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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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141.  ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 《ネタバレ》 
第二次世界大戦という激動の時代にイギリス首相としてヒトラーと戦ったウィンストン・チャーチル。彼の首相就任からイギリス軍の運命を決したダンケルクの戦いまでの数週間を濃密に描いた伝記映画。まるで本人にしか見えない特殊メイクを施しアカデミー賞の栄誉に輝いた辻一弘の匠の技もさることながら、同じくアカデミー賞を受けたゲイリー・オールドマンの演技も素晴らしかったですね。一時はイカレタ悪役ばかりを演じていたこの人もこんな熟練の演技が出来るようになったのですね(笑)。とはいえ内容の方は、ジョー・ライト監督らしい演出の冴えは各所に見られるものの、全体的に見れば幾分か物足りなさの残る作品でありました。事実を基にした作品なので仕方ないのかも知れませんが、もう少しテーマの掘り下げが欲しかったところ。好きな監督の作品だっただけに惜しい。
[DVD(字幕)] 6点(2019-04-05 13:17:29)
142.  トレイン・ミッション 《ネタバレ》 
リーアム・ニーソン主演、ジャウマ・コレット・セラ監督コンビによる安定のエンタメ作品。今回の舞台は通勤電車内、謎の女からある人物を捜し出せという依頼を突如として受けたリストラ・サラリーマンが悪戦苦闘するというお話。娯楽に徹したその制作姿勢には好感が持てるし、明日には忘れてしまいそうなベタな(誉めてます!笑)脚本も分かりやすくてよし。さすがにこの真相は無理があり過ぎる気がしなくないけど、まあ気楽に観る分にはぼちぼち楽しめます。
[DVD(字幕)] 6点(2019-04-04 00:28:05)
143.  ウォルト・ディズニーの約束 《ネタバレ》 
ディズニーの名作映画『メリー・ポピンズ』。その制作の舞台裏を、ウォルト・ディズニーと原作者であるトラヴァース夫人との確執をメインに描いたヒューマン・ドラマ。ディズニー社制作でありながら、ウォルト・ディズニーを必要以上に美化しておらず、また非常に丁寧に作られていて好感は持てるものの、『メリー・ポピンズ』にほとんど思い入れのない自分にはそこまで心に響かず。それでも嫌みなおばちゃんをのびのびと演じていたエマ・トンプソンはなかなかの嵌まり役でしたね。
[DVD(字幕)] 6点(2018-12-14 09:48:51)
144.  エイリアン:コヴェナント 《ネタバレ》 
SFホラーの金字塔『エイリアン』の前日譚をリドリー・スコット自らが描いたシリーズ第二弾。前作の内容をほぼ覚えていないまま今回鑑賞してみたのですが、まあだからと言って改めて観返すほどでもないかなぁというのが正直な感想。って言うか、スコット監督ってやっぱり根っからの映像作家なんだなって改めて思いました。粘着力のある映像美は他の追随を許さないほど素晴らしいのですが、その脚本によって作品の質は毎回大いに変わります。今回は正直微妙かな。その映像美に6点で。
[DVD(字幕)] 6点(2018-09-16 23:10:45)
145.  LION/ライオン 〜25年目のただいま〜 《ネタバレ》 
子供のころに迷子となり、その後オーストラリアの裕福な家庭で養子として育てられた青年が、微かな記憶とグーグルアースだけを頼りに家族を捜し出したという奇跡のような実話を描いたヒューマン・ドラマ。実話を基にしているため結末が分かってしまっているのに、肝心の物語が時系列通りに進行していくためドラマとして見れば少々退屈。もう少しドラマチックな見せ方にしてほしかった。スタッフや役者たちの実話に対する誠実で真摯な姿勢には好感が持てたんですけどね。
[DVD(字幕)] 6点(2018-08-24 21:32:19)
