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1.  ブラック・スワン 《ネタバレ》 
なんか汚い映像だった。 バレエもので、しかも「白鳥の湖」なんだから、もう少し綺麗な映像を期待していたのに、残念。 ナタリー・ポートマンは、ニナを、せめて5才若い時に演じるべきだった。演技がどうとか綺麗とか言われてますが、これ、若いバレリーナの体じゃないよ…。 痩せてりゃいいってモンじゃないし、衣装で隠せない部分はひどい…。若くて絶頂期のバレリーナには全然見えない(涙)。 そーゆうところは、アメリカ人は寛容ね。肌のキメとかたるみとか、筋肉と脂肪のバランスとか、気にしないんだろうか。 ストーリーもこじんまりとまとまって、言っちゃなんだが少女漫画よりスケールが小さい。いいとこ、レディコミの読み切り漫画。  頭の中はバレエだけの世間知のないガチガチ優等生の娘、娘で自分の人生をリベンジしようとするステージママ、主役と正反対のタイプのフェロモン系のライバル、男とチャラチャラ遊んでセックスすれば女の色気が出るハズと考える浅知恵の監督。 ステレオタイプな登場人物たちが、安っぽいセオリーにのっとってストーリーは進行していくのですが、そのストーリーもご多分に漏れずよくある主役の妄想物語。 そして、妄想の果てに見せてくれたのは、CGに補完された黒鳥の踊り。 か、勘弁して~~(涙)。 なんか、下北沢の小屋で、必要以上に気合いが入った小作品を見せられたみたいなのデスが…ホントにアカデミー賞ノミネートいっぱいされた作品なの?コレが??? よっぽど他にいい作品がなかったのでは…。  まあね、題材が元々ちっこいスケールだから、仕方がナイ部分もある。 稽古場と家と舞台と酒場しか出てこない、ヒロインの頭の中の閉じられたインナーワールドの話だから。 だからこそ、最後の舞台はもっとすばらしいものを用意してほしかったな。 あんな稽古場みたいな古くて小汚い小劇場なんかじゃなくって、華やかで近代的な大舞台と大観衆を用意して、そこでニナを踊らせてくれたら、最後の「パーフェクト」というセリフも、もう少し迫力を持ったのかもしれない、と思う。  ナタリー・ポートマンが頑張ったとかとは別の話で、もっと美しい白鳥と黒鳥のバレエを観たかった。それにつきる。残念です。
[DVD(吹替)] 4点(2012-07-30 22:24:29)(良:4票)
2.  デビルマン
脚本も演技も学芸会です。ちょっと金をかけてCGに凝った映画を作ったぜ!あの『デビルマン』だぜ。学年一のイケメンを主役にしたぜ。これで学園祭はもらったぜ!そんなノリで、くらくら目眩がする作品になっています。いや、作り手側の熱意があるかないかを比べたら、これは学芸会以下の映画と言えるでしょう。 長所を一生懸命さがしたけれど、ひとつも見つかりませんでした。ホントーーーにひとっつもないんです!これは、凄いことです。 なんだかね、「そこそこお金になるくらいファンがついてて、映画化できる作品はないか?あ、デビルマンがあったね~。それ、いっちゃおう。残酷シーンも結構あるし、受けるかも。今はCGで何だって出来るんだからさ」そんな感じで作ったようにしか思えません。 この映画は、一体何のために作られたのでしょう?  原作の深遠なテーマはまったく伝えられず、ただ表面的なエピソードを詰め込んで、演技ってナニ?というレベルの、顔だけビジュアル系で貧相な体格の男の子たちにコスプレさせてみたってだけではないすか。 これなら、ふたりがタイマン勝負すればいいだけの話。デーモンだのデビルマンだのはオマケになってしまってる。 作品に対する愛は?プロとして仕事をするという誇りは?なんにもないなんて、そんなの哀しすぎる~。よって、初めての0点を献上いたします。
0点(2004-11-14 14:39:56)(良:4票)
3.  ゴーン・ガール 《ネタバレ》 
