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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2005
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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141.  マッチポイント 《ネタバレ》 
クラシックなオペラ歌曲にのせて展開するは現代のお話なれど、中身ははるか昔から繰り返されてきたであろう男女のいざこざ。不誠実な男と、責任を迫る女。ありがちな話がアレンにかかると「運」まで動員される。神の役回りはもちろん監督なんだが。大体神様が女好きだからねえ。 自分でも誰の立場で観てるのかちょっとわかんないまま、いつ男のハリボテがはがれるのかと変に手に汗握りながらの観賞だった。とにかく性格のひん曲がっている監督の手腕が凄いとしか。スカヨハ登場一発目のシーンからこの先の倫理違反は明白、「あれ?きのうの夕方お前を見たぞ」と証言する友人がやなとこで現われるしスカヨハはどんどんヒステリックになってゆくし、落とした薬きょうを「見せて」とウルサイ妻。小心者のワタシはまったく気が休まらない。極めつけは空に放り投げた老婆の指輪。欄干に当たって、そして「こちら側」に落ちる。もちろん思い出すのは冒頭の「運」のお話。ああ、そうなるのかと思いますよね。ついに引導を渡されるのかと。・・が、ところがなんですね。つくづく食えないジジイ監督だ。 ちなみにキャスティングも天才的に的確だ。ヨハンソン以外にも「育ちが良くて」「つまらない」妻E・モーティマー、温室育ちの坊ちゃん長男M・グード。うるさい割りに鈍感な義父母。駄目刑事。こわいほどにハマっている。やっぱり監督ただ者じゃない。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-05-16 00:00:20)
142.  SHAME -シェイム- 《ネタバレ》 
性交シーンが多く、しかもどぎつくて不道徳とも感じかねないけれども、この話の根っこにあるのは心の飢餓に苦しむ男の孤独である。心が不安定だと依存症になる場合がある。人により、アルコールだったりギャンブルだったり。この男はセックスだった。 キャスティングが容姿端麗なM・ファスベンダーで正解だった。画が生臭くならずに済むし、見た目とのギャップの大きさも強く印象に残る。かなりきわどい性描写もこなし、X-MEN俳優で終わるまい、というあっぱれな役者根性の持ち主とみた。 妹シシーを配した脚本が巧いと思う。シシーは男の映し鏡。欠落しているものが同じなので、自分を見ているみたいでイライラするのである。二人とも孤独で、空っぽだ。 男にとってセックスは渇望を満たすための行為。愛の行為ではないので、好きな女のことはどう抱けばいいのか分からない。この場面は深刻だ。深刻さを解消できぬまま、後半には彼のセックスは自己破壊にも近くなる。 兄妹の生い立ちがどういったものなのか描かれず、つらいまま話は終わってしまう。 男にはセラピーが絶対に必要だ。まだ希望はあると思う。妹が死にかけた時、初めて人間らしく動揺し、男は泣いた。なんとかして、彼が苦しみから抜けられますように。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-05-07 00:23:54)
143.  下宿人(1926)
観ていて、ほとんど映画史のお勉強という心持ちになってくる。頑張って観ているという感じだ。幸いストーリーがビフォー・ヒッチコック的なサスペンスなのでなんとか寝ずに観られたけれども。 びっしり抑揚無く背後に流れ続けるサロン音楽がぽろぽろぽろぽろ・・、これ結構苦痛。映画音楽というジャンルが確立されている現代に感謝だ。 心理描写はこなれていないし真実は取ってつけたみたいで脚本も粗い。同年代にはキートンやチャップリンといった傑作もすでに世に出ているのだから、この映画が退屈なのは「昔のだから」という訳ではなく、単に作り手の技量の問題か。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2017-04-30 23:24:01)
144.  わらの犬(1971) 《ネタバレ》 
