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パブロン中毒さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 914
性別 女性
ホームページ http://ameblo.jp/cluttered-talk/
自己紹介 After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to.

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1.  海を飛ぶ夢 《ネタバレ》 
傑作だと思います。 テンポも良く、極力セリフを抑えて内容を伝える手法も洗練されています。 さて私が気になっているのはこの映画の白眉といえる「ハビへの詩」でして、じつはこの詩でラモンの事故の間接的な理由も、そして事故前の人生を捨ててしまった理由も、すべて解けるような気がする。 ラモンは飛び込みの際に「他の事が気になって」いたわけですが、この詩によればそれは「恋人に妊娠を告げられた」からだと思われる。そして、事故後に恋人は「結婚したい」などと言いますがそれは妊娠していたからという理由が大きい。ラモンは拒否し、彼女は1人で育てる自信もなく堕胎します(薔薇とは恋人のこと)。 …後年ラモンはこのことを悔い、「生まれなかった息子の魂」が別の赤ん坊となって生まれてきてくれることを願います。そして、ハビが生まれ、ラモンはハビを「生まれなかった息子」の生まれ変わりのように思い、そしてそう信じたかったのです。 もっというと、事故直後のラモンは「こんな体になってしまった事故の原因」であるところの「恋人の腹の中にいる胎児」を恨んでしまったのです。アレさえデキなければ。自分はこんなことには。 それがラモンの罪悪感であって、「ハビへの詩」を書かせたのです(ハビは高校生ですからラモンの子供では有り得ません)。 もうひとつ、ラモンが死ぬことに固執した理由、それは間違いなく「家族のため」です。 だからこそ、死の録画では一切家族のことを語りませんでした。28年間も介護してもらったのに、死ぬときになって感謝の一言もないのは本来の意図を隠すためです。「オレは自分の意思で勝手に死ぬんだぞ」ということにしておきたいのです。「義務」とか「権利」とか言っているのも同じことです。 彼は家族をラクにするために、死んだのです。ハビはじきに高校を出れば家を出て行く。人手が減るわけです。父親はいつボケたり寝たきりになってもおかしくない。被介護者が2人になるわけです。 2年前にラモンが死を行動に移しはじめたのはこのタイミングだったのでした。 ラモンの死は「尊厳死」というより「家族への愛」と呼ぶべきものです。そのことを、ベタベタした家族関係を見せるのでなく、うまいこと表現したと思う。 …ちなみに私は尿カテーテルと点滴を刺されて首しか動かせない状態を3日間くらい経験しましたが、あの状態は拷問としか言いようがない。
[地上波(字幕)] 9点(2010-08-31 22:14:36)(良:3票)
2.  ウィスキー 《ネタバレ》 
秀作である。たぶんウルグアイに住むユダヤ人のオヤジの話だろう。結論から言うと、「ウィスキー」とは、「ヤコボの人生に足りないもの」を意味しているのである。それは「うるおい」みたいなものだ。ヤコボはよく働いて、お母さんの介護もして、普通なら褒められる人間であって、全く悪人ではない。ところが、彼は「楽しみ」というものを知らない。「カチカチ」といろんなスイッチをつけたり消したり、飲み水の衛生状態に気をつけたり、壊れた物や穴の開いた壁は気になって放っておけないし、しごく「規則的」に生きているのである。一方マルタは女であるから、タバコやラジオやたまに行く映画など、自分の楽しみを持っている。そんなマルタが、「妻のふり」を頼まれた時、「もしかして自分のことをちゃんと人間として見てくれていたのかも」と期待してしまったのは当然だ。ところが、「夫婦生活」でも全く態度が変わらないヤコボ、「人生には楽しみが必要だと思ってる男」弟エルマンの登場により、マルタの心は揺れる。そして帰りのタクシーの中の涙。あれは、「やっぱり私のことは道具としか思ってなかったんだ」である。そりゃそうだ。「妻のふり」の礼にお金を渡したうえに見送ってもくれないんだから。ラスト、靴下製造マシーンのうなりをひたすら写すショット、これが「ヤコボは他人をマシーンと同じような道具としか見ていなかった」の意味である。それで、まあ私は思った。「ヤコボみたいな男の方が多いよね。」悪い人じゃないんだけど、ケチで鈍感で人の話を全く聞いてなくて、おまけに見栄っ張りで(結婚しているふり)、「女」といったら若い女としか認識していない(レストランでヤコボは若い女をねっとり見てる)、髪型を変えても全く気がつかない、そーゆー男。なんだか、ヤコボ的な男って、日本には余裕でいっぱいいるように思う。その意味で、男子の皆さんには大変ためになる映画ですよ。反面教師のつもりでご覧ください。高校生くらいのお子さんには「こういう男性になってはいけませんよ。」と見せるのもよいでしょう。ついでに、ヤコボ状態のまますでにオヤジになっている人は今からでは遅いです。
[DVD(字幕)] 8点(2006-01-21 23:27:31)(良:3票)
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