1. アンモナイトの目覚め
《ネタバレ》 予備知識なしで鑑賞したのだけれど。 なんだか同性愛を描く作品が多くなって来たなあと。 いや、私がそういう映画ばかり観てしまっているだけかもしれないが。 「燃ゆる女の肖像」のよう燃えたぎる愛は実はそんなに描かれてなくて、それを激しい性行為の描写で補っているように思えた。 シアーシャ・ローナン演じるシャーロットは、女性が好きというよりも、自分を強く導いてくれる相手を欲しているのではないか。それが男性であろうと女性であろうと。 メアリーを愛しても、夫の言うことに逆らうだけの勇気も知恵もない。そしてロンドンで夫の目を盗んでメアリーを囲おうとする。そこにメアリーの誇りとか生きがいを想像する思考を彼女は持っていない。夫がシャーロットにしたように。そのあたりの経験値の低さと傲慢さをシアーシャは見事に演じていたと思う。 対するケント・ウィンスレットの演技も素晴らしかった。 「タイタニック」の頃の彼女を好きになれなかった私だが、年齢を重ねて円熟味を増した彼女は本当に魅力的だ。無骨な彼女が徐々にシャーロットに惹かれ、抑えることのできない熱情を開放するシーンのなんと美しくエロティックなことか。 メアリーの「生きがい」である恐竜の化石を挟んで対峙する二人の成り行きが知りたくなる絶妙なラストシーンも良かった。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-12-30 10:58:43) |
2. アタック・ザ・ブロック
多分かなりの低予算映画。 しかしエドガー・ライトの上手いところは、焦点を絞って地球の危機を切り取って見せてくれるところ。 モンスターなんてほんとやる気の感じられない造形だし、弱い。 でも対決するのはその辺の市民なんだからこのぐらいが妥当。 そしてなんと言っても、悪ガキ軍団と行動を共にする女性がキュート。正直この人を予告編で観て鑑賞を決めたと言っても過言ではない。 そこに加点、だけど意外な佳作。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-08-18 08:06:36) |
3. アバウト・タイム 愛おしい時間について
《ネタバレ》 恋愛において、「出会い」は非常に重要な要素ではないかと。 だから、二人の出会いの場面は、タイムトラベルで操作して欲しくなかった。 この出会いって嘘だよね、という思いが最後まで払拭できなかった私は、愛すべき映画であるということを感じながら、その一点が気になって、というか妥協できなくて、映画に入り込めなかった。 父親を思い、二人の思い出を大切にするティムは素晴らしい青年に成長したし、彼が息子であることを誇りに思うとスピーチした父親にも胸打たれた。 一緒に暮らすいつも正装のちょっと変わった叔父さんが、家族の一員として普通に生活を送る懐の深さがイギリス映画の魅力。 破天荒なキットカットが自分の近くにあった幸せに気づくのも憎い演出。 母親の「お父さんのいない世界に全く興味がないの」にはうなったし。 いい映画。 なんだけど、出会いの一点のみ物申したい。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-05-17 10:25:50) |
4. アフガン・レポート
かつてソ連のアフガニスタン侵攻の時代に埋められた地雷原に、タリバンと戦うアメリカの同盟国であるイギリスの兵士が迷い込む。 いったい誰のための戦争なのか、虚しさが残る作品ながら、そこには一切触れず、淡々と事実だけを描く映画。 しかしその絶望感たるや、なかなか例を見ない程の圧倒的なもの。 戦争後も被害と恐怖を与え続ける地雷の恐ろしさをまざまざと感じさせる佳作。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-08-11 16:48:18) |
5. アナと世界の終わり
《ネタバレ》 いや面白かった。 風景が一変した朝に、能天気に歌いながら踊るシーンなんてシュールで最高。 『ショーン・オブ・ザ・デッド』と『ドーン・オブ・ザ・デッド』にミュージカルの合わせ技。 そして歌のクオリティが高い。 アナを取り巻く友人たちもそれぞれ特徴的で好感が持てる。 描かれる世界はちっちゃな街なんだけど、結局世界に眼を向けていた若者と悪党だけが生き残るという展開。 筋立てはゾンビ映画として眼を見張るものはないが、あの終末観の中で歌わせてみようという発想が稀有。 はてさて次はどんなゾンビ映画が現れるのか、まだまだこのジャンルに期待大。 [DVD(字幕)] 8点(2020-08-01 23:11:36) |
6. アンロック 陰謀のコード
《ネタバレ》 二転三転するジェットコースタームービー。 …のはずなんだけど、手に汗握り切れない。 驚きはあるけど、それが映画の面白さに繋がらないもどかしさがある。 生物兵器を事故とはいえ子供に感染させちゃダメだよ。それはご法度。 ノオミ・ラパスは相変わらず戦う女感全開でその点満足。 脇を固める俳優陣も流石の存在感。 マルコビッチのそれは、正直マイケル・ダグラスの比ではなかった。 そしてトニー・コレットの超ショートカットに加点。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-01-12 02:40:43) |