窓が開け放たれて、カーテンがゆらゆら揺れている。窓の映画といっても差し支えないでしょうか。
[DVD(邦画)] 9点(2015-10-20 21:07:15)
8.  CUT(2011) 《ネタバレ》 
西島秀俊演じる秀二にとって、映画とは自分そのものということか。彼は古き良き映画の亡霊というよりかは、もはや彼自身が映画なのだと思う。そんな彼は決してキレることなく地団駄を踏み、必死にサンドバッグの如く耐える。あれほど忌み嫌ったお金の為に、耐える。奇声を上げて、存在を強烈にアピールする。守り抜き、後世に伝えたいと切に願う映画の消費世界真っ只中の姿のようである。忘れ去られてしまった、かつての耐え忍ぶ日本人の在り方かもしれない。映画好き、ともかく、血の通う人間ならば、ボロボロになりながらも、それでも、思い描く未来を見据え、生に執着する姿に心が微塵も動かないということはないはずだ。そして、彼は死ぬことなく、逞しく生き残るのだ。 とりあえず、巷のクソ映画とは違うのだと謳うだけの真の映画らしき皮を被ったファッション映画とは一線を画す出来であることは間違いないと思う。それこそが断罪すべき真の消費映画そのものだと思う。 ただ、金は受け取るより、拾う方が絵的に良かった感じもするのだけどな。あと、フィルムの沐浴みたいなのは狙い過ぎで、白けたかな。
[DVD(邦画)] 7点(2015-10-16 19:30:39)
9.  アカルイミライ
刑務所の面会室で、フラフラと歩き回る浅野忠信が看守によって、椅子に座り直されるシーンが二回程あったかと思います。看守が両手でトントンと肩を叩き、まるでお前の居場所はここだということを示しているようでした。彼はとにかく、正社員であり、兄であり、さらには兄貴分という役目になることさえも嫌っていて、ひたすら、自由を求めるその姿が前半部のストーリーテラーでした。ようするに、黒沢清が撮りたかったのは、クラゲが“水槽”に入れられているカットでありシーンであると思いました。決して、水にぷかぷか浮かんでいるだけの姿ではなく。さらには、人の心を和ますのではなく、人を刺す姿。そして、そんな水槽が浅野忠信の部屋という枠から存在しなくなるカットはストーリーの危機の予兆でもあったことは間違いありませんでした。ところで、ゲームセンターで彼の妹の彼女に負けた時、オダギリは茫然自失となるのだが、“Panic”とプリントされたTシャツを着た店員?がちょうどカメラの前を通り過ぎるだが、これは偶然とは思えませんでした。状況説明シャツっていうやつですよね。撮影クルーという、普通では画面の枠には映ってはいけないものが映り込んでしまうラストは今作にお誂え向きなラストだったと思います。奇抜さだけを求めた学生映画と一枚も二枚も上手の演出でした。“枠”を強烈に意識した映画でした。 僕が一番印象に残っているのは、おしぼり社長の娘でした。買い与えられた勉強机、という名の拘束椅子が運ばれているのを、あの少女がどんな顔で見つめていたかをちゃんと見ただろうか?どんな顔で夕食を食べていたかをちゃんと見ただろうか?少なくとも、あの親は気づいてはいないでしょう。偶然見たとしたとしても、“具合が悪いの?”と頓珍漢な言葉を投げかけ、そして、少女は“大丈夫だよ”と儚げな笑顔で返すのが関の山でしょうか。お前ら親が危険の温床である。浅野忠信はきっと気づいたに違いません。あの子は小さなクラゲだと。毒を以て毒を制するべしと。川に解き放つべきだと。浅野忠信やオダギリがあの親を殺さなければ、あの少女が殺していたかとも思います。だから、家族という檻から放たれ、トンネル?を一人で歩いていく、名も知らないし、その後、映画から飛び出したようにも思える少女に僕はいたく感動しました。
[DVD(邦画)] 8点(2015-09-26 08:45:11)
10.  火垂るの墓(1988) 《ネタバレ》 
