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プロフィール
コメント数 2384
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1.  スターリンの葬送狂騒曲 《ネタバレ》 
“スターリンのヒムラー”の異名を持つ秘密警察長官ラヴレンチ―・ベリヤの処刑については実は様々な異説があり、プーチン大統領はもちろん真実を把握していますが決して彼が(そしてその後のロシアの政体が)真相を明かすことは今後もないでしょう。でも本作で描かれるようにスターリンの葬儀直後に処刑されたというのはフィクション(逮捕直前の細かいディテールは一般的な通説に従っている)ですが、これはまあ許容できる創作の範囲だと思います。 スターリン死の前後のドタバタがこの映画のテーマですが、歴史上稀にみる過酷な独裁政治の終焉ですからその視点がブラックかつシニカルであるのはストーリーテリングとしては正解でしょう。スティーヴ・ブシェミのフルシチョフを始め政治局員の面々は実物と良く似せたふん装で、とくにブルガーニンやカガノヴィッチはそっくりです。この人物たちの権力欲だけは旺盛な小物ぶりは実にコミカルで、実際この人たちはスターリンに気に入れられなかったら一国の統治に関わるような資格さえ持てなかったんじゃないですかね。逆にベリヤが改革を進めようとする善玉のような見せ方になっているのが皮肉です。実際に彼はスターリンの死後いち早く収容所の開放や政治犯の釈放に取り掛かっているのですが、これはストーリーの進行上スターリン時代の悪行をほとんどスルーしてしまったためで、このことを批判する欧米の批評家も存在します。 さほど遠くない過去に起きた醜悪な歴史的人物たちが繰り広げるドタバタ劇、としかわたくしには感想が思いつきませんが、劇中NKVD内の廊下にまるで電話のベルが各部屋で鳴っているかのように響き渡る銃声が悪夢のようでした。その中で、狂言回し的なキャラだったオリガ・キュリレンコが一服の清涼剤でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-09-07 23:23:02)
2.  セブン・シスターズ 《ネタバレ》 
発想は奇想天外、ノオミ・ラパスの一人七役は彼女の演技力なくしては成立しなかったんじゃないでしょうか。これはボブ・ディランを六人の男・女優が演じ分けた『アイム・ノット・ゼア』の真逆の発想でもありますが、やっぱ本作の方が主演女優のチョイスが難しくて製作のハードルは高いとおもいます。7人のキャラ分けも「こうするしかない」というほどきっちりしていますが、オタク系でITに強い子が“フライデー”というのだけはどうなんでしょうか?あれでは銀行でキャリア・ウーマンを演じるのはキツいだろうし、どうせならお休みの“サタデー”か“サンデー”にした方が良かったんじゃないでしょうか。それともこの映画の世界では休日が金曜日に変わっているのかな、それじゃイスラム教です(笑)。 あまりネタバレするので詳しくは書けませんが、七人姉妹は過酷な試練にさらされます。そして重要なのは、このお話しは実はナチスのユダヤ人迫害の暗喩となっているのです。まず“セットマン”というファミリーネームからしてユダヤ風ですし、彼女らが暮らす貧民街(?)の描写もまるでワルシャワ・ゲットーを彷彿させるところがあります。見つかると連行されてしまう第二子以降の子供たちは当然ユダヤ人のオマージュですし、隔離局という政府機構はナチス親衛隊かゲシュタポをイメージさせられます。そこに気が付くと、冷凍保存されているはずの子供たちの運命もおのずと予想できるでしょう。そういうこともあり、観終わったらいちおうハッピーエンドではあるのですが、背筋に寒気が残ってしょうがなかったのは事実です。でもこれはとても秀逸な脚本だとおもいます。 ラストでコールドスリープの実態を知った民衆によってグレン・クローズは失脚して死刑になることを暗示して映画はおわります。そこでふと考えたのは、もしヒトラーのユダヤ人虐殺を当時のドイツの民衆が知ったら、果たしてナチス打倒の動きは起こっただろうか、ということです。私は決してそういうことは起こらなかったろうと確信します。なぜなら普通のドイツ人もユダヤ人虐殺にはうすうす感づいていたし、またドイツ国民はユダヤ人排斥で経済的利益を得ていたからです。この映画の閉じ方は、ある意味でドイツ人への強烈なあてこすりなのかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-04-19 23:50:29)(良:1票)
