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1.  パッション(2004)
私は無宗教だが、啓蒙思想が宗教を愚かとする考えには反対である。  世界の人々の信仰の意味をできる限り理解したいし、敬意を払いたいと思っている。 キリスト教であれ思想哲学なんであれ、賞賛すべき事は、 普遍的な道徳心を社会に提供し、それが何世紀にも渡って文化を築いたという 事実だと思う。 ニーチェは神の名の元に善意的な思考をすることは、負け組みの正当化に過ぎないとしたが、 善意的な思考を正しいと信じてくれる社会が存在することは心救われる気持ちになる。   私はキリストが拷問される姿を観て嘆き悲しむマリアの姿に心打たれた。 キリストが拷問される姿には恐怖は感じても悲しみは湧かなかった。 しかしクリスチャンの方だろうか、すすり泣いている方がいた。 この差が宗教なのだろうか。  しかし考えてみたら、幼い頃からクリスチャンの方は 週一のお祈りでキリストに会っている。 私とキリストに対する親しみと愛が違う。  表現が悪いと思われるだろうが、もし、このキリストが ドラえもんだったら、私はドラえもんが拷問される姿に泣くと思う。 ドラえもんが拷問される姿に泣くのび太に泣き、しずかちゃんに泣き、 裏切るスネオに泣き、あの人を知らないと叫ぶジャイアンに泣くだろう。  不謹慎な例だと思われるだろうが、幼い頃から親しんでいる 一種偶像としてドラえもんは私にとって神聖な存在であるらしい。 もちろん実際に会ったことがあるわけではない。  毎週のびたに説明するドラえもんの小言。説明。思考。 完全とはいえないが、のびたにより良くなってもらおうという愛がある。 聖書もこれに似ている。 ようは話を聞く側は、話しての愛をどう受け止めるかなのだ。 正しい間違っているはたいした問題ではない。   さて、ところで、パッションを観て癒されたという人もいたらしいが、 それは何故なんだろうか。 こればかりはドラえもんではわからない。 ドラえもんが生き返った映像があっても私はそれは気休めにしか思えない。 この先はそれこそキリスト教の世界なのかな? 
4点(2004-06-29 01:20:37)(笑:4票) (良:4票)
2.  時計じかけのオレンジ 《ネタバレ》 
昨今が60年代ブームとはいえ、この作品のデザインセンスは素晴らしいですね。アレックスと3人の仲間達の白タイツにマワシはどうかと思ったけれど。暴力を楽しむ少年の一人称で語られる物語。この少年、何故にか嫉妬・悲しさ・虚栄心・惨めさは通常人と共通し、学があり、芸術に理解を示し、賢く、したたか。暴力に対する陶酔を除けば、観客が自らと同一化させるにはなんとも理想の主人公。愛着も湧いてくる。ともすれば、さて唯一の際立った特長である彼の暴力性はどの様に扱われるのかがこの映画のテーマ。暴力は社会秩序を乱し、排他されるべき存在。しかし、ソレが行政の暴力によって抑止される。牧師が言った「道徳の選択が出来るからこそ人間なのだ」はこの映画のメッセージの一つなのだと思う。ソレを気の弱いバカにされている牧師に語らせている辺りに、その言葉が余りに無力であることを示しているとも感じた。さて、主人公の暴力性は結局再び彼のモノとなる。社会秩序を乱す彼の暴力性ですら、この映画では政治的に利用される。彼は翻弄する側から翻弄される側になる。彼の暴力性は非難されるべきものではなくなり、全体主義の中ではたいした意味合いを持たない。ラストには「もどってよかったね!」と作り手側の声。アレックスは私達観客。だから観ての私も「よかった」と思う。そして、そして、そして?そして今後アレックスの暴力性はどう扱われる?物語は今後を持たない。ラストの「よかったね」のセックスシーンは既にリアルではなく舞台。