21. パリ、テキサス
小津安二郎へのリスペクトを公言するだけあって、穏やかでしっとりとした筆致はとても心地良いです。ただ小津氏のそれが「日常生活を凛として営む人々」を描いているのに対して、本作は「だらしない生活を送る人々」をオブラートで優しく包んである…といった印象を受けない事もないです。それが悪いというわけではなく、日本人と西洋人の根本的な信条の違いのようなものが垣間見える気がして興味深い。 6点(2004-12-19 11:10:19) |
22. 女の都
《ネタバレ》 フェミニズムのパロディ映画。筋肉モリモリ女が奇声を上げてキンタマ蹴る練習をしてるのがコワかった・・・ 夢オチ映画ですが、脈絡無く変幻する話の展開とか、溢れんばかりのイメージ群とか、いかにも「夢」という感覚が心地良く素晴しいです。「81/2」冒頭シーンのノリで最後まで行ったという感じ。 実を言うと「夢」に安直な意味付けをするのはあまり好きではないんですが、この作品についてはあまり抵抗感は無かったです。この監督ならいかにも実際にこういう夢を見ていそうな感じ。 8点(2004-09-04 21:38:09) |
23. WATARIDORI
「ナショナルジオグラフィック・ザ・ムービー」って感じ? 普通では見ることの出来ない爽快な映像を大画面で観れる、これだけで良です。 ストーリー性が不要であるのは言うまでもありませんが、「どの鳥がどこまで行って戻ってきたか」がもう少し解り易い編集であったらなぁ…と思いました。 9点(2004-05-29 21:44:17) |
24. レオン(1994)
普通の「擬似親子もの」としても充分通用する話だと思うけど、「恋愛もの」にしてしまう所が「さすがロリータの国…」という感じ。w アクション映画として良。ラスト対決、どう考えても形勢逆転は無理だろ…という状況からのあの展開、見事だと思います。 7点(2004-05-29 20:52:38) |
25. 8 1/2
茫洋とした祝祭空間。やらなきゃいけないけどなかなか出来ない…というような気だるい焦燥感は何となく解かるものがあります。レポート締切り間際に見そうな夢? 個人的に、こちらは絢爛で色彩感覚溢れるオーケストラ(モノクロだけど)、「バートンフィンク」はシブいアヴァンジャズという感じ。 7点(2004-03-10 20:22:03) |
26. ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
共産主義崩壊・衰退に伴って幾多の優れた民族音楽が世に知られるようになりましたが、「ソン」はその最右翼。今まではキューバ音楽というと騒がしいイメージしかなかったけど、こんなにまったりとした音楽だとは思いませんでした。 7点(2004-01-15 01:22:10) |
27. バンカー・パレス・ホテル
どうやってホテルに入るのかわからない所が個人的にツボでした。たまたま「アンダーグラウンド」と一緒に借りて、あまりの似てさ加減にビックリしました。欧州人の発想の基幹にこういう感覚があるのかなという感じ。 6点(2004-01-11 22:29:31) |
28. クリムゾン・リバー
《ネタバレ》 犯人の女性の演技力は凄かった。血統を重視しながらその辺の村人の血を入れるって発想が変。プロットが破綻してるのでは? あと細かい所だけど、雪崩の際に雪が「キュキュキュ」と鳴りながら迫ってくるのは他の遭難物には無いリアルさだと思った。 5点(2004-01-11 20:13:19)(良:1票) |
29. 薔薇の名前
1300年代のイタリアという滅多に見ることのない舞台。豪壮で陰鬱なゴシック~ロマネスク美術が素晴らしく、迷路のような大図書館探索シーンなどは圧巻。個人的には夢幻美という点で「ブレードランナー」と双璧をなす映画です。邦画も「八つ墓村」辺り、こういうスケールで撮れないものかなぁ… 9点(2004-01-03 15:39:41) |
30. ターミネーター2
コンピュータを破壊した以降はサラ達が死んでも意味無いわけで、何のために追っかけっこやってるのかはっきりせず、1ほどの緊迫感が感じられず残念。ラストは子供の頃、飯森宏一の漫画でそっくりな設定とオチで泣いた事があるので今一つ。 新型Tのアイデアは素晴らしいと思いました。 7点(2003-12-23 20:24:09) |
31. ロスト・チルドレン
子供の頃、本場の「ピノキオ」の邦訳版を読んで、挿絵のあまりの陰鬱さグロテスクさにヘコんだ記憶があります。そういう童話本来が持つ悪夢性がよく出てる感じです。溢れんばかりのイメージ、アイデア群がスゴイ。まともな判断力を持つ人間が培養液漬けの脳味噌だけというのが、またなんとも… 8点(2003-12-20 07:12:45) |
32. ナイト・オン・ザ・プラネット
心躍る夕刻、盛り上がって、しんみり、夜半をすぎると狂態モード、明け方に反省…一夜飲み明かした精神状態の変遷を辿るようだ。でも全部同時間の出来事なんですね。 8点(2003-12-17 21:21:00) |
33. ドーベルマン(1997)
《ネタバレ》 音楽でも映画でもフランスの逸脱路線ものは、お国柄なのか発想が柔軟で面白いものが多い。個性的人間の博覧会という感じで楽しめた。良心的役割としての警部の配置も良。ラストは両方とも悪党なので相討ちでも良かった気もする。 劇場では大音響が客席を一周するようなワザが頻出して大いに盛り上がったけど、ビデオでは音が大きくなったり小さくなったりしただけで迫力が足りない気がしました。 8点(2003-12-14 00:02:20) |
34. オープン・ユア・アイズ
《ネタバレ》 雰囲気は割合好き。ただ、死人を蘇生させる技術とか人工的に夢を設定できるとか…現実であるはずの世界が一番「虚構」っぽくてオチはイマイチ釈然としませんでした。 6点(2003-12-07 09:59:48) |
35. 戦場のピアニスト
ひたすら逃げるだけというプロットが良い。映像も美しい。 ただユダヤ人が現在パレスチナやアラブ社会で何を行っているかを見ると、あまりに単純な善悪二元化に感じて素直に感動できない。 相手を糾弾するハナから自分達が同じ事やってちゃいけません。 結局この映画がブッシュの中東侵略・占領の強力な後押しになったわけで、どうにもやるせない。 5点(2003-12-01 20:24:01)(良:1票) |