”監督of暴力”のサム・ペキンパー、彼の筆致はキューブリックほど洗練されてなくて、人間の本質をむき出し且つぶちまけ型である。単に不快だから、という理由で目を背けて否定しては、ウソつきと言われそうだ。 陰気臭い田舎町と低所得風な労働者たち。そこへ乳首もはっきりわかるぴったりニットの若い嫁。すでに不穏な空気がこの冒頭だけで充満している。イヤな感じしかしない。 半世紀近くも前の作品だけど、女への暴行シーンや彼女の抱えるPTSDの描き方等、これほどショッキングで生々しく痛みを感じさせる作品は他に見た事がない。 猫を殺られても煮え切らなかったヘタレのD・ホフマンが窮鼠の如く、信条と真逆の暴力行為へと狂い出す、この凄まじさ。青白い額に汗を浮かべて妙に座った目つきで油を沸かす。ホフマンの嫁が幼なじみの男連中に気があるような素振りを繰り返すのもなかなかに不気味で気分が悪いのだが、やはりその地の出身者らしく「知的障害者を差し出せ」と暴力発言をするのだ。これにより完全に周囲を暴力で包囲されたホフマン、「二度と帰ってはこれない」地点まで行ってしまう。ああやっちまった。しかし、一番共感をできるのは誰あろうこの人なのだ。震撼するやら呆然とするやら。自分の暴力性まで暴かれた気分だ。こちらも冷たい汗でびっしょりだ。
[DVD(字幕)] 8点(2017-04-19 00:27:59)
145.  冬のライオン 《ネタバレ》 
とにもかくにも熱のこもった台詞の応酬が見どころ。いかにも舞台劇っぽい。独特な言い回しや言葉の多さ、役者はやりがいのあることだろう。 しかし映画は舞台と違って、表情のアップだとか過去の映像だとかその場面の空気や天候に至るまで、観る者に送られてくる情報量が多いのでのべつ幕なしにしゃべる必要があまり無い媒体であります。なのでえんえんと夫婦の口げんかが続く中盤などは飽きがきてしまった。 時は1183年、プランタジネット朝初期の王ヘンリー二世の家庭内不和のお話。家族なのにのっけから険悪な雰囲気だが、その原因・詳細は語られずけんかしっ放しで話が進む。同じネタで繰り返し諍っているので「この人たちは言葉で罵り合うことでストレス発散しているのでは?」とも思う。ラストに至っては塔に戻る王妃を見送る王も、送られる妃も何やら晴れ晴れと手なんか振っちゃって、好敵手に対して「一旦休戦す」の趣き。ほんと英王室ってけったいやなーと思った次第であります。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-04-17 00:29:25)
146.  ダークナイト ライジング
C・ベールはオスカーを獲ったボクサーものの直後だったのかな。こっちは激ヤセだし、T・ハーディは「ウォーリアー」(あやっぱり格闘技ものだ)の後撮りなのかしら。筋肉ダルマみたいで、顔もはっきり出さないしトムとはわかんなかった。 ヒースのジョーカーという強烈なキャラクターが引っ張った前作には及ばないのですが、今作でやっと女優枠にキレイどころを持ってきたのが良かった。だってアメコミですやん。シリアスな心理ドラマじゃあるまいし、やっぱり”いかにもヒロイン顔”な女子の方が画的にすとんと落ちるというものです。ハサウェイのキャット・ウーマンぶりはM・ファイファーに劣らぬシャープな美しさでした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-03-24 18:27:20)
147.  オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ 《ネタバレ》 
ジャームッシュ健在、を印象付ける一本。気だるくて美しくてちょっとエスプリも効いていて。 タンジールの異国情緒も、デトロイトの廃れた佇まいもどちらも夜のショットの中に耽美的に切り取られていて魅力的だ。 ストーリーは淡々と、何世紀もの生を生きるヴァンパイアらの”日常”をつづり、一編の詩のよう。 静かな湖面に石を投げ込んだような、異端児エヴァの存在も光る。 主役二人が本物の吸血鬼っぽくてリアリティ有りまくり。いや本物は見た事ないけど。 あそれとドクター・ストレンジ・ラブの血を買ってましたね。ははは。大丈夫かな あんな風にイカレたら耽美どころじゃなくなっちゃうよね。
[DVD(字幕)] 7点(2017-03-14 00:28:23)(良:1票)
148.  マダムと泥棒 《ネタバレ》 
古き良き英国のコメディですね。中盤以降、急激にブラックな展開になりますがイギリス人って昔からこういう感性なんだな。 もっとも、私は序盤のお人よしの老婦人が連中を信じきっているシチュエーションコメディの方が好み。大男がオウムを追いかけて屋根まで登る、いや登れない、のすったもんだは喜劇の基本。笑えます。できればあのお婆ちゃんは金の出所を知らないまま手元に残る、という筋が良かったな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-01-21 23:58:18)
149.  リボルバー(2005)