146.  スノーデン 《ネタバレ》 
テロ対策の名の下に、全国民を対象とした監視システムを秘密裡に構築したCIA。本作は、それを暴露したことで全世界に衝撃を与えた元職員スノーデンの姿を実話を基にして描いた社会派ドラマです。監督はこの分野の巨匠オリバー・ストーン、そして秘密保持法違反に問われいまやロシアでの事実上の亡命生活を余儀なくされているスノーデン役には人気俳優ジョセフ・ゴードン・レヴィット。社会派ドラマとしてはなかなか見応えのある作品に仕上がっていたと思います。普通に考えて怖いですよね、これ。いつでも誰かに見られていると思うと空恐ろしい。それでもテロ対策のためにはこれくらいの監視システムは仕方ないと見るのか、やり過ぎだと捉えるのか、なかなか考えさせられる力作でした。ただ、映画としての面白さがもう少し欲しかったかな。サスペンスとしてはちょっと物足りなさが残りました。それにしてもスノーデン氏はこのままロシアで一生を終えるのでしょうか。そう考えるとやぱ怖いですね。
[DVD(字幕)] 6点(2018-03-04 08:23:28)
147.  アバウト・タイム 愛おしい時間について 《ネタバレ》 
何度も過去にタイムスリップ出来る青年の恋と家族愛を描いたSFチックな青春ラブストーリー。つい最近観た同監督の代表作『ラブアクチュアリー』がすごく良かったので今回鑑賞してみました。うーん、正直期待していたほどではなかったですかね。なんかタイムスリップという主人公の特殊能力がうまく活かされていないような気が…。まあストーリーの方はよくも悪くも王道で最後まで安心して楽しめましたけど。あと、主人公が初めてのエッチを何度もタイムスリップしてやり直すのは個人的にツボでした。うん、気持ちは分かる(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2017-11-23 23:07:10)
148.  レジェンド 狂気の美学 《ネタバレ》 
1960年代、ロンドンの裏社会で暗躍した双子のギャング、クレイ兄弟。兄レジーはその明晰な頭脳ともって生まれたカリスマ性で他のギャングたちを圧倒し、精神的な問題を抱えた弟ロンはその無軌道で命知らずな性格ゆえ回りから狂犬と恐れられていた。本作は、そんな実在した双子のギャングをトム・ハーディが一人二役で挑んだクライム・ドラマ。監督は、血腥い犯罪物を得意とするブライアン・ヘルゲランド。なのでなかなか安定感のある一本に仕上がっておりました。本作の最大の見どころはこの正反対の双子の兄弟を見事に演じ分けたトム・ハーディの魅力に尽きる。同じ顔をしているのに、最後まで完全に別の人間にしか見えないのはさすがというほかない。ストーリーの方も実話を基にしていながら分かりやすく整理され、なおかつちゃんとギャングもののツボを押さえているのもポイント高い。ただその反面、実話を基にしたから仕方ないのかもしれないが若干パンチに欠ける面があるのも事実。狂気の美学と言いながら、残念ながらそこまでの狂気性を感じられませんでした。またストーリーの重要なキーパーソンであり、物語の語り部となる兄の恋人フランシスに全く人間的な深みが感じられないのも本作の大きな弱点。トム・ハーディの熱演がなかなか光っているだけに色々と惜しい作品でありました。
[DVD(字幕)] 6点(2017-09-15 22:55:36)
149.  ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ 《ネタバレ》 