「エイミー」という人間の存在価値は、彼女が産まれる前からすでに決まっていたワケで。そんな重いものを背負い、それを肯定し利用して社会の中で「選ばれた人間」として生きてきた彼女に、ちょっと上昇志向があるだけの平凡なイケメン男がかなうわけがない。  エイミーは、自分を愛する事を止め、無職のクズ男に堕落して自分を失望させ、自分の人生をメチャクチャにした夫を、許さない。自分の人生をかけて破滅させようとする。あまりにも激しい完璧主義者の愛情の裏返しに、観ているこっちはビックリだ。 そして一転。 夫がTVで自分あてに「愛している」と熱烈なメッセージを贈ったことで、理想通りの完璧な夫婦像を作ることが出来る、夫は逃げられずに必ず協力するはず、と形勢が変わったと見るや、殺人すらいとわずに夫の元へ帰る。 夫が自分を内心で憎み恐れていようが、そんな事は彼女に関係ない。エイミーにとって一番大切なのは社会的な形。世間から理想の夫婦として見られること。そのためには、夫だけでなく子どもすら利用する。だって自分もそうやって親に利用されてきたんだし。「結婚ってそういうものでしょ?」 ある意味サイコ? エイミーの平凡な容姿や知性、落ち着いた物腰がそうは見せないが、中身は多分サイコパスすれすれ。そんなエイミーを生み出したのは、彼女の親と世の中である、という所がなんとも言えない。 まああそこまで行かなくとも、エイミーと同じ価値観で生きている人間は多い。夫の剛腕弁護士もエイミーと同じタイプだからこそ、エイミーが帰ってきた現状をハッピーと片づけ、「彼女を怒らせるな」と忠告して去って行ったわけで。夫がこの弁護士のようなタイプだったら、エイミーともっと上手くやれただろう。実情がどうであろうと対外的に仲良し夫婦を装えた。しかしそういう男ではなかったからこそ、エイミーは彼と恋に堕ち、結婚までしてしまったのだ。夫にそこまでの能力がなかっただけかもしれないが。まあ、人の心はなかなかうまく行かない。  観ている側によけいな情報を与えず、ぐいぐい引き込んでいく脚本はスバラシイ。話の行方がどう展開していくのか、結末がどうなるのか、観終わるまでわからないなんて久々の映画。後味はあまりよくないですが、面白かった。…にも関わらずこの点数なのは、登場人物に魅力がないのと共感できないのと「一度見たらもういいや」と思ってしまうため。バッドエンドにしても、一面の真実みたいなものを感じさせてほしかったな。
[DVD(字幕)] 6点(2016-05-20 21:08:41)(良:2票)
4.  レッド・ドラゴン(2002)
見終わった直後の感想が「久々に美男・美女が一人も出てない映画を見たなぁ~」で、私も堕落したもんです(笑)。ほんとのとこE.ノートンてどーなんでしょう?カッコイイスか?彼。私は序盤のレクター逮捕云々のシーンで「あ~、この人(ノートン)がレクターさんに殺されて死んで、もっとカッコイイ人が主役で登場するんだな」と思ったくらい、ビジュアルに問題を感じました。ごめんよぅ、ノートン。演技はうまいんだが‥‥あの”なで肩”がイカン!ジャコメッティの針金彫刻じゃーないんだから!「モーリス」じゃないんだから!(怒) はぁはぁ。‥‥失礼しました。映画自体は普通に面白かったけど、「羊たちの~」のハラハラはないし「ハンニバル」のグログロもなく、前2作に比べるとインパクト弱し。レイフ・ファインズはよかったです。彼のほうがノートンよりステキと言ったら、友人に「あんたは筋肉好きだもんね」と問題発言されました。違います、役者の持つ雰囲気とイメージに対する好みなんです、と今ごろですが反論したい。
6点(2003-12-03 00:39:56)(笑:2票)
5.  ヒルズ・ハブ・アイズ 《ネタバレ》 
しまった。面白かった。 「サランドラ」は観ていないのですが、元核実験場の砂漠に隠れ住む食人鬼一家が旅人を襲っては食べちゃう、というストーリーを忠実にリメイクしたのが、本作。 なので、ナゼ <放射能によって奇形になった ←→ 人を襲って食べる>がリンクしちゃってるの?という謎をつついても、しょうがナイ。リメイクだから(苦笑)。 でも、面白かった。 アジャ監督の力量でしょうか。前半、獲物として誘い込まれた一家がメタメタにやられていくのですが、その演出の容赦のなさ・スピード感によって、どんどん作品のテンションが上がっていきます。 