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プロフィール
コメント数 2384
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1.  妖婆・死棺の呪い 《ネタバレ》 
ゴーゴリの中編小説『ヴィー』の映像化。社会主義リアリズム・唯物史観のソ連で製作された珍しいホラー映画、まあ文豪ゴーゴリの作品の映画化だからお目こぼしをいただいたって感じなんでしょう。ゴーゴリにはこういうフォークロア的な怪奇譚を題材にした作品が散見され、言ってみれば小泉八雲の『怪談』の一エピソードを映像化したようなもんです。当初若手の監督が映像化を手掛けたが上手くいかず、ソ連発のカラー映画『石の花』を撮った大御所アレクサンドル・プトゥシェンコが引き継いで完成させました。 神学生が夏休みの帰郷途上で道に迷って気持ち悪い老婆の家に泊めてもらいます。老婆は夜中に神学生に迫ってきてあわや貞操の危機かと思いきや、実は彼女は魔女で神学生に馬乗りして空中浮遊を愉しみます。ここは原始的な合成特撮ですが、幻想的な雰囲気は良く出ていました。またここまでのストーリーテリングはコメディ調で、民話的な軽快さがあります。地上に降り立った魔女に神学生は反撃しこん棒で滅多打ち、瀕死になった魔女は若い美女に変身、彼はビビって逃げます。この魔女転じての美少女が確かに目を瞠るような美形で、これは眼福です。学校に逃げ帰った神学生は、校長から死にかけている地主の娘が彼を指名しているので、最期の祈祷をして来いと命令されます。行ってみると娘はすでに死んでおり、そして彼がボコボコにしたあの美少女でした。そして父親から三晩連続の祈祷を依頼されますが、それは恐怖に満ちた三晩になるのでした…ここからは死棺から夜な夜な蘇る娘と学生の対決になりますが、結界を造って籠ったので娘には中に入り込むことはもちろん彼を視認することすらできません。しかし三晩目には彼女は霊界から悪鬼と妖怪ヴィーを呼び込んで攻めまくってきます。やはりこの映画がカルトとして映画史に残ったのは、この悪鬼とヴィーのビジュアルのおどろしさでしょう。短いシークエンスでしたが子供が観たら悪夢に悩まされるのは必定でしたが、ヴィーの造形が水木しげるの描く妖怪みたいだったのには苦笑でした。  ランタイムも70分余りと中編でしたが、フォークロア調の語り口が印象的な秀作です。原作の舞台もロケ地もウクライナで、登場人物たちもウクライナ・コサックです。現在この地がとでもないことになっていると思うと、心が痛みます。
[DVD(字幕)] 7点(2022-03-13 23:32:40)
2.  鬼戦車T-34 《ネタバレ》 
いろんな意味でこれはとんでもない映画であることは、間違いないです。 まず、フルシチョフの時代にはスターリン時代とは打って変わってかなり自由な映画製作が可能になりましたが、それにしても捕虜が主人公でヒーローとなる映画は前代未聞だったことでしょう。第二次大戦のソ連では投降して捕虜になることは明確な犯罪行為とみなされており、帰還できてもほとんど全員が処刑か強制収容所送りになりました。そんな“裏切者にして社会の敵”がたとえどんな形であろうと映画の主人公になるなんてことは絶対あり得なかったわけです。でもその捕虜が戦車を奪ってドイツ国内で大暴れするというのは、痛快な逆転プロットの傑作だと思います。 次にこれほど実物の戦車が走り回る映画も滅多にないということです。使われているのは有名なT-34ですが、今でも現役で使っている国もあるぐらいの長砲身の後期型ではなく、珍しい中期型です。この型は丸いハッチが砲塔に2個並んで配置されていて、両方を開けるとまるでミッキーマウスの耳みたい見えるのが特徴です。捕獲されて研究に使われていた車両という設定なので、車載機銃は外され大砲はあっても弾薬がない、つまり走り回るしかないわけです。でももともと機動力がウリのT-34ですからスピードは出るし、中戦車とはいえ体当たりすれば家なんか軽く突き破るし車なんかでもぺっしゃんこにしちゃいます。撮り方自体もソ連映画界がお得意のアヴァンギャルドなモンタージュが多用されていて、逃げるT-34とドイツ軍の追っかけっこを見せるカット割りは斬新の極みです。 でもラストだけはソ連映画らしいというか、「赤軍兵士はヒューマニストです」という演出なのは臭いところです。強制労働させられているロシア女性たちがT-34を見て助けに来てくれたと歓喜するといった胸が締め付けられるような素晴らしいシーンもあったので、この締め方は残念でした。
