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奥州亭三景さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 826
性別
メールアドレス sankei_o@olive.freemail.ne.jp
自己紹介 あたしは見ている映画は数あれど、
思い出せずにREVIEWが出来ません(笑)
我が心の師である、淀川長治氏の”愛ある批評”を目指していますが
ストレスが溜まってるのか、最近は毒舌が多くなりました(笑)
そんな愉快な奴ですが、お見知り置きを

好きな映画ジャンル
 戦争映画、コメディ映画、ドキュメンタリー映画
 スポーツ映画、実話系映画、

苦手な映画
 スプラッタ系ホラー映画
 (子供の頃に失神して以来、トラウマなんです)
 最近のハリウッド系映画

”特に”好きな映画監督
 チャールズ・チャップリン、黒澤明
 80年代前半までのスピルバーグ、ジョン・ランディス
 マイケル・ムーア、井筒和幸、大林宣彦

好きな役者
 懐かしい名前しか出てこないので書きません(笑) 

好きな映画評論家
 淀川長治(本当に評論家の究極な方でした)
 荻 昌弘(視点と分析力、好きな映画への熱弁が素敵な方でした)


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41.  ロード・オブ・ザ・リング
やっぱりこの映画は評価が大きく分かれますね。ちょっと、反感買うかも知れないけど、この映画を評価する人と評価しない人の差は評価を見るだけだと、読書量の多い人と少ない人、長編小説を読みなれている人とそうでない人、想像力の豊かな人とそうでない人、ハリウッド・スタンダードな映画に慣れてしまった人とどんな映画でも見る人、海外の神話やおとぎ話を素直に受け入れられる人と受け入れられない人、物語と映画を区別している人、この辺に集約されるのかな、って思います。つまらない、って言っている人の多くはやはり普通の映画の盛り上げ方等に期待しているように思えますね。でもあの物語は映画を前提に作られたわけじゃないですから、いかに物語を受け入れるかにかかって来るのでしょうね。美術的には文句無しでした。トールキンが描いたホビット庄やエルロンドの館が映像として見事なまでに表現されていたし、登場人物についてもほぼ文句なしです。(個人的にはオオカミさん同様トム・ボンバディルとその奥方が出てこないのが悲しかったですが・・・)時間的に3時間というのはあたしは苦にならないけど、今の2時間弱の映画に慣れている人には辛いだろうね。でもあれ以上短くするのも困難なのは事実です。いっそのこと、昔の長編映画みたいに間に休憩を挟んで4時間とかにした方がよかったんじゃないかなぁ。物語がベタと言っていた人もいますけど、仕方ないですよね。この物語が多くのファンタジー小説に影響を与えているのだから。それをベタと言ってしまうのは酷と言うものです。(でもベタというと今のハリウッド映画の方が余程ベタだと思いますけどね)同じように主人公のフロドがかなり軟弱であることに不満を感じている人もいますけど、これはしょうがないよね。そういうお話だし、フロドは主人公だけど実は影の主人公がいる事実がある訳だしね。戦闘シーンに迫力が無いと言っていた人が多かったですが、これは明らかに過去の映画の派手さに引きずられてると思います。あたしはこれでも十分だと思うし、ガンダルフとサウロンの戦いには感動を覚えましたよ。ゲームの世界ではド派手な魔法が沢山出て来る訳ですが魔法使い同士の戦い方というのは一般の戦い方と同じで相手に少しづつダメージを与えていったり、相手の出方に応じた駆け引きみたいな物が見えて、嬉しかったですね。物語にしっくり行かないところに違和感を感じた人も居ましたけれど、それを言ったら映画の大半はしっくりいかないと思いますね。役者としてはやはりイアン・マッケラン、クリストファー・リーは別格ですが、ショーン・アスティンは、はまり役だなと感じます。元々ホビットの体躯を原作どおりに表現すると、ショーン・アスティンの丸っこさが一番的確なんですよ。ガンダルフがミスキャストと言う人もいましたけど、あたしはバッチリでしたね。あと誰か書いてましたが、レゴラスが格好良いのは良いのですが、陽気さはないですよね。まぁ、次回作の「2つの塔」以降、ボロミアを除く「旅の仲間」達が成長していく過程は非常に楽しみな訳ですけどね。ただ、あたしも全面的にオッケーという訳では無いです。やっぱり指輪物語(旅の仲間)は3時間で全てを表現するのは難しいです。