だから今後は存在しないのだ。この映画は観客にアレックスという身を与えて夢を見させた気がする。観客が暴力性を持ち、それによって社会的にどういった報復を受けるかという夢を。なんとも不思議に、なんとも虚ろに。どこまでがアレックスの言葉でどこまでが私の言葉なのだか。なんというか、71年の作品ですか。丁度思想的な面でヒッピー文化の事を考えれば時代的にも今後を愁う社会風刺に感じます。とはいえ本当にキューブリックは凄いですね。他のどの作品とも一線を架しているのは変わらぬ事実だと思います。満点を献上させていただきます。
10点(2003-12-10 03:53:07)(笑:1票) (良:4票)
3.  気狂いピエロ
素晴らしい。映画が従来の映画ではない。映画がプロセスを持つのは暗黙のルールだと思っていた。 一般の映画中の物語はプロットにより構築され3、4段論法によって意味付けを為していく。 この作品ではそんな無粋な事はしない。 プロットはただ分散的に与えられ、かといって物語が無いわけではなく、現実の世界の様に気まぐれであり、 そして映画なのである。ランボーの詩によって彩られる世界。詩のイメージに合わせた絵画群。映画を越えた映像作品。 物語は一般人の破天荒な逃避行でありながら、それは醜いというよりはむしろ美しい。 難解さと重苦しい雰囲気で趣きを与えるというよりは、ポップに映像と詩により命題を与える。 倫理観や論理構築を駆使する様な気難しさを必要とせず、人の心の経験論に基づく共感をゴダールらしいアプローチで求めてくる。 それが心に響く度に私に笑みがこぼれる。ああ、ゴダールはまさに詩人だ。 作品中の映画監督が「愛、暴力、行動、云々、死、つまり感動、コレが映画だ!」と言う。 クラクラさせられる。心揺さぶる何か、ソレが感動である。感動は常に正義である必要もなく美しくある必要もない。 いわゆるロック(心揺さぶるモノ)なのである。映画を詩にした人の言葉だ。コレを実践出来るは天才としか言い様がない   ゴダールの作品を従来の作品と並べて点数をつけるなんて不可能だ。 もはや土俵が違う。一般受けしない理由も良くわかるが、これから、ずっと映画を観ていって、ある日エンターテイメント  の限界を感じた時にゴダールを観れば、必ず新しい風を心に感じることが出来ると約束する。 歳と共に、ある日ピカソが素晴らしいと思える様に。 ゴダール万歳!!  それにしても、北野武の「HANA-BI」は確実にこの「気狂いピエロ」に影響を受けていますな。   
10点(2004-03-06 02:34:02)(良:4票)
4.  ロスト・イン・トランスレーション 《ネタバレ》 
最初は全然興味ありませんでした。  しかし、先日半月海外に一人旅行をしまして、全て5つ星ホテルに宿泊し、 ハイソで洗練されたサービスを受けながら、ひたすらに疲れ、 なんとも説明のできないこの感覚と孤独に ふと、まさに、ロスト・イン・トランスレーションだなと感じました。 ただ、心の共有をしたいが為にこの映画を観ることにしました。 まさか、自分の国での視点とは思いませんでしたが(笑)。  映画には色々種類があると思いますが、 これは理解する映画ではなくて、共感する映画のような気がします。  日本風刺の映画では無いと思います。 風刺するつもりなら、こんなに日本を美しく撮影しない。 ソフィア・コッポラはそんなことには興味ないと思います。 ただ、異国での説明しがたい感覚を、映画で表現したかった。 お陰で、この映画をみて、私はとてもなぐさめられる気分です。 ソフィア自身は、こんなとき、包容力のある人に受け止めてほしかったんだろうな。  パークハイアットホテルもそこのバーも、そこからの景色も 更に東京病院内部すら全てなじみの景色でして、 失恋した都庁前、会社までもが映っていて そんな意味でも、感傷的になりやすかったのかもしれません。  最後のシーンの、ボブがタクシーで空港迄向かうときの心の感覚、 そして、タクシーの中から見える道の景色が旅行中とは異なる感覚、 最後迄本当に丁寧だなと感じました。 ソフィア・コッポラはホントに感性の表現手段に長けていますね。 そして、ビル・マーレーはホントにいい役者ですね。   
