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すねこすりさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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【製作国 : スペイン 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  ブランカニエベス 《ネタバレ》 
チラシのゴシックアート的な雰囲気に惹かれて、つい劇場へ。サイレント&モノクロってんで、途中寝てしまわないか心配したけれど杞憂でした。何しろ、映像の美しさと音楽の素晴らしさ、これだけで見に行った甲斐があったってもんです。確かに、「白雪姫」の翻案には違いありませんが、こちらの継母は、白雪姫のそれより人間臭い。それが可笑しい。ややブラックコメディ的要素も満載です。モノクロってのは、スペイン人の美女の様に彫の深く各パーツが大きい顔は、いっそう美しさを強調するものですね。実母も祖母も継母も、そしてカルメンも、美女また美女の登場で溜息モノです。惜しむらくは、美青年が一人も出てこなかったことでしょーか。・・・と書くとネタバレですかね。もう、最初から最後までカルメンは悲劇の連続、救いがありません。ラストも、思わず「え~、そんな・・・」と言ってしまったくらい。1920年代当時のスペインの混乱と貧しさが何となく背景に感じられる描写ではありますが、何よりも、現実は、泥沼の現状からキスひとつで救い出してくれる王子様なんていやしない、ってことを、残酷なまでに描写しております(グロという意味ではありません)。このラストに賛否はあるでしょうが、私はその救いのなさと残酷さにガックシ来たけど好きですね。アタマからずっとそういうテイストで展開してきたのです、納得のラストです。あまり奥行きのある作品とは言えませんが、ゴシックアートがお好きな方は、決して見て損はないと思われます。この監督の次回作がちょっと楽しみですな。いや~、美しかった!!
[映画館(字幕)] 7点(2013-12-16 22:38:47)(良:1票)
2.  今のままでいて
ナタキンの美をフルコースで堪能する「だけ」の作品です。ナタキン好きの私は楽しめましたが、そうでない人にはイマイチじゃないかな。しかし、イタリアの女のコたちって、これが標準なんでしょうかねえ。多分違うと思うけど、本作を見ていると、標準なんじゃないかと思えてしまった。マストロヤンニは、はっきりいって、もうどーでもいいです。目には映ってたけど、認識はしていませんでした、私の脳みそは。
[DVD(字幕)] 5点(2013-12-07 00:09:29)
3.  SWEET SIXTEEN
頭が良く、根性もあるリアム。学ぶ機会と環境さえあれば、彼には違った、堅実な豊かさを求めることが可能な人生が開けたに違いない。『ケス』と同じ。子どもは親を選べない、出自だけは「運次第」なのだ。・・・しかし、イギリスも日本も、選挙の投票率で圧倒的に若者のそれが低いのだそうだ。これって、若者に責任があるのか? 選挙に行くことの意味すら教育してこなかった、「教育行政」が根源的な問題じゃないかと思う。経済格差が教育格差に比例しても仕方ないと思っている大人が多いという現実を、大人のエゴ丸出しで恥ずかしいと思わないのだろうか。自分や自分の子たちさえ良けりゃいい、ってことでしょう、ぶっちゃけて言えば。教育って、一番大切な国の政策の一つのはず。道徳とか愛国心とかそういう方向じゃなくてね、もちろん。先日見た『きっと、うまくいく』の主人公が言っていた「成功を追い求めるのは間違い。優秀でさえあれば成功はついてくる」というのは、一種の理想論だけれども、ある意味、真実でもあると思う。教育って、要するに国家の人材を育てることなのに、そこを格差放置のまま、「再び世界一を」なんて、ちゃんちゃらおかしくて開いた口が塞がらない。・・・と、これは現在、選挙期間中で政見放送を目にする機会が多くて、イヤでも、自国の貧困なる教育行政を見せつけられるからグチを書いてしまいました。リアムがもっと頭が弱くて、ただの不良だったら、そもそもこの作品は成り立たないものね。ローチはだから上手いと思うし、意地が悪いというか、社会派なんて言われちゃうんだよね。本人は社会派なんて言われて、あんましうれしいとは思っていないと思うけど。もっと、人間としての当たり前のもの、不条理を少しでも減らせるはずのことに焦点を当てているだけだよ。だから、見ている者の心をここまで容赦なくえぐってしまう。ああ、リアム、彼の未来に一筋の光が差して欲しい。
[DVD(字幕)] 9点(2013-07-16 23:14:55)
4.  ルート・アイリッシュ
んー、ん゛~、、、。ローチの新作だってんで見に行ったんだけど、彼は、戦争映画はあんまり向いてないんじゃないかなあ、と感じてしまった。『麦の穂をゆらす風』しかり、『セプテンバー11』しかり。戦争で儲ける会社なんてのは他にもたくさんあるわけで。そもそも、主人公のファーガスが何でそこまで大事な親友フランキーを置いて先に帰国したのかが全く分からない。その後、真相を暴こうとするのはまあ分かるとしても、復讐心から短絡的に先走った行動が目に余る。おまけに遺された親友の妻と男女の関係になる・・・。『麦の穂~』でも、内戦に至る背景や内戦そのものの描写は薄かったけれども、内戦に引き裂かれた兄弟のドラマが実に見応えある描写になっていて、あれはあれでまあ、人間ドラマとして良いと思ったけれど、本作は、戦争そのものの持つ犯罪性を問うているわけであって、あまり感傷的な主人公は、テーマの描写に向いていないと思うのだよね。ファーガスがフランキーを死に追いやった男を拷問するシーンがあるのだけど、結局のところ真実を引き出せなかったり、犠牲になったイラクの少年の遺族に援助を申し出たり。なんというか、おセンチ過ぎて白ける。ラストは、まあ、こういう主人公だから、ああいう始末の付け方を選ぶのは道理であって、もの凄く納得するけれども。ローチにしては、冷静な視点が欠落した作品になっている気がして不満だなぁ。どーでもいいけど、字幕に「行ったり来たり」が「言ったり来たり」と変換ミスがあったような。職業病で、誤字脱字にすぐ目が行ってしまうので、揚げ足取りですみません。何よりショックなのは、ローチ作品を見ている途中で睡魔に襲われたということ。こんなの初めて。しかも、劇場出たら、外は予想外の大雨。そんなこんなで、ったく、なんだか凹んだなぁ。
[映画館(字幕)] 5点(2012-04-14 16:08:08)
5.  エリックを探して
登録申請しなかったのに一番乗りですみません。・・・さて、本作ですが、ローチ特有のシビアさはなりをひそめ、非常に暖かみのあるコメディーに仕上がっております。随所に、ちょっと上手く行き過ぎな展開はあるのですが、私はこういう作品好きなんです。映画って、見て、「あー、良かった」と思わせて欲しいもの。本作のように、ホッとできるのも「良かった」と思えるものの一つ。主人公のエリックは、どん詰まりの人生には違いないんだけれども、何より素晴らしいのは、どん詰まりの自分をリスクを省みずに手を差延べて助けてくれる真の仲間達がいたってことです。「勝ち組」と言われる人の中に、真の仲間・友人を持っている人がどれほどいるのか。どちらの人生がより価値があるかは、もちろん人それぞれなんだけれども、こんな仲間のいる人生は心底羨ましいです。カネだけでも満たされない、人情だけでも腹はふくれない、人間って難しいなぁ、、、。仲間のいるエリックに向って、カントナの「あんたの方が上等だ」というセリフもグッと来る。サッカー音痴の私は本作を見るまで知らなかった(往年のスターだったのね)エリック・カントナは、要所要所で出てきますが、ゼンゼン説教臭くありません。そこがイイ。笑わないところもイイ。漁船のセリフは「??」だったけれども、エンディングで腑に落ちます。上手い。うーん、ケン・ローチ、新境地を開いたと言ったら言い過ぎかしら? 結構イイと思うんですけれど、レビューがないのは淋しいなぁ。ローチファンとしては意見が割れそうですね。皆さんの感想が聞きたいです。
[映画館(字幕)] 8点(2011-01-17 22:44:05)(良:1票)
6.  サン・ルイ・レイの橋
え、、、・・・で? というのがエンドクレジットが出た瞬間の感想。仏教でいえば禅問答みたいなもんでしょうか。どーでもいいやん、ということを延々やってます。疲れました。異端審問ってのはとってつけた感じ。しかし、豪華な衣装に豪華な美術、極め付きに豪華な出演陣と、えらいカネのかけようで、これはスポンサーが道楽で作った映画なのねー、きっと、と思いたい。
[DVD(字幕)] 4点(2010-12-20 22:40:24)
7.  瞳の奥の秘密 《ネタバレ》 
んーー、す、素晴らしい。既にご指摘のとおり、ちょこちょこと安易な部分もあるにはあるんですが、そんなのどーでもよいと思えるくらいに魅力ある「オトナの」映画でございました。オープニングの駅のシーンで既にウルウル来てしまった私は、やっぱり歳をとったわけですね、と納得。イレーネが美しい、とにかく美しい。こんな風に歳を重ねたいという見本みたい。それでいて若い頃も違和感なく演じている(これはベンハミンも同じだけど)のが嘆息モノ。そして、カメラワークの素晴らしさ。サッカー場のシーンはもう圧巻! 随所に光る、そして笑いを誘う絶妙な演出。こりゃー、すげぇ、、、と唸らされるばかりです。忘れられないのが死刑の是非に関するセリフのやり取り。胸に迫ります。そしてラストのドアが閉まる。・・・そう、人生って、もうどうにもならないこと、不可抗力なことってあるんですよね。「運命論は大嫌いだ!」と、その昔、放言したゴーマン野郎がいましたが、私はやっぱり「人生は不条理だ」と言える人の方がよほど信じられる。そしてこの映画にはその切なさが根っこに貫かれていて、だからこそグッと来るのですね、きっと。劇場で観てよかったとしみじみ思う。いやー、久しぶりにイイ気分でした。 
[映画館(字幕)] 8点(2010-12-02 23:04:34)(良:1票)
8.  麦の穂をゆらす風
なんだか、終始見ているのが辛かった。ケン・ローチとしては、自分がイングランドの人間であるからこそ、アイルランド目線で描くことに拘ったのだろうな、と思う(公開時、イングランドでは監督に対しかなり批判があったというが)。そして、一つの地方に焦点を当てることでより不毛性を描くことに成功しているように感じる。戦争時に、一市民、一兵士が大局を見極めているとは到底思えない。そういう、目先のことや断片的な情報に右往左往して、結果、自分たちにとっての大義が見失われて行く様が実によく描かれている。条約批准後の両者の本音の討議シーンは圧巻。どちらの言い分も共感する。けれども、もっと大きな流れは、違う所で勝手に決まって動かされて行くという、この不毛さ。弟を処刑する兄を見ていて、新撰組の山南と土方を思い浮かべてしまった・・・。別に新撰組フリークでは全くないのだけれど。結局、組織のためには規律を重んじざるを得ない。けれども、その組織自体が、大局で見れば、既に駒の一つにさえなっていないかもしれないという点で勝手に共通するものを感じてしまった。こういう、一市民たちの流した血と涙を丁寧に描ききったことに敬意を表したい。
[DVD(字幕)] 8点(2010-08-29 22:37:25)
9.  マイ・ネーム・イズ・ジョー
見終わった後、胸がジーンとなる。ああ、愛する人と平凡につつましく生きていけることの貴重さよ。「オレにはジョーという名前しかない」のセリフが突き刺さる。本当は、ジョーにはよき仲間がいるし、アル中から努力して足を洗ったのは未来を信じているからに他ならない。でも、その仲間のためにしたことで、また堕ちてゆく切なさ。セーラに理解されない辛さ。セーラもあそこまで激昂しなくても良いのに・・・、と観客としては思ってしまう。ラストショットに希望が見出せるのが救い。ホント、人生の大切なものを教えられる映画です。
[ビデオ(字幕)] 9点(2009-10-07 16:36:17)(良:1票)
10.  イースト/ウエスト 遥かなる祖国 《ネタバレ》 
ラスト近く、駅でアレクセイが「きっと時間までに戻ってくる・・・」と遠い目をして呟くけれど、あれはある意味彼の本心じゃないかと思いました。10年もかけて愛する妻子を逃がしたとはいえ、妻はやっぱり自由より夫婦の愛(自分)を選び戻ってきてくれるのではないか、という一縷の望み。半面、どうか逃げ遂せて欲しい気持ちにも偽りはなく・・・。ラストショットが切な過ぎます。カトリーヌ・ドヌーヴの圧倒的な存在感もさすが。最初から最後まで緊張感の途切れない素晴らしい作品です。もっと多くの人に見られて評価されて良い映画の一つだと思います。
[映画館(字幕)] 9点(2009-09-30 16:03:57)
11.  あなたになら言える秘密のこと 《ネタバレ》 
イイ映画だと思います。ティム・ロビンスって、別に好きでも嫌いでもない俳優でしたが、これを見てかなり好きな方に傾きました。大やけどしてベッドの上のシーンがほとんどなんですが・・・。実にいい味出しているのです、これが。大海原の孤島がごとく浮かぶ油田掘削施設、という設定がミソですね。ハンナの告白シーンですが、日の光に体の線がブラウス越しに透けて見えるところで「ただならぬ話」が始まる予感がします。でも、その内容は見る者の予感を大きく超える凄絶さで、痴情話の延長くらいにしか想像していなかったその「秘密」の内容に、ベッドの上のジョゼフ同様、激しい衝撃を受けます。そしてやはり、ハンナはブラウスを脱ぐのですが・・・。ジョゼフが回復後、ハンナを求めて訪ねるのは想像通りだったのですが、その後、ラスト近くの2人のやりとり「私の涙であなたは溺れてしまう」「泳げるようになるよ」でKOされました。ハンナの心を氷解させるのにはこの一言で十分だったのだと思います。こんなことイイ男に言われたら、女としては受け入れなきゃアホでしょう。ユーゴ紛争を下敷きにした重い映画とも言えますが、究極のラブストーリーだと、私は思いました。
[DVD(字幕)] 8点(2009-07-02 14:15:46)
12.  宮廷画家ゴヤは見た 《ネタバレ》 
一粒で何度でも美味しい作品。まず、コスプレ。中近世の映画はこれがあるから見たくなります。そして、信仰心のまったくない人間にとっては宗教という不可解極まりない世界。ましてや今回は異端審問。これが陰惨さを演出しています。また、ストーリーも面白く展開も速い。それから、何といっても、オープニングとエンディングで流れる出血大サービス気味のゴヤの作品の数々。いわく付きの「巨人」も出ていましたね~。いやはや、もうフルコースでお腹一杯って感じです。ただ、作品中のゴヤの絵は、イマイチというか、かなり??ですね。もうちょっとゴヤっぽくして欲しかったなー。『ノーカントリー』ではほとんど喋らなかったハビエル・バルデムという俳優さんの笑顔まで見られて、この人笑うんだー、と当たり前のことにオドロキ。ロレンヅォ、捕まるまでほとんどサイテー野郎でしたが、そんな彼の遺体に手をつないで寄り添って歩いて行く狂ったイネスの姿が切な過ぎました。悲惨なオハナシなのに、エンタメ要素満載で、これぞ映画、って感じです。
[DVD(字幕)] 8点(2009-06-26 15:55:08)(良:1票)
13.  美しすぎる母
どんな背景があるにせよ、子の自立を許さぬ母親ほど、この世に厄介な存在はありません。そんな存在を抹殺したくなる子の心理は、痛いほど分かります。おまけに、抹殺したことに対する罪悪感まで背負わされるこの不条理。どこまでも厄介者が背後霊のように着いてくるのです。母性礼賛などクソ食らえ。母性と言う名の蹂躙があることを知らずに人生を過ごせる幸せを噛み締めよ。主人公の青年を演じた俳優は好みではないが、あの母親の息子という立場にどこまでも同情します。徐々に温度を上げられれば熱いと分からなくなる茹で蛙がごとく、子は苦しみを感じてもそこから逃げられないさらなる苦しさに人生をズタズタにされるのです。ただでさえ好きでないジュリアン・ムーアには何の罪もありませんが、この役どころを演じてくれたせいで、嫌いになりました。おまけにあの老け様。怖いです。どこが「美しすぎる」んでしょうか? 「醜すぎる母」の間違いではないでしょうか。
[DVD(字幕)] 4点(2009-03-17 15:29:57)
14.  パフューム/ある人殺しの物語 《ネタバレ》 
おとなのブラックファンタジー、ってとこでしょうか。まあ、猫にとってのマタタビみたいなもんを作っちゃったんですね。あの香水を、今のイスラエル・パレスチナに散布したらどーなるんでしょーか? ・・・などということを考えつつ、かなり呆れつつ、エンドロールを虚しく眺めていたところ、はじめてダスティン・ホフマンが出ていたことを知りびっくりしました。
[DVD(字幕)] 4点(2009-03-16 10:45:44)
15.  サルバドールの朝 《ネタバレ》 
「英雄サルバドール」を描きたかったんだろうけど、見事、ハズレました、、、という作品。冒頭に「勇気ある青年」(だったと思う)という字幕が入ったので、そのつもりで見ていたのだが、おしまいまで来てしまって、「はれ?」という感じ・・・。もしや大事な部分を見落としたか? と思い、もう一度見直したけれど、やっぱり彼について描かれているのは、体制反対運動の資金のため、悪銭貯まる銀行を強盗して、待ち伏せていた警官たちと銃撃戦を巻き起こし、挙句、警官を撃って自分も負傷し警官は死亡、それが故にムショ送りとなり、不当裁判の末死刑となった、ということであった。これらの中のどこに「勇気ある」といわれる要素があるのか? 正直、分からない。銀行強盗のこと? 体制に異を唱え闘った、ってこと? こうして事実を淡々と描くのであれば、冒頭のクレジットは不要だし、冒頭のクレジットを強調したいのならこの描き方はないでしょーよ。彼は不当に死刑に処され、本人も家族も哀しみの極みに突き落とされた、ってことなのかも知らんが、銃撃戦で逝った警官だって、その家族も、哀しみの度合いは同じだと思うんだけど。なーんかストレスたまる作品。
[DVD(字幕)] 4点(2009-02-16 14:16:42)
16.  ボルベール/帰郷
うーむ、女性上位な痛快映画でした。唯一の登場男性はサイテー野郎。結果、当然というべきか、哀れというべきか、娘に刺し殺され、妻に非合法に葬られます。赤と黒を基調にしたサイケな色調の画面がペネロペ・クルスの美しさを際立たせ、人生に絶望気味の女性が、それでもなおたくましく生きる力強さを感じさせます。「母と娘」が主たるテーマだと思いますが、女同士の親子というのは意外に厄介なもの。母親との確執にかなりのエネルギーを消耗した身としては、この映画は御伽噺に近いものがありますが、そこはそれ、まあ映画ということで夢や希望があった方がいいじゃない、と思います。いや~、生きるって大変・・・(嘆息)。
[DVD(字幕)] 8点(2009-01-13 14:45:05)(良:1票)
17.  機械じかけの小児病棟
それほど怖くはないのだが、ハラハラドキドキはします。ストーリー的にはよく出来ているし、映像も音楽もgood。イマイチなのは邦題。子どもの悲しいお話がベースのホラーは切ないです。
[DVD(字幕)] 7点(2008-10-24 16:16:38)
18.  アパートメント(1996) 《ネタバレ》 
よく出来た謎解きドラマです。でも、それだけです。主要人物である男女4人ですが、ロマーヌ・ボーランジェ演じるアリスが唯一人、人間味を発揮していただけで、あとの3人は都合よく配置されていた、という感じです。特に、肝心の、ヴァンサン・カッセル演じるマックスの行動は理解不能。そもそも、リザを重要な仕事をすっぽかすほど愛していたの? だったら、リザが姿を消したときにもっと必死に捜せばいいじゃん! かと思えば最後はなにかい、アリスちゃん選ぶんかい? いや、じゃなくって、やっぱ婚約者かい!! と、まー、次々呆れさせてくれるんです。しかし、この映画は「謎解きありき」で作られたと考えれば、そういう疑問はむしろ瑣末なことなんでしょう。おかげで、やたら作りこみすぎです。マックスとリザが、会いそうで会わずにすれ違いを繰り返すところなんか、鼻白むのよ。ただ、謎を解きたい、というのは人間の根源的な欲求ですから、人物造詣なんかお粗末でも、「たった一つの謎」だけで最後まで引っ張られちゃうんです。で、見終わった後、残るものは何もない。「あー、アリスちゃんは、そんなにマックス君が好きだったのねー」という感想を除いては。それにしても、マックスにしろアリスにしろ、一目ぼれだけであそこまでの執念って、それも不可解といえば不可解。フランスじゃ、ああいう恋愛の始まりはフツーなんですかね。とにかく、イロイロ不満が残る作品だけど、モニカ・ベルッチが相変わらずの美しさで、それが鑑賞の目的の一つだったんだから、ま、いいか・・・、とも思うわけです。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-08 11:07:14)(良:1票)
19.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 
好きです、こういうの。結構エグいシーンも多く、そういうのがちょっと苦手な私は、思わず目を閉じたり顔を背けたりしてしまったりもしたんですが、恐ろしさ、希望、優しさ、残酷さなどが渾然一体となって、独特の混沌とした雰囲気が全体を覆っています。まだ幼いオフェリアにとっては、内戦という世情の厳しさよりも、もっと狭い、自分の過酷な境遇(それは大人の勝手な理屈によって追いやられたもの)から逃れるべく、ユートピアの王女を夢見る様には胸が痛みます。オフェリアの母のような、精神的にも物理的にも自立していない母親像というのが、とにかく、私は大嫌いなのですが、そんな嫌悪感をかき消してくれたのがメルセデスの存在。彼女だけが、最後まで、オフェリアを親身になって守ってくれたのだから。ラストは、この辛過ぎる現実世界での死によって、オフェリアが永遠の安らぎを得たという意味で、ハッピーエンドなのでしょう。少なくとも、私はそう理解しました。だからこそ、見終わった後、とても切なくなるのです。
[DVD(字幕)] 8点(2008-06-06 14:46:06)
20.  ザ・チャイルド(1976)
冒頭、ニュース映像(?)らしきものが延々流れます。「え? これナニ?」と戸惑うことしばし、その後、ゆるゆると戦慄の話が展開されていきます。離れ小島、子供、人殺しゲーム、妊婦・・・、とオカルト要素は十分。画面の雰囲気がまた、ザラついた感じで、怖さを増幅させています。話が進むに従って、心拍数も上がる!! そして・・・、救いのないエンディング。もう、本当にとことん救いがない。でも、オカルト映画のラストは、こうでなくっちゃ! 後味の極めて悪い映画なんですが、オカルト映画としてはこのエンディングで正解だと思います。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-09-25 17:13:19)
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