ガイ・リッチー 大好きだけど、これはダメじゃないかな。何を考えすぎたのか彼は。意味不明映画は数あれど、評価されてるのは仕掛けの上手いD・リンチとかクローネンバーグとかアート度数の高いヤツでして、あなたとは住むジャンルが違いすぎる。 特にJ・ステイサムの訳わかんない独り台詞の長いのには泣かされた。自分探しの真っ最中ということ? この当時のヨメと離婚したのちの「シャーロック・ホームズ」とかは実にストレートなエンターテイメントに仕上がっているので、やはりこの頃の彼は若干神経症を患っていたのではと思われる。 相変わらず卑屈演技やらせたら超一流のレイ・リオッタに免じての点数です。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2016-12-28 19:15:11)
150.  フッテージ 《ネタバレ》 
ホラーにビビらない年齢になったけれども、そんなワタクシでも冒頭のフィルムの描き出す様相は大いにぞっとするものがありました。なんでしょうね、あのざらついた素人撮影な映像の怖さは。直に「悪意」を伝えてくるから気分悪いのでしょうか。この手の悪意撮影フィルムが他に何本も出てくるんだけども、独特の手ブレとかほとんど編集なんかしてないよ的な”ガチな感じ”が大変胸糞悪い。 ですから、せっかくひたひたとE・ホークが精神的に追い詰められる展開なのに”わっ”と驚かし演出で子供らのユーレイが出てくるのにはがっかりしました。青白ーい顔で表情暗い「いかにも」な平凡幽霊のせいで、ありがちホラーに下がってしまった。あんなにはっきりと歴代の”あっち側”チルドレンを出したいのなら、せめて最後の犯人明かしの場面で良いのではないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-12-22 00:48:17)(良:1票)
151.  インセプション 《ネタバレ》 
これは大好き。何がいいって、驚愕にして緻密なアイディアと、それを美しく視覚化した映像の素晴らしさ。音楽も良いし、キャスティングが100%はまった、その心地よさ。こうまでハマった!と感激なのは”L.Aコンフィデンシャル”以来。主演クラスからM・ケインやP・ポスルスウェイトに至るまで良い。 「夢」を扱ったものはファンタジーテイストで独り浸りな感性のものが多いように感じて、あまり合わないなあと思っていた。けれど本作はそれこそ夢中になった。理屈についていくのが精一杯で、148分阿呆ヅラで観賞したけれど、もうわくわくでいっぱい。無重力映像の摩訶不思議なこと、予期せぬピンチがいい具合に訪れて話を締める脚本の良さ、役者の好演。 「三階層」「潜在意識の武装化」「キックまでの時間」と初めて触れる概念に圧倒されつつ、仕事に集中するJ・G・レヴィットの手際の良さに見惚れ、T・ハーディの軽い伊達男っぷりにくらくらし、いつになくしくじるディカプリオには突っ込みを入れ、「謙さんがんばって!」と手に汗握って、と大変忙しくそして楽しい。 悩める大富豪の御曹司役のC・マーフィも良かったな。”他者から植え付けられた”偽自意識ではあるけれど、彼の場合これで良かったのだと感じる。一生父親への確執を抱えてうじうじすることにならず、自分の足でちゃんと前に進めそうだもの。依頼者の希望は叶うし、ターゲットも結果良い方向へ向かいそうだし、コブも家に帰れたしで、商売で言うところの「三方ヨシ」みたいでストーリーもすごく好き。私はあのコマは当然倒れると信じて疑ってません。
[DVD(字幕)] 10点(2016-12-16 17:04:49)(良:1票)
152.  誰よりも狙われた男 《ネタバレ》 
フィリップ・シーモア・ホフマンは当代最高峰の役者の一人だと思っている。彼の遺作となった本作を、多大な喪失感を抱きながら観賞した。 ル・カレ原作らしい重たさと切実な空気の中、ホフマンは身体つきそのままに、どっしりと緩慢に動く。ストレスや苦悩をぜい肉として纏っているかのようだ。部下に指示を出す時の動作や電話を取るしぐさ、おっさんジョークを飛ばす時の表情。バッハマンという一人の人間が完璧に造形されていて、もう私は目が釘付けになった。 「個人」を救いたい女弁護士と、全体像を見据えて国および地域の安全を担保したいバッハマンとは利害が必ずしも一致しない。彼女をアメと鞭で懐柔する時のプロの凄み。そしてプロ同士、すなわちCIAとの一騎打ちも冷ややかに尖っていて見ごたえがある。 物語は「大樹」であるところのCIAにバッハマンは鼻を明かされて終わる。「組織」の非情さと人間への不信感で言葉も出ないラストであった。ここのホフマンの仕事は誰ができるだろう。憤怒に身体を貫かれたようなその後姿。ああ彼がCIAらに一矢報いるような続編が見たいと心から思う。もう叶わない。とても悲しい。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-11-28 18:07:59)(良:1票)
