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鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2597
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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101.  地下室のメロディー 《ネタバレ》 
ロートルと青二才の悪党がコンビを組んで、或る犯罪計画に挑む。 今作の後に製作された多くのケイパー映画(強盗映画)で、同様のプロットが幾度も用いられてきたことからも、公開当時この映画がとてもセンセーショナルだったのだろうなということは充分に感じられる。 基本プロットのみならず、エレベーターの天井裏に潜むサスペンスだったり、エアダクトからの侵入のスリリングさだったり、後世の様々なサスペンス映画やアクション映画で登用され続けているアイデアの数々が印象的だった。  また久しぶりに古いフランス映画を観たけれど、この国の映画表現の手法や感覚は、日本映画のそれととても近しいものを感じた。 冒頭の老犯罪者とその妻のぬったりとしたやり取りや、良くも悪くもある鈍重なストーリーテリングなど、特に古い日本映画とは空気感的な類似性を強く感じる。 フランスで、日本のアニメや、北野映画が愛される理由が、改めてよく分かる。  60年代の犯罪映画として、とても味わい深い作品だとは思う。 ただ、娯楽映画単体として面白かったかというときっぱりとそうは言い切れない。 やはり、内容のわりにストーリー展開が鈍重に感じてしまったことは否めないし、クライマックスからラストシーンに至る一連の話運びにおいても、唐突で希薄な印象を受けてしまった。  犯罪行為の愚かさと無常さは、印象的なラストシーンによって如実に感じることはできたけれど、全体的にもう少し歯切れよく展開してくれた方が、今作の物語性には合っていたように思える。   主演したジャン・ギャバンとアラン・ドロンは、両者とも流石の存在感を放っていたと思う。 アラン・ドロンは、中々特異な人生経験の上で俳優になり一気に世界的スターになったようで興味深い。 彼の主演映画は「太陽がいっぱい」くらいしか鑑賞していないので、引き続き他の作品も観てみようと思う。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-06-27 12:30:50)
102.  エスター 《ネタバレ》 
長年に渡って各方面からの好評は当然耳に入っていたものの、ホラー映画が大の苦手なので、常に“鑑賞予定リスト”に入りっぱなしだった今作をようやく鑑賞。 当然ながら序盤からビクビクしっぱなしで、恐怖感と不穏感をこれでもかと煽る演出と、卓越した画作りは際立っていたと思う。  基本的なプロットとしては、ホラー映画の傑作「オーメン」を彷彿とさせる。ただ、描き出される物語の本質は、現代社会と、或る夫婦間における普遍的な「鬱積」を炙り出しており、主人公と同様に二人の子を育てる同世代の者としては、殊更に映画世界が醸し出す居心地の悪さと不気味さを感じずにはいられなかった。 決して著名な監督が手がけていたり、有名な俳優が出ているわけでもない極めてミニマムなバジェットのホラー映画でありながら、評判通りに独自性に溢れた恐怖感を生み出す映画ではあったと思う。  しかし、ある意味致し方ないことではあるのかもしれないが、“ネタバレ”以降のクライマックスにおける恐怖感は、それまでに比べて著しく急降下してしまっていることは否めない。 “エスターは実は○○でした!”という真相は確かに衝撃的だけれど、それを突きつけられた途端、得体の知れない不穏な恐怖感は一気に霧散した。 その真相は、ある意味では確かに恐ろしいけれど、裏を返せば、ただただ“イタい”浅はかな狂った女の凶行にしか見えず、一旦そういう見え方をしてしまうと、この映画が行きつく顛末も容易に想像できてしまう。  作風に同じ匂いを感じた「オーメン」は、“オーメン”の天性的な悪魔性と表現した演出同時に、彼を「悪魔」の権化として捉えてしまう要因が、主人公夫婦をはじめとする周囲の人間の精神的な脆さにも起因するのではないかという疑念を絡ませたストーリー展開が極めて巧かった。  今作に隠された「真相」の部分が決して悪いとは思わないが、そういうことなのであれば、もっとエスターの言動は天才的に狡猾なものとして描き出されるべきだったのではないか。 すべての言動があまりにも子ども臭く、そもそも狂人であったとしても、もう少し上手く世渡りしろよと、いらぬ感情を抱いてしまう。 “ネタバレ”された瞬間に、そういった点での符号が成されなかったことが、ホラーとしても、サスペンスとしても、非常に残念だったと思う。  まあ、同じ人の親として口幅ったく言わせてもらうならば、実子たちの瞳に滲み出ている明確な「恐怖」を感じ取れていない時点で、主人公夫婦は「親失格」だったと断言せざるを得ない。 そういう意味では、不気味すぎるエスター役の子よりも、勇敢なマックス役の子の女優としての表現力の確かさの方が凄いと思える。