3.  ブラックブック 《ネタバレ》 
第二次世界大戦でドイツに占領された国々にはいわゆる“レジスタンス神話”大なり小なり存在しますが、さすがヴァーホーヴェンらしく「神話なんてなかったんだよ!」とオランダ・レジスタンスの内情を赤裸々にさらしてくれます。彼のかつて撮った『女王陛下の戦士』もレジスタンスものでしたが、これも単純な戦争アクションではなくレジスタンスに対するシニカルな視線が印象に残る映画でした。 サスペンスドラマとしてはよく出来ています。観終わって気が付くのは序盤にちりばめられた伏線の多さで、必ずしもストーリー展開に関わった伏線ばかりではなかったけど、実に凝った脚本です。そしてヴァーホーヴェン風味のシモネタ・お下劣ネタは健在で、オランダ時代の盟友脚本家のジェラルド・ソエトマンとのタッグはやはり強烈です。なんせ『ルトガー・ハウアー/危険な愛』を生み出したコンビですからねえ。レジスタンス側もナチ側も出てくるキャラはもうゲスばっかり、ヒロインのラヘルにしたって匿ってくれていた農家に爆弾が命中しても一家の安否は眼中になく、次の隠れ家をどうしようかと悩むだけなので、「おい、おい…」と引いてしまいます。ヒーローもヒロインも癖が強いのがヴァーホーヴェンの映画の特徴なので、まあ理解してあげてください。さんざんナチとやりまくったくせにすぐにカナダ兵とくっついちゃうロニーや、降伏後も連合軍に協力すると称して態度がでかいカウトナー将軍など、すっきりした勧善懲悪とは程遠い結末はいい味出してます。 砲声が近づいてくるラスト・カットでしたが、1956年ということでこれはスエズ動乱の始まりを示唆しているんでしょうね。ラヘルはなんかまだまだ苦労しそうですが、続編を制作してみても面白いかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-07-04 21:55:16)
4.  ブラックボード 戦火を生きて 《ネタバレ》 
庶民の眼から観た第二次大戦のドイツの対フランス電撃戦を描いた作品。フランスの農村地帯が舞台なのに、ドイツから逃げてきた共産主義者の父子が主人公という設定です。そこに部隊からはぐれたスコットランド兵も一緒になって仏独英の三か国人が逃避行をするという展開になります。監督は『戦場のアリア』を撮った人で、彼はこの三国の戦争における関わりについてこだわりを持っているみたいですね。ただひたすら英仏海峡沿いのディエップに向かって逃げるだけといういわばロードムービーの様な味わいもあります。あえて血が流れる描写は避けて撮っているし、父と少年の再会をテーマにしたジュブナイル映画だともいえます。まあ父子が奇跡的に際会するくだりはご都合主義全開というか唐突過ぎる気もしますけど。 この仏独戦の時はフランス国内で800万人が故郷を離れて避難したそうですが、避難民の群れが道路をふさいで連合軍の移動が困難になり、正直言ってこれがフランスの敗因の一つだったと指摘する歴史家もいます。劇中でも民衆は状況もわからずやみくもに北に向かったわけですが、政府からの避難誘導は全くなかったようで行政の混乱ぶりがうかがえます。結果的には彼らは独軍の進路を超低速で先に進んでいただけだったことになり、草原で背後から現れたドイツ戦車が避難民たちを猛スピードで追い越してゆくシーンが実に印象的です。第一次大戦で4年も持ちこたえたのでまさか1か月でフランスが降伏するとは夢にも思ってなかったのは無理もありません。独軍は後の独ソ戦とは違ってこの時は住民虐殺などの蛮行は犯していないので、逃げなかった方が民間人の被害は少なかったんじゃないでしょうか。その点スターリンは独ソ戦では住民の避難を決して許さなかったそうで、驚くほど冷酷な方策ですが純軍事的にはこれが正解だったんでしょうね。でもこんな非道な決定をくだせる指導者は、歴史的にも珍しい存在なんじゃないですか。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-03-26 21:50:19)