今世紀初頭、幾つものベストセラーを世に送り出したものの若くして急逝した作家、トマス・ウルフ。本作は、そんな悲劇の作家と二人三脚で作品を作り上げた著名な編集者マックス・パーキンズの姿を実話を基にして描いたヒューマン・ドラマだ。恥ずかしながらトマス・ウルフという作家の名はかろうじて知っていたものの、作品はこれまで一つも読んだことはない。当然ながらパーキンズという編集者の存在も本作を観るまで知らなかった。だが、彼が手掛けた著名な作家たち――アーネスト・ヘミングウェイやスコット・フィッツジェラルドは僕が今でも敬愛する偉大な芸術家たちであり、トマス・ウルフという人間的にはとても誉められたものではない偏屈で傲慢な作家との関係性を大きくクローズアップしているとは言え、それでも前記の偉大な作家たちとの交流も間接的に描いているため、最後まで興味深く観ることが出来た。ここで描かれているのは、作家と編集者の微妙な関係性だ。時に協力者であり、時に厳しい指摘もする教師であり、時にはドライなビジネス・パートナーであり、そして時にはお互いの私生活に深く関わる友人でもある。彼らが長い時間をかけて、お互いの信念や人生をぶつけ合い時に反発しあい時に協力しあいながら一つの作品を世に送り出す過程が非常に丁寧に描かれていてなかなか面白かった。有り余る才能を有しながら私生活では自由奔放なトマス・ウルフ役を好演したジュード・ロウをはじめ、彼の生活をより一層不安定なものにする情緒不安定な彼女役を演じたニコール・キッドマン、常に冷静沈着な英国紳士を演じさせたら右に出る者のいないコリン・ファースとキャストもどれも嵌まっている。時代を築き上げた創作者たちの苦悩や矜持をノスタルジックな映像の中に描いた佳品と言っていいだろう。ただ、残念だったのは後半の明らかに唐突感の否めない急ぎ足な展開。実話を基にしたのかもしれないが、それでも見せ方が唐突に過ぎる。トマス・ウルフが病に倒れそして病床で手紙を書くという重要な流れがあまりにもあっさりと描かれ過ぎているため、いまいち心に残らないのだ。このエピソードをこそ最も力を入れて描くべきだったのに、惜しい。
[DVD(字幕)] 6点(2017-08-20 23:39:23)(良:1票)
150.  セブンス・サン ~魔使いの弟子~ 《ネタバレ》 
血染めの赤い月が昇り、私の力はよみがえった。またこの世に地獄を目覚めさせてやる――。剣と魔法が秩序の全て、ここはそこかしこに恐ろしい魔物が跋扈する危険な世界。かりそめの平和が続くこの地に赤い月が昇るとき、再び動乱の気配が立ち込めはじめる。魔物退治を生業とする魔使いたちの偉大な師匠グレゴリーは、敏感にその予兆を察知するのだった。かつて自らの手で封印した恐ろしい魔女マルキンが復活し、世界を恐怖に陥れるためにかつての仲間たちを召集し始めたのだ。魔女の策略により唯一の弟子を失ったグレゴリーは、新たに七番目の息子のさらに七番目の息子を強引に弟子へと迎え入れると、再び彼女を封印するための危険な旅へと出発する…。魔法の腕は天下一品ながら酒浸りで飲んだくれの師匠と彼とは正反対の真面目なその弟子との大冒険を迫力満点の映像で描いたヒロイック・ファンタジー。自在にドラゴンへと変化する恐ろしい魔女を演じたのはジュリアン・ムーア、人間的にはダメダメ感満載の個性的な師匠を演じたのはジェフ・ブリッジス、この二大オスカー俳優が豪華共演ということで今回鑑賞してみました。率直な感想を述べると、まあなんというか、演出がしっちゃかめっちゃかな作品でしたね、これ。さまざまなキャラが次々登場し観客そっちのけでどんどんとストーリーが進行してゆくので、全体的にごちゃごちゃした印象が拭えません。原作となった小説があるみたいだけど、なんかそのお話をダイジェストで追ったのかな?って感じです。オーソドックスではあるもののお話自体はけっこう面白いだけに、もうちょっと緩急をつけた丁寧な演出が欲しかったところ。まあ二大オスカー俳優の熟練の演技のたまものか最後までそこそこ観ていられるのは確かなんですけどね。それにふんだんにお金をかけたCG映像は迫力満点!様々な魔物に変化する魔女の手下たちもそれぞれに個性が際立っていたし、暇潰しに観る分にはぼちぼち楽しめるんじゃないでしょうか。まあ世界を危機に陥れたことの発端が、じじいの不倫の後始末のせいだったのはどうかと思いますけど(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2017-06-28 20:52:20)
151.  さざなみ 《ネタバレ》 
