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1.  L.A.コンフィデンシャル 《ネタバレ》 
主要人物のキャラクターがそれぞれしっかり描かれているのね。これがまず、特筆すべき点であり、おもしろいのよ。出てくる人間がどれもこれも清廉潔白な人がひとりもいないのがこの作品のよいところ。事件の真相解明は二の次。殺人事件を発端に、怪しい人間模様が次第に明らかとなることに尽きると思う。 何人かの方がおっしゃっているように、一回見ただけではわかりにくいわよね、なにしろエドにバドにバズだもの。でもラッセルとスペイシーの見分けがつかなかったというご意見が多いのには正直驚きました。だって前頭部の生え際を見れば歴然とその違いがわかるはずだもの。 警察、ショービジネス界、実業家・・・ここでは天使の街の裏の世界が舞台だ。クラシックなムードが漂う50年代のL.A.が魅力的です。短く刈りあがった男たちのうなじも清潔で魅力的だ。 いつも怒ってるラッセル・クロウのキレ具合がすごい。でも「ヴェロニカに似てると言わないのはあなただけよ」というリンに「君のほうがきれいだ」なんて溶けそうなことを言う憎いやつだ。そしてケヴィン・スペイシー。上手いっ!感動ものの上手さです。その表情の素晴らしさ、巧みさ。顔のいろんな筋肉の使い具合というのかしら、ちょっとした目、口の動きで全てを表現してしまう。あの死に際の演技は芸術です。 どことなく俳優たちのまわり、背景に倦怠、退廃的な雰囲気を漂わせた、サスペンスというよりもハードボイルドな群像劇のような印象をうけました。 何回観たかわかんない映画、とにかくこの作品のラッセルは最高です。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2003-11-08 13:17:59)(笑:2票) (良:3票)
2.  ミスティック・リバー 《ネタバレ》 
これは怒りと暴力の連鎖、それに関わる人々が非常にリアルに描かれていると感じる。癒えることなく血を流し続けるキズを持ちながら必死でそれに耐え、平静を装っているデイヴ。ジミーとショーンにとってはデイヴのその存在自体が重荷だったのでしょう。セレステは全てを予想し、告白する相手にジミーを選ぶ。アナベスは自分にジミーに言いきかせ、間違ってはいないと思い込むことで自分と家族を守る。毎月の500ドルの送金のために父親のことを諦めざるをえないあの一家。ラスト近くデイヴから開放されたかのように妻からの電話に初めて謝罪の言葉を口にするショーン。これらは自分はこうはなりたくない、なるまいと思いながらも、何かがきっかけとなって誰でもそうなりえる現実なのだと思う。同情はできないが娘を殺され、ショーンが語る納得できそうにない自白内容を受け入れるしかないジミー。アナベスの「あなたにはあと二人娘がいるのよ」という言葉からも想像できる義理の娘との確執。その娘がいなくなったことで自分と実の娘たちでジミーを独占できる満足感があの独善的な言葉となったように思う。デイヴがケイティ殺しの犯人と思い込んだセレステはそれを世間に知られることを最も恐れたのだろう。イーストウッド監督はこのような表には出にくい人の業を淡々と映し出していく。正義はないけれど深い作品です。しかし車で連れ去られた25年前と同じ光景は痛すぎる。忌まわしい過去の上に殺人者となってしまったことを抱え、救われることなく葬られたデイヴがなんとも痛ましく涙が出ました。一見平穏を取り戻したかのようなラスト、しかし何も解決はしていない。またしても臭いものに蓋をしてしまった人々。怒りと暴力の連鎖はデイヴの息子マイケルに繋がっていくのでしょう。決して忘れることなどできない不幸を忘れるんだ、忘れなさいと無かったこととして無理やり封じ込めることの不条理、恐ろしさを感じる。アナベスのあの言葉が象徴的です。ティム・ロビンスは秀逸。ショーン・ペンはハマリ役ですね。マーシャ・ゲイ・ハーデンのオドオドとした歯がゆい演技とパレードのシーンでローラ・リニーが見せたあの目、表情が凄い。ケヴィン・ベーコンが初めてシブく、かっこよく見えましたねえ。そして「グラディエーター」「アンブレイカブル」の大っ嫌いな子役のあの子。最初に出てきた時にイヤな予感がした。