時間や費用、興行的な回転率等の関係もあるでしょうが、4時間は欲しかったです。そういう意味で12月に出るDVDは期待してます。それと字幕版については戸田女史の訳が本当に上手くなかったです。小説読んでいる大半の人はそう思うんじゃないでしょうか?この辺は、もうちょっと指輪物語に関与している方をアドバイザーとして置いた方が良かったのではないでしょうか?これもDVDでは改善されているという事なので、期待はしてます。それと、オークやゴブリン等のクリーチャーですが、ミドルアースの1種族というより、”怪物”と化してしまった感じが否めないです。ちょっとホラーの要素を入れてますよね。それとイアン・マッケランの声で、擦化音の発音で、呼吸器系の弱い人や老人に特有な高音の呼気音が入り、耳が痛くなりました。こういうのは音響効果でフィルタかけるなど出来るんじゃないかなと思います。いずれにしてもあたしにとっては念願の物語の映画化で、しかも出来が非常に良いので、満点をつけさせて頂きます。世界(欧米)的には有名なこの物語も日本ではまだまだだと実感しました。判りやすさならハリーポッターの方がわかりやすいもんね。
10点(2002-11-30 05:11:36)(良:1票)
42.  ブルース・ブラザース2000
前作を踏襲している点で前作を見てないと、当時の彼らが18年でどうなったとかいう部分のネタがわからないんだけど、そう言う事を差し引いて見ても面白い。ネタとしてはかなりSFファンタジー的な要素が入って困った部分もあるけど、ブルースブラザースだからOK(笑)。基本的には18年経っているけど、同じ事を繰り返しているっていうのがミソなんだろうね。ジョン・グッドマンやジョー・モートンも見事にベルーシの代役を果たしたね。ブルース・モービルも念願の「潜水」やったし、エイクロイドも満足したんじゃなかろうか。
8点(2001-07-16 19:06:20)(良:1票)
43.  さびしんぼう
日本ではファンタジーはなかなか難しいと思っていた小生を「こういうやり方もあるか、」と素直に関心させた作品。少年が1人の少女と母親に見るギャップを「さびしんぼう」によって埋めていく感じは実に面白いと思った。 母親がやった(と思われる)「さびしんぼう」の舞台劇を見てみたいものだと思うのは私だけだろうか。
10点(2001-04-23 22:00:40)(良:1票)
44.  僕と妻の1778の物語 《ネタバレ》 
個人的には好きです。 TVCMの様に別に泣くほどの物語ではありません。しかしながら、眉村卓の小説を読み続けていたあたしには少々感慨深いものがありました。眉村と悦子夫人の実話を元にしたフィクションとして構成されていますが、劇中で使われた小説は全部実際に書いた内容と同じものを使っていて、ここに非常にアジがあるとあたしは思います。SF小説に関して全く分からない人にはあそこに出てくる小説が本当にSFなのかと戸惑う方も多いと思いますが、あれこそがSFであり、SFに内包されるメッセージやテーマが全て朔の心情、節子への想いで重ねられているというのが分かると、この映画が泣かせたり感動を呼ばせるものではなく、死を迎える者に対しての家族のあり方、家族に対しての死を悟った者のあり方、そういうものをひとつの例として見せてくれたもの、それがこの映画では無いかと思います。 映画そのものは思ったほど長く感じなかったのは、全体的に締まった映画である為で、それは良かったと思いますが、草彅剛の演技は残念ながらあたしは評価が出来ません。彼の持ち味はあまり大きく表情を変えない演技で、それが朴念仁的な役として非常に合っているのですが、感情を剥き出しにする演技でそれをアップで捉えた時に、変に浮いて見えてしまうんだよね。声に感情の抑揚が出ないのも残念で、それがあるともっと物語を引き締めてくれるような気がします。それと後半の病院で朔が小説を書いている間に取り巻く患者や病院関係者のあたりのシーンはやっぱり不要じゃないかな?それを奇異な目で見るのは良いとして、それを延々と引っ張るのは、周囲の見方を変えるシーンだとしても本当に必要だったか疑問が残ります。
[映画館(邦画)] 7点(2011-01-31 12:50:16)(良:1票)
45.  ツーリスト
なんでアメリカで不評だったかが本当に良く判る映画ですね。 良くもまぁ、こんな脚本で(あ、脚本家も逃げたんだっけ?)ジョニデがオファーを飲んだと思いますよ。 というか、オファーを蹴った役者たちの気持ちが、本当に良く判りますね。 本と演出の出来の悪さを美しいベネツィアの風景と人気の役者でなんとか持たせたという感じしか残っていません。個人的にはティモシー・ダルトンの荒々しい姿が良い感じに歳をとった感じが判った事かな。ジョニデやアンジーの出演よりもそっちに3点。
