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1.  道(1954) 《ネタバレ》 
子供のころ見たときは「石にも役目がある。何かの役に立っている」という言葉だけが印象に残っていました。 今見ると、3人それぞれの心情が丁寧に描かれていて、その気持ちが痛いほど胸に迫ってきます。  ジェルソミーナはちょっと頭が弱いけど、善悪を知り純真。 母親に売られても、自分の役割を理解して恨み言を言ったりしないし、ザンパノに酷い扱いをされても従順に彼を好きになろうとします。 きっと人を憎んだり嫌ったりできないのでしょう。 でも、旅を続けるうちに自分の存在価値に疑問を持つようになります。 彼女の精神的成長でもあるし、頑張っても優しい言葉ひとつかけてくれないザンパノへの歯がゆい思いでもあります。 でも、キジルシの言葉により自分にも価値があると知り、ザンパノには自分が必要なのだと思います。 だから、何度も彼から逃れるチャンスはあったのに離れませんでした。  一見、かき回し役のようなキジルシが、こんなに重要な役とは思いませんでした。 彼がザンパノをしつこくからかうのは、単純にからかうと面白いという他に、ザンパノが羨ましかったのだろうと思います。 同じような境遇なのに、ザンパノは何の不安も悩みも無く刹那的に生きている。 「考えること」すら考えもせず本能で生きているザンパノに、ちょっかいをかけずにいられない心境が伝わってきました。 まして、今はジェルソミーナという伴侶を得ている。 ザンパノは、その存在の有難さすらわかってないけど、ジェルソミーナの気持ちを尊重して彼のもとへ送り届けます。 二人にとって恩人なのに、可哀そうな最期でした。  ザンパノは粗暴で、ちょっとした盗みなら犯罪とも思ってないような倫理観の持ち主。 女性に対しても、人間として尊重するということすら思い浮かばない。 当然、ジェルソミーナの気持ちなどわかろうともせず、最初は金で買った所有物としか思っていません。 ただ、ジェルソミーナと過ごすうちに、自分でも気づかないけど少しづつ細かい心情が芽生え、彼女を置き去りするときに毛布を掛けお金まで握らせる。 そして、後ろめたさを覚えながらも、彼女がどこかで生きていてくれればいいと思っているようでした。  だから、彼女の死を知って初めて、失ったものの大きさを知ります。 打算なしで自分に寄り添ってくれたただ一人の人。 自分を丸ごと愛してくれたただ一人の人。 そんな掛け替えのない存在を失ったことに激しく打ちのめされ、砂浜に倒れこみ身もだえして嗚咽を漏らす。 ザンパノが動物から人間になった瞬間でした。  3人の道にはいくつも分岐点がありました。 それぞれの選択が正しかったかどうかはわからないけど、自分の選んだ道を生きました。 ザンパノの道は、今後険しくなると思われます。  映像も綺麗です。白黒なのにというか、白黒だからこそ、明るい空や繁る草木、サーカスの煌びやかな装飾、暗い海や風になびく洗濯物などの色が想像力を刺激して鮮やかに見えました。 そう思わせる力が画面にありました。  短い時間に、様々な人生が凝縮され、見たときの年齢やどの立場で見るかで、何度も発見のある素晴らしい作品だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-07-28 12:39:59)(良:1票)
2.  鑑定士と顔のない依頼人 《ネタバレ》 
ミステリーだと思って観たのが間違いでした。 余り良い人間とは思えない初老の鑑定士が、長年の相棒から 手酷い仕打ちを受けるという、何とも後味の悪いものでした。  もう中盤あたりから、おおよその予想はついてしまったので、最後も全然意外性はなく、 初めての生身の女性との恋愛に無邪気に喜ぶおじさんが 周り中から騙されていくのをただ見ていて、 どん底へ叩き落される過程を見せられて終わり。  「贋作の中にも一片の真実がある」という言葉にすがって、あのカフェで待つ姿。 一時でも幸せな時間を過ごせたのだから良いと思えるかどうか。  ハッピーエンドで無くても良いけど、愛を知ったことで人との関係性を持てるようになって 詐欺の片棒の相手としてしか見てなかったビリーを友人と認め、ロバートたちを家族と言って、 孤独ではない人生を知ったと思ったのに、それを全部否定された。 詐欺まがいのことをして集めた美人画を根こそぎ盗られたことより、 やっとリアルに感じられるようになった人との関りを断ち切られた衝撃の方が大きかったでしょう。  ヴァージルが、そこまでの酷い仕打ちを受けるほどの悪人と思えないので後味が悪いのです。 ビリーに才能が無いのは、誰が描いたかわからない時点でクレアの肖像画を「大した価値がない」と言っているので事実でしょう。 そうではなく、本当は才能があるのに認めず飼い殺しにしていた、ということなら納得できます。 だから、あそこで「素晴らし肖像画だ。一体作者は誰か?」というふうにでも言わせてたら良かったのにと思います。  ジェフリー・ラッシュは素晴らしかったです。
[インターネット(字幕)] 4点(2018-06-10 14:04:28)(良:1票)
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