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1.  街の灯(1931)
盲目の貧しい花売り娘は、その目と引き換えに、心の目を曇らせてはいなかったか。通りを歩くみすぼらしいチャップリンに、かつての自分の境遇を忘れ、優越感をもって哀れみ、嘲笑すらしていた。彼女が大切な恩人に気づいた時の複雑な表情は、その真意を浮き彫りにしていたと思う。この映画のラストは、人間の愚かな奢りへの警鐘であると受け止め、ほろ苦さを味わった。同時に、全てを包括してしまうチャップリンの慈愛に満ちた眼差しが心に痛い。
6点(2004-03-22 19:40:04)(良:6票)
2.  刑事コロンボ/別れのワイン<TVM>
初見の際、最後の場面にたまらなく切なくなり、家人の目を避けこっそり涙を拭ったことは、永い年月を経た今でも忘れられない思い出。「コロンボ」で泣かされるとは、予想もしていなかった。この作品は、あらゆるジャンルを超えた、極上の人間ドラマだと思う。
9点(2003-11-03 11:44:58)(良:2票)
3.  リトル・ダンサー
ビリーの晴れの舞台にバレエ教師の姿が見えないところに、イギリスの階級社会を垣間見た気がした。ビリーの父親に「ロンドンへの旅費ならば私が出す」といとも簡単に言ってみせたバレエ教師は、典型的な中流階級のスノッブである。彼女は「息子を飲んだくれの炭坑労働者にしたいのか」と極めて本質をついた発言をビリーの面前でしているが、家族を傷つけられたビリーの反動は、その後の爆発したようなダンスや、ロンドンに発つ直前になって彼女に報告に行くことからもよくわかる。彼の家庭は、壊したピアノで暖をとるほど困窮した労働階級であっても、家族の絆は強く、娘が両親の性生活を暴露するような醒めた中流階級の家庭とは、根本的に違うのだ。階級の差が癒しがたい心の溝までも生むことに、小さな棘のような痛みを味わった。
8点(2004-04-05 20:27:32)(良:1票)
4.  灰とダイヤモンド
「地下水道」を観た後では、主人公のサングラス姿は痛々しい。いとも簡単に武器所持が発覚して追われる彼の姿は、あの暗黒の地下で数多くの修羅場をくぐり抜けて生き延びた男の最期にしては、あまりに呆気無いものを感じさせたが、これも人生の皮肉なんだと思った。
6点(2004-04-08 09:33:26)(良:1票)
5.  眺めのいい部屋
「旅路の果ては恋人達の出会い」という、シェークスピアの名句そのままのストーリーだった。その地が花のフィレンツェであれば、言うことなし。部屋を替わる快い申し出といい、老姉妹の部屋に矢車草を心遣いする優しさといい、シシルにはお気の毒だが、エマソン父子と出会えたルーシーは、本当に幸せ者。この作品に巡り合えた私も、もちろん幸せ者である。 
9点(2004-02-26 16:17:55)(良:1票)
6.  ナバロンの要塞
熱血漢でありながら、冷静沈着で頼もしいアンソニー・クイン、職業軍人でないことを盾に、終始傍観者の態度を貫く皮肉屋のデビット・ニーヴン。こんなニーヴン演じるミラー伍長の斜に構えた態度が気に入らず、不満分子だの、ブラックシープだのと敵視していた子供の頃が懐かしい。要塞爆破のミッションよりも、この個性派俳優二人の演技だけで十分満足。「ねずみ」は不発に終わっても、「保険」が効いてなによりだった。
9点(2004-04-22 16:15:51)(良:1票)
7.  テス
女遊びをしていた過去があるエンジェル。テスの真摯な告白を受け止められなかったエンジェル。路頭に迷うと知ってながら、テスを置き去りにしたエンジェル。彼を慕っていた別の女に、海外出稼ぎに同行しないかと口説いていたエンジェル。病気になってノコノコ戻って来てはテスを捜すエンジェル。人畜無害を装ったこのボンボンは、力と金で女をモノにするアレック(少なくとも彼はテスとその家族の扶養実績あり)や、家名に溺れテスを売り飛ばしたも同然の父親よりもタチの悪い、この物語最大の科人だと断定し、21世紀の法廷は、テスのかわりにエンジェルに絞首刑を命ずる。
5点(2004-03-29 18:20:40)(笑:1票)
8.  ハワーズ・エンド
この作品のテーマである「家」については、いまひとつピンとこなかった。しかし、世襲財産で生活に困らない中流階級の偽善ぶりには、大いに納得。彼らの間で翻弄されたあげく、命を落としてしまった夢想家のバスト氏が気の毒でならない。ハワーズ・エンドは、いずれ彼とエレンの子に譲られるとしても、彼の浮かばれない魂が、夜な夜なこの屋敷を徘徊しないことを願うばかりである。
6点(2004-03-29 17:48:03)(良:1票)
9.  地下水道
地下水道を拠点にしたレジスタンス暗躍の話だと思って観たら、全く私の思い違いだった。どういう経緯でレジスタンスに加わったのか語られてはいないが、笛を吹きながら彷徨う音楽家の狂気の果ての姿には、観ている方までも汚水にどっぷり浸けられた気分になった。一刻も早く地上に出たいばかりに嘘をついていた部下を、いとも簡単に射殺したザトラ隊長。やっと目にした明るい陽の光の下での同胞による処刑は、見るに耐えなかった。とうに志気も軍紀も失せて瓦解した「私の部隊」を追ってマンホールに戻っていく彼の姿は、正義を貫いているかのような錯覚を与えるが、とても正気の沙汰とは思えず、寒気がした。そもそも地下に潜る際、熟知したデイジーを案内にたたせず、簡単な道だと高をくくった判断ミスを犯していたのは、隊長本人ではなかったか。戦争の悲劇と凄惨さは、殺戮場面やそれを取巻く戦場風景にだけあるのではなく、内部崩壊の末、自滅していく個々の方がより強烈であると実感した。
7点(2004-04-04 15:13:12)(良:1票)
10.  グリーンマイル
善悪の色分けが明確なだけに、複雑なストーリーに煩わされず、よりはっきりと、自分自身の生死感を見つめることが出来た。電気椅子の描写が生々しいだけに、それを取巻く人々の優しい言動が心に残る。「オルデン牧師」の姿は嬉しい限り。
8点(2004-04-22 16:01:19)(良:1票)
11.  道(1954)
ある日、庭でトマトを育ててみようと思いついた時、空き地にトマトを植えて、ザンパノに一蹴されていたジェルソミーナの姿が突然思い出され、目の前が滲んでしまった。哀愁漂うメロディーや、他の印象的な場面ばかりが記憶に残り、このことはすっかり忘れていた。心の琴線に触れたものは、こうして蘇るものなのか...。私はジェルソミーナが醜いとも、頭が弱いとも、ましてや哀れだとも思わない。ザンパノに人間らしい心を取り戻させるために遣わされた、聖母みたいなものだと思うから。私もザンパノもそう大差ない人間であり、彼の姿を借りて懺悔しているのだ。彼女の無償の愛にすがり、許しを乞いたい自分がそこにいる。
10点(2004-02-22 17:40:56)(良:1票)

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