153.  僕が星になるまえに 《ネタバレ》 
私は闘病モノが大変苦手でして、かなりの確率で避けてきているのですが、現時点でのマイ・ベストな役者であるB・カンバーバッチの仕事であるならば、と意を決して観賞しました。 余命わずかな人間の諦念、未練、慟哭、そういった感情を推し量ることはとても不可能だし辛いけれど、ベネディクトは感服するほどの役者魂で丁寧にジェームス像を立ち上げていたように感じました。 お話もまた、お涙頂戴で盛り上げようとするような下品さが無く、むしろ淡々としています。中年にさしかかる友人たちの叶わなかった夢だとか、現実と折り合って生活を優先することへの諦めに似た安住感など、それぞれの人生模様が旅の所々で語られます。英国の決して華美でない荒涼で凛としている自然も、ビターな物語に背景としてぴったりマッチしました。 ラストは賛否両論呼びそうですね。ちょっと予想もしなかったので驚きました。個人的にはジェームズの意思を尊重したいとは思う。しかし友人としてあの場にいたら、簡単に割り切れるものではないよなあ・・。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-11-23 18:34:27)
154.  パイレーツ・ロック 《ネタバレ》 
ユルくてお馬鹿で、でも人生にはロック、という信念が一本強固に通ってて大好きな映画です。出てる英国俳優がいかにもイギリス映画っぽい多彩な「顔」博覧会で唸る。ホフマンは米国人だけど。見てるだけで面白い。 舞台が船内に限られているにも関わらず、話の一つ一つがとても楽しい。ほぼセックス事ばかりなのはご愛嬌。狂言回しも兼ねるトム・スターリッジ君、あからさまな童貞顔で役にぴったりだ。極めて不道徳な檻に放り込まれた彼、かなり気の毒な目にあったりしながらも成長(?)してゆくのだった。多分。 戻ってきた往年のキングVSホフマン演じる伯爵の対立が一触即発の事態になったりするのかな、と思いきやこれが思いもかけぬ流れでもってお互い手打ちで締める展開へ。一本気ながら妥協点を知る、みたいな適度なしょーも無さ。このエピソードが一番好き。 敵役の政府側は完全にコメディ。強敵なようなそうでもないような。感じはモーレツに悪いが。 遭難ラストの緊迫感はかなりのものです。電波に乗って流れてくるラジオからのSOS、なすすべなく呆然となるリスナー。海の底へ沈むレコード。泣きたいのをこらえて見守りまして、ついに伯爵が浮いてきたときの喜びったら。ああよかったなあ。だってロックは悲愴なものじゃない。生きるための音楽だからね。制作は正しい判断をしました。 全編通して耳に心地よい音楽はもちろんパーフェクト。でも時代はちょっと違うのね。レビュワーの皆さん、勉強になりました。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-11-19 17:28:40)
155.  未来は今
陰謀渦巻くお話ながら、どこかのどかで毒の無いクラシカルな雰囲気。ハリウッド黄金期作品へのオマージュがふんだんに感じられます。童顔で人の好いティム・ロビンスや肩肘張り型女子を演じるJ・J・リーももちろん巧いけど、なんといっても嬉々として悪の黒幕重役を務める御大ポール・ニューマンのノリ方が素晴らしいったら。ほんと楽しそう。 三人の絶妙なさじ加減で軽くコミカルに人生の悲喜こもごもが転がってゆく。終盤近くの、どファンタジーな展開にはびっくりしたけどそれまでの軽快なリズムに身体が慣れているのでまあアリかな、と受け入れられる。 良かったのは天使前社長のことば「失敗くらいで絶望してはいけない。絶望は過去の足かせだ」大変心に沁みました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-10-22 23:45:08)
156.  ブリングリング 《ネタバレ》 
窃盗はもちろん犯罪であります。が このケースは盗られる方も所持品が多すぎて被害に気付かない、という傍から見れば「馬鹿vs馬鹿」の構図になってて新しい。 盗みに走る若者らの青春ならではのイキオイというか、若さの傲慢が放つ一瞬の輝きを描くしか映画にならないと思うんだけどどうもS・コッポラはその辺失敗したみたいだ。お得意のゴージャスショット、例えばブランドのバッグやアクセサリーや靴などがずらっと並ぶパリスヒルトンの家の中を撮りたかっただけなんじゃないの。 盗られても気づきもしないセレブたちに同情は一片も湧かないし、かといってアーダルイーパリスん家に盗みに行こ?とドラッグとパーティに明け暮れる高校生らを眺めていても予想通り不快の感情しか起こらない。ボニー&クライドに自分らを例えるなふざけてんのか。 そして常々思うんだけど、議論スキルを植え付けられている向こうの人って十代でも口が減らないのね。自己弁護が闊達なこと、ラストのエマ・ワトソンなんて観る者全員の神経を逆撫でするような図々しさであります。もっとも、これでハーマイオニーイメージも女優として払拭できているわけで、1点はそんな彼女に献上。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-10-21 17:01:00)
