1. ハリー・ポッターと炎のゴブレット
《ネタバレ》 <原作未読・映画版のみの評価> 映像以外の完成度はシリーズ最低。作品として深く描くべき部分を省略し、どうでもいい部分に時間をかけているので、突っ込み所や説明不足な箇所が山積したままストーリーが展開する。 相変わらずハリーは状況に流されているだけで、魔法を上手くなろうとしたり、過去の謎を探ろうという意欲が感じられない。そのくせボス戦は「主人公特権」で何とかなるため、いつまで経っても主人公としての成長が見られない。 ドラゴンとの戦いも他の選手がどう対処するのかと期待してたら、なんと三人の戦いはカット。学園対抗戦の見せ場である戦闘シーンを省略する感覚が分からん。攻撃魔法で倒したり、精神操作でドラゴンを手なずけるとか思ってたのに拍子抜け。選ばれた連中の能力も分からず仕舞いだし、おまけにハリーはホウキで逃げ回ってるだけ。おかげで「相対的に描けたはずのハリーの能力や強さ」も曖昧なまま。勿体無い…。 またハリーを卑怯者呼ばわりしてボロクソ言ってた連中も、金の卵を取ってきた途端に祝福し始め、同じくロンとも仲直り。その間、ハーマイオニーやロンがどこで何を思っていたかの心理描写も無し。 あげく、その後はどうでもいいダンスパーティを長々と始める始末。学園青春ドラマも良いけど、思春期特有の複雑な心理などは、まったく描写されていない。彼らの心情をきちんと描かないから、ハリーとロンたちの仲違いも彼らの精神的な糧になっているように見えない。こんな事に時間を使ってる暇があるなら、もっと他にやらなきゃならない重要なイベントや説明しておく伏線がいくらでもあるはず。 ヴォルデモートもえらく簡単に復活するし、ラスボスとしての凄みや魅力が圧倒的に不足。またヴォルデモートが「対抗試合」を利用して復活するというのが意味不明。迷宮の優勝カップに触れると墓場に飛ばす呪文をかけておくというのも意味不明。ハリーを誘き寄せたいだけなら何でこんな回りくどい事をする必要がある? 「お前には友がいる」という綺麗事を言われても、そもそも友人たちの活躍や成長なんてほとんど描かれていないし、だいたいあのヴォルデモートにハリー以外の友人がいても何の役にも立たないでしょ。シリーズ通して「友人との友情と成長」を描いてこないからこうなる。 [DVD(字幕)] 3点(2006-09-27 22:58:40)(良:1票) |
2. バイオハザードII アポカリプス
《ネタバレ》 ゲームの映画化としては前作よりも完成度が高い。まったく世界観を崩すことなく丁寧に作られている点は好印象だし(もっとも元のゲーム自体が「ゾンビ映画をゲーム化」したようなものではあるけど)、ゲームのファンとしては嬉しい限り。 ただ、やはり元々のゲーム版もそうだけど、肝心のストーリーのレベルはお世辞にも高いとは言えない。「トゥームレイダー」同様、ゲームの場合は能動的なアクションや謎解きが中心なので、多少のストーリーの粗やご都合主義も気にならないけど、これが映画として受動的なメディアになると、途端に悪い意味でストーリーの単純さや粗さが目立つ。相変わらずアンブレラは単に「謎の巨大企業」としか説明されないし、その研究成果が生物兵器への転用という発想も安っぽい。 全体的には前作よりもスケールは大きくなっているし、ジルや「追跡者」が出てきたりするのもファンとしては嬉しいけど、作品の中での扱いが中途半端で、いまいち活躍の場が無いのが残念。ストーリーも単にゲーム版をなぞっている程度で、逆に今後のゲームのシリーズに影響を与えるような大胆なエピソードや謎が出てこないのもつまらない。 まあ、はっきり言えば、この映画を見るくらいなら、ゲーム版をプレイしていた方がはるかに面白い事は確か。本末転倒。 [ビデオ(字幕)] 5点(2005-05-16 00:21:07)(良:3票) |
3. ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
前二作に比べて、さらに盛り上がりに欠ける内容。原作は未読なので比較は出来ないが、それにしては説明不足と言うか、ストーリー展開が非常に分かりにくい。特に今作は、わざわざ独立したエピソードとして、2時間20分もダラダラとやる必要があるような重要な話なのか?見終わってから、何の話だったのかとか、何がどう進展したのかすらもよく分からなかった。 相変わらず起こるイベントは断片的で、本筋とは関係無いようなシーンでの水増しが多い。このヘタクソな脚本構成と時間配分のせいで、上映時間の長さの割りにストーリーが分かりにくいという、シリーズものとして最低な出来になっている。 また、ハリー以外のメインキャラが活躍するシーンがほとんど無いのも相変わらず。基本的に学園を舞台にした友情物語のはずなのに、いつまでたっても彼らの精神的な繋がりや成長が描かれることがない。 高いCG技術のおかげで作られた素晴らしい世界観ではあるが、その中ではまるで人間が生きて動いていない。 今後のシリーズを続けていく上で何よりも優先しなくてはならないのは、ハリーたちの友情と成長を描くことであり、CGで魔法世界の構築に躍起になることではない。 [DVD(字幕)] 3点(2005-02-03 03:18:28) |
4. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
この作品が戦争に対するブラックコメディを狙ったと言うよりも、第二次世界大戦後の軍拡競争という、滑稽な大国の「覇権主義」と「自己目的化」自体が、既に愚かしいコメディの要素を内包していたと言う事ではないでしょうか。その結果の滑稽さを嫌でも直視させるこうした映画こそが、意外と今まで核戦争を抑止させ得る効果を持っていたのかも知れません。だとしたら10点でも足りませんが(w。 ただ、当時としては非常にインパクトがあっても、さすがに今となっては、こうした核戦争を題材にした反戦映画も目新しくありませんし、どうしても古さは否めません。当時の時代性と危機感を象徴した反戦映画の走りという点に敬意を表してこの点数で。 7点(2004-08-29 08:12:05) |
5. ハンニバル(2001)
すっかりレクター博士がダークヒーローになってしまった。あんな人間味を出してしまったため、作品としてのノリが安っぽいものになっている。車椅子の男の復讐話も浮いていて、あってもなくてもどっちでもいいような必然性のないエピソード。犯罪心理サスペンスからは随分遠くなってしまった。 4点(2003-10-16 07:18:49) |
6. 裸のランチ
映画の前に、ちゃんと原作を読んでらっしゃる方がいるというのに驚きます(褒めてます)。だいぶ前に見た記憶がありますが、タイプライターが虫みたいになったりすること以外、あまり印象に残っていないですね。基本的に脳内妄想みたいな幻覚が現実と混ざり合うような話なので、完全に好みが別れる内容だと思います。 4点(2003-09-21 07:48:02) |
7. ハリー・ポッターと賢者の石
《ネタバレ》 <原作未読・映画版のみの評価> 金も手間も掛かっているだけに、架空の魔法世界の表現は素晴らしい。恐らく原作のイメージと遜色ない出来だと思う。でも見所はそれだけ。 肝心のストーリーやハリー達のキャラ造形はお粗末な限り。この後に続くシリーズもそうだが、最終的にはハリーは自分の才能だけで敵を倒してしまい、本当に大事な場面での仲間たちの活躍は皆無。 「子供向け」というなら、ハリーにどんなに才能があっても、「やっぱりひとりだけではダメなんだ。みんなの力が必要だ!」という展開があるべきなのではないだろうか。 この作品はまるで「努力よりも才能の方が大事」と言わんばかりで、やたら登場人物が多い割りに、仲間との協力関係や努力がおざなりにされている。 「少年少女たちの友情と成長の物語」とは到底言えないお粗末な内容。魔法の表現も陳腐でありがち。原作小説の方も世界的に支持されているようだけど、少なくともこの映画を見る限り、やはり、戦闘シーンのアイデア、迫力、キャラのインパクト、人間関係や心理描写の細やかさ、深みのあるストーリーなど、どれを取っても日本の漫画のレベルの高さを再認識するのみ。 はっきり言って、少年ジャンプなどの格闘系少年漫画ですら、「友人たちの繋がりや努力する事の大切さ」などは、こんな作品よりもはるかに丁寧に描かれている。 [DVD(字幕)] 4点(2003-09-01 02:50:33)(良:1票) |
8. バイオハザード(2001)
《ネタバレ》 ゲームは自分でキャラを動かせるからストーリーの稚拙さを許容できるのだという事を再認識。ストーリー的にもキャラ的にもゲームとはほとんど関係なしの展開に加え、まったく内容らしい内容が無い。ストーリー面での拡充が無ければ、ゲームの映画化などまさに無意味という事を痛感させられる出来。 絶望的な状況下でのゾンビとの戦いのシーンも中途半端。もともとゲームのバイオシリーズの不満でもあるが、ゾンビを扱っているのに、ヘンに怪物怪物したデザインのモンスター(リッカーとか)を出されると急速にリアリティが失われ、見ていて冷める。 まあこんな映画を見ているヒマがあるなら、ゲーム版をやっている方がはるかに面白いので、もし未プレイの人がいれば、ぜひ遊んでみて下さい。 [ビデオ(字幕)] 3点(2003-07-01 16:44:30) |
9. ハリー・ポッターと秘密の部屋
《ネタバレ》 <原作未読・映画版のみの評価です> 前作同様、金も手間も掛かっているだけに、架空の魔法世界の表現は素晴らしい。しかし、肝心のストーリーやハリー達のキャラ造形のお粗末さも前作同様。各事件の描き方がぶつ切りで、ストーリー展開から見たら、必然性のないエピソードが多すぎて、話が散漫でまとまりがない。原作も前作も見てない人が、今作から見たら意味不明な部分が多いだろう。 また、相変わらずハリーは自分の才能だけで敵を倒してしまい、本当に大事な場面での仲間たちの活躍はほとんど無し。ハリーにどんなに才能があっても、「やっぱりひとりだけではダメなんだ。みんなの力が必要だ」という展開があるべきだろう。はっきり言って「少年少女たちの努力と成長の物語」とは到底言えないお粗末な内容。 [ビデオ(字幕)] 4点(2003-06-17 13:35:42) |