[インターネット(字幕)] 6点(2018-09-24 01:02:33)(良:1票)
103.  サウンド・オブ・ノイズ
“音楽犯罪映画”というアイデアは間違いなく新しく、映画ならではの娯楽性を秘めていると思う。 一方通行な芸術の過剰な追求は、時に“テロ”にすらなり得るというアプローチは、「音楽」という芸術の奥深さを表すと同時に、それに傾倒する人間、それに振り回される人間、両者を含めた社会や文化の滑稽さを導き出していた。  スウェーデンから届いたこの映画的な“新しさ”だけで、一定の評価はされるべき作品だとは思う。 ただし、その一方で登場人物たちの人物像が希薄だとも思えた。  主人公である敏腕刑事のキャラクターは立っていたと思う。 一流の音楽家系に生まれながら、生来の音痴、更には音楽を聴くと気分が悪くなるという体質を持つというキャラクターは、この題材の映画の相応しいユニークさを持っており、そんな彼が奇想天外な音楽犯罪に対峙するとうい構図は、映画的にも巧かったと思える。  しかし、その主人公以上に重要な“音楽犯罪一味”の描写が思ったよりも深まらなかった。 特にリーダー格で、映画におけるヒロインとも言えるキャラクターに今ひとつ深みが無い。 彼女が何故にこのような“音楽テロ”を巻き起こすのか、その発端となる動機が曖昧だったと思う。  「芸術の追求」と言ってしまえばそれまでだが、彼女の行為そのものが映画の主軸である以上、その理由は明確になるべきだったろうし、そんな彼女がラストの顛末を受け入れていく様もなんだか腑に落ちない。  題材が奇抜で面白いだけに、ストーリーテリングの薄さによって、それがただの“パフォーマンス”で終始してしまっているのは勿体ないと思う。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-10-13 15:23:19)(良:1票)
104.  ブリッツ
雑多な映画だ。いや、はっきりと「雑」と言ってしまって良いだろう。  極めて粗暴ながら警察を「天職」だと言い切るジェイソン・ステイサム演じる主人公が、警察官ばかりを狙う連続殺人鬼を追う。 ストーリーとして、至極単純明快でありながら、実際どういう映画かと言われれば説明しづらい。 というか、説明なんて面倒だから、とりあず観て、文句なり賞賛なり勝手にのたまってくれと言いたくなる。  この何だか“掴みきれない”原因は、登場するキャラクターたちの言動とか生き方が、揃いも揃って場当たり的で計算しなさ過ぎていることだと思う。 正義も悪党も皆、ただただ己のやりたいように動いていくので、その言動に対する善悪の判断以前に、「え?それでいいの?」と戸惑いが先行してしまう。  そういう部分から端を発する映画全体に漂う“違和感”が、この映画のオリジナリティとも言え、最大の突っ込みどころであると同時に、最も面白い部分とも言える。  また荒っぽい主人公が正反対のゲイの上司と志を共有していく関係性や、狡猾なのかただのイカレ野郎なのか判別し難い殺人鬼など、それぞれの人間描写はなかなか個性的でユニークだった。  今や“アクション映画スター”という肩書きの世界的トップランナーであるジェイソン・ステイサムの最新作だけに、結構な大作なんだろうと鑑賞し始めたが、想像以上に英国内向けの限定的な作品だったと言える。  そのことが、肩すかしや戸惑いに繋がってしまうかどうかは微妙なところだが、たぶん多くの人の想定外に「変な映画」であることは間違いないと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2012-04-04 23:29:39)
105.  アンノウン(2011) 《ネタバレ》 