寝る前に一つだけ教えて。あの時、彼女が死ななければあなたは彼女と結婚していた?――。結婚45年目を迎えた老夫婦ケイトとジェフは、人並みにいろんなことを経験しつつも今は仲睦まじく暮らしている。子供には恵まれなかったものの一匹の年老いた犬と共に過ごす静かで満たされた日々。来週の土曜日には親戚や知り合いを集めて記念パーティーを開くことも計画していたそんなある日、スイスの山奥から夫に宛ててある一通の手紙が届く。50年前、まだケイトが彼と知り合う前に付き合っていた女性の遺体が今回発見されたというのだ。氷河に凍ったクレパスに転落死したという彼女は、50年前のそのままの姿で今も氷の中に閉じ込められているという。明らかに動揺し、長年やめていた煙草を喫い始めたり、無謀なスイス行きを計画したりする夫。努めて冷静に振舞おうとするケイトだったが、それでも心の静かな泉に投じられたその小さな石は、次第に大きなさざ波となっていく…。結婚45年目にして破局の危機を迎えてしまった老夫婦の葛藤を終始淡々とした視点で見つめたヒューマン・ドラマ。妻を演じたシャーロット・ランプリングが史上最高齢でアカデミー主演女優賞の候補になったということだったので、今回鑑賞してみた。長年連れ添った夫の秘められた過去を知り、明らかに動揺しながらもそれでも凛とした姿勢を崩そうとしない彼女の気品に満ちた佇まいは確かに素晴らしかった。男と女、愛と嫉妬、そして老いとその先に待っている死……。一組の老夫婦の姿を通して、そんな人生のやるせなさを照射するその眼差しは最後まで優しく、そしてどこまでも心地よい。最後、妻に向けて感謝の言葉を述べて涙する夫と対照的に何処か冷めたままの妻。いつまでも過去の幻想に囚われる夫とどこまでも未来に目を向ける妻。どんなに長く一緒にいようとも永遠に分かり合えない男と女の心のありようをうまく表していて、同じ男として身につまされるものがある。派手さはないものの堅実に作られた良品と言っていいだろう。ただ、もう少し心に残る印象的なエピソードなりシーンがあればもっと良かったと思わなくもないが。
[DVD(字幕)] 6点(2017-05-07 22:56:31)
152.  コードネーム U.N.C.L.E. 《ネタバレ》 
東西冷戦が激化し始めた1960年代を舞台に、本来は敵同士であるはずのCIAとKGBのトップエージェントがタッグを組み、世界を救うために大活躍する姿を描いたスパイ・アクション。アメリカ側の主人公はいかにも軽いプレイボーイのナポレオン・ソロ、ソ連側の主人公はこれまたいかにもお堅いクソ真面目男(失礼!)イリヤ・クリヤキン。そんな二人を翻弄する謎の美女も登場し、物語は騙し騙され時に反発しあいながらも最終的には世界を救うために互いに協力して悪に立ち向かってゆく姿が描かれる…。と、いかにもガイ・リッチーらしいスタイリッシュ&お洒落な軽いノリのエンタメ作品なのだが、これがなかなか手堅く作られており、素直に面白かった。遊び心満載のアクションシーンは切れ味抜群、全く正反対の主人公二人が巻き起こす騒動はベタながらもクスリとさせられ、美男美女の主人公たちも役柄にばっちり嵌まっていて見応えはかなり高い。特に、あの「ヒロシです。エロ本を買っているのだから、テープでよろしいわけないじゃないですか…」でお馴染みのあの曲をバックに展開される、水中チェイスシーンは出色の出来だった。ただ、作品の性質上仕方ないとは言え、本作の欠点はよくも悪くもこの軽さ。観終わった後に何も残らないのだ。これに、ピリリと辛い一片の毒のような隠し味でも効いていればもう少し違った印象を残しただろうけれど、それは好みの問題だろうか。クライマックスにおける若干の尻すぼみ感も気になった。とはいえエンドロールを迎えるまでの2時間弱、安心して観ていられるアクション・エンタメとしては充分水準に達しているので見て損はないだろう。
[DVD(字幕)] 6点(2017-01-30 01:52:34)
153.  黄金のアデーレ 名画の帰還 《ネタバレ》 
1998年、ロサンゼルス。長年この地で小さなお店を営んできた平凡な老婦人マリア・アルトマンが、オーストリアという国を相手にある訴えを起こす。それはこの国で長い間国宝として大事にされてきたクリムトの名画『黄金のアデーレ』が第二次大戦中ナチスによって不当に奪取されたもので、本当の所有者である自分に速やかに返還すべきだというもの。まだ駆け出しの弁護士を専属で雇い、巨大な国家権力を相手に無謀ともいえるそんな戦いを挑んだマリア。それでも彼女には決して負けられない理由があった――。幼い時に亡くなった彼女の叔母アデーレこそがその名画のモデルだったからだ。つらい過去を忘れるためにずっと足を踏み入れたことのなかった祖国の地にまで足を運び、マリアは煩雑な手続きの壁に立ち向かってゆく。同時に、それはナチスに蹂躙された彼女の激動の半生をも甦らせてゆくのだった……。世界的な名画の裏に隠された、時代の荒波に翻弄され続けたとある女性の真実を描いた大河ドラマ。興味深い題材ではあるし、主役である老婦人を気品豊かに演じたヘレン・ミレンの魅力も相俟って、なかなか堅実に創られた歴史ものとして最後まで面白く観ることが出来ました。時代考証もしっかりしていたし、ドラマとして過不足なく演出出来ていたと思います。なのだけど、正直に自分の感想を述べさせてもらえれば、「何かが足りない」。全てに対して何処か踏み込みが甘いような気がしてしまうのです。クリムトの名画に隠された真実、国家権力に戦いを挑んだ市井の一市民、ナチスに蹂躙された家族の物語と、どの題材も魅力的であるのにそのどれに対しても表面的なアプローチしかなされていない。なので、本作は結果的に薄味な印象を観客に与えてしまう。題材が良いだけに、「惜しい」と言わざるを得ません。監督には、破綻を恐れずもっと踏み込んだアプローチをしてほしかった。そうすれば、より多くの観客の心に残る「名画」となれたであろうに。
[DVD(字幕)] 6点(2016-12-23 22:30:53)
154.  オデッセイ(2015) 《ネタバレ》 
面白いとは思うけど、自分はそこまで嵌まらなかったっす!
[DVD(字幕)] 6点(2016-10-21 22:17:51)
155.  おみおくりの作法 《ネタバレ》 
彼の名は、ジョン・メイ。22年間、ケニントン地区の民生委員を勤めてきた真面目な男だ。その仕事は、管轄区域内で孤独死した身寄りのない人々の事後処理をすること。部屋に遺された僅かばかりの遺品を手掛かりに、身内が発見されれば速やかに連絡を取り、発見されなければしめやかに葬儀を執り行う。だが、多くの場合、彼らの身内が発見されることはなく、発見されたとしてもあからさまな拒否反応を示される。ジョン・メイは、誰からも気にされることもなく孤独に葬られていったそんな人々を見送っては哀しみを深めていくのだった――。40代も半ばに差し掛かった彼自身もまた、ずっと独りきりで生きてきた孤独な男。ただただ与えられた仕事をこなし、日々独りぼっちで食事をしてきた彼にある日、人生の転機が訪れる。それは、市の財政悪化に伴う突然の解雇通告。戸惑いながらも現実を受け入れた彼は、最後に廻ってきた仕事だけは責任をもって終わらせようと決意する。その仕事とは彼の自宅前のアパートで孤独死した独居老人、ビリーの〝おみおくり〟だった。一度も会ったこともないビリーという名の老人の経歴を探ってゆくうちに、そんな酒浸りで孤独に死んでいった彼にもちゃんと一人の人間としての過去があることが分かってゆく……。一度も会ったこともない人々をただ淡々と見送ってきた孤独な男を通して、人として誰もが避けては通れない生と死のドラマを静かに見つめたヒューマン・ドラマ。全編に流れるこの静謐な空気は確かに素晴らしいとは思うのですが、あまりにも淡々としすぎていて正直、僕にはちょっと合わなかったです。というのもこの主人公であるジョン・メイという人に、僕は全く共感できなかったんですよね。映画を観ている間、この人、いったい何が楽しくて生きてるんだろうって思って…。だって酒や女はもちろん、趣味らしきものも全くないんですもん。たとえば、夜な夜な熱帯魚を愛でるとか誰にも読まれることもない小説を書いているだとか、極端な話、覗き見を趣味にしてるだとか、そんな人間的な側面があったればこそ感情移入できるのに、それが彼にはいっさいないんですよ。まるでロボットみたい。なんだかいかにも作為的に作られたキャラクターのような気がして僕はちょっと感情移入できませんでした。でも、意表を突くあのラストシーンだけはけっこう良かった!そう来るか~って感じで。そこはちょっとジーンと来ちゃいました。という訳で、+1点。
[DVD(字幕)] 6点(2016-09-17 20:11:26)
156.  嗤う分身 《ネタバレ》 
「そこは俺の席だ」――。来る日も来る日も同じような毎日を遣り過ごしているうだつの上がらないサラリーマン、サイモン。ある日、いつものようにがらがらの電車に揺られ会社へと向かっていた彼は、見知らぬ男に急にそう告げられるのだった。高圧的な男の言葉に仕方なく席を譲ったサイモン、その後も電車のドアにカバンを挟まれなくしてしまう。会社に着くと上司や同僚、警備員にまでそのことを馬鹿にされ、密かな想いを抱く同僚女性には今日も声を掛けられず、施設に入所する母親の面倒すらままならない。次の日、そんな八方塞がりのサイモンがいつものように出社するとなんと自分と瓜二つの男が採用され、めきめきと働いているを発見するのだった。社交的で誰からも好かれるそんな彼の〝分身〟は、社内でどんどんと出世し、上司からの信頼も厚く、密かに想いを抱いていた同僚女性まで易々と手に入れてしまう。嫉妬と焦燥に駆られてゆく彼の日常は、まるで出口のない迷路に迷い込んでしまったかの如く徐々に歪み始めてゆくのだった……。ロシアの文豪ドストエフスキーの初期の小説を独創的な映像で描いたシュルレアリスム劇。率直な感想を述べさせてもらうと、これはドストエフスキーというよりもどちらかと言うとカフカ的な不条理物語に近い印象ですかね。まさに、意味不明。でも自分、この何処か安部公房をも髣髴させるシュールな世界観はけっこう嫌いじゃない。何をしているのかさっぱり分からない会社組織や、一つも温かみを感じさせない工業的な夜の街並み、主人公を翻弄する怪しげな登場人物たち…。細部にまで拘り抜いたであろう映像や小道具の数々に僕はけっこうセンスを感じました。そんな摩訶不思議な映像を彩る、坂本九の「上を向いて歩こう」などの昭和歌謡の名曲群もこの作品に横溢する不穏な空気を煽るのに一役買ってます。そもそもなんで昭和歌謡やねん(笑)。ジェシー・アイゼンバーグやミア・ワシコウスカという実力派の若手陣もナイスな仕事ぶり。欲を言えば、後半もっと突き抜けてくれても良かったかもとは思うものの、それでも次作が楽しみな才能に出会うことが出来ました。
[DVD(字幕)] 6点(2016-05-06 21:41:45)
157.  オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分 《ネタバレ》 
それはたった一度の過ちだった――。イギリス、ロンドン。愛する妻と2人の息子に恵まれ、仕事でもビッグプロジェクトを任されるなど、順風満帆の生活を送っていた建築技師、アイヴァン・ロック。だが、彼はその夜、そんな愛する家族が待つ家へと向かう道を逸れ、高速道路へとハンドルを切るのだった。目的は、一つ。それは7ヶ月前にたった一度だけ関係を持ってしまった女性の突然の出産に立ち会うため。孤独に道を走らせるアイヴァンに、当然家族から何度も電話が掛かってくる。さらに間の悪いことに、明日はヨーロッパで最大規模を誇る高層ビルの大事な基礎工事立会いの日だった。総責任者である彼がいなければ工事は始められない。このまま車を走らせれば、会社は首。だが、アイヴァンは男のけじめをつけるため、たった一人で夜の高速道路をひた走るのだった……。都会の片隅で、たった一度の過ちから人生の危機を迎えてしまったある一人の男のドラマを、高速道路を走らせる彼の車の中のみで描いたヒューマン・ドラマ。映画が始まって86分、登場人物はトム・ハーディ演じるこの一人の男しか出てこず、彼にかかってくる色んな人々との会話のみでドラマを展開してゆくというなかなか挑戦的な作品だった。なのに、最後まで観客の興味をぐいぐい惹き込むこの監督の手腕は大したものだ。彼に電話をかけてくる人々も誰もがちゃんとキャラ立ちし、今何処で何をしているのかが容易に映像として浮かんでくる。トム・ハーディの相当に役作りしているだろう一人芝居も充分に見応えがあった。そして、何より映像が美しい。夜の高速道路、窓のフレームに写り込む色とりどりの幾つもの灯りがとても綺麗で、この孤独な男の心情を色濃く表している。小品ながら、なかなか見応えのあるドラマだった。ただ、お話としてはありきたりなもので少々物足りなさを覚えたのが僕としてはちょっと残念だった。6点と言ったところか。
