MAZEさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

スポンサーリンク
プロフィール
口コミ数 105
性別
自己紹介 お久し振りの方、初めましての方、
こんにちは。

只今、写真家として水面下より目立たない所にいます。
新聞に載っても名が売れない写真家…最早、自力で行きます。
新レビューはまだ未定。

ハリポタ見るくらいなら、B級を選ぶ偏屈です!
新作は5年は寝かせます!!

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順12
>> 通常表示
1.  ボーイズ・ドント・クライ
砂糖を軽くすくい上げ、 すり切る。  スプーンの上に残った分がジョン達にとっての「まっとうな人間」なのだ。  じゃあ、切られ、床に落ちた分は何か...  それが、ブランドンなのだ。  どんなに認める人がいようと、愛する人々がいようと...彼らの立場は、まだそんな扱いなのかも知れない。  じゃあ、スプーンの中と床に落ちた砂糖は違うのか?  “同じ”だ。  まったく同じ砂糖。床に落ちようが、払いのけられようが、その甘さに違いはない。  “同じ”成分だ。  悲しいことだが、これは一場面で、今日も世界の何処かで、スプーンの上の砂糖はすり切られる。  残酷すぎる一場面が「ボーイズ・ドント・クライ」だろう。 
7点(2004-11-17 01:47:24)(良:2票)
2.  アンブレイカブル
きっと、あの列車に乗らなければ、彼は息子と何の変哲もない平凡な人生を人並みに送っていただろう。そして、背中合わせの彼も、『ヒーロー』を見出す事が出来なかったら、自分の“空想”に溺れながらガラスの身体を引きずって生きていただろう。この相反する2人に起きた変化は面白い。自分の“力”を受け入れたが、結末の残酷さに打ちひしがれる。望みを叶え、尚かつ自分の過ちに終止符を打つことが出来た。 一本の線上に描かれた劇画の『善』と『悪』...それは、哀しい程型抜きされたハッピーエンドをもたらした。イライジャの真の望みは果たされたのだ。ヒーロー程、割に合わない役はないだろうな。
7点(2004-05-22 17:49:56)(良:2票)
3.  風の谷のナウシカ
ナウシカ派orラピュタ派?と問われる事に非常に抵抗がある。何故、同名監督、作家の作品を評価する上で派閥に分ける必要があるのか...疑問です。同じく、原作と映画はある意味双子であって別人なのだと思っています。 プロットの核になる部分に掛ける監督の並々ならぬ思い入れは強烈ですらあります。むしろ好戦的と言っていいくらい。精神の奥にある感情を叩き起こそうと....その映像化されたものがナウシカ。人間愛の絶対究極の位置にある『自己犠牲』はトールキンも描いているが、本作は更に剥き出しです。この強いメッセージに触れて、拒否反応を起こすか感銘を受けるかは、個人差があるでしょう。監督がナウシカの眼を通して世界を観ているのか、それともナウシカが監督の代弁者なのか....そんな事を考えて恐くなってくる。それ程、壮大..荘厳。
8点(2004-03-22 00:53:25)(良:2票)
4.  さすらい(1976)
先ず、この作品を創ってくれた事、出会えた事に感謝したい。 「さすらい」を観てから、自分の中の“映画を観るスタンス”を改めて軌道修正する切っ掛けになった。本来娯楽である『映画』をどこかで、堅苦しく考えがちだったから。理屈で映画を観るわけではなく、知識が無くては映画を楽しむ事が出来ないわけでもない。“頭で観る”のではなく、『感じる』..これが、この作品を観た事で、甦った。「さすらい」自体もまた、理知的に理解してゆく類の作品ではなく、人間の本来持った自然的な面を受け皿にするべき作品。   序盤から、徐々に身体に染みてくる情景の素晴らしさ。