殆ど予備知識無く鑑賞を始めたので、冒頭から滲み出ているサスペンスフルな空気感にすんなりと引き込まれ、二転三転する展開を堪能しながら最後まで楽しむことが出来たことは間違いない。 サスペンスアクションとして、サスペンスの緊張感とアクションの高揚感がバランス良く配置されており、鑑賞直後の満足感は当初の想定よりも随分と高かったと言える。  ただし、観賞後数分間でちょっと振り返ってみると、粗という粗がポロポロと出てきてしまうことは否めない。  よく考えると映画全編に渡って言えることだが、「実は一流の○○○」だったというには、そもそもの言動がずさん過ぎて陳腐だ。 まず目的のために徹底した偽りを謀るとはいえ、目的地への移動中に至るまでその偽りを貫く必要があるのだろうか。これは明らかに観客を欺くためだけの演出であり、人間描写上の必要性はないと思う。 そんでもって、空港のタクシー乗り場で最も重要な鞄を置き忘れるって、どんだけうっかり屋さんなんだという話だ。これも結局、ストーリーとしての一つの目的を設置するためだけの設定であり、極めて安直だ。 他にも、一流ならば乗り込んだ先の言語で世間話くらいは出来るようにしとけよ!とか、ふいの自動車事故とはいえ簡単に気を失い過ぎだろ!咄嗟に飛び降りるとかそれくらいしようよ!とか一流の組織のメンバーのくせいに素人の女の子にやられてどうすんだ!とかとか……、一度突っ込み出したら止まらなくなってきそうだが、とにかくよくよく考えると用意されていたオチに対して整合性が無さ過ぎる要素に溢れてしまっている。  ストーリーのアイデア自体は、オリジナリティが高いとは言い難いけれども充分に面白味に長けている。それが興味を最後まで持続させる最大の要因だとも思う。 しかし、このアイデアであれば、ラストの顛末でもっとどぎつく踏み込むことができたなら、数多の粗を振り切って余りある映画に仕上がっていたかもしれないなと思う。リーアム・ニーソンのクライマックスの表情は観る者を惑わせる緊張感が含まれていて良かったけれど……。  まあそこまで完璧なクオリティーを求めるべき類いの映画ではないと思うし、観ている間と観終わった瞬間に満足していたならそれで充分だと思う。  と同時に、画面から溢れ出る上質な色調と巧い俳優陣の演技によって、もの凄く質の高い映画に“見えるだけ”に、やはり残念に思う。
[DVD(字幕)] 6点(2012-02-26 02:14:25)(良:2票)
106.  トランスポーター
「運び屋」と銘打っているくらいだから、「TAXi」よろしく強引なカーアクションが問答無用に展開するB級アクションなのだろうと高をくくっていた。 B級アクションであることは間違いなかったけれど、想像以上にジャンルを無視した“ナンデモアクション”が荒唐無稽に展開され、失笑と馬鹿笑いの間で思いのほか楽しめた。  ジェイソン・ステイサムという俳優は、初期のガイ・リッチー監督作品でのブリティッシュマフィアの役柄の印象が強く、これほどまでアクションスター然としたパフォーマンスを見せるとは思わなかった。 アクションスターとしてのスタンスは、かつてのジャン=クロード・ヴァン・ダムらを彷彿とさせるもので、もはや“古臭さ”さえ感じるが、逆にあの時代のアクション映画で育った者としては、面白さを感じてしまうことを否定できない。 思った以上に鍛え上げられた体躯から繰り出される格闘アクションにも充分に説得力があり、香港映画ばりに舞台環境を駆使した闘い方には、リアリティなんて無いが素直に面白かったと思う。 偉そうに運び屋のプロとしての口上をのたまう割には、おおよそプロらしくない人間味を早々から曝け出してしまうキャラクター性も馬鹿らしくて良かった。  ストーリーに目を向けてしまうと、粗なんて突っ込みきれないほどあり、まともに見られたものではない。 が、主人公の無骨だけれど人間味のある格好良さや、アジア系ヒロインの可愛さも相まって、映画に溢れるあらゆる“粗”を“見て見ぬふり”をさせてくれるB級アクション映画としての娯楽性は充分に備わっていると思う。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-02-05 09:25:38)
107.  ツーリスト 《ネタバレ》 