[DVD(字幕)] 6点(2016-04-15 21:34:46)(良:1票)
158.  ギリシャに消えた嘘 《ネタバレ》 
1962年、ギリシャ。3度目の結婚を果たし、新たな若い妻と新婚旅行でこの地を訪れた初老の証券マン、チェスター。その正体は本国アメリカで詐欺まがいの取引によって多くの被害者を生んだ証券詐欺師だ。ある夜、高級ホテルに泊まっていた彼らの部屋に怪しげな男が訪れる。どんな手を使ってでも金を取り戻したいと言う投資家に雇われたという彼に、チェスターはいきなり拳銃を突きつけられるのだった。だが、チェスターは思わず反撃し彼を殺してしまう。さらに間の悪いことに、数日前に知り合った怪しげな現地の観光ガイドにそれを見られてしまう。「あなたとあなたの奥さんを助けてあげてもいい」。何故かそう訴えるその若い観光ガイドの名はライダル。その日から、証券詐欺師とその若く美しい妻、そして彼女に熱い視線を向ける観光ガイドという3人の危険な逃避行が始まったのだった…。風光明媚な観光地ギリシャを舞台に、嫉妬と愛情、そして犯罪が渦巻く男女の逃避行をミステリアスに描き出すサスペンス・スリラー。ヴィゴ・モーテンセンとキルスティン・ダンストという実力派俳優2人が、そんな刹那的な逃避行を続ける夫婦を艶かしく演じていると言うことで今回鑑賞してみました。夫婦に何故か現地の貧しい若い男が割り込み、アテネからクレタ島へと逃走を続けていくうちに、彼らに何だか三角関係的な葛藤が芽生えていく様を本作はスリリングに描き出していきます。確かにこの最後まで続くねっとりとした緊迫感はなかなかのもの。歴史や文化に彩られた60年代ギリシャの風景もとても美しく、そんな3人のミステリアスな関係を盛り上げるのに一役買ってます。そこらへんは素直に楽しめました。ただ、演出的に爪の甘さが目立つのが本作の弱点ですね。特に、簡単に人が死んでしまうのは如何なものか。冒頭、私立探偵がホテルにたった一人でやって来て主人公ともみ合ううちに浴室に頭を打って呆気なく死んでしまうというのは、さすがに物語の導入としては弱いと言わざるを得ません。他にも、若い観光ガイドが何故か主人公たちの逃避行についてくる理由付けや主人公の妻が辿る運命など、色んなところに粗さが目立ちます。3人の男女の嘘と嫉妬が交錯する怪しげな雰囲気は凄くよかっただけに、そこらへんが残念な作品でありました。6点。
[DVD(字幕)] 6点(2016-02-20 22:38:48)
159.  ファーナス/訣別の朝 《ネタバレ》 
製鉄所で働けだって?馬鹿らしい、はっきり言ってやるよ、兄貴、製鉄所なんてクソだ。確かに俺たちの親父もずっと製鉄所で働いていたよ。でも、そんな製鉄所が親父を殺したんだ。生きるための立派な仕事だって?じゃあ、俺が派遣されたイラクでの戦いも立派な仕事だって言うのか、兄貴。俺はこんなクソみたいなところから一刻も早く抜け出したいんだ――。製鉄所や町工場が建ち並ぶアメリカのとある地方都市。長年にわたりそこの鉄工所で働いてきたラッセルは、愛する彼女と年老いた父親とともにささやかながらも充実した日々を過ごしていた。ところがある日、彼は飲酒運転中に事故を起こし、相手の女性を死なせてしまうのだった。当然のように刑務所暮らしを余儀なくされるラッセル。もちろん仕事も同棲していた彼女も失ってしまった。そんな彼をずっと支えてくれたのは、海兵隊としてイラクへと派遣されていた弟のロドニーだった。数年後、ようやく釈放された彼は弟のロドニーとともに新たな生活を営もうと決意するのだったが、イラクで心に深い傷を負った弟は一攫千金を求めて次第に闇ボクシングの世界へとのめり込んでいく…。