21. アザーズ
ホラー・サスペンスというジャンルにおいて今作ほど優れた作品はなかなかない。絶妙に怖く、絶妙にサスペンスフルなその映画自体のバランスに魅了される。巧妙なストーリーテリングにニコール・キッドマンの妖しい美しさが混ざり合い相当に秀逸なゴシックホラーへと昇華させている。ラストの顛末を知らない初見時の衝撃は物凄いが、再度観ても存分に楽しめる傑作。 9点(2004-01-13 15:43:04)(良:1票) |
22. ライブ・フレッシュ
ペドロ・アルモドバル特有の人間関係の熱っぽい濃厚さは感じるが、「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥー・ハー」などほどの物語の完成度の高さはなかったように思う。冒頭、市街バスの中で息子を産み落とすペネロペ・クルスが印象的だった。 5点(2004-01-08 18:49:31) |
23. ナインスゲート
導入部をはじめとする映画的な雰囲気は非常に味わい深い怪しさに包まれ引き込まれたけど、ストーリーが進むにつれどんどんシラけてゆき、どうしようもなく陳腐なラストの顛末には興ざめもいいところだった。一部ではあるが目を見張るところもあっただけに、あまりに弱い詰めに落胆する。 2点(2003-12-24 01:42:52) |
24. ロスト・チルドレン
ジャン=ピエール・ジュネの悪趣味なファンタジー世界が何と言うか、素晴らしい。ドロドロとした映像世界の中で繰り広げられる童話のような物語に引き込まれる。等身大で怪人を演じたロン・パールマンの存在感が映像に映える。 8点(2003-12-22 17:44:06) |
25. オール・アバウト・マイ・マザー
素晴らしい。正直その一言に尽きる。スペインという環境の影響もあるかもしれないが、この映画の登場人物たちはそれぞれ一人の人間としてのエネルギーに溢れている。「人間として生きていくとはこういうことだ」とその生き様をもって訴えかけてくるようだ。社会的に立派な生き方をしているわけではない。しかし彼女たちの生きていく力は偉大なほどに素晴らしい。あらゆることに苦闘し辛酸をなめながらも、人間は生きていかなければならない。悲しみ、笑い、ひたすらに生きていく彼女たちの姿に胸が詰まった。 10点(2003-12-16 21:40:26)(良:1票) |