[映画館(字幕)] 10点(2004-03-13 01:24:59)(良:4票)
3.  ノッティングヒルの恋人 《ネタバレ》 
ラブコメですからね、ヒューとジュリアが結ばれることは観る前からわかっていること。この作品は英国の俳優たちがいい。みんな個性的。そしてイギリスらしいさりげなく皮肉でブラックなユーモアがいいです。ジュリアはハリウッドの女優の中でもまさにハリウッドが好むタイプなのでこの役にはぴったりだし、ハンサムだけどいつまでたってもどことなくドンくさいヒューも”インディ・ジョーンズ似の男に妻を寝取られた”本屋がハマっている。結果はハッピー・エンドに決まっているのだからそれまでのシチュエーションを楽しみたい。ジュリアも交えた友人たちとの食事シーン。最後のブラウニーを賭けてそれぞれが自分の不幸を競い合う。一番好きなシーンです。ヒューの店にひやかしに入るのを習慣にしているような客。ジュリアとデミを間違える店員。ヒューがジュリアと大事な話をしているところへ足を患っているらしい母が「昨日より足が黒ずんできた」と電話をかけてきたり、粋な計らいをするホテルの支配人。そしてリス・エヴァンス!ラスト近く、なぜ友人のひとりが車イスの設定なのかがわかる。結構細かいところまで演出されていると思うのだけどなあ。しかしアメリカから突然やってきたジュリアの彼氏がハリウッドのフェロモン兄弟の長男アレック・ボールドウィンなのが笑えた。
8点(2003-12-03 01:09:59)(良:3票)
4.  普通の人々 《ネタバレ》 
今回が初見のこの作品、思春期の息子と娘を持つ身になった今観てよかったです。はた目には幸せそうなこの家族は、最初から危うさのある家族だったような気がします。長男の死でそれが露呈したのでしょう。家族の関係の希薄さを感じました。長男の死から時が止まってしまっている母親、息子の葬儀で夫のシャツの色を気にするこの母親の愛情は本当の愛情と呼べるものなのか、ということをいちばん強く感じた。優秀で華やかだった長男は自分の成功を象徴する、虚栄心を満足させる存在であったのかもしれない。家族の再生を願う夫の意見にも耳をかさない、かたくななこの母親の生い立ち、境遇に何かあるようにも思う。実際、祖母が「厳しくすればいいのよ」と言い放つ。兄の死に責任を感じ、苦しむコンラッドを癒したのが医者であり、ガールフレンドという他人であるというのが寂しい、コンラッドがあまりにも可哀相。それでも母親に精一杯の愛情表現を見せるも母親は家を出て行ってしまう。何かを見出した夫と息子に対し、何も見出せずにいる母親。自分の望むとおりにしてくれていた夫がそうではなくなった時、居場所が無くなってしまった。彼女もまた、どうしていいのかわからず苦しんでいるのだ。ひとつ乗り越えることのできた夫と息子の待つ家にいつか帰ってきてほしいと、ラストシーンを見ながら願ったのでした。細かな描写で本当に丁寧な作品、厳しいけれど暖かいものを感じました。
10点(2004-11-01 09:03:42)(良:3票)
5.  ラブ・アクチュアリー 《ネタバレ》 