貧困の連鎖に喘ぐアメリカの寂れた一地方都市を舞台に、どん底を這いずり回るような困窮した日々を送るそんな2人の兄弟を描いたヒューマン・ドラマ。クリスチャン・ベイルやウディ・ハレルソン、ウィレム・デフォーといった何気に豪華な役者陣競演に惹かれて今回鑑賞してみました。冒頭から薄暗い何処にも晴れ間なんてなさそうな鉄工所の映像から始まり、登場する人物たちも誰も未来なんてなさそうな鬱屈した人間ばかり、酒を飲んでは下品な冗談を交わし、賭け事や麻薬に溺れていく…。そして、ただ幸せになりたかっただけなのに、次第に心を擦れ違っていく兄弟に忍び寄る闇社会の住人たち。と、見れば見るほど気が滅入るような暗いお話なのですが、アメリカの地方都市が抱えるリアルな現実を冷徹に見つめ続けるこの監督の視線は鋭い。実力派の役者陣も静かな熱演でもってそんな監督の要求に応えていて、重厚な人間ドラマとして充分見応えのある作品に仕上がっていたと思います。ただ、脚本のところどころに細かな破綻があるのが惜しい。特に、ウディ・ハレルソン(いかにもいやらしいマフィアのボスを演じた彼の熱演も見事でした)が森の中でどうしてあんな行動にはしったのか、そこにいまいち説得力が感じられなかったのが残念でした。最後にお店に現れる彼ももっと用心棒を引き連れていてしかるべきでしょう。と、細かな部分に爪の甘さが目立つものの、この全編を覆う重厚な雰囲気はなかなかのもの。この監督の次回作も期待して待ちたいと思います。
[DVD(字幕)] 6点(2015-12-07 13:55:02)(良:1票)
160.  フライト・ゲーム 《ネタバレ》 
最愛の娘を病気で亡くし、以来酒浸りのアル中となってしまった航空保安官ビル。その日も、コーヒーに混ぜたウィスキーを呷り、彼は担当するロンドン行きの旅客機へと乗り込むことに。乗員乗客150名と供に今日も平穏なフライトになる予定だった。ビルの携帯端末にそのメールが届くまでは――。「20分以内にこの口座に1億5千万ドルを振り込め。入金が確認できなければ乗客のうちの誰かを殺す」。まるで自分のことを近くから観察しているかのような犯人の脅迫文に、ビルの緊張感は一気に高まるのだった。コカインの密輸に手を染めていた同僚、アラブ系の医師、何故か自分の隣に座りたがった女性、正義感の強いNY市警、急遽乗り合わせることになったCA…。乗客乗員誰もが容疑者となる中、とうとう最初の犠牲者が発生するのだった。決死の覚悟で犯人探しに奔走するビルだったが、入金先の口座が自分名義であることが分かり、疑いの目は自分にまで向けられてしまう……。果たして犯人は誰なのか?ビルは無事にこの150名を乗せた旅客機を地上へと着陸させることが出来るのか?最近、すっかりアクション俳優としての顔が定着してしまったリーアム・ニーソンの新たな主演作は、そんな密閉された空間で序盤からノンストップで展開されるフライト・アクションでした。一言で言ってしまえばワン・シュチュエーションのベタなスリラーなんですが、そこはこれまでエンタメ映画の良品を幾つかものしてきたセラ監督(これはちょっと…ってのも中にはあったけどね笑)、ツボを押さえた演出と練られた脚本、そしてリーアム・ニーソンを初めとする何気に豪華な役者陣競演で最後まで一気に見せる娯楽映画としてなかなか面白かったです。特に、見れば見るほど誰も(主人公含む)が怪しく見えてしまうこのミスリードの巧みさはなかなかのもの。携帯のメール文を画面に映し込む演出もなかなか冴えてました(壊れてしまった画面をそのまま映すとかナイス!)。そして、クライマックスで一気に爆発する畳み掛けるようなアクションシーンにもテンション上がりまくり!まあ、観終わって冷静に思いなおしてみたらけっこう「?」な部分もあったし、強く印象に残るようなシーンなりエピソードなりが乏しいせいで1週間後にはすっかり忘れてしまいそうな内容ではあったけど、ぼちぼち面白かった!6点!!
[DVD(字幕)] 6点(2015-08-07 15:12:30)
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