強いものから次々に殺され、残ったのは、たよりないティーンの姉弟と優男のムコ殿。え~コレどうなんの?と思わせるのが上手。 キャラクターの設定もいい。 元警官のマッチョ舅にバカにされるムコ役の、アーロン・スタンフォードが特によかった。 髭・メガネ・ちょいロン毛・携帯関係のお仕事という、理系で優しくて穏やかで家庭的な、いかにもな現代の若者が、妻を殺され、子どもを拉致され、極限状態に追い詰められて原始の怒りを目覚めさせていく過程は、非常にみごたえがありました。 理不尽な暴力に対しては、理性も文明も何の役にも立ちゃしない。大切なものを暴力から守りたいと思ったのなら、自分の中に封印した凶暴なものを解放せざるを得ない。そこにホンの少しでもためらいがあったら、負けてしまう。イコール、死。ならば、襲ってくる相手に対して非情にならざるを得ない、むしろ、なるべきなのだ、と。  この映画は、ある日いきなり犯罪に巻き込まれてしまった人が、こんな理不尽で恐ろしい目にあうなんて、ナゼ?!と混乱するのと全く同じ状況を描き、さらに、それに立向かわなくてはならない状況を設定して、そして勝ってみせるところまでを描いてくれました。 よくある「知らない土地に行ったら襲われた系ホラー」であるのに、鑑賞後の後味が非常に良かった。それは、人間の掟を捨て野獣に堕ちて殺し合いをしたのは、もっとも弱くて大切な赤子を守るためだった、から。そしてそれを守りきることができたから。 あらためて、好きだな~アジャ監督。
[DVD(吹替)] 7点(2012-07-05 09:31:00)(良:2票)
6.  黙秘 《ネタバレ》 
邦題をつけた人は悩んだでしょうね~。 原題「ドロレス・クレイボーン」にしたら、入る客も入らんだろう…と考え、頭をひねったに違いありません。  実際に観てみると、この作品は「ドロレス・クレイボーン」という映画以外のなにものでもなく、頑張って考えたであろうタイトル「黙秘」は、テーマからやや…いえ、かなりズレています。 この映画は「母と娘」の話ではなく、「娘を思う母」のストーリー。「ドロレス・クレイボーン」の物語なのです。  よくできた映画だけど物足りない、と観る側に思わせてしまうのは、観る側が「ドロレス・クレイボーンの物語」を観に来た、という自覚がないせい。「黙秘」を観に来た観客だからです。 作品「ドロレス・クレイボーン」として観ると、なぜこのシーンでこの見せ方?なぜ曖昧なセリフ回し?なぜここでその撮り方?といった疑問がキレイに払拭されます。 ファーストシーンからラストシーンまで、すべてドロレスの人生、ドロレスの選択、ドロレスの意志を描いているのです。  実はワタクシ、15年以上前にこの作品をレンタルして観ているのですが、その時はドロレスの夫のDVが非常に衝撃的でした。 現在ほどDVや虐待が一般に認知されておらず、「特殊な事」だと思われていた風潮のせいもありますが、ごく普通の田舎の妻が夫から激しいDVを受けたシーンは、とてもリアルで怖かった。 そして、暴力を受けた同じ日のうちに夫に対して命がけの反撃をし、しかし娘にだけは何も知らせないように努力するドロレスに、子を愛する母の強さを見ました。  この作品は、謎解きでもサスペンスでもなく、閉鎖的な地方の男社会の中で生きる中年女性ドロレスを描いたストーリーなのです。 無力な立場にいても、決して無力ではない。たとえ自分の手を血に染めようとも、守るべき大切なものを最後まで守り抜く。 そんな、虐げられる立場のひとりの傑出した女性の物語でした。
[地上波(吹替)] 7点(2013-06-04 22:45:54)(良:2票)
7.  キングコング(1976) 《ネタバレ》 
生まれて初めて映画館で見た映画。 ふつー、漢字も読めない子どもを連れてくかー?と思うが、たぶん親が見たかったんだろうなあ。結果的には字幕が読めなくても充分面白く、ラストでキングコングが死んだ時は、かわいそうで泣いちゃいました。大人になってから「キングコングが可哀想で泣いた」と言うと、「え~?なんで?!」と不思議がられるが、そんなにヘンな事でしょうか‥。
6点(2004-05-20 16:11:57)(良:2票)
8.  モールス 《ネタバレ》 
