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sayzinさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2394
性別 男性
ホームページ http://sayzin.tumblr.com/
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【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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101.  アララトの聖母
(ちと長文) 前年度には、やはりトルコ軍の悪逆無道振りを描いた「ダスト」という映画も作られており、どうにもここ最近のこれらの作品には、トルコのEU加盟に反対する政治的匂いを感じる。我が国が国連常任理事国入りの運動を活発化させると、中国・韓国が反日運動を活発化させる様なもんでしょうか。何千年も昔の遺恨が原因で戦争してる所もある位ですから、高々百年足らずの過去の恨みを忘れられないのも理解できます。しかし特定の民族が残虐なのではなく、イスラエルやチベットを見てみれば、かつての被害者であるユダヤ民族も中華民族も同様に残虐なのは明白。要するに、人間という種が残虐なのです。私としてはその部分こそ重要。製作サイドはトルコに対し、アルメニア人虐殺を認めさせたいのでしょう。「事実」を劇中劇という形で提示し、麻薬密輸容疑者の話を「信じる」という行為から、自分達の訴えを無条件で信じて欲しいという気持ちは窺えます。では、それを信じたとして、南京大虐殺を認めたとして、彼らはその後の関係をどうしたいのか? たぶん千年後も同じ問題が持ち出されることでしょう…、5点献上。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2005-08-26 00:09:00)
102.  シティ・オブ・ゴッド
ヒップホップ・モンタージュで綴られるブラジル版、そして子供版(!)の「仁義なき戦い」。世評が高いのでもっとハードな内容なのかと思ってたら、内容は充分ハードでしたけど、映画の作りは非常にライト。これは賛否のある所だとは思いますが、作り方自体は「レクイエム・フォー・ドリーム」同様、私は支持します。これをリアリズムを徹底した実録風に作ったら、陰惨すぎてとても観られない映画になっていたと思います。やはり問題提起は人に知って貰うのが第一目標。ブラジルの現状を世界に知らしめるという役目は、十二分に果たせたんじゃないでしょうか。という訳で、6点献上。
[DVD(字幕)] 6点(2005-08-26 00:08:04)
103.  家宝
映画には興味があっても「芸術」には縁遠かったもので、ポルトガルの巨匠・マノエル・デ・オリヴェイラの作品に触れる機会はこれまでありませんでしたが、今回観てみて、何かテオ・アンゲロプロスに近いものを感じた。監督が故意に観客を眠らせようとしてるかの様。高尚な芸術に触れるとパンピーは眠くなるものなのか? いや、そんなことはない。ルノアールの絵画を長時間眺めても、モーツァルトの音楽を長時間聴いても、ましてや映画芸術の一つの到達点とされる「市民ケーン」を観ても眠くはならんゾ。冒頭、長々と交わされる意図の解らない会話から、いきなり睡眠中枢を刺激してくる。登場人物の関係性も解り難いし、一体この女の望みは何だったのか? 私にとって本作は芸術ではなく、単なる眠い映画です、2点献上。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2005-08-26 00:07:40)
104.  ミッション・クレオパトラ
本国に於いて史上2番目の興収を記録したという宣伝文句の、古代エジプトを舞台にしたフランス製ドタバタ大作コメディ。しかし、配給元も日本ではウケそうもないことを解ってたのか、我が国ではやけにひっそりと公開して、直ぐに打ち切ってしまいました(だったら最初から買い付けてくるな)。元々こういうコメディは好みじゃないんですけど、そこそこは楽しめるアメリカ製と違って、フランス製は笑い所が良く解らない。今更感が漂う映画パロディも寒いだけです。それにしても、ジェラール・ドパルデューも良くこんな役をやりますね。日本で言えば、「キューティーハニー」の手塚とおるの役(執事)に役所広司を宛がう様なもんです。そういうことで、本作一番の見所、現代のイタリアの至宝・モニカ・ベルッチの尻の割れ目に、4点献上。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2005-08-16 00:18:04)
105.  子熊物語