この映画は、往年のハリウッドの娯楽作品に対する憧れと尊敬を、何よりも全面に押し出した作品だと思う。  「謎」に彩られたストーリーではあるが、そこに衝撃的な驚きやサスペンスは存在しない。 「存在しない」と言ってしまうと、語弊があるかもしれない。 この映画に溢れるサスペンスの性質は、古き良き時代のハリウッド映画のそれと合致するものであり、現代人が過去のサスペンスを見ても目新しい驚きを得られないように、敢えてそういう新しさを追い求める衝撃を避けているように思えた。  イントロダクションと、アンジェリーナ・ジョリー&ジョニー・デップというキャスティングにより、プロットと用意されているであろう結末は、容易に想像出来る。 ストーリー展開に対する純粋な驚きは、この映画には存在しない。  ただし、この映画はそれでいいのだ。  ケイリー・グラントやグレゴリー・ペックが出てきそうなクラシカルなエンターテイメントの中で、現代のハリウッドを代表する女優と俳優の色香を堪能しつつ、想定された結末に対して素直に満足感を覚えるべき映画だと思う。  往年の娯楽映画がそうであったように、魅力的な主演女優がこの世のものとは思えない美貌を振りまくだけで、映画というものは一定の価値を保つものだとも思う。   一人旅の列車の中で、急にアンジェリーナ・ジョリーに声をかけられたら……と考えると、ほとばしる高揚感を越えて、むしろゾッとするなあと思えてならない。
[DVD(字幕)] 6点(2011-08-13 02:01:01)(良:2票)
108.  華氏451
ジャンルはSFとなっているが、この映画世界は実に現実的な問題に溢れている。表現の自由を剥奪され、規制されたメディアに家族を求める映画の住人たち。その過剰なまでの規制ぶりには少々面食らってしまうが、一度社会の流れが変われば起こりうることであり、実際にそういう社会は存在する。主人公は危ういところで残された最後の希望の場所へと逃れるが、そのラストを横目に観客は、自らの環境に垣間見えるリアルな恐怖を痛感する。
6点(2004-09-13 04:40:17)(良:1票)
109.  ウェルカム!ヘヴン
主演のペネロペ・クルスとビクトリア・アブリルの魅力を全面に打ち出した映画であるが、これほどアプローチ通り主演女優の魅力に惚れ込める映画もあまりないと思う。特に悪魔に扮したペネロペ・クルスのキュートさとエネルギーに満ちた存在感には、女優としての根本的な魅力を感じずにはいられない。ユーモラスで独創的な演出も映画のテンションに合っており、小気味良い映画世界が楽しめる。
[ビデオ(字幕)] 6点(2004-02-05 19:26:02)(良:1票)
110.  スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする
まさに「狂気」という言葉が相応しい映画であり物語であったと思う。原作は読んでいないが、その濃厚さを伝えるにふさわしい映画世界の造型はやはり鬼才デイヴィッド・クローネンバーグの成せる業だと思う。陰気感に満ちたレイフ・ファインズの演技も安定しており、レベルの高いサスペンスに満ちた作品に仕上がっている。
[ビデオ(字幕)] 6点(2004-02-05 19:16:06)
111.  ノー・マンズ・ランド(2001)
派手な演出を廃したストーリー展開にはいささか退屈な部分もあったが、同時にその淡々とした狂気が妙に生々しくリアルだった。大金をかけた大作戦争映画が氾濫する中、今作は非常に小規模でシンプルであるが相当の説得力があった。ラストシーンの言葉にならない重さは、戦争というものの真理を物語っているようだ。
[ビデオ(字幕)] 6点(2004-01-26 18:09:48)
112.  ゴースト・ドッグ
黒人の殺し屋に武士道を語らせるという設定は実に鮮烈でインパクトの強いものだったけど、そのインパクトを生かせるだけの盛り上がりが映画自体に欠けたように感じた。ジム・ジャームッシュの作風的にエンターテイメント性に足らない部分は仕方ないのかもしれないが、設定自体は相当にエンターテイメント性に溢れるものだけに、ローテンションに終始してしまったことは残念だ。
6点(2004-01-13 15:37:50)
113.  U-571
「クリムゾン・タイド」や「レッドオクトーバーを追え!」などに比べると、絶対的な主人公がいない分、やや地味な印象はあるが完成度は非常に高かったと思う。乗組員それぞれに焦点を合わすことで、ドラマ性を高める。映像的にも薄暗い照明が潜水艦の緊迫感と危機の絶望感を助長していた。
[映画館(字幕)] 6点(2003-12-16 20:12:41)
114.  アサシンズ
後味は極めて悪く、正直好きとは言えない映画だが、この作品が持つ混沌とした問題意識は、非常に身近で深いものだと思う。「暗殺」の描写に「レオン」ほどの説得力はなかったが、テーマはもっと社会的な問題なので黙認できる範囲である。映画的な盛り上がりには欠けるが、軽々しく是非を問えないような奥深さを感じた。老暗殺者を演じたミシェル・セローの怖ろしいまでの存在感が秀逸だった。
[ビデオ(字幕)] 6点(2003-12-04 12:58:07)