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-10-17 02:35:25)(良:2票)
5.  マトリックス 《ネタバレ》 
ラストの「シュワッチ!」が友達連に物議をかもし出した稀有な作品です。いやーカッコイイ!新しい!!当時はホントにビックリしました。ここまで、カッコつけることとクリエイティブであることに全力を注ぐ作品があっただろうか!整合性については2の次、3の次!たとえば銃撃戦での側転平行移動。まさに銃の標的!私はむしろドキドキしましたね。整合性よりもビジュアルを選んでいる姿勢に感激しましました。難クセがつかないように設定の整合性ばかりに気をとられ、結局小さく纏まってしまった映画は腐る程観てきましたが、マトリックスはノリ・ノリ・ノリ・ノリ!スタイリッシュにクールです!しっかも、主人公が救世主だなんて、最近の物語ではみうけられなくなったパターン。(多分嘘ッっぽくなるのが嫌で避けられているのでしょう)。いや、ホントに久しぶりですよ。爽快ですよ。これぞヒーローでしょう!ラストの「シュワッチ!」。色々な矛盾に眉をひそめていた友達はコレを観た瞬間に、マトリックスを観る姿勢が間違っていたコトに気づいたそーです。「お子様ヒーロー戦隊番組に向かって、何故悪役怪獣総出撃でヒーローを一気に叩きつぶさないのかって言っているのと同じなんだね。」だそーです。とにもかくにも、ワイヤーアクションをスタイリッシュに魅せた先駆者的作品であることは間違いないと思い、そしてこれ以上のヒーローアニコミ映画はできないとだろうと思い、ヒーローアメコミ映画に満点をつける最初で最後の機会と思い、満点の10点!
10点(2003-12-09 03:30:23)(笑:1票) (良:1票)
6.  AKIRA(1988) 《ネタバレ》 
仕事上の素材研究で鑑賞することにしました。暴力的なアニメが苦手で食わず嫌いだったのですが、そのクオリティーに驚かされました。原作の画力には既に”動き”が存在しているので、果たしてどう表現するのやらと疑問でしたが、超能力の表現方法・衝撃波・時空の曲がり様、煙・炎・冷気・血、背景デザイン、どれをとってもハイセンスで呆然自失しました。ゲームのファイナルファンタジー7、ドラゴンボールのナッパとべジータ、マトリックス、あらゆるものに影響を与えています。近未来シティーファンタジーの原点はコレだったのかと驚愕の思いです。CGを利用しないアナログ時代の最後の作品で映像が心地よさを与えます。なんてカッコイイ!!! 内容も好きですね。テーマは原作と変わらない。完全な観念論の世界で、人間が憎しみと力に翻弄されて”行動の義務”の流れに巻き込まれていきます。力を持ってしまった鉄夫と仲間を殺された金田は互いに何度か決闘しますが、互いを決して殺しません。殺したくないからです。何の特別な力を持たない金田はいつまでも意地を張り夢中になってチョコマカと動きます。ちっぽけな存在ですが、その姿は美しい。不思議な主人公です。本当は主人公は鉄夫なのかもしれませんが、私達観客の視点を預かるのは確実に金田です。最後は全ての祭りが終わり、金田達の未来が始まります。大友の作品で最後に大団円って「AKIRA」位では?とにもかくにも面白かったです。世界に誇るエンターテイメント!!
