21. インターステラー
《ネタバレ》 きわめて広い(恒星間!あるいは銀河間?)空間を舞台にしたSFで、「2001年」のような抽象的な表現でなく、具体的な表現で語ろうとしたのはチャレンジングであり評価したいところですが、ワームホールや相対性理論などに関して素人でも思いつくような都合のよい設定だけをやたら使いまくり、しかも物語の核心にタイムパラドックスを含むようでは、ちょっとがっかりです。地球の物語の舞台がやたら狭いところにとどまっているのも良くなく、地球の終焉という重大な設定を、観客が受け入れにくくなっていると思います。ハンス・ジマーの曲も珍しく盛り上がりを欠いていたと思います。 [映画館(字幕)] 6点(2014-11-29 23:17:58) |
22. マレフィセント
《ネタバレ》 オリジナルとは善と悪の役割をゴソッと入れ替えた(三人の妖精も、あの鬱陶しさと空気の読めなさは、悪役扱いといってよいでしょう)お話で、大変面白かったです。お城を取り巻くいばらの棘をくぐりぬけ、スリーピング・ビューティーのもとに王子様が駆け付けるシーンがああなるとは!なるほど。ただ尺の短さが災いして場面転換の唐突さが目立ち、種々のエピソードが駆け足気味だったのが残念でした。どうせそれほど子供向けではないので、思い切って二時間強の話にしたらもっと面白くなりそうなのに、惜しいです。王さま役にも、もう少し貫禄のある人をキャスティングして欲しかった。以下、良かったところ。カラスの演技(人モードのときも)、ラストのちょっとブルーな雰囲気の主題歌、そしてなんといってもA・ジョリーの「Well, Well」のシーン! [映画館(字幕)] 7点(2014-07-11 00:48:33) |
23. トランセンデンス(2014)
《ネタバレ》 あれだけ大事件を起こして人に迷惑かけながら、「愛ゆえに」と言われても、納得できませんって。ところで、この映画は分類間違ってると思います。SFではなくファンタジーです。 [映画館(字幕)] 4点(2014-06-28 00:40:03) |
24. 2001年宇宙の旅
《ネタバレ》 映画を芸術としてみた場合の最高峰に位置する作品だと思います。実は初見は、まだ中学生の時分に淀川長治さんの解説(たぶん)で観た日曜の夜で、なんだかわけがわからず途中で居眠りしてしまいました。クラークの文庫を読めば、ストーリーは実はずいぶん簡単で謎も何もないのですが。しかし原作の解釈がこの映画の「正解」ではなく、観た人それぞれが自分なりの解釈をすればよいのだと思います。それこそがキューブリックの目指したところですし。午前10時の映画館でようやくこの映画をスクリーンで見ることができて感激でした。居眠りどころではなく、「え、もう終わり?」て感じでした。マイナス1点の理由は、当時としては画期的な特撮のシーンや宇宙旅行の科学的な側面の描写に力が入りすぎていて、映画の主題に対してアンバランスに感じられる点です。60年代製作のことを考えれば無理もないことなんですけどね。 [映画館(字幕)] 9点(2014-03-22 22:10:43) |
25. キック・アス ジャスティス・フォーエバー
《ネタバレ》 この映画には賛否両論あったのでちょっと不安でしたが、大変楽しめました。でも、当方のこの点数は信用しないほうが良いです。ストーリーなど無視して、この映画からミンディ=ヒット・ガールが出てこないシーンを一切カットしたとしても、このままの点数ですから! [映画館(字幕)] 7点(2014-03-08 00:36:35) |
26. ゼロ・グラビティ
《ネタバレ》 当方、どちらかというと3Dは苦手で、選択できる場合には可能な限り2Dを観てきましたが、この映画は3Dで観てよかった!アルフォンソ・キュアロンこだわりの凝りに凝ったカメラワークに立体映像が加わって、とてつもない臨場感です。 映画としては、「CUBE」と同じような一つのアイデアだけを軸にして突っ走る内容で、基本は単純なパニック・アクションと思います。尺も短く、ストーリーに幾分物足りないところがあるのですが、そこは主人公ライアンの過去のエピソードを上手く織り込むことでカバーできています。 観る前は「主演ジョージ・クルーニーはよいとして、サンドラ・ブロックはイメージに合わないなあ・・・」などと思っていたところ、前者の極めて早い退場と再登場に驚き、後者の堂々たる主演ぶりは、さらに大きな驚きでした。 [映画館(字幕)] 8点(2013-12-21 22:23:53) |
27. 悪の法則
《ネタバレ》 一言で言えば、不親切。説明不足に過ぎます。本筋とはあまり関係ないディテールを積み重ねることでなんとなく全体像を想像させる方法はアリとは思いますが、なんせひたすら下品でくだらない会話のオンパレードでは、主人公にすら感情移入が全くできませんでした。せっかくの豪華キャストも生かされておらず、面白い映画ではなかったですね。悪いことはするもんじゃないというメッセージだけは受け取りました。 [映画館(字幕)] 3点(2013-11-19 22:08:43) |