157.  ロックンローラ 《ネタバレ》 
ガイ・リッチー一流の一気収束展開が小気味良い脚本ではあるけれど、いかんせん前作「リボルバー」でぽしゃった後のリハビリ的な出来でして「ロック・ストック~」や「スナッチ」ほどのキレはありません。 人物描写は鮮やかで各キャラは立ちまくり、会話も粋で心地よい。だけど大きな失敗として、タイトルの影の主人公(なのか?)であるロックンローラーがこれ存在感非常に薄い。コイツの偽装死も柱の一つのはずが、G・バトラーやM・ストロング、T・ハーディやその他ロシア人といったアクの強い連中のどたばたの陰に隠れてしまっているので、終盤になってキーマンとして登場するも”待ってました”感が無いんですわ。 なにしろ観終わって一番印象に残ったことといえば、トム・ハーディにゲイを告白されたバトラーのパニックぶりと、その後の友情あふれる涙ぐましくも麗しいフォローぶりだったりする。いやここ、何度観返してもほのぼのと笑える。親友に恋情を抱くハーディが意外やゲイの芝居が巧いですし、つまりこの部分でもって点数が甘くなりました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-08 16:39:55)
158.  博士と彼女のセオリー 《ネタバレ》 
かのスティーブン・ホーキング博士と妻であったジェーンとの結婚生活とその終わり。言ってしまえば他者の私生活だけれど、存命中の博士や関係者らにもきちんと配慮した、品のある筆致で描かれていると思います。 博士とジェーン、二人とも共感しやすく好感の持てる人柄として描写されており、ゆえにジェーンの心の揺れに、こちらも一緒に苦悩するのでした。 病を得てもいなくても、人の心とは測れないもの。 言葉では言い尽くせない思いを数年にわたって抱えながら、二人が誠実に精一杯生きてきたことが伝わる良い映画でした。 エディ・レッドメインはそりゃあオスカー獲りますよもちろん。顔立ちがもともと似ているのも手伝って、博士ご本人そのものに見える。限られた顔の筋肉の動きで出す表情も見事で、これは役者が放つ、一世一代の渾身の演技でありましょう。彼の瞳は雄弁で、ジェーンとの別れを意味するシーンでの彼の表情を思い出すと、今また泣けてきます。
[DVD(字幕)] 8点(2016-09-27 23:33:44)
159.  寒い国から帰ったスパイ
うおぉ、渋い。激渋。ル・カレぽい。愛嬌含有率0%のリチャード・バートンの佇まいも、非情に過ぎるラストシーンも、まあ悪くないんだけどなんかこう、もう少し映画的な色気とか華やぎが欲しい。女優もぱっとしないし。 モノクロの中、仏頂面のおっさんたちが淡々と役割をこなし、音楽の盛り上げも無縁でこちらの体調によっては眠くなる。とにかく暗い・重い・渋い。この重力で眠気に引っ張られないコンディションでの鑑賞をおすすめします。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-09-23 00:51:53)
160.  ワイルド・スピード/EURO MISSION 《ネタバレ》 
いかに派手にアクションをかますかが焦点になってきたシリーズ6作目、ついには戦車やら飛行機まで参戦してかつてのクルマ愛はどこへやらといった趣きである。 ストーリーはとりあえず脇に置かれているカンジで、観てるこちらも「あれ、今これって何が目的なんだっけ?」と度々思うシマツ。もっともそんな観賞態度でも全体通しては大した支障も無いのがFFシリーズの良いところ。 死んだはずのメンバーが戻ってきて、代わりに二人ほど卒業。ここらへんのキャストの入れ替えって何か業界の力関係が働いてんのかなーといらん勘繰りをしたりもする。個人的にレティって余人を持って変え難いとは思わないんだけどな。 男優陣は各々役割がうまいこと性格分けされているけれど、女優らはキャラがかぶってるのも気になる。外見も性格もそっくりさんがシリーズごとに増えてゆく印象なんですが。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-08-25 00:45:30)
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