過ぎるミラー越しの風景は不安も希望もモノクロームの色合いに柔らかに織り込まれている様だ。  ブルーノの旅は紙に書かれたコースを巡回すること…最後の映画館を後にすれば、また振り出しへもどる。変化のない歪な円を描く旅路。ロベルトの旅は元いた場所から離れる..逃げること…どんなに離れようとしても、気持ちは足の向く方向とは逆に向いている。 2人は前進しながら、それぞれ前に進もうとはしていない。まるでゴールのない双六だ。 やがて、道は行き止まり..『分岐点』の出現。そして、再び動き始める。糸は一刹那一つに縒り合わさっただけ、元に戻るには程無い。旅は終わることなく、2人の軌跡は交差点を残して伸びてゆく…それは、あてどない行き道のほんの一部でしかない。
9点(2004-05-28 00:35:43)(良:2票)
5.  ディア・ハンター
私が本作のDVDを購入(ほぼ衝動的に)して帰ると、伯父がちょっと意外そうな顔をして私を見ていた。「お前そんなん観るの?」怪訝そうに「何故?」と聞くと「観りゃわかる…」其れが、妙に記憶に残っている。  チミノの描く流麗なダンスシーンは、その後展開する恐ろしい惨劇を全く予期させない。戦場へ向かう仲間達に些かの憂いがあったとしても、そんな物を表に出すことすらタブーの様に馬鹿騒ぎしてみせる。 戦場に立つまでの一時を過ごす彼らには、その生活が一変してしまうかも知れないと云う不安は薄かった…否、同じ様にこれからも皆仲良く連む事が出来る、其れが当たり前..と信じていたのかも知れない。 そう思いながら、あのシーンを回想すると一層悲しくなる。  戦争は全てを変えてしまう。其れが自然であったり、命であったり、友情であったり、形は様々だ。失ってしまうものの大きさは計り知れない。英雄となって街に戻ったマイケルは、親友を失し、ニックは心を失してしまう。再会して、マイケルを認識した瞬間、ニックのこめかみを貫く銃弾…ひたすらショックだった。 感動したか?そんな物ではない。衝撃だったと云うしかない。そして、この作品が米国映画であると云う事に些か驚き、更には腹立たしささえ覚える。観賞後の後味の悪さから言えば、No,1。 第2のベトナム戦争だのと揶揄されているイラクの一件。同じ悲しみを抱える人が少なからず存在する事を、米国大統領に言ってやりたい。言ったところであの偏屈が判るかは甚だ疑問だけど…  未だに「観りゃわかる…」と云った伯父の言葉の真意を確かめていない...。 私自身の中だけで補完してしまう事にする。
9点(2004-06-14 00:24:05)(良:2票)
6.  ザ・ウォッチャー ネタバレ 
熱烈スペイダーFanの為の『スペイダー様鑑賞映画』です(笑)K・リーヴス殆ど見せ場ありません。彼はただの“客寄せパンダ”と化してます(爆)キアヌFanの方、残念です..  率直な感想(?)は一言で「アカン..(大阪風)」何がアカンかと言えば、先ずキャッチコピー「史上最も美しい殺人鬼」嘘書いたらアカン。CAST「キアヌ・リーヴス主演」J・スペイダーが主演では?勝手に変えたらアカン。更にアクション「戦慄と驚愕のアクション・スリラー大作誕生!」って?死に物狂いで走るスペイダーに笑い、スピード感ゼロのカーチェイスに唖然。緊迫感無いのはアカン(泣)   そして肝心のストーリー。何故、元捜査官に執着するのか?発端や理由が全くありません。もっと掘り下げて欲しかった。何故、女性を殺し続けるのか?そのエピソードには全く触れられず消化不良極まりないです。皆さん曰く、本当に中途半端です。あの表情の薄い優男(キアヌ)が猟奇殺人犯を演じたら、さぞ不気味なのだろうと期待した自分を呪いました。「スピード」「マトリックス」の精悍な彼はどこへ?!と思ってしまう程ダブついた躰に無精ヒゲ&清潔感の欠片もないばさばさの頭…殺人鬼の凄味を出そうと努力した成れの果て?でしょうか..凄味も不気味さも感じられません。極めつけは、あのダンス…(オイッ!) 迫力ナシ!見どころナシ!リズム感ナシ(笑)明らかにやる気のないキアヌには、ある意味惨い作品です。