「わたしが女の子じゃなくても」と言われたら、「え?きみホントは男?」と思うものではないでしょうか。吸血鬼という答えは絶対出てこないと思うのですが。ここは率直に「わたしが人間の女の子じゃなくても」と言うべきでしょう。 「ホントは12歳どころか200歳の吸血鬼」という答えが前提の問いなのでしょうが、この前提にほとんど焦点を当てていないので、象徴的な台詞というより、ピントがズレた台詞という感じがしました。  それと、画面が暗いのがよくない。 せっかく冬で雪が降っているのに、雪すら灰色に汚れているような鬱屈したイメージしか伝わってこない。冬・雪という、ストーリーに重要な小道具を生かせておらず、惜しい。 ホラー色を出そうと頑張ってますが、ホラーじゃないし(全然こわくないもん)。ならば、少年がいじめを受け孤独だろうと、少女がバンパイアだろうと、それとは関係なく自然は美しい。そういう世界を描いた方が、映画の質は上がったのではないでしょうか。  少女バンパイアも、フツーの可愛い女の子が実はバンパイア、という意外性を狙ったのでしょうけど、それもなんだかなぁ…。 200歳も生きてきたバンパイアなら、それらしくミステリアスだったり現代とミスマッチな雰囲気だったりするのではないでしょうか。そして、そういった部分がストーリーの説得力を増し、作品を盛り上げるのではないでしょうか。 クロエで客を惹きたかったのでしょうが、可愛い女の子が裸足で雪の上を歩いていて、バンパイアに変身すると怖いのよ、とこれだけでは…。 無名でも、もっとミステリアスなタイプの女優を使った方がよかったと思います。  ラストも、少年を仲間にするでもなく、新しいシモベ扱い。少年が疲れた老人になったころにまた新しい少年のシモベを探すんでしょうね…としか思えず。 ホラーとしてもラブストーリーとしても、中途半端な作り方でした。残念。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2013-09-17 22:49:43)(良:2票)
9.  ドリームキャッチャー 《ネタバレ》 
よかった!面白かった! 最初から最後まで、ずんずん行くね! これは青春~冒険~ホラー~SF~と、ジャンルを限定せずに心のままに創造したような作品だね。何でもアリでたくさんの楽しめる要素が入っているから、作品を分類して味わいたいタイプの人にはむかないかも。 でも私はこの作品が大好き。キングの中でもかなり好き♪最後のワンシーンまでずっとワクワクさせてくれたよ。 …にしても、数ある宇宙人の中でもこのクリーチャーはイヤだな。ゾンビの方がまだマシなくらい、生理的に気色悪い。絶対憑依…じゃなくて体にとりつかれたくない。シモからくるのって、ヤダよねぇ…トイレなんて超個人的な場所で恐怖を味わいたくないよ。そこら辺もウマイね。さすがスティーブン・キング。
[DVD(吹替)] 8点(2012-02-06 16:51:07)(良:2票)
10.  キャビン 《ネタバレ》 
ヤク中の役のマーティがイケメンすぎるなぁ~と思ってたら、最後まで生き残りました。やはり。あの手の役はもっとブサメンが演じるハズですもんね。 そーゆうトコで先がバレちゃう(笑) あと日本での儀式は仏教系の私立女子小学校らしいのが、ハスの上の蛙に霊を憑依させるオチでわかります。制服も吊プリーツスカートでオカッパだし。なんか昭和~。しかし日本の生贄は9才の処女ばかりのようだが、それでOKなのか?という疑問が(笑) 国によって生贄の条件が違うんですかね。他の国のトライも見たかったです。  ラストは、あれでいい。別に人類だけが生き残る必要はないだろう。 同朋の命を生贄として捧げて生き延びる世界は、まったく人間的ではない、と思うのです。 マーティの言った通り「友達を殺して生き残るより、共に滅びる」ことを選ぶ方が、より人間的だし、動物ではない人間なのだからそうあってほしいのです。  地下深くにいる古の怪物というのは、クトゥルー神話に関係しているのかな。 最後に手が出てきてEND、も見せ方がうまいなぁ~。  死霊のはらわた、キャビン・フィーバー、トゥルーマン・ショー、その他たくさんの名作を観た人たちは、倍楽しめるようになっています。 ホラーではなくパニック・サスペンス、ブラック・コメディのジャンルなのかな。 まったく怖がらせようとはしていません。怖くないけど目が離せずに最後まで行っちゃう。映画としては大成功です。