原題はそのものズバリ「熊」だし、海外のビデオ・ジャケットは「大熊物語」って感じで「グリズリー」の親戚みたい。そう考えると本作のパブリシティは、我が国の方が遥かに優れてます。“The Bear”なんて味も素っ気も無いタイトルより、正に“Adventure of a Little Bear”という方がしっくりくるし、何より面白そうです。映画的には「トゥー・ブラザーズ」同様、熊が主役で人間は脇役。しかし「トゥー~」と比べても、また、似た様なタイトルの「子猫物語」と比べても、圧倒的に面白く出来ており、一体どうやって撮影したのか、動物達が絶妙な構図に収まって名演技を披露してます。動物愛護精神の欠如した私が見ても、この子熊の可愛さにはやられてしまう。大熊もチェッキー・カリョに負けないくらい渋い所を見せてました、6点献上。
[地上波(字幕)] 6点(2005-08-16 00:12:59)
106.  昼顔(1967)
直接的な描写は無くても、こんな映画でカトリーヌ・ドヌーヴが主役を張るという所にフランス映画の凄さがある。特に、オープニングの妄想シーンはインパクト大。美しい貴婦人が何の脈絡も無く縛られた上、文字通り「汚されて」恍惚の表情を浮かべる。これなら、まだ「犯されて」悦ぶ方が正常。ルイス・ブニュエルが本作で描く妄想は、性的欲求と言うより被虐願望です。実際にM系の女性がどの位いらっしゃるのか知りませんが、この辺は女性の真実というより、男の思い込みっぽい感じです。妄想癖が高じたラストの展開は、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を思い出しました、6点献上。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2005-08-16 00:11:50)
107.  トゥー・ブラザーズ
予告から、虎と少年との触れ合い系感動ストーリーだとばかり思ってたら、タイトル通り、ホントに虎の兄弟が主役の話だったんですね。これには驚いた。人間はみ~んな脇役(ガイ・ピアーズも最近はろくな映画に出てないなぁ)。しかも、虎に複雑な物語を演じられる技量などある筈も無く、話は至って単純。こうなると、虎に感情移入できるか否かに本作の評価がかかってきます。案の定、動物愛護精神の欠けらも無い私は、ひどく退屈してしまいました。それにしても、(↑)スタッフ・キャスト情報に「動物」なんてあったんですね。これにも驚いた、てか、笑っちゃいました、4点献上。
[地上波(字幕)] 4点(2005-08-16 00:10:24)
108.  逢いたくて(2002)
邦題に「逢」の字が使われてる場合、ほぼその映画は「めぐり逢い」をモチーフとしてるのかな?(原題は「もっと楽園に近づく」って感じ?) 本作も例外じゃありません。遥か昔の恋人が忘れられず、足繁く映画館に通っては「めぐり逢い」を観て、映画の様な再会を夢見てる初老(と言っても差し支えないですよね)のご婦人が、仕事先のニューヨークで遊び人風(「マディソン郡の橋」風?)のカメラマンと出逢う話。その恋人の存在が最後まで曖昧なままなので、これこそ「まぼろし」というタイトルが相応しい気がします。恋人の存在同様、主人公のディティールも曖昧なままなので、なぜ彼女が他の男を毛嫌いし、昔の恋人に執着するのかも解らない。もっと言えば、このカメラマンは何が良くって主人公に惹かれたんでしょう? 3点献上。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2005-08-16 00:09:33)
109.  女はみんな生きている
21世紀の、しかもフランスの映画とはとても思えない、古臭いフェミニズムを真正面から描いた痛快サスペンス・コメディ。フェミニストの常套句「女は搾取されている」を体現するのが娼婦という職業であり、妻という立場。今更それをストレートに提示されても、話としては楽しめましたが、テーマとしては少し引いてしまう。それに男尊女卑が伝統の我が国ですら、そろそろ定年を迎える年代以上を除けば、女房がいないと何も出来ない男なんて少ないと思いますよ。中身に引っ張られた邦題も、まるで「女はみんな生かされていない」みたいでセンスが無い。これが本国でどの程度ヒットしたのかは知りませんが、アラン・サルドが商売になると思った位だから、現在のフランスに於いても充分通用する設定なのでしょう、6点献上。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2005-08-16 00:09:02)
110.  メルシィ!人生
差別意識を逆手に取ったストーリー展開で、一般社会の何気ない偏見を辛辣に風刺すると共に、マジョリティ以上の力を身に着けてしまった嘗ての被差別者を前にして、一般社会が右往左往する現状もチクリと皮肉ってる、かなりエスプリの利いた傑作コメディ。ゲイを装うことを提案された主人公が「ゲイの真似なんか出来ない」と言った時、隣人が答えた台詞に本作のテーマが集約されている。「君は変わらなくても良い、周りの目が変わるんだ」。しかも映画は単なる風刺劇で終わらず、周りの目が変わっていくに従い、自分の人生を見つめる主人公自身の目が変わっていく過程を描いた、邦題通りの爽やかな人生賛歌にもなっている。「奇人たちの晩餐会」の何倍も楽しませて貰って、メルシィ!監督って感じです、8点献上。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-08-16 00:08:38)
111.  パリの確率
フランスらしいと言って良いのか、何とも緩~い空気が漂う一種のディストピアSF。鑑賞当時はさっぱり訳が解らず、砂漠化した未来の意味も不明でしたが、これを書き始めて何となく解ってきた。この映画の子孫達は、文明が滅びた未来で苦しい生活をしていても、必死で存在したいと望む。良く「こんな世の中で子供を生んでは子供が可哀想だ」等と言われますが、どんな世の中でも、どんな未来が待っていようと、子孫を作るのは絶対的に正しいことだと本作は訴えたかったんじゃないでしょうか。「マッドマックス」みたいな未来じゃ、マジで「子供なんか作れるか」と思ってしまうので、この緩い空気感が必要だったのでしょう。本作は厚生労働省特選にしても良いかもしれませんね、余り面白い映画じゃないですけど…、5点献上。
[ビデオ(字幕)] 5点(2005-08-16 00:08:16)
112.  ディディエ
犬が突然人間に変身し、その身体能力を活かしてサッカー選手になるという話。犬が人間になるというと「ドッグ・スター」という作品もありましたが、トヨエツと違って本作のアラン・シャバは、人間になっても中身は犬のまま。全体を通した物語らしい物語も無く、ひたすらシャバの犬らしい仕草で笑いを取っていく感じ。多分この面白さは【ジェイムズ君】さんの仰る通り、犬を飼っていて、その習性等を熟知してないと解らないと思う。もちろん生涯を通して犬を飼ったことの無い私には解りません。それでも同じシャバ監督の「ミッション・クレオパトラ」よりは楽しめましたけどね、5点献上。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2005-08-16 00:07:51)
113.  自由を我等に 《ネタバレ》 
ハリウッドの様に新技術を妄信するのでも、チャップリンの様にスタイルに固執するのでもなく、【民宿たましろなんくるないさー親善大使】さんの書かれた「サイレントとトーキーの絶妙なバランス」から、映画の中身以上に「自由」が感じられるフランスらしい古典。新技術を駆使したミュージカル・シーンや台詞もあれば、伝統的なパントマイム・コントもある。ルネ・クレールがこのスタイルを用いたのは、「あらゆる手を使って観客を楽しませる」ことに主眼を置いたからに他ならない。主な観客である当時の労働者の視点で進む話も、今観ても充分面白い。唯、オートメーションが導入された後、呑気にダンスなんか踊ってる労働者には隔世の感がありますね。現在ではこれは「自由」ではなく「失業」と呼びますよ、8点献上。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-08-16 00:06:25)
114.  キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!
ディープスロートの正体が明かされた今となっては、本作の陳腐な設定が益々陳腐に見えてしまいますけど、当時のヒッピー文化に毒された二人の可愛いノータリンを眺めてるだけでも充分楽しめました(17歳のキルスティン・ダンストはこんなに可愛かったのだ!)。それに、こんなパロディ映画で存命中の実在の人物を実名でコケにしちゃうんだから、アメリカってホントに凄い。政権関係者は後ろめたさがあって文句を言えないにしても、ちゃんとボブ・ウッドワードとカール・バーンスタインもパロディの餌食になってます。アメリカに於けるウォーターゲート事件って、本当に歴史的大事件だったんだなぁと思います。日本でも、そろそろロッキード事件を笑い飛ばす(立花隆含む)様な映画が作られても良いかもしれませんね、6点献上。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2005-08-03 00:15:36)
115.  ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月 《ネタバレ》 
「サウンド・オブ・ミュージック」から「私を愛したスパイ」へと繋がっていくオープニングは、映画ファンの心をくすぐる良く出来た導入部だと思いますけど、そっから先はブリジット・ジョーンズ・ファンを見限らせるに充分な、単なるドタバタ・ラヴ・コメディに成り果ててる。負け犬女のダメっ振りを期待しても、リバウンドで以前にも増して丸々と太ったこと以外は、仕事も順調で男からはモテモテの上、何と今回は女からもモテてしまうというオマケ付。前作をかなり画期的作品と評してる私としては、ちと残念な仕上がりでした。ま、「普通に」楽しめる極一般的なラヴコメといった所でしょうか。ということで、レニー・ゼルウィガーの体重増量に免じて(直ぐ元に戻るんだからハリウッド・エステは凄い!)私も1点増量の、6点献上。
[DVD(字幕)] 6点(2005-08-03 00:10:22)
116.  キリクと魔女
これには中々唸らされました。非常にシンプルなお伽話ではありますが、作品を構成する全ての面に於いて、誰が観ても満足できるハイレベルな品質です。教訓的で少しシュールな物語。ゴーギャンの絵の様な美術。頭の中でリフレインするアフリカ音楽。そして何より、完成された人物デッサンによるキャラクター・デザイン。動き的にはもう少し滑らかにすることも可能だったと思いますけど、このレベルで抑えて、「絵」であることを強調したのにもセンスを感じます。私は特に、一人だけ異様にテンションの低いキリクのお母さんがツボにハマりました。これはお薦めです、7点献上。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-06-27 00:36:55)(良:1票)
117.  ペイネ愛の世界旅行
いやいや、やっぱ古臭いですよ、これ。それは技術的な部分ではなく、まるでLSDで垣間見た幻覚の様なイメージと、メッセージ自体がです。「環境保護」「反戦」「ラヴ&ピース」「自由」等と、個々に見ればそれぞれ真っ当な主張ですけど、それを包むヒッピー文化の成れの果てを知り、とっくに冷戦の終結した21世紀に生きる我々は、今更こんなものを見せられても白けるだけでしょう。あと、この不条理感には音楽共々、一瞬登場したフェリーニの影響を感じました(我らが久里洋二も思い出しました)。それにしてもイラストだけは有名なこの二人、フラワー・チルドレンだったとは知りませんでした。バレンチナの超ミニ・ワンピースが凄くエッチ…。絵柄に反して、決してプラトニックで終わらない所も世相を反映してましたね、5点献上。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2005-06-27 00:36:10)
118.  ダニー・ザ・ドッグ
いつの間にかフランス一のB級映画人になっていたリュック・ベッソンと、アメリカ一のB級アクション・スターを目指す(?)ジェット・リーのコラボレーション第二段。従って、本作は必然的にB級映画となってます(だからA級俳優のモーガン・フリーマンは本作に全く似合いません)。マンガみたいな設定のストーリー展開は非常にチンケ。その代わり、ワイヤー等を最小限に抑えた格闘シーンは、中々迫力あるものに仕上がってました。前半のハイライトは多勢に無勢の狂犬ファイト。クライマックスは謎の刺客との一騎打ち。特にトイレの個室の中での戦いは、ユエン・ウーピンが見事な殺陣をつけて、「T3」のトイレ・ファイトを軽々と超えてます。それにしてもこの内容だと、ちょっと前なら絶対ヴァン・ダムが主演だったよなぁ…、6点献上。
[試写会(字幕)] 6点(2005-06-20 00:50:04)
119.  みなさん、さようなら(2003)
前半は凄く面白かった。カナダの社会体制どころか、あらゆる主義主張、宗教、経済、国家に対する辛辣な視線。登場する時代遅れのインテリ馬鹿達も、たぶん監督の自分自身に対するアイロニーだと思う。これは確実に批評家(=インテリ)受けする内容なので、各国での受賞歴には非常に納得した次第(「たそがれ清兵衛」の良さは日本人にしか解らないと思う)。しかし後半は一転、やたら繰り返されるフェード・アウトでどんどんと物語がブツ切りにされ、いつの間にやらエロ親父も神妙になり、主題が何だったのか解らなくなってしまった。インテリ層には原題や9.11の意味する所が解るのかもしれませんけど、私の様な凡人にはイミフ。どうせなら、「死」そのものも茶化して終わらせるくらいして欲しかったと思います、5点献上。
[DVD(字幕)] 5点(2005-05-13 00:21:47)
120.  海を飛ぶ夢
(長々と失礼します) 愛と生と死を描いた、言わば禅問答の様な作品。私はこれまで、深く考えずに「尊厳死」なるものを支持してたと思う。しかし驚いたことに、本作を観てその考えが変わりました。これは明らかに単なる自殺です。借金を苦にしてビルから飛び降りるのと何ら変わりません。本作の主人公が他の人と違うのは、その自殺に人の手を借りなければならないということ。ここが最大のポイントです。「愛する人に殺させるか?」、若しくは「愛する人を殺せるか?」と問われれば、私にはとても無理です。愛とはエゴイスティックな感情。例え相手が植物状態で回復の見込みが無くても、ただ生きていて欲しいと願うのが人情ってもんです。植物状態の人間にとって命に意味は無いかもしれませんが、周りの人達にとっては、その人が「生きていること」こそ重要。他人の為に命を投げ打つのが崇高な行為なら、他人の為に生き続けることもまた崇高な行為の筈。そこに命の意味が生まれるのです。恐らくフリアはそのことに気づいたのでしょう。中身のスッカラカンなロサは気づかない。最も複雑な感情を体現していたのはマヌエラ。主人公の意思を尊重したい気持ちもあるし、愛する家族を失いたくないとも思っている。介護を負担にも感じているし、世話することに喜びを見出してもいる。ここに答はありません、たぶん何処にも無いでしょう…。それにしてもアレハンドロ・アメナーバルという人は、ホントに映画作りが巧いですね。特に序盤の、主人公の過去の見せ方には惚れ惚れしました。それでも私的に特別な感動はありませんでしたが(隣に座った女性は号泣してますた)、色々と考えるきっかけを与えて貰ったので、7点献上。
[映画館(字幕)] 7点(2005-05-13 00:11:44)
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