[映画館(字幕)] 3点(2011-03-07 18:01:20)(良:1票)
46.  ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 《ネタバレ》 
Part1に比べたらはるかに良かったです。特にスネイプの色々な思いが回想される場面は実は今作での一番良い場面だったんじゃないかな。だけど、やっぱりこの映画はかなり問題も多いかな、という印象を受けます。例えば、今回に限ってはハーマイオニーがやたらとロンに敬意を払っているのだけど、その経緯がこの映画で表現されていないから、なんで急に、という印象が強くなると思います。同様にラストで描かれる後日談などは、重要な役回りをしたキャラを補完できていなかったりするのだけど、これって原作みてる人にも映画でしかみていない人にも不満が残ると思うんだよね。尺の問題で原作の全てを入れられないというのは理解出来るのだけど、このぐらいは数カットで対応できるでしょう。あたし自身がハイ・ファンタジー好きだから言う訳ではないけど、指輪物語がジャクソンによって映画化されるときに、完全な物が出来るとは思っていなかったのだけど、開けて見れば、完全では無い物の、十分な迄のものが出来ていたんだよね。ハリーポッターは残念ながらそこ迄には至らなかったですね。原作のファンも、映画好きからみても、何かしら不満が残る様な映画だし、映画シリーズだったと言う気がしてなりません。役者としてはやっぱり、今回はアラン・リックマンに尽きますね。全体でもそうだけど、彼の徹底した悪役ぶりが今作で効果を見せたと思います。
[映画館(字幕)] 7点(2011-07-17 14:13:26)(良:1票)
47.  ステイ・フレンズ
まぁ、ごくハリウッド映画にありがちな出来る社会人の恋愛事情をネタにするという類の映画ですね。ただ、面白いな、と思ったのはこうした映画って単なるバカっぽい映画になりがちなんだけど、二人の親がそれぞれ主役以上に馬鹿っぷりを見せる所だろうね。それが全然嫌味っぽく見えないし、主役たちの汚点の様に見せておいて、ちゃんと救いになっているのいうのが面白いなと思います。
[映画館(字幕)] 6点(2011-11-02 23:54:03)(良:1票)
48.  ダブル・ミッション
普通にみていて普通に面白かったです。 ものすごくありがちな設定で、ジャッキーらしい、コミカルで楽しい映画になってるね。 非常に気楽にみられて、気楽に楽しめる。ジャッキーの映画っていうのはこれでいいと思います。内容などを考えると、流石に絶賛は出来ないけど、普通に良い評価をして良いと思うし、ツッコミ所もあるけど、それもジャッキーの映画の魅力に見えてしまいますね。
[映画館(字幕)] 6点(2010-09-21 12:47:26)(良:1票)
49.  その街のこども 劇場版
テレビ放送されたのは見ていなかったけど、物凄く話題にはなっていたので、劇場版の話を聞いたときに飛びつきました。実際観てその出来に圧倒されました。実話をネタにした、フェイク・ドキュメンタリーなのだけど、ハンディカメラで追われる二人は本当に当時の神戸を体験したこどもとして神戸に居て、二人が知らないうちに封印してきた過去というのが徐々に解かれていく過程というのは、観ているこちらが胸が痛くなります。実際に森山未來と佐藤江梨子は震災を経験しているからなのかもしれないが、所々に見せる、トラウマを感じる時に見せる表情というのは多分、彼の嘘偽りの無い感情の表れなんじゃないかな、と素直に感じ入って観ていました。ラストの公園でのキャンドル点灯はドラマの放送当日の実際の場面を録画してドラマの放送に編集して間に合わせるといった、とんでもない事をしているのですが、実際の会場の感じがそのまま伝えられていて、素晴らしいと思いました。
[映画館(邦画)] 8点(2011-02-28 12:26:36)(良:1票)
50.  ローラーガールズ・ダイアリー
ローラーゲームなんて懐かしすぎるね。面白い所にバリモアは目を付けたな、という感じがあります。 バリモア初監督作なんだけど、やっぱりキャリアのせいかな?やたらと撮り方が老獪な感じがあって、意外なんだけど、非常に安心して観れました。役者の演技そのものはちょっと荒い所もあったと思います。でも、それが返って田舎臭さを出すのに貢献しているかもしれません。 ローラーゲーム自体のシーンはカメラワーク等、面白いと思うのだけど、全然スピード感が伝わってこなかったのが残念だったですね。ダブルレッグホイップのシーンなんて見せ場のはずなのに、全然その迫力も無くて、ちょっとがっかりでした。