[DVD(吹替)] 6点(2016-06-02 15:24:58)(良:2票)
11.  アフターショック 《ネタバレ》 
とても良く出来たパニック・ホラーもの。全体的にコメディタッチで味付け、前半で丁寧に人間と人間関係を描き、後半で一気に地獄絵図を描く。 地震後は、ラストまで、気持ちいいくらい容赦ない。この”人物描写の丁寧さ”と”容赦のなさ”が、ロス監督の個性?好み?なのかな。  巨大地震をなんとか生き延びると、そこには脱獄した凶悪犯たちが待っている。善人の振りした殺人犯もいるし、善人すら家族のために人を殺すオソロシイ世界に様変わりしている。まさに天国から地獄。 そんな中でも友人を大切にしたり他人を助けようとする、人間性を失わない、ごく普通に長所短所のある愛すべき主人公グループの面々が、必死で生き延びようと努力する。そりゃあ観る側は、なるべく死なないで欲しい、誰か助かってほしいと思うよね。 そこに、あくまでも丁寧に、情け容赦のないエピソードを次々と展開してみせるロス監督。かなり非道い。まあその非道さ容赦のなさが逆に気持ちいいくらいで、後味が悪くないのが不思議だ。  観てる側に、地震より人間の方が怖いよ!と思わせておいて、最後はやっぱり自然災害の方が怖いよね、というオチでした。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-07-18 08:24:21)(良:1票)
12.  誘う女(1995・米)
雨の中に飛び出して「イヤォ!」とか叫んでミニスカートまくりながら踊るニコールが焼きついてます。可愛いっつーより、コワイ。にしても、ニコールの夢というか野望があまりにも「ちっちぇえ~!」って感じがする。アイドルになりたい日本の中高生レベル?局アナになりたい女子大生レベル?そんなのが幸せなのかね~?と悲しくなる。自分が現代という病におかされているのに気づかず、「これが自分の夢!」とか思い込んでいるニコールの分身は、日本にもそこかしこに大勢いるだろう。現代というか大都会というか文明の中で壊れちゃったような女の子たち。主役もそのひとり。なので彼女のやった事は悪事には違いないが、とても哀れに感じた。 それにしてもニコールは適役!彼女は美人には違いないが、マネキンくさいっつーか、整形くさいっつーか、とても人工的なので、この役はピッタリですね。最後に氷の下に沈められた彼女の顔がキレイなままなのも、現代の病を暗示しているような気がしてならない。
6点(2004-03-21 04:11:28)(良:1票)
13.  ホステル2 《ネタバレ》 
今回の被害者は、女子大学生3人組。 知性を感じさせるクール・ビューティーのベス、グラビアモデルのようなお色気美人のホイットニー、鈍くさくてあか抜けない処女のローナ、という面子。  弱い者イジメが大好きな陰惨な人間には、たまらなく魅力的な設定かと。 ワタシは女性なので、「描き方によっては引くかも…」と覚悟しながら観ましたが、やはり制作総指揮タランティーノ、心配ご無用でした。 他人を苦しめたいという暗い欲望を満足させるのが目的の映画だったら、スナッフ・ビデオと変わりません。そんなセンスのない頭の悪い映画を、タラ&ロス監督が作るワケがなかったです(笑)。  興味深かったのは、自分の「男らしさ」を証明するために殺人をしようとする、2人のアメリカ人。 アメリカ人てのは、本当に「男らしさ」というジェンダーに縛られているのだな~と思いました。 「殺人をする事で英雄になる」という発想は、少年犯罪をおかした頭デッカチの日本人少年らと同レベルで、あまりにも幼稚。 いいトシした中年の白人男が、いつまでも幼稚な縛りから抜けられないでいるっていう所に、アメリカの病理の深さが見えた気がしました。  そんで、その男らしさに拘る気の弱いスチュアートを、ロジャー・バートが演じているのが面白かった。 