清太の過信、軽率な行動の数々には目に余るものが確かにあるのだけど、14歳の僕ならどうしただろうかと考えてしまう映画 。そして、もし大人なら、清太にどんな言葉をかけれただろうかとも思う。映画を見るときは、恥ずかしいことに大体自分のクズ度は棚に上げて、一々の言動に文句を垂れがちなのだけど、今作は何か人のこと言えないなぁって気分になったかな。何かそういう見方をしてしまう特殊な映画でした。経験なくして、成長なんかあり得ないってのは僕の持論なのだけど、人の痛みは痛めつけられて初めて、分かる。親心は親になって初めて、分かる。清太は節子の死をもって、自身の甘さを心の底から悔いて、思い知ったと思う。あの沈痛な面持ちは筆舌に尽くしがたい程。でも、清太も間も無く、夭折する。これが“火垂るの墓”で一番、残酷なシーンだと思った。自分を正しく知ること、置かれている境涯を知ること、そして、そこで何をするかを判断することは非常に困難だと思った。 これで、何度か観たことになるのだけど、親戚のおばさんがおにぎりを握り終わった際に、手についた米粒を舐めるシーンで、毎回胸を突かれる思いがします。
[地上波(邦画)] 5点(2015-08-26 17:49:35)(良:3票)
11.  おもひでぽろぽろ 《ネタバレ》 
分数の割り算のエピソードが物語るように、タエ子は小学5年生のときから、あれこれと考え過ぎな性格で、ちょっと被害妄想気質のヒロイン。良く言えば、感性が鋭いといえるかな。実際、割り算には等分割と包含割の二種類の意味があるがために、分数の割り算を等分割で考えてしまってはイメージしにくいのです。ようするに、彼女の疑問は軽々しく唾棄出来る屁理屈ではなく、めちゃくちゃ良い疑問なのです。少なくとも、“ひっくり返すだけ”で分数の割り算が出来ることなんかより、百万倍の価値があるのです。そんな彼女には汲々と働いて、家路につくのを繰り返す都会暮らしは明らかに向いていないように見えます。だから、山形は彼女の心の聖域だったというわけです。“大人になるということ”は逃げる勇気を持つこと。人はなかなか変われません。ならば、変わる必要はない。環境を変えてしまえばいい。そして、心の赴くまま、素直に進めばいい。一つの立派な決断だと思います。 初恋?初キュンの嬉しさのあまり、空をすいすいと泳いで、布団に着地するシーンはアニメならではであって、その飛翔感たる思いがよく伝わってくるとっても好きなシーンです。
[地上波(邦画)] 5点(2015-08-26 01:10:54)(良:2票)
12.  永遠の0 《ネタバレ》 
反戦というよりかは“戦争の風化”の方に重きを置いているように思いました。この一点というか、“関心を持つ”ということには非常に共感をするのですが、ストーリーは恐ろしく説明的で、相変わらず三浦春馬は爽やかミュージカルを絶賛公演中であるし、ラストの方は激甚なカオス状態であるし、僕には見るに堪えない出来でした。映画を観るなら、原作者の生い立ちも見ろと言いますが、百田尚樹はどうもいけ好かないのはなんででしょうかね。彼は何かを分泌しているのでしょうかね。週刊誌は相変わらず反日が大好きなようで、テレビはこぞって戦後70年特番の嵐で、雁首揃えて中国、韓国は歴史問題に拘泥するわ、政府は集団的自衛権を抑止力だと言い張るわで、戦争問題が経済問題やビジネスの隠れ蓑となってしまっているのは本当に悲しく思います。どちらにせよ、これ観て、戦争に少しでも関心を持って、原爆ドーム行くなり、おじいちゃんに話聞くなりして、感動の涙も忘れるくらいのただただ恐ろしいだけの先の戦争の記憶について目を逸らすことなく、考えることに繋がるのならば、この映画の価値も生まれるのかなと思います。
[地上波(邦画)] 2点(2015-08-16 02:15:18)(良:1票)
13.  嫌われ松子の一生 《ネタバレ》 
人生の主役はあなた自身だ、という言葉があります。まさにその通りで、その他大勢は皆脇役でした。唯一、瑛太が観客の役回りで私達の目線と重なります。よって主役は松子。シンデレラを演じるか、はたまた稀代な悪魔女を演じるかは松子の自由なわけです。しかし監督や脚本の全てを主演松子が担うわけではないのです。人生にストーリーの起伏を与えてくれるのはあくまで他人です。この思い通りにならない運命という歯がゆさこそが人生の難しさでもあり面白い所でもあるのです。しかし、何を演じるか、またどう感じるかは主役の主導権。それは一貫してファンタジー調に描かれる演出から容易に想像できます。煙がかったフィルター、ファンキーなフィルターは松子の感情にそのまま直結してゆきます。 裏切られた末に引きこもり、もう恋なんてしないと腹を決めたような松子は死に際、自身を姉と慕ってくれた妹に思いを馳せます。松子は決して愛を与えられていなかったわけではないと思うのです。ただ酸いを少々経験し過ぎて、自身を愛せなかったから、その自分を愛してくれる愛を素直に信じることが出来なかったのではないかと思います。 屈折した感情ですが、共感出来ます。 告白から始まり、中島哲也の映画はこれで4本目です。癖のある映画を撮られていますが、他の監督とは一線を画して、センスがあるのではないかと感じます。
[DVD(邦画)] 7点(2015-05-02 18:47:17)(良:1票)
14.  新宿スワン 《ネタバレ》 
バカで素直。天は二物を与えてしまった奇跡の男、タツヒコが新宿でスカウトマンとして華麗に舞ったり、舞わなかったりする話。 メインキャストはもちろんのこと、ヒデヨシの金魚の糞みたいな方々まで教育が行き届いてて、割と楽しめました。ここら辺のスカウトとしての園子温の人選は認めるのは悔しいですが、好きです。他、一切全て嫌いですが。
[映画館(邦画)] 5点(2015-04-22 17:33:03)
15.  そして父になる 《ネタバレ》 
本当の子供とは血の繋がった子なのかそれとも共に過ごした子なのか、そしてどちらを選ぶのかを問う映画では決してなく、まさしくタイトル通り「父になる」、父とは何かを問う映画だったと思います。福山雅治はどちらの子にも失格の烙印を押され、父親の責任、意義、そして素晴らしさを子供達から学んだように見えます。こんな僕が父になっていいのか?でも、父になりたいと切に願う僕にとって胸を打たれるような映画でした。結局父とは何かは分かりませんでしたが、もしいつか我が子を授かう日が来れば生涯をかけてちゃんと我が子を愛せているのか、ちゃんと父として務めているかを、そして父になるとは?ということを自分の心に常に問うて生きていかなければと気持ちを新たにさせられました。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2015-02-06 15:46:10)(良:1票)
16.  横道世之介 《ネタバレ》 
横道世之介の映画ではなく、横道世之介についての映画でした。時には恋のキューピッド、時には親友、時には恋人となり、相手を和ませるような存在である世之介は、まさに作中に登場する世之介の隣の部屋で鳴るベルと重なります。存在が当たり前がゆえに、存在を忘れて、なくなったときには凄く寂しく感じられます。いい奴ほど自然体過ぎるから有り難みって感じさせてくれないからね。そして、そんな世之介は人助けをしたが故に電車に引かれて、亡くなりました。作中では詳しくは語られませんが、どのような死に際だったかは映画を通して見れば、容易に想像出来ます。そのための2時間越えの映画だったと思います。なにより、人の為に死んでしまうなんて世之介らしい死に方ではありませんか。危険を省みず、咄嗟に線路に飛び出したんだろうな。世之介は加藤の真似をして、カロリーメイトを頬張り、赤ちゃんを見れば、すぐに母に感謝の電話してしまうそんな単純な奴だから。そして、本当、世の中って残酷だなってつくづく思う。この前、母と夕飯食べながら、ニュース見てたら、事故で救助しようとした人が二次的に犠牲になったっていうニュースが流れてて、そのとき、母が「あんたはそんな立派なことせんでもいいんよ」ってボソッと言ってたのを凄く思い出した。そんなことがあったから、ラストの世之介の母の手紙は胸に刺さった。 優しく、立派な息子だったから誇りに思うとか、運命として割り切るには酷すぎる。本当酷。
[DVD(邦画)] 6点(2014-11-05 04:57:35)(良:3票)
17.  真夏の方程式
傑作、堂々たる出来。 共に横に並んで座るというイメージがこれ程までに意味を持つとは驚きです。小さな探偵くんに対し、頑張れと一方的に投げかけるのではなく、共に考えよう、一人ではないと呟く湯川。冒頭の議論のように、向かい合い、人に教授する立場の存在であるにも関わらず、横に一緒に座る。そのイメージは本当に力強い。面会室のガラスに阻まれ、向かい合うことしか許されない杏と義親とも対比されているかと思うと一層、感動的。あの事件だけでなく、文明の発展に伴い未来に残され、未だ答えの見つからない遺物に対しての、物理学者という立場としての言葉にも聞こえました。行きは、一緒に電車で島にやって来た2人。帰りは、一人。父ちゃんはうたた寝。行きは、進行左方向、帰りは右方向。ここにも相当、示唆なものを感じざるを得ません。 事件の動機が弱いのは確かでありますが、夏休みにたまたま島にやって来て、たまたま事件に巻き込まれる形となったあの子をストーリー軸に据えるのであれば、脈絡がないほどストーリーの理にかなっている。