すべてのエピソードがハッピーエンドばかりじゃないのがよいです。そしてそのエピソードのひとつひとつがわりと現実的なのね。だから共感するところが多いわけです。これがこの作品のウリでもあるのでしょうね。一応ひとくぎりはついたけど、さあ、これからだぞ!という期待と不安のまざったようなラストの雰囲気もいいです。冒頭のヒュー・グラントのナレーション、これがこの作品のテーマですね。ラブ・コメというより、ほろ苦くユーモアありのヒューマン・コメディといったほうがあっているように思う。特に落ちめの中年ロッカーを演じたビル・ナイの存在が光っている。作品に絶妙なアクセントをつけていると思います。オープニングに彼のレコーディングシーンを持ってきたのも大成功ですね。一番泣けたのは親友と結婚したジュリエットを密かに想うマーク。最初彼はゲイで親友ピーターに片思いしていると思ってました。ビデオを観てキーラ・ナイトレイと共に、マークの気持ちがわかる。この演出は見事。アラン・リックマンが優柔不断なダメ男というのも意外で、愛しく感じました。ああいう中年のおじ様はモテるでしょうね。ヒューは英国首相になってもダメ男ね。ビリー・ボブに敵意まるだしになるきっかけが女絡みというのが笑える。記憶違いかもしれないけどエマ・トンプソンはヒューの妹という設定だったようだけど、これなんかヘン。姉なら納得します。ムッツリ顔が多いコリン・ファースのあの笑顔も最高!!彼はまたしても寝取られましたな。この作品は脚本、監督のリチャード・カーティスのいろんな想いがこめられているように感じました。マイナス1はクリスマスシーズンに公開してくれなかったから。
[映画館(字幕)] 9点(2004-02-16 01:45:27)(良:3票)
6.  アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル 《ネタバレ》 
あの襲撃事件もオリンピックの演技中に泣きながら片足上げて審査員になにか訴えていたのもおぼえています。お笑いのネタにもなりましたねえ。  テンポよく登場人物のキャラもバラエティ豊富で見る前の予想を軽く超えてしまう面白さ。 どう見てもマーゴット・ロビーがやってるよねと思えるシーンもあるスケートシーンが迫力あって圧巻です、カメラワークも素晴らしいと思います。 通り一遍の実録映画ではないですね、多面性があって構成もメリハリがあり退屈しません。 暴力的で粗野でどこいってもトラブルメーカーになるんじゃないかと思える人たちばっかりなんですが、不思議と嫌悪感はなくブラックコメディとして愉しみました。それだけ演出が優れているんじゃないでしょうか。 あの毒母もすごかったけど、マーゴット・ロビーの存在感と演技もかなりのものだと思いますよ、ちょっと彼女への印象が変わりました。アカデミー主演女優賞にノミネートも頷ける、助演で毒母が受賞したけど。 しかしトーニャ・ハーディング、30年近くたって映画になってまたしても話題に。スキャンダラスなことばっかりみたいな人だしスケート界からも追放されてるのに、七転び八起きというか全くヘコタレないのが凄いわ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-11-02 21:58:40)(良:3票)
7.  告発のとき 《ネタバレ》 
はい、私もてっきり軍の不正を暴く内容かと思いました、この邦題を見れば大抵の人はそう思うのでは?しかし上手くない邦題です。 淡々と静かな映画、劇的、衝撃と言えるものがあるわけではないけれどなぜか引き込まれてしまう、こういう視点、描き方をするポール・ハギスってほんとに見せ方のうまい監督さんですねぇ。観終わる頃に何を問題提起してるかわかるようになってるの。 ふっと「フルメタル・ジャケット」を思い浮かべたりしたわね。 時々挟みこまれる動画がなんとなく予感させるしハンクも何かを感じとっていたとしか思えないんだけれど、信じたくないでしょう、親ならね。だから余計に真実を知りたかったのかもしれない 戦地から泣きながら電話をかけてきた息子の「異変」に気付かず「しっかりしろ」と応えたシーンがいちばんズキンときてしまいました。 「仲間同士はあり得ない」「息子に限ってあるはずない」と息子の死の真相を追究することでそれまでの信念、信頼、価値観が崩壊してしまった元軍人の父親を演じたトミーリー・ジョーンズは名演でした。 息子から送られた小包の中身が非常に気になったけど、ラストでそれが国旗と仲間との写真という全く正常なモノだったことにほっとするけど、手を差し伸べていれば死なずに済んだとも思え、またズキンときます、その国旗を逆さに掲げた父親ハンクの心情がいたたまれませんでした。静かで説得力のある反戦映画だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-10-02 23:23:30)(良:3票)
8.  八日目の蝉 《ネタバレ》 
ここでの評判が良いようなので鑑賞してみました。 実際にあった事件を題材としていると思いました、誘拐ではなく放火して子供だけ死んでしまったというところが違いますが、そこに至るまでが酷似しているの、実在の夫婦も離婚はしなかったですね。私としては信じられないけど。 二人の女からは母性は感じません、女同士の意地です。男は憎くない、しかしお互い向こう側にいる女が憎くてしょうがないんですな。 まずびっくりしたのは秋山家の乱雑さ汚さ、片づけられず清潔な家を維持する能力がなく、初産の生後4か月の子供を家に置いたまま出かけられるという信じがたい神経と思考を持つ女と、無謀にも不倫相手の子供を妊娠し、当たり前のように名前まで決めている、結局中絶を決めたのは自分自身であるのに被害者意識のカタマリの女。避妊は女の責任ですし、そもそも希和子は望んで妊娠したわけですよ。 そういう女二人が奪い合う男とはこんなものです。 結局一人では手に負えずわけのわからんカルト教団に逃げ込む希和子、余るほどの女手があったから子供は無事育った。 実母も希和子も子供のことよりも自分が優先、誘拐も逃亡も完全に希和子のエゴだし、潜在的な復讐ですよ。公判での「感謝しています」とは恵津子への嫌味のなにものでもないわね。この期に及んでよく言えたわね、盗人猛々しいとはこのことですよ。 業の深い二人の女の憎しみが基盤の中で生まれ育ち、布団敷きっぱなしの雑然とした部屋に住み、不倫相手の子供を妊娠する恵里菜、実母と希和子をしっかり受け継いでしまった。 しかし千草の登場がきっかけとなり、恵里菜が自分の過去と向き合い、そこから解放されるという成長ものだと思います。八日目の蝉とは恵里菜のことだと思いました。 しかし負の連鎖はまだ続く、過去に恵里菜にすがる千草、二人でエンジェルホームしないことを願いながら観終わりました。 えーっと、希和子に同情がいくようなキャスティング、演出でテーマが見えにくくなっていると思います、ここが大きなマイナスです。 
[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-07-25 12:25:56)(良:2票)
9.  ブリジット・ジョーンズの日記
まず、この作品は主演レネー・ゼルウィガーとなっているけど、すくなくとも監督、原作者にとってはマーク・ダーシーを演じたコリン・ファースのための作品ですね。コリンをいかにかっこよく素敵に撮るか、ということにチカラが入っているように思えます。逆にレネーとヒューはこれでもかと、思いっきり滑稽に描かれてます。ドラマ「高慢と偏見」のミスター・ダーシー役でイギリスで大ブレイクしたコリン。それが基となっている作品ですから、当然といえば当然ですね。コリンはこの作品で確実にキャリアアップしました。ファンにとってはうれしいこってす。なんといいますか、アブノーマルな雰囲気を漂わせているのがいいですね。ブリジット、マーク、ダニエルの3人の関係はやっぱりマークの存在が大きいと思う。ブリジットのような女性に対し、「こんな女!!」的なご意見も多数あるとは思いますが、彼女のように平凡でこれといって人より飛びぬけたものもない、でも正直で善良という人は世の中で日のめを見ることはいち番少ないけれど、人口的には最も多いタイプなんじゃないかな?ブリジットのいいところはヘンにつっぱって、鎧をつけてないところね。外ではぴしっとスキなく「デキる女」でも、例えば家の中のあちこちにホコリをため、レトルト食品に頼り、盛大にゴミを出すとか、30過ぎても食費も入れず、親のスネをかじっている独身女よりブリジットのほうがなんぼかマシ。マークもダニエルもいわゆる「高嶺の花」を手に入れられる割合の多い環境にいるにも関わらず、ブリジットを選んだのは自然体の彼女の前ではアレコレ気を使うことなくリラックスできる相手だからじゃないかなあ。続編「The Edge of Reason」の公開は冬になるのかな?今から楽しみです。またまた、コリンとヒューのへっぴり腰の取っ組み合いが見られそうです。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2003-11-06 19:54:22)(良:2票)
10.  アメリカン・ビューティー
ここに出てくる対照的な二組の家族は極端に描かれてはいましたけど、もはやアメリカだけの問題ではないですね。人間にとって基本となる基盤となる最小組織である家族が機能していない、すでに崩壊してしまっているのですね。表向きは両親と子、住みごこ地のよさそうな小ぎれいなマイ・ホーム。しかしそこに住む人間たちは無気力な夫と見栄っ張りな妻。国粋かぶれの暴君の夫と自己主張できない妻。そしてその娘と息子はこの夫婦の子ならこうなるだろうなあと、妙に納得してしまいました。その現状に疑問を持っているのがレスターとクリス・クーパーの妻。知らず知らず「こうすることが普通、幸福」と信じきっているより、何か違うと疑問を持つことの方が正常のような気がする。登場人物の中でいちばん屈託無く、表と裏を感じることなく、自然体で幸福そうなのはゲイのカップルだった。このあたりがかなり皮肉ですね。何かに目覚めたようにレスターがトレーニングを開始するあたり、それまでとうって変わってギラギラしてくるのが可笑しくもあり、突き刺さってくるものがある。忘れていた情熱ですかね、ファンタジーといってもいい。けれど現実に気づき一気に我にかえる。もうね、リアル過ぎて辛くなってくるの。 クーパーの妻は息子を父親から離すことを選ぶ。けれどあの娘と息子はラスト、レスターのあの姿を見ても悲鳴ひとつあげず、淡々と珍しいものを見るような態度である。この子らもかなりの重症だ。この感覚が子孫へ受け継がれていくかもしれないと思うと恐ろしい。20世紀はひたすら物質欲を追求した時代だったように感じる。21世紀は精神性を追求する時代になることを望む。 タイトルの「アメリカン・ビューティー」これはアメリカ作出のバラの名前です。一般的にバラといって思い浮かぶものは改良に改良を重ねた品種でしょう、美しいけれど本来の姿ではないのです。見せかけの美しさ、美しさのために無理をしていると言ってもいいかもしれません、そんな意味がこのタイトルにはあると私は勝手に解釈しています、自分でも気づかない闇、病んでいる部分をリアルに描いたシニカルコメディ、人ごとじゃありませんね。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2003-11-24 00:03:25)(良:2票)
11.  ストレンジャー・ザン・パラダイス
あのカラカラに乾いた雰囲気と、エヴァの素っ気無い態度がメチャメチャ好きです。面倒くさそうにしながらも、いとこのエヴァにワンピースを買ってきたり、ひとり歩きは危ないと心配したりするウィリーのキャラもいい。なにをするにもどこへ行ってもニコリともしない彼らを遠くから写すモノクロの映像も美しい。沈黙ばかりのシーンなのになぜかプっと小さく吹き出してしまうところがいくつかあるのよね。こんな感覚の映画は初めてでした。ジョン・ルーリーの歩き方がいいわ。
9点(2004-09-17 15:18:12)(良:2票)
12.  ボブという名の猫 幸せのハイタッチ
ホームレス、更生中ジャンキーが主人公とくれば暗い悲惨系映画が多いけど、 一匹の猫が登場することでほのぼの、ハッピーな映画になってる。 そもそもイギリス映画は悲惨系でもどこかユーモラスでペーソスあふれる雰囲気の映画に仕上げるのが上手い。  さらにこれが実話ということでファンタジー映画を観た後の「おもしろかったけど、んなことあるわけない」という どこか冷めた気分はなく素直に感動できるとこがいい。 映画に出ている茶トラ猫ボブがタレント猫じゃなくご本人というのがまた感動。 このボブがほんとにおりこうな猫でして、おりこうっていうより映画を観る限り完全な野良じゃなく、 一時期人に飼われていた猫のように思う。少し離れた所から飼い主を見守っているような表情も愛らしい。 初めての場所で大勢の人に囲まれても怖がってパニくることもなく静かに座ってるボブ、何かを悟っているような 肝の据わった猫です。 茶トラ猫ボブがジェームズと出会うまでどんな道のりがあったのかそっちのほうが知りたい、よくぞ生き延びたと そっちに泣ける。動物モノに外れはないね。 猫の方から飼い主に選ばれたジェームズ、飼い主というより一人ぼっちで路上生活を送っていた猫のボブがやはり ひとりぼっちのジェームズを相棒に選んだというほうがいいかも。ボブは結構高齢猫ということで、1日でも長く ジェームズの相棒でいてあげてほしいと思ったのでした。 映画鑑賞後、ウチの2匹の猫を肩の上に乗せたけど嫌がってあっさり逃げていったのでした。私にはジェームズのような 奇跡と思えることが起こるようなことはありません。  追記・・・2020年6月15日ボブが亡くなったということです、自動車事故だったようです。 推定14歳ということで高齢ではあったけど、公開予定の2作目にもボブ本人として出演してるということです、 とても残念です、安らかに 2020/7/11
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-09-04 10:47:32)(良:2票)
13.  ドッグヴィル
映画とひとことでいっても色んなジャンル、タイプがあるわけで、表現の自由っていうある意味やっかいなモノもあるわけで・・・でもあえて言わせてもらうならコレは映画じゃないでしょ、なにも映画にしなくてもどっかの小劇場でやればいいんじゃないの? 「人間の本質」とか「集団」なんでしょうけど、映画にするなら映画らしくしてほしい。 ある程度のキャリアを築いた役者にとっては、是非やってみたいと思う作品なのかもしれないですけど。たぶんニコール・キッドマンが出ていなかったら観る人も減っていたんじゃないかな、だって「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の後だもの(私はあの映像とビョークに耐えられず30分でギブアップしました) ラース・フォントリアーという人、物凄い変わり者のドSなんじゃないの?そして女の私が感じるのは、彼は絶望的に女にモテない人。 この人ってワケあり、薄幸な女をさらに痛めつけどん底に叩きつけるのが好きなの??そんなもの人に見せてどうしたいのよ。コレって続編もあったんじゃない?もういい加減にしてほしい。人間の邪悪で残酷な部分を見せるだけ見せて、だからなんなの?その矛先がいつも女なの、暴力的なセックスをさせるの、なにそれ。人間に対する希望も愛もない、ただただ人間を否定し信じない人に何ができるというのか。 芸術的才能はあっても人間性に疑問有り過ぎと感じる人です。
[CS・衛星(字幕)] 0点(2007-08-26 11:58:29)(良:2票)
14.  狂っちゃいないぜ!
2~3年前に1回見たきりだったので再見してみました。「狂っちゃいないぜ!」という邦題が妙に可笑しいです。二人子持ちにしてはぶっ飛んだ夫婦だしね。なにかに誰かに振り回され、ひとりあたふたとわけわかんなくなって、キレちゃう、バカをやるというジョン・キューザックが大好きなので私はけっこう楽しめました。その気はなくてもなぜか注目を集め、その場をかっさらっちゃう人、デキるやつがいるとやけにライバル意識を持って突っかかっていく人、どっかで見たことあるような光景で笑っちゃいます。いち度に何百人の命を預かるという重い仕事をしているからなのか、あの職場の人たちのノリのよさというのはストレスの裏返しのような気もしましたね。ケイト・ブランシェットが出ていたのはすっかり忘れてました。間がいいしコメディもしっかりこなしちゃうのね。アンジェリーナ・ジョリーの役名がメアリーというのも冗談ぽくていいです。でもラストがちょっと甘すぎかなあ、キツめのジョークでキメてほしかったわね。
7点(2004-10-10 23:01:03)(笑:1票) (良:1票)
15.  フォー・ウェディング
いや、おもしろかった~イギリス製エログロコメディですね。ヒューはハマってるし、彼の友人たちがよいです。イギリスの特にラブコメは恋人の前に友だちありきなのね。その様々な友人たちの様々な事情、個性が作品のスパイス、奥行きになっていますね。ただし、アンディ・マクダウェルのキャラには共感しません!このタイプは完全に女を敵にまわす女ね。クリスティン・スコット・トーマス曰く「アメリカ人よ、ただの尻軽女よ」まさにこれね。徹底的に頭でものを考えないで行動するアメリカ女という描写だったわね。そんな女にひとめ惚れして振り回されるヒューはイギリス男の欠点を総合した男を演じたように思いました。そうだとするとこの作品は相当辛らつね。でもアンディでは軽いアメリカ女の雰囲気は出ないわね。しかし最後までジョークのキツイ作品でした。結婚式、葬式両方のスピーチでもブラックジョークが冴えている。実際、イギリスでは葬式でもジョークが許される、歓迎されるお国柄と聞いたことがあります。ウィットに富む大人の国だからこそなのね。ラストはチャールズ皇太子まで引っ張り出されてましたな。隣にはクリスティン・スコット・トーマスだったけど、ほんとはカミラにしたかったんじゃないの?ダイアナは人気者ですからね「あんた、ダイアナと結婚したんでしょ?それなのにどーゆーつもり?」 って具合。そういやヒューの役名はチャールズね。ウ~ン、意味深な作品です。
8点(2004-01-04 14:18:27)(良:2票)
16.  シンプル・フェイバー 《ネタバレ》 
内容は昔TV放送してた2時間サスペンスドラマによくあったような感じです、 ちょっとコミカルでわちゃわちゃしていて、主人公が素人探偵になって事件を解決するという。 なのでハラハラドキドキもドロドロ愛憎劇もなくあっさり風味。  アナ・ケンドリックがステファニー役にぴったりハマっているし、ステファニーのキャラが映画のスーパーヒロインならではのスキのない完璧さが無いのがいい。 NYの有名アパレルの本社に乗り込む時にしっかりメイクに緩く髪をまとめて、叔母から貰った秘蔵のビンテージもののエルメスのスカーフをリボンに結んでキャリアウーマンに見えるように気合入れましたみたいなの。 確かにあの結び方は今は流行らないし、メイクもヘアスタイルもひと昔前って感じなんです、結婚する前はそれが流行ってたけど、結婚して子育てして外に出る機会が減ると今流行っているものに疎くなったり抵抗を感じるようになったりするもんです。 こういう演出が良いですね。なかなか面白い映画でした。 音楽が特にいいんです、フレンチポップスが全体を軽快でファッショナブルな雰囲気にしてたし、普段のステファニーの衣装もファッショナブルでかわいいです。オープニング、エンディングの映像もレトロ感満載。 特にエンディングのフランス・ギャルの曲に感激しました。アナ・ケンドリックもタイプでいったらフランス・ギャルと同系列ですね、だた彼女を見てたらなぜか川島なお美さんを思い出した次第です。 ラストのその後を語るテロップがまるで実話であるかのようなんですけどアメリカならあっても不思議じゃないですよね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-06-02 12:39:25)(良:2票)
17.  ふたりの女王 メアリーとエリザベス 《ネタバレ》 
シアーシャ・ローナンもマーゴット・ロビーも文句の付けようがない女王振りでした。 史実にわりと忠実なんだろうなとは思うけど、時間の経過がわかりにくいんですよね。メアリーがスコットランドに戻って処刑されるまで20年以上たっていると思うんですが、その時間を感じないところが奥を感じないになってしまうような気がします。よけいに駆け足になってしまうというか。それでもなぜかイングランド王室モノは面白いです、メアリーだらけで混乱するけど。 ところで黒人の臣下とアジア人の侍女ってどうなの? 平等っていうのはわかるのよ、でもいくらなんでも16世紀のイングランド王室でそこまでしなきゃいけないんですかね。 なんかいちばん矛盾を感じるところでした。  エリザベス1世は処刑されたアン・ブーリンの娘、次のイングランド、スコットランドの王がやはり処刑されたメアリーの息子ジェームズ、それ以降現在のエリザベス2世までメアリー・スチュワートの直系だというこの事実が凄いわ。 やったやられたを繰り返すも王座はきちんと継承されているのね。 God Save The Queenだわね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-18 21:48:44)(良:2票)
18.  レッド・エージェント 愛の亡命 《ネタバレ》 
イルサじゃないんだからこの邦題は勘弁してほしい。 スパイだけどスパイ映画じゃないですよ、どっちといったらメロドラマだと思うんですけど。 なので「雪が降るにもかかわらず」になってるんじゃないですかね、もうちょっとマシな邦題つけてください。  カティヤの消息と彼女に何があったのかがサスペンス要素ではあると思いますが、描き方はわりとサラリと浅い。 脚本がよくないんだろうな、キャストも60年代初頭の雰囲気もとてもいいのにもったいないです。 姪のローレンの人物描写も意味がよくわからない部分があって、あれはやめてほしかった。 とにかく、美しすぎるレベッカ・ファーガソンを堪能する映画。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-07-20 11:17:52)(良:2票)
19.  勝手にしやがれ
ああ、やっぱり私ゴダールはダメです、なんじゃこの退屈な映画は。 これははっきりいってゴダールの完璧なイメージ、願望の世界だと思う。しかもそれをダラダラと延々と続けれてはね・・・私はそれに付き合っていられません。ほんとに勝手にしてくれですわ。 流れるジャズは最高にいいけど、この場合映像といっしょになるとこれがわざとらしいことこの上ないと感じてしまった次第です。 「かっこいいと思うやつだけ、わかるやつだけ観てくれればいい」こういう感覚だけはビンビン伝わりました、商業的な映画は低俗とする生粋のフランス人らしくていいんじゃないでしょうか、私も面白くないものは面白くないとはっきり言えていいです
[CS・衛星(字幕)] 1点(2010-08-04 01:23:31)(良:2票)
20.  天国と地獄 《ネタバレ》 
むか~し中学生か高校生の頃に一度観てます、その時は年齢のせいもあるけどあんまり真剣には観てなかった。で、ん十年ぶりに再見しました。 これは無茶苦茶面白い、素晴らしい映画です。 個人的な恨みがあるわけではなく、自分より恵まれていると思われる人間に対する憎悪、でも恵まれていると思うものは表面的なものでしかない。この浅はかさね。 その他、善悪問わず人間の色んな思惑がちりばめられていて興味深いです。 かばんに細工をするシーンは秀逸、劇中の刑事たちだけではなく、観客もあのシーンで権藤さんの人となりを見せられ彼への印象が変わる重要なシーンだと思う。 そしてピンクの煙なんて、当時は衝撃的なシーンだったんだろうなぁ。 印象的なシーンは数限りなくあるけど、焼却所のシーンと花屋ですね、きっちりユーモアもはずしてないの。「誰か花買いに行け!」「あいにく花を買うようなツラはいません!」これは笑いました。張り込みする刑事さんはツイストも踊れないといけない、大変な仕事です。 事件は犯人の極刑確定で解決したわけだけど、だからといって誰も喜んでいないし、それで救われた人がいるわけでもない。犯罪、暴力ってこういうものですね、ラストでそれがいやというほどわかりました。わめき散らす犯人に対してこれといった感情も見せず淡々とした権藤、いかに一方的であったかもわかる。 罵ることも恨みごとも言わない権藤さん、単にそんなことをしてる場合じゃないんですね、犯人に対しても興味ないの。貧富の差は「きっかけ」にすぎず、基は人格、心、精神性の差です。
[CS・衛星(邦画)] 10点(2008-10-19 00:03:01)(良:2票)

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