この人、「ステップフォード・ワイフ」で、男らしさを拒否した魅力的なゲイの役をやっていたのに。ここでは、「俺はヘラクレスのように男らしいのだー!」と吠えてたりして、オカシイ(笑)。  ストーリーは、前作の続きから始まり、キチンとケリが付いたところで、本題に入ります。 タラ監督らしい。細かい部分にも整合性を求め、キャラクターの使い捨てをしない。ハチャメチャに見える映画でも、全てに目を行き届かせている。だから、無茶な展開にも不思議と説得力が出て、面白く観られるのでしょう。映画への愛情が強いんでしょうね…さすが映画オタクです!(笑)  
[DVD(吹替)] 6点(2012-09-06 11:25:39)(良:1票)
14.  コレクター(2012)
「デクスター」でおなじみのジェニファー・カーペンターが出ていたので、観てみた。が、こ、これは…(汗) 王道のサスペンスかと思ったら… どんでん返しのラストで観客を唸らせたろ~としたのが、すべて裏目に出た感じ。 はったつもりの伏線が意味をなしてないし、登場人物たちの関係性が不自然だし、第一犯行の動機や犯人に追従した人間の動機が説明不足で、意外な展開というよりはご都合主義な展開にしか感じられなかった。 そのままオチへ雪崩れていくのだが、不自然さと説明不足のせいで感情移入はまったくできず、ただただ「はぁ、そうスか」としか思えず。  たとえありきたりなストーリーでよくあるサスペンスになったとしても、ラストでどんでん返しをするべきではなかった。意外性を狙ったせいで、映画の質を落としたと思う。 制作側は「ソウ」のような映画を作ってみたい、と思うものなのかもしれないが、それにはクオリティの高い綿密な脚本と俳優陣が不可欠だ。この映画はどれもが中途半端。「実話が元ネタ」と宣言すれば観る側も興味を持ってくれる率が高いわけだが、そーゆう小手先だけじゃダメなんだよな…。才能があってなおかつ職人気質の監督でも連れてこない事には難しいのではないかな。俳優たちも皆上手に演じてはいるものの、心理的な奥行きがない。…まぁこれは脚本の問題かもしれないが。  それにしても、これは毎回思う事なのだが、「実話が元ネタ系映画」を作るのなら、実際の事件のショッキング部分だけを描写するのではなく、実話ではかなわなかった犯罪の全貌や犯人の心の闇や被害者の心の傷をこそ描くべきではないのか? ショッキングな部分を野次馬的に取り上げ大げさに描写することは、事件にかかわった人たちの心を傷つけるだけではないのか。 物語を作る側として、それはあまりにも金儲けに走り過ぎではないのか。  そういった自覚と反省を持って作ってもらいたいのだが…。それがかなわないのなら「実話をもとにした」などと一切書かない事だ。それが作品を作る人間としての矜持だと思う。 大いに反省していただきたい。…無理だと思うけど。
[DVD(字幕)] 4点(2015-12-09 22:19:46)(良:1票)
15.  鳥(1963)
終わった時、隣で相棒くんが「えっ?これで終わり?!」とショックを受けてました。 「あ~。うん、これ、パニックものだから」と答えましたが、確かに大人になってから観たら、消化不良というか物足りないかもしれませんね。 私自身は子どもの頃にTVで観たので、「へー、外国では鳥って人を襲うんだぁ。怖いんだなぁ」という間違った知識を身に付けて終わりましたが。 今観ると、劇中の人々の反応や対策・動作がスローモーで、非常事態だってわかってるのか?とちょっとイラつきました。 「昔の人って、のんびりしていたんだなぁ」と、これも間違った知識(の様な気がします)を身に付けて終わったのでした。
5点(2004-08-10 19:51:33)(笑:1票)
16.  ストレンジャーズ/戦慄の訪問者