2点(2004-01-25 16:02:08)(笑:2票)
7.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
「結局、何をそんなに期待していたのだろう?」とDVD購入してまで観ている自分に「???」状態(実は特典ディスクのNGシーンが一番面白かった人です/笑)J・デップの大立ち回りには笑いも含みつつ『何でもこなせるカメレオンアクター』を観せて貰い眼福。 ヒロインを射止める主役級な扱いながら、デップにすっかり喰われているO・ブルームの良いところは何処だったのか?K・ナイトレイが想像していた程美しくなかったのも、ちょっとガッカリの材料でしょうか。 やぁーってくれたなっ、ブラッカイマー!と云う事で3点進呈。次からはディズニーと組まないでね。
3点(2004-02-19 23:34:26)(笑:2票)
8.  ひまわり(1970)
男性と女性とでは、感じ方が異なってしまうのかな?とみかん様のレビューに考えさせられました。  ヘンリー・マンシーニの調べと一面のヒマワリ畑…、幸福なアントニオとジョアンナの結婚、戦争に引き裂かれる夫婦。そして再会。後味は「イングリッシュ・ペイシェント」に次いで暗くブルーになります(苦笑)ただ、ジョアンナとアントニオが現在の『家族・愛するべき人』の元に戻る、と云う潔さに救われて思いの外感動できた作品です。     復員して来る夫を待つ妻と、別の女性を愛する事に自責の念を背負う夫は、戦争に傷ついた心を現しているのでしょう。 立派な反戦映画である一方、立派な悲恋の物語でもあります。
8点(2004-02-01 20:33:43)(良:2票)
9.  ストレイト・ストーリー
涙・涙・涙の感動作!ではなく、『ジン』と心に響く作品。老人の言葉や表情などにイチイチ感動している自分に可笑しくなってしまった。心労の多い方、最近忙しい方、是非オススメです。     D・リンチ監督作品-と云う観方ではなく、ただ観て下さい。それだけです。
10点(2004-02-01 14:57:01)(良:2票)
10.  スターゲイト
冒頭はSFロマンを期待できる、なかなかの雰囲気。紛いなりにもプロの手腕を感じられます。心に傷を負い、日々憔悴しきった生活を送るオニール大佐の設定も、少々浅い感があるもその後の展開上、良い味付けだと。頭が切れて好奇心旺盛、だが世渡り下手な、いかにも冷や飯喰らってそうな学者・ジャクソン博士もキャラ立ちとしては秀逸。 定石を踏襲している辺りで他の派手に目を引くSF作品とは違いがある。そんな感触に私個人は評価したいのですが… ストーリーは全体にアメリカ映画なのにどこか、らしくない回りくどさがある。一方で、端折り過ぎて呆気ないエピソードもあり、折角面白い発想なのに活きていないのが非常に残念。 隠れスタゲFANを公言(隠れてないじゃん!)している私としては文句無く10点献上!なんですけどねぇ~、惜しいコトしてます。断腸の思いで7点進呈いたします。
7点(2004-03-22 01:00:45)(良:2票)
11.  パウダー
確かにこの作品には『愛』がないかも知れない。だが、『愛』そのものを直接的にせよ間接的にせよ描いている訳でないとすればどうだろう。 パウダーは生まれ落ちたその日から、『愛』を受けられない。そこに『愛』自体を否定する要素を創り出している。 生長して、ある悲しい事件によって彼の存在が明るみに出る。そこから、外界との接点が強制的に持たれる。ここからが他作(『感動作』と称される作品)との相違。イジメや迫害を受けながらも、心の通う『友達』が出来、そこから麗しい感動劇が繰り広げられる…と言う件を想定している人の眼には、なんとも救いのない作品に映ってしまうだろう。唯一、彼の能力に惹かれ、理解を示そうとする人物はいるも、彼を救う手立てとはならない。これはある意味、人の感情や現実に忠実且つ、素直な作りだと思う。同時に感動を、涙を目的とする作品ではなく、物語を通して観る側が“考える”事を目的としている様にも思える。愛は作品そのものの形とならず、そこから『愛』とはどういうものかを考え、そして自分のものにする。或いは、自分の持つ『愛』を再確認できる―その過程に存在するだけの作品。 ラストの破綻ぶりは自分もガックリ来たが、そこに至るまでに得られたものがある事を評価とします。