10点(2004-01-30 01:01:03)(良:2票)
7.  10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス 《ネタバレ》 
巨匠知らずの私には非常に非常にありがたい。この小作品集のお陰で観たい作品が一気に増えました。30歳にもなると、こういった作品群を面白いと思えるようになるのねん。10年前だったら、「わけわかんね」で終わっていただろな。エリセに出会えた事に感謝!!①カウマリスマキ=10分という非常に足り無い時間。しかも主人公は、この10分に走らないし、間を持つし、説明しないしっ。もうちょっと焦れっ!!まさか人生の選択をこの10分間に試しているの?観ているこっちがハラハラ・ヤキモキさせられた10分でした。秀作。②ビクトル・エリセ=この監督は詩人ですか?母親の寝汗にスペインの田舎の暖かな空気を感じ、布団の匂いを感じました。赤ちゃんの血の染みに、生暖かい血の匂いを感じました。子供が腕に時計を書く姿に鉛筆の味を感じ、草刈に草の匂いを感じました。これほど5感に訴えてくるとは。最後に母親が赤ちゃんを嬉しそうに眺める顔に幸せな気分になりました。そしてナチスの記事が水にぬれてゆく…。ナチスすらも彼らの幸せの根本を揺るがすことはできないという象徴に感じました。素晴らしい作品。③ヴェルナと⑥スパイク・リー=せっかくの機会だからと、ドキュメンタリーに挑戦してみたという感じかな?映画に対する挑戦というよりも、監督自身の挑戦という感じでした。④ジャームッシュ=女優がスタッフに因って休憩を邪魔されながらも嫌そうな顔一つしないのに、食事にタバコを押し付けるという、非常に淡白な視点に「ほほう」と感じました。人の自然に「在る姿」についてリアリズムの視点を持つ監督だと思う。彼の人間追求に興味を持ちました。⑤ヴェンダース=「ラスベガスをやっつけろ!」10分バージョン。ドラッグ状態の特殊感を平常状態の視点で何処まで表現できるかを追及したんだね。⑦チェン・カイコー=正直拍子抜けしましたが、何故かホッとしました。他の作品に比べて劣る気がしましたが、作品に優劣をつけている自分がちょっと嫌ン。いいじゃん、コレで。
8点(2004-02-22 13:21:37)(良:2票)
8.  勝手にしやがれ
おいおいおいおいおい、カッコイイぜ~。世の中にいる、誰もが憧れる様な男と女が恋愛のゲームを尽くして至る会話のオンパレード。しかし、所詮はゲーム。恋は愛にならず破綻する。フランス人特有のムードある会話。「虚無と傷心どちらを選ぶ?」。男は「虚無」女は「傷心」という。しかし、会話はホントにお互いが話したい事を話しているだけ。男は自堕落で、寝ることばかり。女は詩的な言葉や先鋭的な感性や生き方を求めながらも、優しさや愛の追求が欠けていることに気づいていない。途中、男の方が気づく。(なんと男の方が気づくんだよ。普通は逆なのに!)「お互いに自分のことしか話していない。もっと優しくなれたはずなのに。」この映画の中で一番ダサくて、一番真実の言葉。あ~やっちゃうよね。カッコつけた恋愛ってこういう失敗しちゃうよねぇ。そして、最後、男は「傷心」を選び、女は男の死に対して得たのは「虚無」だった。ホントに洒落てる連中が追求している恋愛遊びや失敗を我々に見せてくれますなぁ。クラブに行ってモテモテになる位お洒落になって会話術を得てる連中はもっとヘビーなんだろか。タバコを吸って、その眼差しで男も女も落とせるような色気を追求する入門作品。ひゃっほう!みんないいオトコ、いいオンナになろうぜっ!! しかし先ずはやっぱりいい恋しようぜっ!!
10点(2004-02-22 14:48:41)(良:2票)
9.  17歳のカルテ
精神病に興味がある人には知識欲をそそられる作品なのかも。社会に馴染めず、変わり者と呼ばれながらも、肉体的暴力性の無い人。似た者同士出会うと、居場所を見つけた様に安心するものですよね。しかし次第に社会に馴染めなかった互いの理由が互いを圧迫し始め、違和感を感じてくる。何故自分が普通の人と異なるのか、仲間に自分を投影して初めてわかってくる。ある日、まるで夢から覚めた様に、以前の自分が奇妙な考えや妄想していたのかがわからなくなる日が来る。丁度、学生時代の夢が終わり社会人になったときの様に。意外やコレって誰にでもあることなのです。精神病院には、社会で生活出来ない人が、ほんの少し、一般的な思考に歩み寄れる練習するところに過ぎないらしいですね。「17歳のカルテ」の主人公は、時間は無駄にしてしまったかもしれないけれど、自分自身に気づけるきっかけを得たことは非常にラッキーなコトかと思います。ついで、ジョリー、地で演技していますな(笑)。
5点(2003-11-22 03:03:27)(良:1票)
10.  シザーハンズ
ファンタジーの住人である主人公以外の登場人物の在り様はとても現実寄り。にも関わらず町に幻想的なイメージを与える描きかたはこの監督ならではの妙技。それぞれの色彩が町の人々に役割を与え、黒に炎を描いた車は不吉な存在。黒の男ジョニー・デップに金色の髪に白いドレスの少女ウイノナの対比も印象的。特にジョニデの驚いたときの目をまん丸にした表情は、まさにティム・バートンの描く挿絵かの様。観客の我々は黙して語らないジョニー・デップの表情を幼い子供を見つめ様に追い、心を共にする。ガラスの様な心が傷つくのではないかと怯え、彼が微笑む事を望む。それが最後に叶わないままで終わる美しく悲しい物語。野暮の事を言ってしまうが、刃物の鞘を買えば当面の応急処置になるのでは?最初からずっとそう思ってしまったので、「ああ、ほら、だから鞘を買えば済むのにー。」とつまらない突っ込みに始終捕らわれながら観てしまったので評価はちょっと低め…
7点(2004-01-21 02:12:21)(良:1票)
11.  ロスト・ハイウェイ
純粋に楽しめた。内容をちゃんと紐解いてないのだから、純粋にという表現は間違いなのかな?(笑)。でも売春で旦那さんにこれ程のアウトゾーンに入った殺人をされてしまう奥さんも凄いなあ…。リンチの「人の心の悪」・「メビウスの輪」は常に存在するテーマなのだけれども、同じテーマの手塚治の火の鳥の様に暗くならないのは、「カルマ」が存在しないからなんだろうなと感じる。リンチは人の「悪」を別人格として存在させるけれど、私はこれを「象徴」というよりも、「人格を突き動かす超越した存在」と感じる。リンチは「人間そのもの」と「悪意」をわけて、罰せられるべき存在を人間外におき分けている様な気がしてならない。リンチって人の心の闇を表現する割には人間に対して楽観主義者と感じる。「死」が絡みながらも、常にどこかしら妙なオモシロさがあるのはそのあたりなのじゃないかしらん。彼に戦争映画は撮れないだろな。
6点(2004-01-03 14:30:28)(良:1票)
12.  ボウリング・フォー・コロンバイン
アメリカもこのドキュメンタリーも同じ匂いがして気持ち悪い。というのが正直な感想。田舎町と都会があったら、都会の方が犯罪は多いっていうけれど、どこもかしこも都会魂の塊の様なアメリカ人社会。メディア云々のせいというよりも前に、メディアすらもわけがわからなくなっている思想性に問題があるのではないかしらん?って別にリベラルが悪いって言っているのではなくて、常に正義と悪が二極化している、絶対正義を常に自分サイドに置こうとする自己満足的賢者性が結果的に愚劣化してしまった究極の結果ではないかしらん。丁度今回の戦争みたいにね。物事を全て極端に走らせるのは心の弱い証拠。このドキュメンタリーの結論も話の展開も全て極端。アメリカも同じ。全てが全て極端に行き着いてしまえばそれが究極の答えかしらん?自己制御と自己責任の間にバランスがどれなくなってしまった、まるで子供の様な社会の結果に感じる。監督も同じ精神レベルの上から物事を話している。批判される側もする側もアメリカという社会から外れた人間から観ていたらまさに同じ人種(カラーって意味ではなくてね)に感じる。うっかり核爆弾スイッチっていうのがありうる国なんだなーと観ていて本気で地球の将来を愁いてしまった。 
2点(2004-01-03 12:46:42)(良:1票)
13.  ジャッキー・ブラウン
…長いよ。金銭強奪のカラクリはサミュの死という不確かなものに因っている。気も効いていない。まあ、それでもいい。QTに整合性を求めて観ているわけではないから。原作に忠実ってことで。では何を求めて観たのか?今回のQTの失敗(そう呼んでもさしつかえないでしょ?)のおかげで私がQTに求めているものがよくわかった。「レザボア」も「パルプ」も観ている最中に映画に酔わせてくれた。ムチャクチャ場数を踏んだ人に口説かれている時の様な、酔いしれながらも、上手いな!って感心していくような気分の良さ。今回はソレがない。いつものQTの登場人物がする無駄話は本当に気分良い。だれもが、「お、コイツ、バカじゃない!」って思わせるものばかり。立場とか人種とか権威とか、そんなもの無関係に、聞き手は語り手の存在感を認める。そんな奴が大勢いて会話を交えるのだから最高だ!話の内容はおバカなんだけれどね。いや、だからこそ贅沢なのかな?だって誰ならあのオバカ会話の中に入れる?連中が銀行家でブランドのスーツを着て高級レストランで同じ会話をしたのならば、私は黙ってエスカルゴを口に運ぶ。でも街のカフェで3ドル位のハンバーガーを頬張りながら、バカには出来ないバカな話を夢中になりながらされると、私はワクワクしながらBLTサンドを口に運ぶ。QTはIQ150なりのバカでマヌケな日常と口論を提供してくれる。私達にはそれは実にクールで心地よいものに感じる。「ジャッキーブラウン」は主人公からしてその魅力に欠けていた。サミュエル・ジャクソンが唯一期待をさせた。でもブリジットが彼の存在感をひたすらに下げた。デニーロも無駄使いだった。思うに、QTの嗜好性と表現力は今回かみ合っていなかった。彼自身面白いと思っているものと、私が彼の作品を面白いと思う要素はズレているのかもしれない。彼にとって、お楽しみ要素の2次的な部分が、我々にキンキンクールに響いているのかもしれない。
4点(2003-11-23 22:47:02)(良:1票)
14.  チャーリーとチョコレート工場 《ネタバレ》 
とーってもとーっても楽しい映画。 TOPSのチョコレートケーキと銀座のPIERE MARCOLINEのチョコを購入して 食べながらウンバ・ルンバの曲にあわせてこっそりフォークを振っていました。  観ている間は頭まっしろ、ずっと笑顔。 ホントになんて楽しいチョコレート工場! あーんなにひねくれたガキンチョ達ですら中に入ってみたいと思う程ですから! (そんな所が本当は子供らしくて可愛いらしいと思いません?!)  楽しさを表現する事によって、それが言葉の枠にとらわれてしまうならば、 ただ「最高!」と、のみ。  でもとても残念なことが…。 私にはジョニデによって度々現実に戻される瞬間があったのです。   ジョニデは好きだし、いい役者。 ジョニデのウォンカーさんの役作りは見事に完成。 それは評価!  でも今回はそれがしっくりこない。 あれー? オーラになにやら違和感。 パイレーツ.KのJ.スパロウとどこか同じ香り。  で、ラストではっきりと理解したわけです。 ジョニデが歯科医のお父さんと親子に見えないの。 そこにいるのは育ちがいいボンボンのウォンカーさんじゃないの。 そこにいるのはエンターテイメンターとしてのウォンカーさんなの。  ああっ! と思ってしまった… そこにいるのはジョニデであるウォンカー。   映画を観ながら、「ジョニデ最高!」と楽しめる人はそれで最高だと思う。 でも私は観終わったあとに、「ジョニデ最高!」と思いたい。 観ているの最中に俳優好きで楽しむつもりは無いの。  たとえばデ・ニーロは凄いよ。 映画の中で彼はデ・ニーロじゃなくてソイツなんだもの。 映画が終わってから、「デ・ニーロ最高!」なんだもの。  今回はリメイクだし 人気最高のジョニデを楽しめて最高とも思えるし、 実際映画の宣伝プロモーションもジョニデ押しまくり。  でもこの映画では「レジェンドオブメキシコ」のような ジョニデ万歳的な流行世相と離れた作り方にしてほしかったな。  主人公を食わないで。 物語を食わないで。 映画を食わないで。       
[映画館(字幕)] 9点(2005-09-16 17:09:55)(良:1票)
15.  バウンド(1996)
どうみても主人公は悪いヤツなのに、女性ということで、観客を完全に主人公の味方につけたのは見事としか言いようがないっ! だって、誰も女子供が拷問を受けたり殺されたりするのを観たくないでしょーん?マフィア男は可哀想の至り。マフィアというだけで、お金を盗まれたり騙されたりすることを正当化される気の毒。一番の被害者。 悪者っぽいところが観る者の良心の呵責を救ってくれる。とにかく脚本が見事っ!!どうせ上手くいくでしょ、と思わせない。最初に拘束されたガーションを映す。つまり、どこかで失敗した事を観客に告げている。このとき、ヴァイオレットを映していないから彼女の安否もわからない。故に度々訪れる危機に何度も緊張を与えられる。このテンポの良い緊張感は”レザボアドッグス”を思い出させた。頭いい脚本だね。でも凄く男性っぽい脚本、特に理屈っぽい理系思考の脚本だと感じた。あまりに不確定な行動想定で計画を立てるガーションに、何故にか不確定な行動想定で物事を予測するマフィアのにーちゃん。思考プロセスが同じ二人は、まるで同一人物。描かれる人間の種類がどうにも狭い。ガーションのタイプは経験論者っぽいんだけれどな。 そういう意味で、ウオンシャスキー兄弟はアニメや本や漫画等の活字世界の人間なんだなと再確認。しかしそれでも脚本、上手いね。ストーリーテーラーなのは変わらぬ事実!!