「実話に基づく不条理系ホラー作品」だって知らなかったせいか、観ている最中はそれなりに面白かったです。 なんでしょうか、「現実の未解決事件を題材にした」って言えば何の説明も解決もナシでやりっ放しですむからなのか、近年、こーゆう作品多いですよね。  「実話に基づく」を売りにした場合、やり過ぎるとキツイ場面ばかりになって観客が引くしヌル過ぎると観客が退屈するしで、徹底的に極める事が出来ない分作品の完成度が高くならないのが、この「実話に基づく系」の宿命だと思いました。 まあ最初に「実話が元なんだ。観てみようか」という興味を引くから、興行的に失敗することはないでしょうけど。  そーゆう意味でも、リブ・タイラーを起用したのは成功でした。 「正体不明ゼム」みたいにあまり華のない女優・俳優だと、画面が退屈だわ感情移入もできないわで、大してドキドキもせず終わっちゃいますから。でも「実話に基づく」を強調したい場合は、その方がリアリティがあるのでしょうけど。でもでも、やっぱり映画ですから、お金を払ってでも観たいと思わせるものがなくちゃーいけません。なので、この作品は彼女で成功したようなものかも。  観た後、トマス・H・クックの「七つの丘のある街」を思い出しました。実際の事件で逮捕後に法廷も開かれたけれど、結局犯人たちの犯罪理由に納得できる「なぜ」はありませんでした…。犯人たちの証言もなにが本当で嘘なのかわからない。「リアル」の限界です。それが現実なのだから、映画でくらい、人が求める解答を作って見せてくれてもいいのに、というのが私の本音です。残念。
[DVD(吹替)] 6点(2014-12-28 15:53:43)(良:1票)
17.  キル・ビル Vol.1(日本版) 《ネタバレ》 
監督、楽しそうですね!監督、のっちゃってますね!あんまり監督がノリノリなんで、こっちは追いつくのが大変です。 とにかくタラ監督が楽しんで作ってるのはわかった。監督の楽しさの五分の一くらいは共有できたと思う。たぶん。 後半は笑いをこらえすぎて腹筋が痛かったです。栗山千明。いいですね。スケバン刑事かと思いました。なんですか、あの「彼女は若さを凶暴さで補い‥」ってモノローグは。補えんのかよ! アニメは長すぎ。アニメの過去のオーレンは日本語ペラペラなのに、成長したオーレンは日本語忘れちゃったようでカタコト。主役ともども、あの程度ならいっそ英語オンリーの方がよかったのではないか。なんか無駄にマヌケなんだよね。 あとジャパニーズギャングは勘弁してください。どう見てもあれはヤクザでなく日本刀を持ったチャイニーズマフィア。階段律儀に降りないように。
6点(2003-11-15 00:13:40)(笑:1票)
18.  ヒストリー・オブ・バイオレンス
「悪い仲間から足ぬけするのは大変だ!!」…という映画。  たとえ行方をくらまし名前を変え別の人間として生きても、何かで見つかったら一巻の終わり。 スッキリ生まれ変わるためには、悪い仲間たちを皆殺しにするしかないらしい。  「ゴルゴ13か?!」というような殺し屋っぷりが不自然な気もしたが、あまりにも殺人機械として優秀だったからこそ自暴自棄になり残虐行為に走り、そんな自分の人生に絶望したのかもしれない……と、想像させるものがヴィゴ・モーテンセンにはある。 生まれた場所がギャング一家という「暴力から逃れられない運命」を振り捨てるには、別人になるしかなかったのだろう。  彼が何も言わなくとも、生まれ変わった彼が作った彼の家族たちはそれを知っている。 彼がギャングであろうとも、本質的にはどんな人間か。 わかっていても受け入れがたいのが、平和や愛を尊ぶ人間だろう。  一度入ったら足ぬけするのは大変なので、悪い仲間とはかかわらないのが一番ですね…。  それにしても、マリア・ペロは美人なのにセクシーじゃないなぁ。(褒めてる) 普通に色気はあるんだけど、持ち味が理知的というのか、女性にも好かれるタイプだと思った。 無駄に色気のあるヴィゴとはいい組み合わせですね。
[DVD(吹替)] 5点(2017-10-13 17:20:03)(良:1票)
19.  インソムニア 《ネタバレ》 