5.  ムーン・ウォーカーズ 《ネタバレ》 
「実はアポロ11号は月面着陸に失敗し、TVにはキューブリックがひそかに特殊撮影で撮った映像が流された」というあまりに有名な都市伝説を大真面目にコメデイにしてくれました。 まずタイトル・バックのアニメがいかにもスゥインギング・ロンドンという感じでセンスがありました。主人公のCIAエージェントにロン・パールマンを持ってきましたが、彼の怪演が想像以上の効果を上げているんじゃないでしょうか。ロン・パールマンにコメデイ演技させるなんて清水の舞台から飛び降りるぐらいの思い切りが要るかと思いますが、往年のジョルジュ・ロートネルの映画に出てたミシェル・コンスタンタンを彷彿させる可笑しさです。またファンならすぐ気が付くところですが、『博士の異常な愛情』や『時計仕掛けのオレンジ』といったキューブリック映画のパロディが随所にちりばめられているのも嬉しいところです。クライマックスのCIA対ギャングの銃撃戦がまさかのスプラッターというのも、なんかヘンかもしれませんが自分にはツボでした。 徹頭徹尾バカバカしいお話ですけど、監督の才気は確実に感じられる掘り出し物だとおもいました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-27 21:02:33)(良:1票)
6.  女王陛下の戦士 《ネタバレ》 
ヴァーホーヴェン監督の初期オランダでのまあ大作と言える一篇です。ナチ占領下のオランダ・レジスタンス活動を描いていますが、当時の女王まで主要キャラの一人として登場させているので、ヴァーホーヴェンらしいエロや無茶はほとんど見られません。この映画を思いっきり黒くしたのが、後に撮った『ブラック・ブック』というわけです。レジスタンス活動と言っても華々しい活動とはあんまり見られず、仲間内も裏切り者だらけというけっこうお粗末な内情も赤裸々です。でもオランダ人にも親ナチがいっぱいいたという事実に眼をつぶらない姿勢は評価してあげたいです。 原作がある制約も有りますが、ルトガー・ハウアーが全然ヒーローらしさが無いのも印象悪くしている原因ですかね。近眼で射撃もど下手、唯一の作戦も任務を果たせず一人逃げ帰ってくるという情けなさです。まあリアルと言えばそうなんですけど、なんか観終わってフラストレーションが残ってしまいますよ。これも監督があのヴァーホーヴェンだからというからなんでしょうかね。
[DVD(字幕)] 4点(2015-10-17 11:36:30)
7.  最後のマイ・ウェイ 《ネタバレ》 
この映画を観るまではクロード・フランソワという人の事は正直知りませんでした。60年代から70年代にかけてフランスで大人気だったアイドル歌手で、いわばフランスの郷ひろみか西条秀樹という感じでしょうか。またあの名曲『マイ・ウェイ』も実はこの人が歌ったシャンソンがオリジナルだというけっこう凄い人だったんです。 あまりにダサい邦題のせいもあり世間によくある歌謡もの映画と思っていたら、これがどうしてグイグイと引きつけられるパワーを持った作品で、最後にはホロリとさせられてしまいました。物語はスエズ運河会社の偉いさんの息子として生まれたフランソワが、歌手として成功してゆきこれから全米に進出だというところで信じられない様な事故で他界するまでを追ってゆきます。主演のジェレミー・レニエはメイクもあるでしょうが実際のクロード・フランソワにそっくりで、歌も上手いなと感心したけど良く調べると実際のフランソワの音源を使っているみたいです。この映画の巧みなところは、フランソワに決して感情移入させない様な距離を置いた撮り方をしていることでしょう。たしかにかなり自分勝手な男だし、若いころから整形して顔をいじっても平気だし、落ち目のときには仮病を使ってステージで倒れて同情を買うなんてことまでやってのけます。女性関係も男の眼からも勝手邦題で、フランス・ギャルとのエピソードでは“なんなんだ、こいつは!”って観てて腹が立つこと請け合いです。でもこれもジェレミー・レニエの名演のなせる業なのは間違いないでしょう。母親もまたろくでもなく、ギャンブル狂で借金の山を築くんだから困ったもんです。 成功した中盤以降はこの種の映画ではふつうだれるもんですが、変幻自在な映像を駆使してそのパターンに陥らないように工夫されていてそれが成功しています。朝起きてからファンが群がる自宅を出て始まるある日のフランソワを、長回しを多用して見せてくれたのにはこの監督の才気が良く出ていました。各所で見せてくれるフランソワのド派手なステージ・パフォーマンスも観ていて愉しかったですね。 スターと言うのは頂点に立った瞬間から落ち目になって忘れられてゆく恐怖が始まるものなんですね、そういうスターの強迫観念がとても切実に伝わってくる映画です。ちょっと長尺でしたが、時間を感じさせない濃い一篇でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-04-27 00:27:05)
8.  ありふれた事件 《ネタバレ》 
「どこがありふれんてんだよ!」という突っ込みは別ににしても、とてもよく出来たモキュメンタリーです。この手の題材になると私はどうしても『ヘンリー/ある連続殺人鬼の記録』をどうしても想い出してしまうんですが、本作のブノワはヘンリーと違ってピアノを弾いたりして多芸で饒舌なので雰囲気は全然違います。ペラペラしゃべっていることはもっともらしいけど中身がないたわごとなんですが、ヘンリーとの最大の相違点はブノワにとって殺人とは生活の糧を得るための単なる手段であるということでしょう。つまり猟師が大自然の中で獲物を狩っている様に、都会で殺人を繰り返しているわけです。カネのためだけに無慈悲に人殺しをするというのもとんでもない話ですが、それでも『ヘンリー』よりは理解できるキャラではあります。彼の凶行を記録する撮影クルーたちも次第に犯行をともにするようになってゆきますが、これはクルーたちがブノワの自己分裂した魂の片割れみたいな存在にも見えてきます。でもその中でも一番狂っている様に感じるのはブノワのやってることを知っている恋人や友人たちで、あの誕生パーティのシーンは実にシュールで不気味でした。
[DVD(字幕)] 7点(2015-01-03 22:37:21)
9.  ポルノグラフィックな関係
いかにも大人っぽくフランスらしくていいですね~。ナタリー・バイは若いころトリュフォー作品に良く顔出してた女優ですけど、すっかり熟女になっています。『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のレオナルド・ディカプリオの母親役ぐらいしかないのですが、もっとハリウッド映画にも出て欲しい女優です。 そして「彼」セルジ・ロペス、どっかで見た顔だなと思ったら、『パンズラビリンス』のあの極悪非道なヴィダル大尉じゃないですか。本作と比べてみてもこの人の演技力はけっこうレベルが高いなあと感心しました。題名のせいもありレンタルショップではエロドラマのコーナーに置かれていることが多いのですが、観て損はない佳作です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-10-10 11:04:28)
10.  ベイビー・オブ・マコン 《ネタバレ》 
グリナーウェイ美術が、間違いなく頂点に達した作品。この映画の世界はまさに西洋春画(by淀川長治、それにしても上手いこと言うなあ)か地獄絵図か、そう、グロテスクな絵画を見ている様な感じでしょうか。物語のクライマックスは、芝居と現実の境界が判らなくなったコシモ殿下の妄想として解釈することも可能かな。まあとにかく、他の監督には絶対思いつかない様な映像です。この監督はとことん“赤”という色彩にこだわる人です。
[ビデオ(字幕)] 7点(2010-05-04 01:56:23)
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