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鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2598
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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1.  女神の見えざる手 《ネタバレ》 
“ロビー活動”という政治活動自体に対する認識が、僕自身はもちろん、日本の一般社会においてはまだまだ薄いことは明らかで、その活動を専門的に請け負う“ロイビスト”と称される職業があることもよく知らなかったことは否定できない。 ただだからこそ、そのロイビスト業界と、その中で辣腕をふるう天才ロイビストを主人公にした本作は、とても興味深く、エキサイティングだった。  「勝利」に対して努めて冷徹で、職務に対して極めてソリッドな主人公をジェシカ・チャステインが抜群の存在感で演じている。 冷ややかな美貌を携え、最小限の感情表現しか見せないその佇まいは、この主人公のキャラクター性にまさしく合致しており、見事に役柄に憑依していたと思える。 完全無欠の主人公像ではあったが、彼女が時折垣間見せる僅かな感情や、確実に存在する人間的な脆さや一寸の隙が、とても丁寧に描写されており、ジェシカ・チャステインはその感情の機微も含めて素晴らしい塩梅で演じきっていた。  銃規制法案を巡るキャンペーン活動をストーリーの軸として、現在のアメリカ社会における様々な立場の人間たちの思惑が入り交じるストーリーテリングも、深刻な社会的課題と、個々の人間の本質を浮き彫りにしていく巧い脚本だった。 個人的な見解として銃規制そのものは「正義」だと思うけれど、劇中でも描き出されるように、銃によって“結果的”に守られた安心や命があることも事実として存在している。 アメリカという良くも悪くも多様性が極まる社会環境においては、一つ一つの環境や個人の人生観によって、物事の価値観が180度食い違うことも必然だろう。  そんな難しい社会環境において、では何を「正義」とし、何を「悪」と断ずるべきかということを、本作の主人公は最後の最後、変わらない冷徹な眼差しで真っ直ぐに伝える。  勝利という唯一無二の目的を達成するために、敵も味方も含めて周囲の人間総てに対して「真意」を隠し通す主人公は、多くの疑念や困惑、そして憎しみを生み出していく。 でも、そんな彼女もシーンの端々で、一瞬の人間臭さを見せる。終始冷徹で自信と確信に満ちた目線で周囲の人間と社会そのものを睨みつける主人公だけれど、その一瞬に垣間見せる目線は一転して酷く弱々しく、また優しく見える。 そんな彼女の根幹的な部分に見え隠れする人間らしさこそが、最終的には彼女自身を救った要因だったようにも思えた。   ラスト10分、積み重ねたキャリアを放棄してしまうことよりも、必要な“休暇”のために、自らの“偽証”を本当の奥の手として秘め続けたロイビストの矜持に震える。 そしてストーリー上では何も明示されていないけれど、彼女自身にもこの仕事に人生を捧げる理由や過去が存在していたようにも感じられ、その敢えて描き切らないストーリーテリングの在り方も素晴らしいと思った。  おそらくは1年余の“休暇”を終え、外に出た主人公が目にした相手は誰だったのか。 本作に登場したすべての人物に加えて、描き出されていない人物すらも、その対象として想像できる。 ジェシカ・チャステインの読み取りきれない眼差しによる何とも巧いラストカットにまた震える。
[インターネット(字幕)] 9点(2024-01-07 01:18:40)
2.  メランコリア
はっきり言って、非常に感想の表現が難しい。 とてつもなく深遠な映画のようにも思うし、至極退屈で浅はかな映画のようにも思える。 監督自身が“鬱病”を患い、その自身の内情をそのまま映し出したかのような“悪い夢”のような映画だった。  自分自身の中に「鬱」がまったく存在しないのなら、何の迷いも無くこき下ろすことができたのかもしれない。 しかし、世の中の大部分の人がそうであるように、現代人のはしくれとして、自分の中の「鬱」と寄り添い折り合いをつけながら何とか生きてきた者としては、この映画が描き出す“果てしない憂鬱”を無視することなど出来るはずもなく、ただただどう向き合っていいものかと呆然としてしまった。  荘厳な終末感を描いた後半に対して、ただただグダグダな結婚式の模様を描いた前半が退屈過ぎるという評が多いようだが、僕はむしろ、幸せな風に見えた結婚式が徐々に確実に破綻してく様を描いた前半の方に、よりこの監督独特のおぞましさが溢れていたと思った。  冒頭の地球滅亡シーンは、恐ろしいまでに美しく、圧倒的な光景を見せてくれる。 ただそれよりも印象強く残ったことは、何と言っても主演女優の表現力だ。キルスティン•ダンストのパフォーマンスが物凄い。 映画は、彼女の恐ろし過ぎる表情を画面いっぱいに映し出して始まる。その表情には、実は怒りを伴っていないということに、殊更の恐怖を覚えた。 監督のラース•フォン•トリアーは、主演した女優の潜在能力を限界以上に引き出すことを強いる過酷な映画作りで有名だが、今作においてもその特徴は遺憾なく発揮されたようだ。 その“強要”に応えた若き実力派女優はやはり本物で、見事だった。  と、あらゆる側面で印象深い映画であったことは間違いない。ただ、だからと言ってイコール「面白い映画」だと断言できないのが映画の難しいところだろう。 結局、詰まるところ最初に記した感想に尽き、語弊を覚悟で表現するならば「鬱病患者の夢」のような映画だ。 非常に魅力的で興味を引かれるテーマではあるが、「他人の夢の話ほど、実際聞いてみてつまらないものはない」ということなのかもしれない。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2012-12-04 23:29:51)(良:2票)
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