[DVD(字幕)] 7点(2017-12-02 22:49:01)
3.  不思議惑星キン・ザ・ザ 《ネタバレ》 
これが噂の“ク~”ですか、まさにカルト、脱力系SF映画の金字塔ですな。もう設定といい展開と言い“ゆる~い”の一言、でも行きあたりばったりと見せかけて、けっこう緻密な監督の演出意図が隠されているみたいです(いや、やっぱり気のせいかな)。 ロケ地の砂漠風景はまさに『マッドマックス』の世界そのものと言った感じで、冒頭から出ずっぱりの宇宙人(いちおう)二人組の薄汚さも『マッドマックス』です。このキン・ザ・ザ星雲人たち、劇中ずっと“ク~”で押し通すのかと思ったらすぐにロシア語を喋りだすし、まあ監督もあまり細かいことには拘らない人みたいです。この映画は社会主義体制への批判的な風刺なんだそうですけど、正直あまりピンとこなかったですね。唯一それらしかったところは、地下の都市(?)で群衆が監視されながら労働らしきことをさせられているシーンぐらいです。まあこんだけ緩くて脱力感に溢れていたら、ソ連の検閲官も映画の裏読みをする気力も失せてしまったんじゃないでしょうか。これがスターリン時代なら風刺云々よりも「社会主義リアリズムに反した頽廃映画」という罪状で監督はシベリア送りでしょう、崩壊間近のこの頃のソ連ではすっかりタガが緩んでたのが窺えます。 こんなグダグダを二時間以上見せられたらふつう頭にきますけど、不思議と許せちゃう麻薬性のある一篇です。
[DVD(字幕)] 7点(2016-06-18 01:07:37)
4.  アレクサンドル・ネフスキー 《ネタバレ》 
チュード湖上の有名な氷上の大合戦は、さすがモブ・シーンが得意なエイゼンシュタインだけあって見応えがあります。ドイツ騎士団の悪逆ぶりも堂に入っていて、子供を次々と火に投げ入れて殺すなぞ、史実かどうかは知らないけれどやってくれます。騎士団の足軽(?)たちが被っているヘルメットがモロに20世紀ドイツ軍のシンボルである石炭バケツ型なのはちょっと露骨です。彼らに付き従うカトリック教会もまるでカルト集団みたいな悪役ぶりで、移動式パイプオルガンには笑ってしまいました。 対するネフスキー公側ですが、公をはじめみんな人間描写が薄っぺらというか無いに等しく、ここら辺はやっぱりプロパガンダ映画だなと感じます。思えば製作された1938年はスターリンの粛清が最高潮だった時期で、ドイツ騎士団の捕虜は解放されるのに内通したロシア人は民衆にリンチされて殺されるシーンなんかとっても意味深。ラストのネフスキー公の演説も、まあスターリンが映画を観ている大衆に説教している様なものでしょう。 この映画の三年後、ネフスキー公が守ったプスコフやノヴゴロドでソ連軍を打ち破って、ヒトラーのドイツ軍がレニングラードまで突進していったというのは実に皮肉なことです。
[ビデオ(字幕)] 6点(2013-05-06 20:19:23)
5.  戦争と平和(1965-1967) 《ネタバレ》 
念願かなってついにオリジナル全長版を観ることが出来ました、ありがとうBSプレミアム、と思ったら何と4月にブルー・レイと新版DVDが発売されるんですね、知らなかった。三夜に分けて放送と言ってもなんせ上映時間7時間ですから滅多に味わえない映画体験です。まあ原作を7時間ではとうてい読破できないわけですから、これだけ時間をかけてもダイジェストみたいにストーリーを展開させちゃう部分が一部あるのはやむを得ないところでしょう。その代わり国家プロジェクトみたいなもんですから、カネとヒトはもう惜しげなく投入されているのは圧巻です。ボロジノ会戦のシークエンスも凄かったけど、もっとも映画的なスペクタルを感じたのはモスクワ炎上シーンで、ほんとこりゃすげぇもんを観てしまった、というのが正直な感想です。そして特筆すべきはナターシャ=リュドミラ・サベリーエワの奇跡の様な可憐さと美しさ、あの舞踏会のシーンで彼女が踊り出すシーンはそりゃ思わず息をのむほどです。そういうこともあって、自分としては第二部『ナターシャ・ロストヴァ』がいちばん良かったですね。 セルゲイ・ボンダルチュクお得意の「舞い上がるカメラ」と「急降下するカメラ」の映像は冴え渡っていて、とくに屋内の舞踏会シーンでもカメラがぐーんと降りてくるのは見ものです。まあ『戦争と平和』の完全映画化なんて『指輪物語』を映像化するよりもはるかに困難な偉業で、監督の手腕は称賛されてしかるべきだと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-02-02 19:52:59)
6.  ワーテルロー 《ネタバレ》 
ナポレオニック映画としては、いまだに本作を超える映画は製作されていないんじゃないでしょうか。監督がセルゲイ・ボンダルチュクでソ連陸軍全面協力とくりゃ、その映像のド迫力は想像をはるかに超えるもので、観ていただければ決して大げさな賛辞でないことはご理解いただけると思います。とくにネイ元帥率いる騎兵が方形陣を組む英国歩兵に突っ込んでゆく有名なシーンは、あまりの迫力に鳥肌が立った記憶があります。この映画を大スクリーンで観たのは、実に幸福な経験でした。登場人物では私はナポレオンよりウェリントンの方が好みで、クリストファー・プラマー、一世一代の当たり役です。なんでも、上映時間4時間のロシア語版が存在するそうですが、なんとかして観てみたいものです。
[映画館(字幕)] 8点(2012-01-13 00:04:46)
7.  ベルリン陥落 《ネタバレ》 
実はこの映画、ソ連初のカラー映画なんだそうです、占領したドイツのアグファ社から接収したカラーフィルムが使われたというところがまたソ連らしい。ソ連という国は、歴史的な出来事を映画にするのが得意でしたが、敗戦直後のベルリンで撮っただけあり、本作も伝統に背かない堂々たるものです(NHKの『映像の20世紀』で記録映像とともに本作のベルリン・シーンが使われてたぐらいです)。スターリン・ヒトラーの二大独裁者のそっくりさんぶりは見もので、とくにヒトラーは俳優の熱演もありますがほんとそっくりです。スターリンは顔を造り過ぎたせいか表情があまり動かず、まるで蝋人形が動いて喋ってるみたいで不気味でした。 この映画のすごいところは史実に忠実なのは、「ソ連にスターリン、ドイツにヒトラーという人がいました。ヒトラーはソ連に攻め込みましたが、最後はソ連がベルリンを陥落させ、ヒトラーは自殺しました」ということだけで、後はねつ造と偽善のオン・パレードに終始していることです。あの有名なスターリンがベルリンの空港に降り立つシーンはもうほとんどSFの世界で、「世界最凶のプロパガンダ映画」に相応しく観たらトラウマになること間違いなしです。「映画って、ここまで政治の道具になれるんだな」というのが率直な私の感想です。
[ビデオ(字幕)] 0点(2011-10-30 20:42:45)
8.  ひまわり(1970) 《ネタバレ》 
おそらく『ニュー・シネマ・パラダイス』が公開されるまで、本作は日本でもっとも観客を泣かせた洋画ではないでしょうか。自分もガキの頃ロードショウで観ましたが、周りの大人がぼろぼろ涙を流しているのにびっくりした記憶が残っています。 あまりにベタなストーリーは名匠デ・シーカのフィルモグラフィの中でも凡作の部類だとは思いますし海外での評価も高くないのですが、よっぽど当時の日本人の琴線に触れたんでしょうね。まああの地平線まで一面のひまわり畑は、日本人には決して想像できない風景なのは確かですが。ソ連でロケするのは色々苦労があったのは判りますが、ソ連の人は皆すごくいい人ばかりってのはちょっと臭すぎますね。 いくらイタリア男と言っても、命の恩人リュドミラ・サベリーエワを捨ててソフィア・ローレンのもとに帰ろうとするなんて、マストロヤンニよあんまりだ!
[映画館(字幕)] 6点(2010-09-11 00:59:10)(良:1票)
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