21. カストラート
《ネタバレ》 フロにつけて去勢される場面がグロいなー、と思ったことを思い出した。カストラートが存在するというのは、時の支配者の権力の強大さを示していますね。中国だったら宦官は、皇帝が偉大だから成立したというわけですから。男であるとも言いきれず、かといって女でもない、そういう人間の人生とはいったいなんなのじゃ、ということでしょうか。自分からオカマになったのと違うからねえ。カストラート役の俳優さんは、もっと骨細でキレイな人にできなかったのでしょうか。男性器を取ると、(どの程度とってるのかは不明だが)肌が美しく、ヒゲが生えず、ハゲず、体が丸みをおびて、そして敏感で繊細になるという。(「宦官」のうけうり)そういう感じの俳優さんじゃなかったんだなー。男であたりまえと思ってる皆さんは、人生で一回くらいは、自分が去勢されるところを想像していただきたいものです。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-12-17 23:47:15) |
22. ファストフード・ファストウーマン
《ネタバレ》 なんの共感ももてないヒロインだったような気がするなあ。胸がすごい。八方破れな人生。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-11-24 22:32:46) |
23. セマナ -血の7日間-
《ネタバレ》 「運命の女」でオリヴィエを発見したため、ふと手にとったこれも見てしまう。 ふと見てしまったために、スペインの現代史について思い悩むこととなる。 現在のスペイン映画は「内戦」と「フランコ」抜きには成立しないようですね。だって、見てもわからないもん。その後「デビルズバックボーン」も見てしまい、いよいよその感強まる。 しかしまあー、同じ国の国民どうしで、よくここまでひどいことできるなあ。「肉食」と関係あるのかな。この後、スペインが「フランコ」になった理由は、この映画に描かれているそこらへんの事情が関係していそうだと推測している。だって、「フランコ」はこの「ひどいことしてる」やつらを駆逐したらしいから。はっきりいって、気持ちの強くない人は、これは見ないほうがいいですよ。 [DVD(字幕)] 6点(2005-11-02 23:26:30) |
24. 地獄に堕ちた勇者ども
《ネタバレ》 ちゃんと見たのは初めてだった。人名とかメモを取りながらがんばった。 でもハムレット+リア王+マクベスのつぎはぎ…という感想しか浮かばないのはなぜだろう。そう、私はこれを見てナチズムの怖さをあまり感じなかったし、本当は「悪をささやく者」として都合よくナチを持ってきただけではないかという気もするくらいどうでもいい扱いをされているのではないかと思う。ここでの大筋はたぶんシェークスピア的悲劇なので、なにも新しい話じゃなくて、ナチを持ってきたから新鮮かというとそんなわけはない。 マクベス夫妻(?)が次々に悪巧みを練っていくところはおもしろいし、アッシェンバッハと渡り合うソフィのふてぶてしさに大いに期待するが、なにかこの夫婦の没落があまりにあっけなく、もっと戦いが見たかったのに…というへんながっかり感も。 ひとつ言わせてもらうとこれはリドリー・スコットに撮らせたらスゴいものができたのでは。ヴィスコンティがすごくないと言い切れるほど知らないけど、どうも特権階級的視点ですべてが撮られていて、すべてが進んでいて、それは実際そうだったんだろうけども、召使はゾンビのように右や左に動いているだけで全く人格を与えられていないし話に絡んでこない、というのもなにかつまらない気がする。特にゴスフォード・パークとか見たあととなっては。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-12-14 16:26:05)(良:1票) |
25. 息子の部屋