[映画館(字幕)] 7点(2010-09-21 12:50:10)(良:1票)
51.  カラスの親指
原作未読。というか、一応ミステリー物という事なんで、あまりそういうのが得意でないあたしとしてはどうかな?というのが頭にあったのだけど、開けてみればコン・ゲームもので、しかも人情ものときたもんだ。あたし的にはこれだけで十分に楽しめる要素があるわけです。時間が長いという声が多いみたいですがこれはあたしも同感。但し、あたしはこの映画に関しては長いと感じなかったけどね。村上ショージの演技に賛否両論…というか、非が多いのかな?…あるけれど、あたしは過去に村上ショージが出てた映画やドラマ中でもかなり良かった方じゃないかと思います。むしろ、小柳友の演技を問題視するべきじゃないかな?石原さとみの特異な演技や、かなり特異なキャラという事で目立たないけど、はっきり言って、彼の親父のデビュー当時に出てる映画やドラマの演技よりも酷かったよ。もしかしたら、それこそがキャスティングの狙いだったのかもしれないけど、役割程は引っかかりのある必要のあるキャラではないし、コメディリリーフとしても中途半端でしたね。内容的には面白かったけど、やっぱり、無駄も多い気がしました。多分、20分ぐらいはそぎおとせるんじゃないかな。
[DVD(邦画)] 7点(2013-08-20 00:04:00)(良:1票)
52.  二世部隊 《ネタバレ》 
よくもまぁ、あの時代でこういう映画作ったな、という気がします。まだ日系人が迫害されてた時代ですからね。作りとしては当時の戦争映画の標準的な作りそのまんまなので、かなり気楽に観られますが、その端々に見える、日系人という大きな壁を個人的にはもっとみせても良かったかな、という気がします。時たま出てくる日本語は昨今の日系人が使うのとはまた違う、ちゃんとした日本語なんだけど、それもアメリカ人に伝わらないという感じがちゃんとあって良かったと思います。 もっと、ボージュの森の戦いは時間を取っても良かったと思うのだけど、あの時代ではそれもちょっと難しかったのでしょうね。今、リメイクしたら、もっと違う感じの映画になってる筈の映画で、だれかリメイクしてくれないかな、と思いますね。 あと、ちょっと思ったのだけど「ウィンド・トーカーズ」の元ネタって、多分これなんだろうね。
[DVD(字幕)] 8点(2010-07-11 12:28:27)(良:1票)
53.  裁判長!ここは懲役4年でどうすか
原作は良く知っていたけど、映画化するには物語を作らなくてはいけないから、どういう風に映画にするのかと思ったら、なかなか面白い作りにしたな、という感じでしょうか。基本的に裁判の面白い所を凝縮して見せるという、ノウハウ映画の側面が強いのですが、そこにちゃんとドラマ性を持たせて一本の映画に仕上げたという所がこの映画の良い所なんだと思います。そんな映画にコントの上手い設楽を主役に起用したのが正解だったのでしょうね、コントで見せる様なすかした演技が面白いくらい嵌っていました。そんな具合だから、物語もシチュエーションコントの繰り返しになっていて、飽きる前に次が始まる様に出来ていてあたしは非常に好感を持ちました。で、最後に大ネタを持ってくる訳ですが、最後の最後まですかして、だれもがハッピーエンドを期待しているのにすかされてしまうのが逆に快感になってくる訳です。 こういう作りの映画ってのは、日本では上手く作れる人が少なくて、中々見ることが出来なかったのですが、久々にこうした映画を見られたというのが嬉しいですね。低予算だから役者は芸人が多かったり、演技も玉石混合ではありますけど、見てて楽しいからそれで良いと思います。エンドロールの選曲も最高です。
[映画館(邦画)] 7点(2011-03-09 15:16:27)(良:1票)
54.  太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-