あっさりした映画でした。 何年かしたら、内容をスッキリ忘れているような。  キャストが豪華なのですが、それもそのはず、キャストでもっている映画。 というより、アル・パチーノでもっただけ。 そう、悪を憎み犯罪を憎んだあまり、違法行為までしてしまった老刑事、という役はパチーノにピッタリ。 故意か過失か、同僚刑事を射殺してしまった衝撃、良心の苦しみ、罪の呵責、憎むべき犯罪者に自分がなってしまった悔恨、すべてが押し寄せて不眠症に陥り、苦しみにがんじがらめになった上、かつての自分の捜査法で追い詰められていく人間。そういった全てを、パチーノは演じきってくれては、いる。いるのだが…。  ロビン・ウィリアムズが、もう少し殺人者の凄みを見せてくれれば、よかったのか? 初めて姿を現した時から、事情聴衆をされている時、女刑事を殺そうとしてパチーノと格闘するラストまで、ずーっと変わらぬロビンさん。 一本調子というのか、殺人者の顔も表の作家の顔も同じ演技なのが、非常に残念。  何故こんなにアッサリしてしまったのか、ストーリーもそれなりなのに、監督がいまいち上手く料理できなかったのか?役者の力量によりかかって、セオリー通りのやり方をしてしまったのが敗因か。  ラストは、老刑事役をパチーノが演じた以上、ああならざるを得ない。 オリジナルは未見ですが、ロスに無事に帰っちゃうらしいですね。ロスでもずーっと不眠症ならOKですが、スヤスヤ寝てたらあまりよろしくないラストだと思うんで、こっちの結末の方がよかったのかもしれない。  あまり触れられてませんが、ヒラリー・スワンクもよかったです。真実を突き止めようと奮闘する刑事役は、戦う目を持つ彼女にはピッタリでした。  パチーノの得意分野で、久々に真骨頂を見せていただきました。そこは、非常に満足です。
[DVD(吹替)] 5点(2012-11-03 01:54:43)(良:1票)
20.  スリープウォーカーズ 《ネタバレ》 
スティーブン・キングが墓場の管理人やってるー、とか KY警官が被害者宅でゆでトウモロコシを山のように食べてるー、とか おとぼけ系の笑いを入れてなんとか作品全体のしょーもなさ・ショボさを誤魔化そうとしているのですが、見事に失敗。  猫とハーフの吸血鬼と言われましても…まったくピンとこない。なんで弱点が猫? 「そうだ!十字架や日の光は平気だけれど動物が弱点の吸血鬼って、おもしろくないか?!猫なんてどうだ!!」 と思いついてテキトーに書いたんじゃないのか、S.キング。  多数の猫が出演してますが、どの猫も個性がなく普通の猫なので意味を感じないし、怖くもない。黒猫とか効果的に使えばいいのに…と思ったが、映画で動物に演技させるのはヒジョーに大変&お金がかかるので、あきらめたのか。 みなさんケガして流血するわりには、吸血鬼は血を吸わないし。精気(エナジー)とか言って口から青いCG吸われると、インチキ臭さに拍車がかかって観るのがますますツライ…。 母と息子で近親相姦、というインモラルな設定も上滑り。息子役がいまいちというのもあるが、一番はモンスターの造詣がショボすぎるからではなかろうか。 育ちきったETみたいなモンスターじゃ、怖くないです。気持ち悪くもないし、笑えもしない、これだったら出さない方がマシ。  ストーリーも盛り上がりがなく、ホラーにもブラック・コメディにもなれなくて中途半端。 どうせなら、ヒロインからサクッと精気をもらってさっさと次の街へ移動、また獲物を見つけてサクッと…とロードムービー風にして、その途中でひょんな事から破滅への道を転がり落ちるように…等々、もっとスピーディーに展開させたが方がよかったと思うなぁ。予算の関係で無理だったのかなぁ。 なんか墓場で普通の女子であるヒロインに、きゃーとか言って反撃されて逃げられるって、吸血鬼としてどうなのか。その後で警官とヒロインに大けがさせられ、しまいには猫ちゃんにひっかかれて重傷に…って、残念すぎる。 あの程度のトラブルを収められなくてよくまあ今まで吸血鬼やって来れたもんだ、とため息出ちゃいましたよ。  まあ天才にも駄作はある。特にキングには結構ある。 間違いなくこの作品もその一つ。なので、点数はこれで精一杯。残念。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2013-11-25 15:34:56)(笑:1票)

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