[地上波(邦画)] 9点(2014-09-13 21:28:25)
18.  苦役列車
最後の最後に貫多はやっと変わることができた。それは月日が流れたからでもなく、殴られて裸で捨てられたからではない。同類だと思って憐れんでいた高橋が夢に向かっていたからだ。変わる機会はいくらでもあった。正二に「お前はいい奴だよ。」と言われた時。康子に振られた時。高橋が怪我した時。元彼女とあった時。正二に見放された時。そして父親が性犯罪をした時。僅かな気持ちの変化はあったけど、人生を諦めていた。三年後、映画の冒頭と同じで、ソープから出てくる。努力をするわけでも、父と同じように犯罪に手を染めるわけでも、自殺するわけでもなくただただ漫然と不満を抱えながら過ごしていた。でも、最後に変わることが出来た。パンツ一丁で本を書くシーンは原作にはありません。山下監督はどんなダメな奴でも、運が悪いやつでも変わることができる。人が変わることは本当に本当に難しいけど、変われる。変わっても99%無駄に終わるけど、成功するかもしれない。監督はそういう希望を表したかったのだと思います。原作を書いた西村賢太は映画のリメイクを厳しく非難しています。彼は人生の不条理さを徹底的に表しています。変われない人は一生変われない。負け組だと。辛いけど、原作の方が現実だと思います。人はそう簡単には変われない。でも、そんなのは嫌というか、真っ向から立ち向かってやりますよ。若いうちぐらい夢を見てやりますよ。そして、絶対、叶えてやるし。
[DVD(邦画)] 7点(2014-03-08 18:38:34)(良:1票)
19.  おおかみこどもの雨と雪
若干20歳の子供から見れば、素直に感動出来ました。母親の強さ、暖かさははっきりと描かれていたと思います。優しい子になって欲しい、頭が良い子になって欲しい‥贅沢なことに願いはドンドン増えていきますが、"元気でいて欲しい"のこの一言が親が子に込める一番の切なる願いなのだと思います。ハナが雪との別れ際に放った言葉、そして満面の笑顔は素敵でした。 今年から一人暮らしを始めて、トイレットペーパーを自分で買い足すことに新鮮味を感じる身にとっては広島にいる両親のことを思い出すばかりです。母さんの作る料理を「まずくはないけど美味しくない」と言い、太っている母さんに「デブだね。」と言い、浪人した時に「80万あったら車が買えたわ」とボヤく母親に「なら働いたら全額返してやるわ」と喧嘩腰に突っかかったこともありました。情けない。本当に申し訳ない。「体に悪いから炭酸のジュースはもう買わん」というくせにいつも冷蔵庫には炭酸のジュースがそこにありました。そんな僕に甘すぎる母親に本当に感謝してます。昨日はクリスマス。母さんと父さんだけ。結構心配だ。親が子供の幸せを願ってくれるように子供も親の幸せを願っています。遅いですが、メリークリスマス。早いですが、来年も良いお年を。いつか大きくなった姿を見せれたらと思います。
[DVD(字幕)] 6点(2013-12-26 23:53:02)(良:3票)
20.  容疑者Xの献身 《ネタバレ》 
実らぬ恋は死をもって成就するということは相場で決まっていて、その願いを確実に叶えるために石神は罪をわざわざ犯したのかと僕は受け止めました。利己的な自殺ではなく、愛する人の為に命を賭する。それは自決に近い。此れほど、人として生きた意義を感じれる瞬間はないと思う。その至上の幸福が突如、崩れ落ちる。その非情なまでの情感の振れ幅に圧倒されました。 いろいろな目線が交錯する中で、手を広げたくなるところ、あくまで一途に人を愛した石神の話に絞ったこと、脚本の自制に勝算があったかと思います。
[映画館(邦画)] 7点(2013-09-20 19:45:15)
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