28. スーパーマン(1978)
《ネタバレ》 個人的に最も大切な映画。まだ公開当時、小学生だった自分にはストーリーの半分も理解できていたか怪しいところですが、夢中になりました。オープニングと音楽は最高。また、他のレビュワーの方も書いていますが、青年時代のケントのエピソード、自立、空のデートなどのアクション以外での情感あふれる描写が素晴らしく、後年の単なるアクションヒーローものと一線を画しています。ただ、今見てしまうと、ラストの展開はちょっといただけないのは確かですね。 映画中盤、初めてスーパーマンが現れビルから落ちたロイスを抱きとめたシーン、その後飛んで逃げるのではなく、落ちてくるヘリに向かって上昇を始めた彼に対して、劇中のロイスと同じくらい「一体どうするの?!」と驚いたのは今でもよく覚えています。 [映画館(字幕)] 9点(2013-08-13 16:41:45)(良:2票) |
29. キック・アス
《ネタバレ》 本サイトで高評価のこの作品、たまたま近所の店でDVDを売っているのを発見し、今時珍しく定価で購入。残酷描写は確かに気になりますが、ヒットガールの可愛さと残酷さとの対がこの作品の売りなのではないかと思います。映画の設定には、いろいろひねりが入ってますが、終盤に向かってのストーリーの盛り上がりは、王道のスーパーヒーローものと変わらないものがあり、特に敵アジトにヒットガールが単身乗り込むマカロニウエスタン調のシーンは最高です。一旦全部見た後で、ヒットガールが出てくるシーンだけ再度見直してしまうほどの中毒性がありました。 [DVD(字幕)] 7点(2013-08-05 23:58:52) |
30. ダイ・ハード/ラスト・デイ
続編のガッカリ感としては、古いところではロッキー4、ロボコップ2、最近ではターミネーター4を観たときの感覚に近いかな。主人公の性格って、こんなじゃなかったと思うけど。 [映画館(字幕)] 5点(2013-02-16 19:17:28) |
31. レ・ミゼラブル(2012)
《ネタバレ》 もともとミュージカル映画は好きなほうで、過去の代表的な名作はかなり観てきました。それにしても、この映画ほど徹底して通常のセリフを排除した作品は記憶にありません。主要登場人物には少なくとも1か所ずつ独唱の場面があり、俳優としての力量を問われるシーンでしょうが、どれもこれも見ごたえありました。原作未読でしたが、今後読んでみたくなりました。 [映画館(字幕)] 8点(2013-01-27 18:11:34)(良:1票) |
32. 007/スカイフォール
《ネタバレ》 自分にとっての007映画というのは、かつてテレビの金曜ロードショーやら水曜ロードショーで見るものだった。当時はそれなりに楽しんで見ていたはずだが、大人になり、改めてビデオやDVDで見直すというほどでもなく、劇場公開版もロジャー・ムーア引退とともに見るのをやめた。ところがどうだ。本作ラストの、●ボンドがドアを開ける●秘書とたわいもない話をする●となりのMの部屋に入る●指令を受ける・・・このシークエンスに出会い、妙に嬉しかった。なんだ、結構このシリーズが好きだったわけね。 [映画館(字幕)] 9点(2012-12-08 07:33:16)(良:3票) |
33. トゥモロー・ワールド
《ネタバレ》 臨場感という点で、この映画を上回るものは今のところない。長回しについては、そういうテクニックが使われているとは知らずに観ていて、主人公らの車が襲撃されるシーンで気がつき、魔法のようなカメラの動きに驚きました。この手法は、臨場感を高める上で極めて大きな役割を果たしていると思う。 映画の主題はあまりに絶望的だし、時折挟まれる残酷な死の描写は容赦なく、それだけではこの映画は単なる悪趣味の実験映画でしかなかったでしょうが、赤ちゃんの泣き声一つですべての戦闘行為が止まるあのシーンがこの映画の全てを救っている。 [映画館(字幕)] 9点(2012-09-25 06:41:30) |
34. ダークナイト ライジング
《ネタバレ》 完璧だった前作「ダークナイト」を受けての完結編、非常に楽しみすると同時に、どんな話にするのだろうと少し心配もしてました。結果として大満足。闇の騎士であるバットマンがついに日の光の下で戦うようになる。今作の最後のバットマンは、これまでのバットマンとは違う存在になったのだと理解しました。もはやブルース・ウェインはバットマンとして戦うことはなく、ノーラン編バットマンは確かに完結した。 悪役ベインは、「バットマン&ロビン」の印象があって、どうにも組織のリーダーというのがピンと来ず、終盤までずっと違和感があったのですが、実は真の首領は・・・ということで、この点も鮮やか。全く想像してませんでした。 [映画館(字幕)] 10点(2012-08-12 23:10:29)(笑:1票) (良:3票) |