7点(2004-02-23 01:46:26)(良:1票)
16.  12モンキーズ 《ネタバレ》 
匂いが他と異なる作品。確かにテリー・ギリアムは人とは感性は異なるとは思うけれども、もう新しい感じはしない。仕事慣れしたクリエイターが、新しい感性の追求を止めた後に作った作品な感じがした。年寄り臭い。たとえばラストのウイリスが殺されるシーン。 ウイリスの死に、もっと色々な感情的な要素を複雑にからめ、一種奇妙な特有の感覚が欲しかった。ウイリスの死がもたらすものは「思い出の女性」「ウイリスの死」「世界滅亡の絶望」。「世界滅亡の絶望」は既に冒頭から説明されているし、「思い出の女性」との恋は心理的な上では既に成就している。観客には「ウイリスの死」のみが新しく単調に与えられる。これでは少々寂しい。次のシーンで、真犯人が座った席の隣に、未来の政治家のバーさんが座っている。メビウス的にウイリスの死はもてあそばれている要素が加わる。ソレがまた新しいかといえばそれほどでも…。ロゴはカッコイイし、題名もセンスいい。音楽も素敵。しかし一番の見せ場に感覚の不協和音が無いのが惜しかった。あと、ブラピの演技、アレは演技ではなくて、モノ真似っぽかった。入院中と退院後のブラピには同一人物の精神異常者特有の共通感は無い。モノ真似と、その後。「ラスベガスをやっつけろ」のハゲのジョニデにも思ったけれど、何故ギリアムは彼らにモノ真似をさせるんだろうか? 演技させずに、モノ真似させるのならば、2枚目俳優を使う理由は無いだろうに。
7点(2003-12-29 23:31:57)(良:1票)
17.  デスペラード 《ネタバレ》 
あーーーははははははっ!!!!熱いね!!熱いよ!!熱すぎるーーーっ!!銃を無茶苦茶目立つギターケースに隠しているし。それをしょっぱなから敵に話してどーすんだっ!!ゴージャスお姉ちゃんは町を普通に闊歩し主人公に目が合うやいきなりハードに熱い視線。銃と対峙するのに防弾チョッキもつけない男気たっぷりのナイフ使い、何故今まで無事だったんだろうか? 頭にポマードたっぷり南国なのに皮パンはいたコテコテムンムンフェロモン男3人が一列に並び、一人は不思議なセクシーポーズでロケットランチャー。うそっ!!弾切れ?!戦闘の基本じゃん!わっ!!簡単に散ってるよっ!!!マジデツカ?!!!あまりの熱さとコテコテのギミックにびっくりしながら笑い続け、ずっと画面に釘付け状態。ドンパチ大騒ぎものってハリウッドの十八番だけれど、この映画はハートフルに大騒ぎ!!へぇぇ、こういう手法もあるんだなーーー!!さあ、ようやくボスに会う!!な、なにーーーーー?!!ブ、ブラザーーーッツ?!!! お、おーもしれーー!!ダースベイダーがとーちゃんだったって位おもしれーー!!熱いわ!スゴイわ!勢いだわ!!ホントに笑いながら観れました。汗かいちゃった。なんか笑っている内に終わってもた。 パワフルな映画っていいですね。絶対コレ俳優楽しんで出演してますよ。ロドリゲスってどの映画もそういう撮り方をしますよね。楽しい才能です。
8点(2004-01-30 02:02:02)(笑:1票)
18.  ファーゴ
人間の滑稽さを笑えることも面白いと思えることもなく、自分の感性が世についていけてないのではと不安にさせられる作品。ま、冗談はともかく、映画は、ある分野においては、共通感性の表現方法の模索と追求をする。コーエン兄弟の場合「滑稽さ」なんだろう。普通「滑稽さ」には常に「虚しさ」が付きまとう。女警察署長主人公は腹ボテでダサダサの方言を話す田舎者。ダサい売れないハゲ旦那。二人は小さな事に幸せだと語りあうが、演じるマクドーマンドすら「最悪だった」と言う役柄。ささやかな”幸せ”すらにも滑稽さを覗かせる。夢が無い。どうせ駄目、全て悪い方向に向くのだろうと予感させる物語。あがけばあがくほど滑稽に淡々と不幸が積み重なっていく行程は見事。だが2度も3度も観たかないや。ところでコーエン兄弟、ストーメアみたいな犯罪者をどっかしらカッコよく扱おうとする。ヒール好きの憧れ?こういった滑稽さを笑う傾向を何主義というのか私は知らないが、他に楽しみを見出す手段を持っている私にはコーエン兄弟は性に合わないな。