7点(2004-05-23 20:56:44)(良:2票)
12.  マーサの幸せレシピ
料理法はまあまあ。味付けはちょっと薄味かな?でも、ダシが利いている(って京料理じゃないんだから・笑)ただ薄味ではなく、女性監督らしい上品なテイストなのです。  ワーカホリックで偏屈な女性シェフ・マーサの元へやって来たものは、彼女自身を映し出す『鏡』。固く閉じた貝の様に心を開かない“小さな自分(リナ)”を困惑しながらも、守ってあげようとするが、マーサには心を解く術が判らない。互いにギクシャクしてゆく過程は何とも苦味が滲んでいます。そんな、マーサの前に現れた彼女とは正反対のシェフ・マリオ。始めは目障りだった彼の存在も、リナに起こるある出来事によって次第に変わって行く。    精神不安定で、頻繁にパントリー(食料庫の事。冷蔵庫ではない)へ逃げ込み必死に感情をコントロールする不器用な彼女に「あ~、わかる」と共感出来た自分は終始マーサの視点で物語を観ていた。 リナが拒んでいた“物”をマリオの演出で受け入れた瞬間は本当に「ありがとう」でしたね(^^)  料理を食べて貰い「おいしい」と云って貰う事が“無上の喜び”となっている私にとって、本作はそれを具現化させた作品。    【プチみかん♪】様にちょっと賛同→マリオとの生活は彼女にとってかなりショッキングな出来事の目白押しでしょうね。嵐(マリオ)が去った後のキッチン見て、ショックのあまり過呼吸発作を起こすくらいの几帳面なマーサですから(笑)    ラストは些か、甘すぎるかも知れませんが、女性的ロマンティシズムが溶け込んだスウィーツと云う事で。  料理は調理~後片付けまでが一括りです。旦那さん(彼氏さん)、サービスデイに奥様(彼女さん)に愛情こもった手料理を作ったら、最後、片付けまでしっかりやりましょうね(^^)  さて、今夜はバジルの薫りが利いた“ニョッキ”でも作ろうか...。
9点(2004-03-22 01:02:55)(良:1票)
13.  パリ、テキサス
砂漠と群青の空…鮮やかなコントラストにひたすらと歩き続ける男があった。その不器用さ故、ただ歩き続け、「パリ」と言う名の目的地を漠然と追う。そして、男は眠らない..何も得られない現の夢を彼は彷徨う。 塀の上に整然と並んだ靴…一つ、また一つと“家族”が持ってゆく。出来た隙間を詰める姿は、必死に記憶と時間の空白を埋め合わせようと藻掻いている様にも感じられる。  …再び近づく親子の心..それは、嵌める事の出来ないパズルの1ピース。スペースを見付けても、周囲と交わる事は叶わない..それこそ4年の歳月が彼に気付かせた新しいピース。 弟夫婦の哀しみは、灯りが鏤められたLAの宵闇の様に重く、胸を刺す。 彼にとっては、約束の地「パリ」は架空の安息でしかないだろう。母子が映る窓をひっそりと眺めて、再び向かうのはやはり、砂漠にポツリと存在する『夢』だろうか..。
9点(2004-05-22 17:52:13)(良:1票)
14.  ぼくの美しい人だから
「プリティ・ウーマン」的なラブロマンスを想像しながら観ると、本作の持つ辛口リアリズムがストーリーを重く感じさせます。  始めはSEXの繋がり、やがて愛に変わり、2人を変えてゆく・・・・・・・次第に輝き出すノーラはとても素敵でした。日々に潤いと幸せが溢れ、自然と笑顔が交わされる……だが、ノーラにとっての不安は一向に払拭されない。些細な出来事で簡単に亀裂が入るのだ。マックスにとっての不安もまた然り。宗教やステータスに縛られ、そのスタンスから離れる事に恐怖めいた物を抱いている。町を離れ、違う生活に付いた様に見えるノーラ。別れた後、今までの生活に戻ってしまったマックス。しかし、2人は確実に変化した物があるのです。それを表すのが再開シーンであるラスト。彼女らの“その後”についての意見は【かーすけ様】に同じく、心配です(笑)紛いなりにも、ハッピーエンドに持ち込んでくれた『平凡なロマンス』の結末は個人的には好感を持ちました。これで、良いのです(?) J・スペイダーはこの作品で、一気に女性ファンを増加させた様ですね(^^)
7点(2004-03-22 01:01:58)(良:1票)
15.  リトル・ダンサー
サクセス・ストーリーと云う物を観て素直に感動できるのは、苦難を打破して成功を掴む主人公に自分を感情移入させ、己の『夢』を劇中の主人公に乗せて昇華させるからだろうか?だとすると、この作品は個人的にかなり自分好みか…(そんな観方しかしてないのでご了承下さいな)自分の将来云々と云う確実な道筋よりも、ちょっと学術的な道に身を置きたがった(失礼な表現だ)時期がある方ならば、この作品へ感じるものがあるでしょう。  取り巻く状況が厳しければ厳しい程、少年の思いはくすむ事がないばかりか、更に強く真っ直ぐになってゆく。その気持ちが家族を、頑固な父親を変える。暖かい、家族と親友の思いはとても暖かい。父親が仲間を裏切ってバスに乗る場面、息子が父の姿に気付く…とても心を掴んで、そしてその悲哀に胸が痛かった。家族が一つになる瞬間、彼は期待と云う重荷を背負ったはず。其れは、自身になり実力へと変化し、舞台上の白鳥に姿を変えたのだろう。頑固でも、息子を心から思う親父の姿、家族のあり方と亡き母の手紙が忘れられない..。
8点(2004-05-23 20:51:10)(良:1票)
16.  ダークシティ
焦点を何処に絞っているのか不明瞭で、散漫な印象を受けるが、その散漫さが真っ黒なガラクタを散らかした感じがして逆に、可笑しな妄想癖のある私の心を見事に捉えてしまった。  テーマやメッセージ性なんか、この作品にはどうでも良い事かもしれない。コントラストの高く暗い、幻惑的世界の美しさは、その世界観を密かに好む人間にとっては至極素晴らしい映像美だと思う。この作品は其れだけで大半を成り立たせている。残る印象が「暗い」と言うのが証拠。 次々と展開して行く、記憶の錯綜。主人公を阻んで行く様に動く“張りぼて”の街並み。次に絡んでくるこの要素は見る側を更に混乱させて、ある種観客の淘汰をしている様だ。まるで「さぁ、僕の世界観についてこられるかな?」と試しているんじゃないかと思ってしまう程だ。  エンターテイメントとしての映画ではなく、アート感覚のイメージを持ちながら、この暴力的静寂を楽しませてもらった。 全体から微少に滲み出て来る、子供の持つ独特の不気味さに似た不安感…これにファンタジックな影を感じて思わずニヤリ..。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2005-08-01 22:14:39)(良:1票)
17.  ディナーラッシュ
監督は、M・ジャクソン等のミュージック・ビデオを手がけている事で有名(らしい)な、ボブ・ジラルディ。彼のメジャー・デビュー作品です(昔B級一本撮ってます)  ミュージック・ビデオを撮っていた人物が監督と知り「ザ・ウォッチャー」の悲劇(笑)が頭を過ぎったが、その杞憂は程なくして消える事となりました。 全体の印象は「ER」のレストラン版。複数のエピソードが同時進行して行くと云うもの。 冒頭ではマフィア映画の様で、タイトルロール後の印象では長編ソープ・オペラでも、観る様な気分でいましたが、スタイリッシュな陰影の美しさとシャープさ、ハンディを巧く使った臨場感ある映像に、サスペンスを盛り込んだ絶妙なプロットと云うお膳立てで徐々に引き込まれてゆきます。  グランドホテル形式な作品が好きな方には、魅力的な作品でしょう。100分未満と言う時間の中で各エピソードがラスト見事に収束してゆく様には舌を巻きました「本当にデビュー作か?」と疑いたくなる程。 -2点はタイトルの「ディナー・ラッシュ」から受ける“非常に混雑した”印象とスピード感が、それ程伝わってこなかった為。小腹の空く時間帯に見る時はピザでも食べながらどうぞ(笑)
