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なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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41.  プラットホーム
おそらく二度目により感動するたぐいの映画だろう、と日記に記しているが、まだ二度目は果たしていない。青春の自由と自由ゆえの頼りなさみたいなものが、あわあわと描かれていた。炭坑で働く人々の描写が向こうでは当局のチェックにあったとか聞いたけど、社会問題を提示するというより、青年たちがこれから出て行かねばならぬ社会の苛酷さにおびえためらう要素として置かれていたよう。汽車のモチーフが全編を貫いた。汽車を見たことのない彼らが、バスの中で警笛を真似て始まり、最後は村に戻って家庭にはいった一人の部屋でケトルが警笛のように鳴って終わる。その部屋からは、若いときにタムロしていた城門が見えている。日本にもあるサークル青春ものの中国拡大版だ。日本の青春ものの過剰ななれなれしさがない。外から聞こえてくる町の音、半野喜弘のヴァイオリンとチェロの音楽が、断片的に入る。
[映画館(字幕)] 7点(2008-07-04 11:22:36)
42.  ドッグ・バイト・ドッグ 《ネタバレ》 
話はかなり大ざっぱ。重症だった破傷風の女性が、逃げた先でけっこう元気だったり。それに暴力描写もややドギツメで、うんざりしてしまうとこもある。殺し屋も刑事も非情の世界にどっぷり浸かってるってとこを描いてるんだから仕方ないんだけど、殺人犯をおびき出すために刑事が女を殴るってのは、見てて気持ちいいものではない。でもこれどうやらハードボイルドってよりも神話を描きたかったらしいのが、後半になって分かってきて、ならこういうのもアリか、とも思った。冷血な殺人機械として育てられてきた男が、女の足にゴムゾウリ越しに刺さった釘の痛みに共感し、何かが変わっていく。それはやがて子どもの父親として生きようとする希望に育っていく。一方刑事は、父親への失望から、自らを殺人機械へと駆り立てていく。この神話のような大掛かりな交錯を描こうとしたココロザシは、とりあえず買ってやりたい。
[DVD(字幕)] 6点(2008-06-21 11:52:57)
43.  リサイクル -死界- 《ネタバレ》 
ホラーで始まっていながら途中からファンタジー方面に行っちゃうので、こちらの心構えがちょっと狂う。没にしたアイデアに復讐される作家って設定は面白いんだから、それだけで押していっても良かったんじゃないか。それを“見捨てられたものたちの怨念の世界”に広げて、西洋風のゾンビみたいのまで出しちゃうのはもったいない。とはいえCGで造り出したいくつかの世界は魅力的だった。暗く深い路地・廃遊園地・冥界の図書室・中継点の宙に浮かぶもの。活劇よりも、見捨てられたもののうらぶれた哀しみを出す静かな場面で、CGが効果的に使われていた。
[DVD(字幕)] 7点(2008-06-01 12:10:24)
44.  エレクション 《ネタバレ》 
香港黒社会の内部抗争ものだが、組織誕生四百年の歴史を誇るかのように西洋伝来のピストルを使わない。ひたすら腕力、木で・石で・スコップで直接殴る、首を絞める。古代中国刑罰史にでも出てきそうな、箱詰め崖落としもある。もう伝統の格式である。思えば冒頭、チリレンゲをジャリジャリと食べたあの感覚が、この映画の基本姿勢だったわけだ。で、その伝統に則った契約が、いとも簡単に破られるのがポイントで、それが粗暴な方ではなく理知的な方によって破られるところに、しょせん契約なんて権力を獲ったものの勝手、いうこの世界の酷薄さが見えてくる。ああいうことやろうとしてるときに子ども連れてくるかなあ、とも思ったが、そうやって安心させる冷酷さの表現なんだろう。しずしずと夜の街を徐行していく車列シーンの緊張がたまらない。
[DVD(字幕)] 6点(2008-04-05 12:21:49)
45.  PTU 《ネタバレ》 
この寡黙さはもう映画の鑑ですな。冒頭の事件からして、空調から垂れる水滴、間を置いて鳴るケータイ、そして不意の凶行、と無駄な声が一切なく、演出も、アクションとしてもコメディとしても、押すところと外すところのリズム感がいい。ゆったりと自転車小僧が現われてくるあたりの外しかたのうまさね。二つのヤクザの対立に、そそっかしい刑事が絡むってだけがこの映画の基本設定で、いちおう捜査側にもそれぞれ欠点を与えたりはしているが、別に人間に深入りはしない。その分、主役は香港の夜そのものになった。けっきょくこの映画では、ずっと夜を味わっていたような気がする。一晩の物語ならたいていラストは朝と決まっているのに、そうしない。朝が来るのがもったいないような夜だったからだろう。これであと音楽がもうちょっと寡黙にしてくれてたら申し分ない。
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-28 12:23:37)
46.  ザ・ミッション 非情の掟 《ネタバレ》 
アクション映画の最大の見せ場は、アクションを封じられる場面にあった。ショッピングモールでの狙撃のあと、5人のボディガードがそれぞれの方向を向いたまま彫像のように凍りつく。動けないこと・動かないことの緊張が凄まじい。映画は動きを描けたと同時に、動けない時間も描くことが出来たのだ。ラストにもレザボア・ドッグス調の凍りつきが用意されている。ハリウッド映画で車をやたらひっくり返されるより、こういった沈黙の凍りつきのほうがよっぽど御馳走だ。男どもが丸めた紙くずを黙って蹴りあってるシーン、べつにどうってことない場面なんだけれど、あれがあることで、彼らの間に裏切りは起こらないと確信できてしまう。いいねえ、寡黙な男の世界は。
[DVD(字幕)] 7点(2008-02-11 12:17:33)
47.  ココシリ 《ネタバレ》 
自然を保護するために自然の猛威と戦う男たち。チベットカモシカを保護する組織を運営していくために、密猟されたその皮を売らねばならない皮肉。いくらでも膨らませられる矛盾を蔵しながら、それらがどうも立ち上がってこない。追う者も追われる者も生活感がないので、隊長のエイハブ船長的執念は抽象的に研ぎ澄まされて描かれたかもしれないが、生活感のなさは全体を「自然の脅威」の観光映画にもしてしまった。生活感のない人物はブリザードに取り残されても、心細さがもひとつ迫ってこないのだ。人の匂いのしない地形に、すんなり溶け込んでいってしまう。
[DVD(字幕)] 6点(2007-11-25 12:21:26)
48.  the EYE 【アイ】 《ネタバレ》 
ただ不鮮明な映像という手だけでも、角膜手術後の視界という設定を重ねれば、ある程度不気味がらせることはできる。ぼんやり見えているものが、本当に向こうにあるものなのか、そうでない別のものなのか。また、この主人公が視力を失ったのは二歳の時で、手術後も視覚で認識するということになじめず、つい触覚に頼ろうとその不鮮明なものに手を伸ばしてしまう、という設定。鏡像は手で確認できないということでその設定はイキたが、怖がらせるのにもっと使い道があったような気もする。一番怖かったのは、エレベーターにいた背中向けてるじいさんだ。西洋のホラーでは力強いものが身をそらし爪を立てて襲ってくるが、こちら東洋では非力そうなじいさんがうつむいて怖がらせるのだ。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-27 12:16:12)(良:1票)
49.  胡同のひまわり
もう我慢できぬと家から出てこうとするせがれに、父親が「今日からずっと私はおまえから離れない」と宣言するのがすさまじい。明治の自然主義文学も鬱陶しいお父さんを描いたけど、でもあれは家の重さがその背後にあって、せがれの抵抗にも悲壮味があった。こっちのお父さんはフートンの長屋住まい、重厚な背景がなくて、せがれの父親見る目には哀愁が混ざっちゃう。文革で奪われた夢をせがれに託すその一途さ・まっすぐな頑固さが、少なくとも当事者でない観客には悪くないのだ。地震のときに消えた子猫が、二十数年後、開発で壊されていくフートンの瓦礫の上を歩いてた成猫につながっているのか。フートンを守っていた精霊のようでもあり…。
[DVD(字幕)] 6点(2007-08-09 11:16:33)(良:1票)
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