3点(2004-01-03 15:45:20)(良:1票)
19.  10ミニッツ・オールダー イデアの森 《ネタバレ》 
巨匠知らずの私にはありがたい作品集。なによりも先ず、ゴダールに出会えたことに大感謝!!本物のピカソのゲルニカを観た時と同じ衝撃を受けた。映画が私の中で初めて芸術になった。①ヴェルトリッチ=朝起きれなかったので観れませんでした。トホホ…。②フィギス=所謂ヌーヴェルバーグを彷彿とする。4分割の画面が何によって結ばれているのか、何によって関連づけられているのかを読み取る迄が、監督とのコミュニケーションとして面白かった。しかし、肝心の中身はイマイチでした。③メンツェル=言葉は無い映画。記憶は言葉を常に伴わない。それ故記憶は映像は映像としてよみがえり、言葉は言葉としてよみがえる。記憶の中の映像に、今の自分が言葉を与える。意味を与える。そんな感情を沸き起こさせる10分でした。パンフレットにも似たような事がかかれていたので、観手に映像のみで、これだけダイレクトにメッセージを伝える事が出来るとは、この監督たいした才能だとニヤリとしてしまう。天才。④サボー⑥シュレンドルフ⑦ラドフォード=脚本上で10分間の視点の追求をしていた。。⑤ドゥニ=哲学者の言葉は、文章で読むよりも、本人が語る声を聞くことで、表情を見ることで、遥かに知性と優しさを感じる。哲学的健全性がまた素晴らしい。外に立つ黒人(エトランゼとしての象徴)が知的好奇心の目の輝きを持って対話を聞いているのが素晴らしいエッセンス。叙情的な10分が素敵でした。和やかなオポチュニスト同士であんな会話をしたいなあ。思考をゆだねる快楽。⑧ゴダール=出会えた事にただ感謝。何なんだこの絶対性は。このパワーは。私のアイデンティティーを沈黙させるこのエネルギーは。最後の人形とカーニバルの衣装の様な映像の芸術性、ゴダールを怪物だと思った。だが、旧時代の、冷戦時代の人間であるとも感じた。政治的で絶対正義主義で破滅的。20世紀の象徴の様な芸術家。21世紀のゴダールはこれから現れるのだろうか、存在するのだろうか。期待したい。
10点(2004-02-22 14:00:48)(良:1票)
20.  ブレア・ウィッチ・プロジェクト
こわかった!!!!! 何故なら、「ドキュメンタリー」と信じて観たから!!ああ、なんて怖いドキュメント!! 画面酔いをしながらも目が離せず、映画館の中で恐怖に身を竦めました。絶対にコレは魔女なんかじゃなく、サイコ的暴力思想の反社会集団の悪魔信奉達に狙われているんだ!!3人の学生をいたぶっているんだ!!ああ、なんて人間の尊厳を無視した記録映画なんだろう!  次の日友達に企画映画と教えられて呆然。なんという敗北感! 企画者の思惑どおりに踊ってしまったのか!そんな状態で観たホラー映画としては10点。 事後の真実を知って、敗北感と憤怒により二度と観たくない映画となって0点。というわけで間をとって5点。しかし少しは気づくべきだった愚かな自分を反省してプラス1点。企画自体のパワーにプラス2点。でも「2」を観たいかと言えばとんでもないので、マイナス4点。よって4点かな。
4点(2003-11-30 00:02:42)(笑:1票)

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