Menu
 > レビュワー
 > パブロン中毒 さんの口コミ一覧
パブロン中毒さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 914
性別 女性
ホームページ http://ameblo.jp/cluttered-talk/
自己紹介 After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to.

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : イタリア 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  夜よ、こんにちは 《ネタバレ》 
実在のテロ事件をベースにしているところ、やはり「ミュンヘン」を思い出す。現実に起きたテロ事件を映画においてどう料理したか、という点では、こちらに軍配を上げる。「ミュンヘン」では、スピルバーグは思い余って重要なことをセリフで言わせてしまったり、思い入れが激しすぎて失敗しているからだ。 「夜よ」では、ほとんどのシーンがキアラという美人テロリストの視点を中心として描かれる。 さて、美人で23歳で図書館に勤めるキアラがなにゆえ赤い旅団のメンバーとなって、テロに参加するのか。最も重要な疑問というのはこれである。 キアラの夢にモノクロで現れる、パルチザンの処刑。父は、どうやら、ファシズムと闘って処刑された抵抗運動の闘士だったらしい。 キアラの理由は、父である。23歳の彼女に、自前の思想などあるわけがない。 モロが法王あてに書いた手紙の感想を聞かれたとき、涙を浮かべていたにもかかわらず、「つまらない冷たい手紙」と言い切ったキアラ。それを言わせたのは、死んだ父である。無残に処刑された父がいる限り、キアラは女闘士であり続けなければならない。 キアラというのは「父の娘」なのだ。世の中には「父の娘」と「母の娘」がいる。「父の娘」というのは、「母の娘」に比べて「かたくな」なのである。 ところが、「父の亡霊」に憑依されているはずのキアラに、変化が起きる。それは、とうの昔に死んで、顔もロクに思い出せないような父と、現実に一つ屋根の下に存在するモロが重なって見えてきたせいだ。キアラにとって、品がよく、教養があり、家族思いで、思慮深げなモロの姿は、「理想の父」の姿に思えて仕方ない。父=モロ現象に、キアラは苦しみ、モロを逃がす夢を見始める。 現実には処刑されたモロの葬式と入れ違いに、自由になったモロが表を歩く姿で映画は終わる。 これが、監督の撮りたかったシーンだ。「あのとき、誰ひとりモロを救うことができなかった。」過去に遡って、間違いを糺したい。でも、できない。だから、この、映画の中でモロを解放する。「自由なモロ」の微笑みが心に痛い。やはり、最も言いたいことは、セリフで言わせてはいけない。 今も獄中にいる犯人たちは、50代であろうか。このラストシーンを見て欲しいと思う。
[DVD(字幕)] 8点(2007-04-21 14:47:59)(良:3票)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS