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1.  あるいは裏切りという名の犬 《ネタバレ》 
久々のノワール映画で、全体に暗い映像で音楽も抑えめ。ハリウッドとは違う、しっとりとした艶のあるノワール映画です。これがハリウッドに行くと、スピード感とスリルはあるのですが、騒々しく艶のない映画になりがちで、それも嫌いではないのですが、本作は、このしっとりした艶が良さのひとつですね。 クランは冷酷非情な悪人というより、権力志向が強いが弱い、いわば一般的な人間で運が悪過ぎたにすぎないかも。レオの妻が死んだ際、撃たれて死亡したと偽ったのは、罪悪感、それもレオに対する罪悪感だろうし、手錠をはめられたレオが娘にキスをする為に手錠を解くことを特別に許すあたり、出来る限り善人でありたい、それでいて出世もしたい通俗的なグランが想像できる。 一方レオは、職業倫理より個人としての人間性、つまりは信頼関係を最重視する人間で、情報を得た見返りに犯罪を見逃す、これは警官の職業倫理からすれば当然間違いで、彼は上層部に報告して、情報は得て、且つ、情報屋(シリアン)を捕まえるのが警察官としての模範だろう。しかしここで、個人としての人間性・価値観を重視するレオは、犯罪者である情報屋を最後まで庇う。そして庇って貰ったシリアンもレオの妻に義理として金を届ける。 社会的には真っ向から対立するはずの警官と犯罪者が、その社会的仮面を超え、個人として信頼関係を築いている。不完全な社会(そもそも完璧な社会など存在し得ない)では、個人の価値観が社会の規範を超越し得ることがあり、その個人の価値観をそのまま社会正義へ横滑りさせてしまうと、どこか嘘くさくなるが、本作は映像・音楽同様静かに底流させており、これが上質ノワールとして成立させている要因ですね。 
[DVD(字幕)] 9点(2010-10-31 14:55:09)
2.  穴(1960) 《ネタバレ》 
潜望鏡や砂時計など面白いアイディアはあるものの、穴を掘っているシーンにおける演出が素晴らしいです。穴を掘るシーンも鉄柵を切るシーンもほとんど役者の表情を映さず、頑強なコンクリートや鉄柵を長回しで映し出す。男達はひたすらコンクリートを打ち砕き続ける!頑強なコンクリートはなかなか穴が開かない、それでも打ち続ける!ひたすら打ち続ける!穴が開くまで打ち続ける!音楽はなく、セリフもなく、静寂のなかに響き渡る無機質な破壊音、狭い空間に充満する男達の熱気、これらが作り上げる緊張感は半端じゃない。観ている側も囚人達の一人になった感覚で「開け!開け!開け!」と念じてしまうこと間違いなし!脱獄映画は数多くあるものの、緊張感ではこの映画に勝てるものはないです。そして衝撃のラスト・・・ガスパールを情けない奴だと思う気持ちはあるが、責める気にもなれない。彼のしたことを正しいとは言えないまでも、間違っているとは言い切れない、ただ自分の選択に対する重苦しい結果だけが圧し掛かってくる。「情けない奴だ」とジョーは言うが弁解したりすることは許されない、ガスパールにできることは無言で自分の選択に対する結果を引き受けることだけだ。生きていくとは決断することだとすれば、こういうことなのだろう。 
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-06-09 19:03:18)
3.  サムライ(1967)
「いぬ」に続きメルヴィル作品を観賞するのは2作目です。所々にハッとさせられるシーンがあるものの、ノワールな雰囲気を作り出すこと全力を傾けたせいか、ストーリー性は弱く、話のテンポが遅い・・・アラン・ドロンが、ほとんど喋らないのも陰鬱な雰囲気を出すためだと思うが、雰囲気が出るより物語の単調さ、淡白さを強調してしまっている気がする。それに、暗黒街を生き抜く殺し屋にしては、アラン・ドロンが漂わす甘さ、繊細さみたいなものに違和感ありでした。趣味の問題だと思うが、殺し屋はハードボイルドであってこそ殺し屋で、アラン・ドロンのような甘いソフトクリームには似合わない。ただ、アラン・ドロンはこの系列の映画に結構出演しているし、単にアラン・ドロンが苦手ってこと?
[ビデオ(字幕)] 4点(2005-05-30 02:20:05)
4.  いぬ 《ネタバレ》 
仏のフィルム・ノワールを代表する作品らしいですが、その肩書きは伊達じゃなかったです。長く伸びる人影、揺れ動く電球、黒い影で覆われた顔など明暗の使い方、気だるさと色気を感じさせる音楽など抜群の雰囲気で、それだけ観れてしまいますが、映画終了後にストーリーを振り返ると、これも一級品だったことが解りました。暗黒街にどっぷり浸かっており、無表情で感情を表に出さないシリアンだが、その仮面の下には、人に言ったら笑われるような一面を持っている。この両面を持っているあたりは、ハードボイルド風味で好きです。モーリスに真相を打ち明けるシーンでも無表情で事実を淡々と述べるだけで、友情を感じさせることはない。そんな彼が「ポンチエリの道で誰かが匿ってくれと言うだろう、助けてやろう」と言いブイサインをする。この時の一瞬微笑んだようなベルモンドの表情と仕種は大好きです!これが暗黒街に生きている今の彼にできる精一杯の表現なんだろうと思う。暗黒街を抜け出す寸前で彼は銃弾に倒れるが、抜け出していたらどんな表情をするんだろうかと想像すると、せつなさで胸が苦しくなります。アメリカ映画に比べると演出は抑え気味で、ストーリーもやや複雑なため合わない人もいると思うけど、個人的にはかなりお気に入り作品です。 
[DVD(字幕)] 9点(2005-05-24 02:14:37)(良:1票)
5.  死刑台のエレベーター(1958)
サスペンスと言えばだいたい真実に導いてくれる探偵役がいて、観客は探偵役と一緒に事件の解決に向かっていくので、安心して事の成り行きを見守り、必ず明かされる真実の重さみたいなのを感じるのが一般的だと思う。ところがこの映画はまったく逆!真実は解ってるのに登場人物の誰も近づけず、むしろ遠ざかりまったく別の物語を創ってしまう。最後には真実に到達するわけだけど、別の物語ができる切っ掛けが些細な事なら、真実が明らかになる切っ掛けも頼りないものです。別の物語を創造していく過程がやや作為的?な印象もあるけど、真実と言われるものがいかに頼りなく出来ているのかが伝わってくる映画でした。 映画全体としては、事件が思わぬ方向に転がっていくあたりからはテンポも良くていいけど、前半はダルイです…フランス映画にありがちですけどね。
8点(2004-06-27 15:18:13)(良:1票)
6.  八日目
こういう映画は批判しにくいけど、どうにも好きになれません。原因はジョルジュを好きになれなかった、つまりこの映画の障害者の描き方が好きになれなかったということでしょうか。ジョルジュは様々な問題を起こし、それを障害者の純粋、素直という面を前に打ち出すことで、その行為を許容するように観客に要求しているようで、どうにも受け付けませんでした。障害者は確かに社会的弱者で一般人とは異なる特別な存在だけど、その障害者を持ち上げ、美化して描くのは好きになれません。巧く言葉にできないけど、相手を貶めるのとは違う形の逆差別を感じます。さらにアリーとの関係では、障害者という社会で生活できない者と健常者という社会で生活している者の価値観が転倒しています。例えばラストでアリーはホームレスのようになっており、映画はそれを肯定的に捉えているあたりです。アリー自身も価値観の転倒を受け容れてますが、その原因は妻との不仲と自分が子供にも拒否されたことです。しかし映画では、なんで妻と不仲になったのかよく解らず、アリーに共感できません。もう少しアリーの方も描いて欲しかったです。これも、この映画を好きになれない原因になっていると思います。つまらないわけじゃないけど、合わない映画でした。
3点(2004-06-06 12:09:23)(良:2票)
7.  散歩する惑星
ストーリーが無いに等しい映画で、なにが面白いの?と聴かれると困るんですが、あえて言えば、この監督と価値観が近いということでしょうか。登場人物のほとんどが苦悩を抱えた、憐れむべき人達です。しかし最近の社会はというと、競争して打ち勝て、合理化しろ、この映画では「安く仕入れて、高く売れ」で、イエス像まで商売道具になってしまう。けど、人間はそれだけでは生きていけない、それ以外の何かが必要なんだと思う。例えば映画でも言ってる「詩」なんかもそのひとつでしょう。そういったものが登場人物達には必要で、おそらく自分にも必要なんだと思う。競争、商売、お金、それ以外にも重要なものがある!このことを直線的に描くと、どこか偽善的になったり、説教っぽくなったりしてしまう。そこで、ちょっと(かなりか?)ぼやかして描く。言いたい事がある、けど、はっきり言えない又は言わない、この辺りが良いですねー。けど、ストーリーはどうにも…だったので点数はこんなもんです。
6点(2004-05-22 21:30:44)
8.  過去のない男 《ネタバレ》 
発見した自分の過去に、もう戻る場所が無いとは残酷です…生きてきた自分はなんだったんだ?と疑問を持たずにはいられません。けど未来にはかすかな希望が持てる、過去は大事だけど、過去のみで生きてるわけじゃないんですよね。人生はいつでもやりなおせる、やりなおしができないと思うのはひょっとしたら過去に縛られすぎてるせいかもしれません。いつもながら、カウリスマキ監督の人間に対する眼差しはやさしく暖かい。 
7点(2004-05-05 17:07:48)
9.  ストレイト・ストーリー
D.リンチ監督というのは意外。兄に会いにいくまでの道のり=人生という印象を受けました。嵐あり、激しい下り坂あり、助けてくれる人あり、騙そうとする人あり…そしてラストへ。音楽も良かったし高得点といきたいんですが、あまりにも淡々としすぎているので。過剰に感動させようというのもダメなんですけどね、映画は難しいです。
6点(2002-07-14 01:10:19)
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