《ネタバレ》 なんともパンチに欠ける。 息子役の俳優さんに存在感が足りないかもしれない。 存在感のない人が中盤で居なくなっても、他人である観客にとってはべつにどうということはない。家族が泣いているのを、「なんでそんなに泣いているのかな」と思ってしまう。悲しみを盛り上げるためのせっかくの棺桶シーンの演出なども、「今撮影中です」といった感じすらしてしまう。 この内容で、見る者の心に何かを残すには、息子とのエピソードに工夫が無さすぎる。アンモナイト?ランニング?それが何? 何かこう、50M先から見せられているような登場人物たちとの距離感を感じる。私がイタリア人じゃないからだけではなかろう。外殻をなぞっている感じがするのだ。ナンニ・モレッティの演技も抑えすぎている。分析医の仕事を放り出すほど悲しく苦しいのでしょう。それはいったいどこに描かれている?大声で泣けといっているのではない。他にも描き方はあるはずだ。 ラストで現れたアリアンヌは、新しいボーイフレンドと無銭旅行のついでにタカりに来たのだった。たった1回会ったことのあるだけの男の子が死んだとて、打ちひしがれるほど悲しいわけがない。 そのことを知っても、怒る気力さえなく、「息子の死は両親にとってはこの世が終わるほどの苦痛だが、他人にとっては単に誰かの〝死〟でしかない」という事実をかみしめる両親。同時に「息子はもういない」ということも。アリアンヌはこのことを思い知らせるために登場させられたのですが、こういう展開はどうも私の趣味ではない。「再開を待っています」と言ってくれた患者に加え、もうひとつくらい明るいマターが欲しかった。本当に子供を亡くした方は、この映画は見ないほうがいいと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2006-09-18 19:37:03) |
26. フレディVSジェイソン
《ネタバレ》 主役のローリの友達が2人とも頭悪そうで、それがつまらない。ローリも、最後のほうで急に勇敢になってしまって違和感がある。。男の子も、だいたいみな頭悪そうに描かれている。ティーンエイジャーの実態に強くない監督さんなんじゃないだろうか。 フレディとジェイソンを大活躍させるにしても、フツーの少年少女がきちっと描けていないと単なるB級に終わってしまうな。 エルム街の売り物である、「覚醒状態からいつの間にか夢の中」は多少楽しめたが、まだ物足りない。 全体的に、画面が明るすぎる。フレディのヤケドメイクの細部までまでくっきり見せてしまっては、「あ、特殊メイクですね」としか思いようがないではないか。 ラストで、ジェイソンを応援しているようでいながら利用して二人とも倒すつもりでいるという込みいった作戦となるが、それにしては、少年少女たちがそんなに頭良さそうに見えないので不自然だなあ。マーク役の子だけは個性があってなかなかよかったが、すぐ死んでしまったし。ウィル役の男の子は、ローリのモニカ・キーナに比べてハンサム度が足りず容貌が釣り合わない。 映画館が満員でチケットも取れないくらいと自画自賛しているが、ひとことでいうと、監督さんにセンスが足らん。 [DVD(字幕)] 5点(2006-07-02 20:38:27) |
27. サスペリアPART2
昔つきあってた人に当時イチオシと思っていた「ジェイコブズラダー」を貸したら、「オチもありがちだしどってことないよな」と言われ、かわりに「最も怖い映画」だと言ってこれを貸してくれた。 それで昔見てたけどまた見た。 分からなかった。 ほどなく別れました。 [DVD(字幕)] 5点(2006-06-12 21:43:44) |
28. スパイ・バウンド
《ネタバレ》 ヴァン・サン・カッセルとモニカ・ベルッチという大物スターが首をそろえていても、そこはそれ、ハリウッド映画とは全然違うテイストになるわけだ。 ヒーローを作らせないようにすること、観客にどの登場人物にも感情移入させないこと、という部分で作りが徹底しているなあと思う。 クールなスパイジョルジュはかっこいいといえなくもないが、ヴァン・サン・カッセルは単なるハリウッドのハンサム・ボーイとは全く違うし、セックスアピールがあるには違いないだろうが女性にサービスする方向のセクシーではなく、CIAに雇われた女殺し屋を独断で暗殺してしまうあたり、クリーンなヒーロー像とはほど遠いのだった。そして、ジョルジュの人と成りをあらわすようなエピソードは全く説明されず。つまり、女性の観客も男性の観客も、シンパシーを覚えにくい。 モニカ・ベルッチは出番が少ないし、アトラクティブで女性の反感を買うタイプのうえ、刑務所内での暗殺も結局は引き受けるなどとてもじゃないが共感を誘わない。 この作品には、「観客の目」の代わりを務めるものが無いのだな。はじめからジョルジュとリサに対する共感を期待しないのなら、大佐とかほかのスパイのモノローグの形で進めたらよかったのでは。余計なお世話だが。 味わいとしてはたとえば衛星チャンネルで垂れ流されている「実話陰謀もの」の類とあんまり変わらないような気がしてくる。おもしろくはない。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-12-12 19:32:59) |