115.  Uターン
人生と運命に対してひたすらにアウトローな男を演じるショーン・ペンが格好良い。群像劇とも言えそうなほどに脇を固める個性的なキャスト陣の共演も興味深い。暗転と好転の連続を描いたストーリーは面白いのだけれど、個人的にはラストの顛末に後味の悪さを感じた。
6点(2003-11-26 00:04:08)
116.  TAXi
作品の狙い通り、スピード感に溢れた展開は見応えがありシンプルな面白さがあった。どこか間の抜けたフランス的な娯楽性も効果的に映画に反映していたと思う。バリバリに改造されたタクシーは一見の価値アリ。
[映画館(字幕)] 6点(2003-11-12 12:12:45)
117.  96時間 リベンジ 《ネタバレ》 
“超神経質最恐親父活劇”第二弾。 完全な二番煎じではあるが、前作が生み出したオリジナリティは継承されており、その部分の娯楽性だけは評価できるし、アクション映画はそういう娯楽要素があればそれでいいとも言える。  そのオリジナリティとは、もちろんリーアム・ニーソン演じる主人公の“親父(元CIA)”の超絶なキャラクター性に他ならない。 愛娘の運転練習のために迎えに行くという日常から、その超神経質な精神は張りつめられ、ただ一カ所のウィンドウのくもりも、一秒の遅刻も許さない彼のスタンスは、明らかに「異常」と言ってしまっていい。 ただし、その途切れることが無い危機管理意識が、「危険」との邂逅の瞬間に何の迷いも無く発動され、ピンチを乗り越えてゆく。  突如巻き起こった危機に、本来何の事前準備も無い状態から、どう対処し、どう回避していくかということをつぶさに映し出す描写こそが、このシリーズのハイライトであり、クライマックスで悪を駆逐しく様自体は、はっきり言って“おまけ”と言ってしまっていい。  そういうある意味割り切った構成が今作のオリジナリティである一方で、やはり”それだけ”という希薄さが残ることも事実ではある。 特にこの第二作については、登場する悪党の規模も前作に対して明らかにトーンダウンしてしまっているので、終盤に欠けての迫力の無さは欠陥と言わざるを得ない。  前作から引きずった“憎しみの螺旋”を結局断ち切れぬまま、映画は軽薄なハッピーエンドを迎える始末。 もしかして、今度は“孫”まで登場させる第三弾を目論んでるんじゃあるまいな……。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-08-17 22:35:49)
118.  最後の戦い
「好きな映画は?」と問われると、いつも非常に困るのだが、なんだかんだ言ってもいつも5本の指に「レオン」が入ってしまう。ミーハーな映画ファンのようで気恥ずかしさも感じるのだけれど、好きなんだからしょうがない。実際、「レオン」は最高に良い映画なのだし……。  したがって、近年どんなにヨーロッパ方面でのB級アクションの製作に突っ走り、殆ど名義貸しのような形で脚本のクレジットに名を連ねる愚にもつかない作品が連発されようとも、「リュック・ベッソン」という固有名詞が目に入ると、完全には無視することが出来ないのは、彼の虜になった映画ファンの悲しい性だ。  そんなリュック・ベッソンの長編デビューである今作。 長らく作品の存在は知っていたのだけれど、中々見られる機会が無く、彼に対する世評の低下に伴い、鑑賞の意欲そのものが忘却してしまっていた。  環境破壊により文明が滅亡したのであろう世界で繰り広げられる暴力の連鎖。 全編モノクローム+台詞なしで展開するストーリーテリングには、若きベッソンの野心がほとばしっているとは思えた。 「理解できなきゃそれでいい」と開き直って、独自の世界観を見せつけている様は、このクリエイターが次期に世界的な存在になり得る可能性を充分に醸し出している。  が、しかし、一作品として観た感想としては、正直「?」の連続だった。 諸々の設定自体にあれやこれやと説明を求めることは無粋だとは思うが、「台詞なし」という荒技を駆使するにあたっては、やはり色々な部分で力不足な感じがして、映画の世界観に入り込むことが出来なかった。  盟友エリック・セラによる音楽も、おそらくは当時の流行が反映されているのだろうけれど、映画の世界観に合っているとはまったく言えず、ビビットな映像に対して興が冷める部分が多かった。  世界に残された数少ない「女性」の存在がすべての暴力の鍵になっているということなのだろうが、それであれば、もっと画面に登場するだけで魅了されるくらいの風貌を携えた女優を起用するべきだし、その女性キャラクターの描写をもっと印象的に多く用意すべきだったと思う。  「ニキータ」、「レオン」、「フィフス・エレメント」……、ヒロインの造形に定評があるリュック・ベッソンであるからこそ、その部分の映画的魅力が全く欠けてしまっているのは至極残念。
