21. シャイニング(1980)
ホラーもキューブリックの手にかかれば、ゴージャスで華麗であのホテルはまさにキューブリック劇場。奔流する真紅の血の波にはぞっとするよりも恍惚を感じる。怖いのは同じ一文を延々とタイプしてあるジャック・トランスの原稿、いやそれよりもシェリー・デュバルか。貴女の驚きぶり、怖がり顔がワタシは怖い。もしかしたらニコルソンよりも。 水色の双子が立っている。三輪車をこぐ子供の後ろ姿。生垣の迷路。これらはシャイニングを経験した者たちの、恐怖アイコン。怖いけど美しいというのも凄い。 [ビデオ(字幕)] 9点(2013-01-11 12:23:43)(良:1票) |
22. ショコラ(2000)
なんかの宗教色をはらんでいるのか、まったくのおとぎ話として観るべきなのか、メッセージがピンと来なかったのだけどひとつだけハマったなー、と思ったのはビノシュのどかーんと重たいおばさん体型。このお節介キャラはやっぱりオバサンじゃないとできません。あとジュディ・ディンチが肝。この根性すわったばあちゃんがいるのといないのとでは、作品の格すら違ってくるかも。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-06-16 18:24:24) |
23. 死にゆく者への祈り
当時観たM・ロークものではこれがNO.1。終始寂しげなM・ロークの佇まいも良いけれど、彼の殺害の命を帯びた同僚2人の葛藤と哀愁が脇役ながらぐぐっと胸に迫るのでした。 [映画館(字幕)] 8点(2011-12-22 15:32:12) |
24. シティ・オブ・ジョイ
インド映画は熱量が半端じゃなくて、この映画でもインド熱にあてられて倒れそうになった。いかにも西欧的に自己の内面に悩む主人公も、圧倒的なインド人の生のパワーに押し流された格好。娘に美しいサリーを買ってやるためにチンピラ相手に血を流す父親。愚かだけど泣けてくる。良い台詞も多かった。「地面に這いつくばっていると、立てなくなるぞ」 [映画館(字幕)] 7点(2011-12-12 00:22:12) |
25. シド・アンド・ナンシー
究極に堕落したシドが歌うマイ・ウェイ。本家のシナトラの100倍も美しいこの歌で、シド・ヴィシャスは永遠の存在になった。 [ビデオ(字幕)] 5点(2011-11-27 16:18:15) |
26. 白い町で
南欧の光の一粒一粒まで捉えたような、美しい映像。社会不適合な男がえんえん彷徨う白い町 白い部屋 白い孤独 白い沈黙。実体がないかのように通り過ぎる妻・恋人・ホテル支配人・チンピラがゆらゆらと。会話の量の少なさにびびる。主人公の内省に付き合っているうちに私の頭も漂白されて真っ白になってしまった。 [ビデオ(字幕)] 5点(2011-09-29 16:12:12) |