映画そのものは悪く無いと思うのだけど、どうも、この手の戦争映画を観ると思うのだけど、昨今の太平洋戦争物では日本軍が悪であって、個々の兵士は悪では無い、という様な表現され方をされるものが多い気がします。これもそういった映画に仕上がっていて、一見、物凄く中立的な観方が出来ますが、何かがやはり違うと思います。 原作となった読み物がアメリカで作られたという事も大きいと思うのですが、非常に捉え方がアメリカ的えあって、その部分が非常に観ていて気になりました。例えば、井上真央の演ずる看護婦がやたらと強くて反抗的な女性として表現されていますが、あのような日本女性が当時表面化出来たか問いのが少々懐疑的で、それを見せられてしまうと必然的にこの物語が架空の物語としてしか見えなくなったりする訳です。彼女のこうした動きが物語を加速していく事を考えれば、狂言回し的な使われ方をしていることは容易に想像が付きますが、そうしたものを加えたことで、逆に実話感が薄まっていて、それが非常に映画全体を考えると勿体無い気がします。
[映画館(邦画)] 7点(2011-02-21 00:04:31)(良:1票)
55.  アイルトン・セナ ~音速の彼方へ 《ネタバレ》 
あたしは当時、セナに偏ったフジテレビのF1中継に嫌気が差し、F1を離れた身なので、セナの功績は認めるものの、それほどセナに思い入れが無く、この映画に対しても達観して観ることが出来たと思っています。 映像としては予想以上にFIAの公式記録映像以外の映像があって、面白いと思います。 かなりセナ寄りのドキュメントになっていて、特にセナに熱狂的だった母国ブラジルの放送局と日本のフジテレビの映像を象徴的に扱っている部分は大変に興味深いです。セナのファン、セナを知らない人はこうした映像を見せ付けられたら、間違いなく引き込まれるでしょうね。 同時に、編集操作がとにかく上手くて、プロストのセナに対する発言、セナに批判的であったピケの発言や、ジャッキー・スチュワートとの有名なインタビューを入れる事で、セナの考え方の危うさや、精神性なんていうものも皮肉的に見せる所は面白く、さらにセナの死に至るまでの経緯についても、その前段として車の電子化に対する苦言を入れるなど、半ば皮肉にも取れるような映像の重ね方をして、この辺のバランスは上手いな、と思いました。 反面、分かりにくい部分も沢山あって、その典型がプロストとの確執の部分でしょう。 ここに関して言えば明らかにプロスト非難と取れる映像しか使用していなくて、特に90年の日本GPでのリタイヤ劇では一見するとセナには全く過失が無いどころか、ある意味悲劇の勝者という様な扱い方をして、さらにプロストの攻撃的な発言を重ねて悪者に印象付けています。 そうした編集をしておきながら、ラストにセナ財団の管財人としてプロストの名を出すのは、見ている側に不自然さを残す結果となっています。申し訳ない程度にこうしたフォローを見せるぐらいなら、あと数分尺を伸ばして、セナとプロストの最後の公式的な会話やセナへの追悼コメント(これらはマスコミの情報として残っている)を加えるだけで、もっと大きな意味を見出したと思うのだけど、そうしなかった理由がさっぱり分かりません。 あたしみたいに多くの情報を集めた上で分析的に映画を見る人は稀有だと思いますが、セナの実像を捉えるという意味でのドキュメンタリーを期待してたあたしとしては、よく出来たドキュメントではあるけど、十分では無かったと言わざるを得ないので、少々厳しく採点させていただきました。
[映画館(字幕)] 6点(2011-01-12 13:04:34)(良:1票)
56.  モールス 《ネタバレ》 
原作も「ぼくのエリ」も観た上での感想ですが、あたしは意外と悪くなかったと感じています。原作に近づけようとしているのだけど、「ぼくのエリ」の方は明らかに映画用に脚本が調整されているんだな、というのが分かりました。「ぼくのエリ」では、12歳という年齢の危うさを、この映画では二人の関係に愛情が強調する様に作られていて、同じ原作を明らかに違うアプローチで描いているので、これはこれでアリでは無いかと。特に原題である、「LET ME IN」という言葉を丁寧に織り込んでいる点は良かったのでは無いかと思います。 但し、不満も無い訳ではなくて、父親とアビーの関係性をあまりしっかり描かなかった事や、父親の性的嗜好などを設定から外してしまった事、物語の時系列を変える必要性があったのか?など、物語で意味がある部分がぼやけている感じが少々気になりました。役者は主役の二人がやっぱりこの映画の一番の魅力では無いかと思います。 
[映画館(字幕)] 8点(2011-09-18 01:17:16)(良:1票)
57.  七瀬ふたたび 《ネタバレ》 
これは、本当は2つの映画として評価したほうが良いのかな? まぁいいや。冒頭はしょこたんの監督した映画が流れるのだけど、物凄く漫画的どという印象以外は何も残りません。まぁ本編の導入であるというだけの意味づけと考えればこれで十分かな?プロの手助けもされてはいるけど、アマチュアの域にしか無い感じがたっぷりです。本編は結構面白いです。筒井康隆の70年代の小説が原作で、小説のテイストをそのまま残しているので、ネタ的には当然ながらちょっと古い感じがあります。しかしながら、映画はそうした古臭さを越えて、進行のテンポの良さとか演出の上手さがあって、緊張感を最後まで持続させるので、飽きることなく楽しめました。特殊効果に関しては残念ながら雑な感じはありますけど、多分、あまり予算をかけていないのでしょうね。もうちょっと丁寧さがあれば、もっと面白くなったのではないかと思います。  
[映画館(邦画)] 8点(2010-12-05 09:52:50)(良:1票)
58.  壬生義士伝 《ネタバレ》 
何から見たか、自分がどんな気持ちで見るかで劇場版とTV版の評価が分かれるかもしれないですね。あたしは実は劇場版見て間に原作を挟んでTV版でした。結果から言うとあたしは劇場版に軍配を上げます。TV版は実は物凄く期待してたんですよ。原作の長さをきっちりカバーできると思ったから。でも残念ながらカバーされてなかった。それに比べれば劇場版は物凄く端折ってますよね。でも編集の妙というかな、話自体がキッチリ出来上がっていて2時間ちょっとの中で誰もが わかる様な出来になってる。これがいつもなら原作と違う所を嫌がるあたしが評価するする所以です。中井貴一のあの線の細さからは想像もつかない程の剣を持った時の構えにはゾクッとしました。佐藤浩一もさすがですね。斉藤一なんていう癖のある役を見事に演じてます。あと、評価が分かれるけどあたしは三宅裕二の演技を大きく評価してます。どーも嫌がる人もいるみたいですけど、決して奇を衒っている訳ではないですね。三宅の素朴さがにじみ出てこそあの役が生きたし泣かせのシーンで生きたんじゃないかと思ってます。貫一郎の自害までが長くてだれると言う人が多いみたいですけど、あたしはあの長さが心地よかったですね。みんなテンポの良い映画見すぎですって(笑)。  
10点(2004-05-03 15:34:15)(良:1票)
59.  イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ
あたしは絵心が全くないので、絵についてとやかくいう気はない。現代アートって非常に分かりにくい世界だし、その意味ではグラフィッティは画の素晴らしさよりもそこに残すということにこそ意味がある世界のものだろうし、全く興味のない人にはただの落書きに過ぎないだろうからね。 なんかその辺を強く考えながら見ていました。バンクシーが映画で何を見せたかったのかは何となくわかるんです。でもそれが成功だったのかどうかというと…微妙な気がするんですよね。現代アートに何が正しくて、何が間違っているのか、なんていうのはないのだけど、結果的に彼の映画もMBWの作った映画と何ら変わらない気がするし、ドキュメンタリーとしては非常に意味のあるのがのような気もする。多分、こうしたコメントそのものが彼から見れば思うツボって気もします。日本人にもタツノコ爆発を現代アートとして蒐集家から多額の金をふんだくっている人が居るけど、そういう芸術家に対しての揶揄としては中々痛烈なメッセージを残しているという部分はドキュメンタリー映画としてはいいね。
[映画館(字幕)] 6点(2011-10-15 20:53:45)(良:1票)
60.  モンスター(2003)
凄いねぇ。アイリーン・ウォルノスの記録映像見たことあるけど、かなり忠実に真似してる。 相手を威嚇する時の表情とか、目を剥いて相手を見る表情とかは完全にアイリーンなんですよ。 但し、これは意図的なのかも知れないけど、所々でヘンな美しさを見せてしまって、これが残念かなぁ。多分、女性にしか表現出来ない部分というのを上手く見せているのだけど、かなり哲学的な表現がされてるので物凄く重く出来てしまっていて、それが評価を上げる働きと下げる働きをしてると思います。良い映画であるのは間違いないのだけど、この映画が、アイリーンの供述調書、裁判記録、本人からの聞き取りからシナリオが起されている居る事に注意しなくてはいけないでしょう。彼女は虚言癖があったし、人格障害が見られた事も事実で、その意味ではかなり美化されている個所があると思われます。この映画でシンパシィを感じてしまうというのは危険だと思います。ふと、気が付いたのだけど、この映画、「俺たちに明日はない」に非常に似てるよね。傍観者として見るのが一番良いみたい。
9点(2004-11-04 21:10:34)(良:1票)

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