[インターネット(字幕)] 5点(2013-09-30 16:32:07)
119.  トランスポーター3 アンリミテッド
良い意味でも悪い意味でも、「これぞトランスポーター」と言える映画だった。  ジェイソン・ステイサム演じる主人公の、プロフェッショナル精神をガンガン押し付けてくるわりには、あらゆる面で突っ込みどころ満載のキャラクターが健在。 致命的な「粗」とも取られかねないキャラクター描写の脆弱さを、圧倒的なアクションパフォーマンスと、ジェイソン・ステイサムならではの愛嬌で、「娯楽」の一つの要素としてまかり通しているのは、彼のアクション俳優としてのスター性によるところが大きい。  そういった主人公のある意味“ブレない”キャラクター性が安定しているので、シリーズのファンであれば充分に楽しめる映画には仕上がっているとは思う。  ただし、そのような贔屓目で見たとしても、いただけない部分が確実にある。 一つは、ストーリーのネタが一作目とあまりに類似し過ぎている。「運び屋」として運ぶものが、何やら訳ありの女一人という設定は、一作目と同じでありあまりに工夫が無い。  そして二つ目は、その運ばれる女、つまりはヒロインという位置付けの女優に魅力が無さ過ぎた。 無名のロシア系女優が、例によってリュック・ベッソンに見初められて大抜擢に至ったようだが、あまりに個人的な趣味趣向に走り過ぎてしまっている。 赤毛を携えたミステリアスな風貌は、「フィフス・エレメント」で同じくベッソンに抜擢されたミラ・ジョヴォヴィッチを彷彿とさせなくはないが、よくよく見れば見るほどそばかすだらけの顔が気になってしまい、ヒロインとして受け入れることが出来なかった。  終盤になる頃には、何とかヒロインのキャラクターに感情移入することは出来ていたので、この新人女優の可能性そのものは否定はしないけれど、やはりこの手アクション映画のヒロインには、分かりやすいチャーミングさが必要だと思う。  悪党チームの巨漢要員にK-1王者セーム・シュルトがキャスティングされていたのに笑ったのと、ステイサムのジャケット&Yシャツアクションは馬鹿馬鹿しさと新鮮味が相まって良かった。  というわけで、決して褒められる映画ではないが、なんだかんだと見所は備えている映画だと思う。  あ、首筋の「安」タトゥーの意味については深入りしません……。
[インターネット(字幕)] 5点(2013-09-27 17:02:16)(良:1票)
120.  ヴァイラス(1999)
「遊星からの物体X」「エイリアン」「ザ・グリード」と数々の“モンスター映画”の二番煎じオンパレード映画であることは間違いない。 ただし、同じような趣向でも、もっとどうしようもない映画は沢山あるし、二番煎じにすらなっていないものも多い。 そういう“駄作”の存在を踏まえると、今作の出来映えはそれほど悪くはない。 “B級”であることは間違いないが、“B級”故に充分な「見所」は備えている作品だと思える。  まず、「トゥルー・ライズ」以来のファンとして、ジェイミー・リー・カーティスが主演ということだけで、個人的にはかなりアツい。 「エイリアン」のシガニー・ウィーバーを意識した配役であることは明らかで、この女優のことをよく知らない人にとっては、「なんでこんなオバさんが主人公なんだ?」と思うのかもしれないが、少なくとも一部のファンにとって、このキャスティングは作品の充分な魅力になり得ている。  そして、ウィリアム・ボールドウィン、ドナルド・サザーランド、クリフ・カーティスと、脇を固めるキャストの“地味な豪華さ”も映画ファンにとっては味わい深い。 特にドラルド・サザーランド御大の最終的なぶっ壊れぶりは、笑ってしまうが、見ないと損だと思う。  更には、「トランスフォーマー」や「ハンニバル」を時を越えて“パクっている”と思わずにいられないてんこ盛りぶりも、この映画の立ち位置に相応しい要素だと思う。  ラストが意外に大人しく終わってしまうので、もっとストーリー的にも暴走しても良かったし、その可能性がまったく無いとしても「続編」への布石は打っておいてほしかった。 そうであれば、もっと問答無用に褒められたかもしれない。
[インターネット(字幕)] 5点(2013-06-05 23:07:31)
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