8点(2004-01-22 16:34:11)(良:1票)
18.  天空の城ラピュタ
ラストに向かってアクセルが踏まれた瞬間から、徐々に蓄積されてゆく、例えようのない別れに似た淋しさ..堪らない気持ちにさせる。  人間の傲りが生産するモノは、決して『生』に結びつく事はない..地を離れて人間は生きる事が出来ない。それは、人間は自然<地球>から発祥したものであり、地球に生かされていると云う事_それを再確認させられるアニメ。  快活に展開してゆくストーリーが薄絹のようにそれらを覆い、ソフトに伝えてくる。決して強烈に突き付けるのではなく、音楽に乗って耳に届く歌詞の様に柔らかく。   特筆すべきは、本作の骨組みの一つになっている『友愛』、それに差し込まれる『慈愛』。これなくして、正義はエゴでしかない。人間の忘れてはならない『成分』の一つだと思う。
7点(2004-05-22 17:46:49)(良:1票)
19.  ドリームキャッチャー ネタバレ 
『純正ホラー』ではないと云う事だけは、鑑賞前に耳にしていたので「これなら、自分でも..」等と馬鹿な考えを起こし、お気楽に本作を手に取ってしまったが運の尽き。どうやらそのバチが当たった様だ。  序盤はどことなく「スタンドバイミー」を彷彿とさせる、青臭くも心温まる友情劇で、すっかり私は油断させられのほほんと画面を観ていた。 だが“それ”は静かに近付き、息を潜めその時を待っていたのだ(!) だんだんと雲行きが怪しくなり始め、<41分40秒>ボンクラな私はやっと“それ”の気配に気付く「なんかイヤな感じ..」<44分46秒>そして、嫌な予感的中! <48分20分>「なんてこった!ホラーはホラーでも、きしょいクリーチャーが出てくるモンスターモノだったのか!?」私はこの作品を観た事を心底後悔した、正にキャッチコピーそのまんま!!その後、重苦しさとむかつきを抱えたまま鑑賞を続行。<1時間6分57秒>私はもう一つの“それ”に気付く。この辺りから胸のむかつきは期待へと変化する。主演の繊細な演技も加味して見応えは充分。「なんと、SFだったのね(笑)」はさほど気にもならず、序盤の雰囲気が徐々に戻ってゆく感じが良かった。この作品の意外性と云うか、突飛な展開は効果的ではなかったのかも知れないが、終点に待つ“友情”“絆”に私は好感を持った。 しかし、まんまと制作者サイドの思惑に嵌ってビビリまくっている自分が可笑しい。
7点(2004-04-25 22:45:59)(笑:1票)
20.  RONIN
硬派な印象のアクション映画。ピリッと利いたサスペンスもバランスが良く、見応えは充分。人物描写は古くさい感はあるも、ストイックで小気味良い。「浪人」を描こうとしてなのか、ちょっと邦人には「?」と訝ってしまう表現ありで、戴けない箇所は否めない。ただ、登場人物の感情の機微が浮き上がり、ゆるい中にも魅力的な雰囲気を感じられる小品と云ったところか。 作品内で効果的使われるハズの“マクガフィン”=『ジュラルミンケースの中身』…やはり、気になる人がいると言うことは効果的ではなかった..と云う結果。
7点(2004-05-22 17:59:31)(良:1票)
スポンサーリンク
スポンサーリンク

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS