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プロフィール
コメント数 623
性別 男性
自己紹介 風刺的作品や史実物が好きだが批判されがちな単純なエンターテイメント映画も正当に評価したい。常用でない言葉を並び立てるのではなく単に日常会話程度の感覚の文章でレビューを行いたい。
無名作品には基本的に特攻しないのでハズレを引くことが少なく平均点が高くなっています。

目安
10
大傑作のうち、社会的に意味がある、圧倒的なオリジナリティ、何度見ても楽しめる等の要素がある傑作
9
上には及ばないが大傑作。ほか万人には勧められないが個人的に大好きな作品もここ
8,7
単純に傑作、佳作。8は万人に勧められる傑作、7は個人的に好きな作品が多い。
6
面白いが傑作というほどでもない。面白いが万人ウケはしそうにない
5
そこそこは楽しめるが2度は見ない
4,3
まあ見れるが面白くはない
2,1
つまらない、見る価値なし
0
もはや伝説的な糞

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1.  日本のいちばん長い日(1967)
2年後に大戦勝を扱った日本海大海戦で東郷と乃木という陸海の2大偉人を演じる三船と笠が、敗戦映画で阿南陸相と鈴木貫太郎首相を演じているのが皮肉に思えた。史実を扱った歴史物で高い構成力と迫真の映像で理解するだけではなく楽しめ、それもハリウッドにはないタイプのエンターテイメント大作と評価できるが、ただ唯一鼻につく点が、まるで反乱軍の連中を気が狂った狂乱者のように描いていることだ。彼らが罪を犯したのはもっと作戦行為に基づくものであったと思えるのだ。そもそも彼らは軍人であり、しかも洗脳的と言ってしまっていい教育を受けていたのだから、狂信と狂乱は違うことを区別しなければならない。まるで彼らが(気狂いかのような)異常なテンションで、逝ってしまっている目をしていたように描くのはやりすぎである。確かに陸軍の考えは今思えば完全な暴走であるが、彼らは本気で勝つつもりいたのだ。彼らを異常者だと非難するのは筋違いで、そもそもそのメンタリティが無ければ日清戦争にも日露戦争にも負けていただろう。
[DVD(邦画)] 7点(2009-07-03 18:33:05)(良:3票)
2.  東京島
ベースになったアナタハンの女王蜂事件はあれほど魅力的な事件なのに全く生かしきれていない支離滅裂なストーリーに。それでも原作が評価されてるのだとしたらストーリーではなく小説的な心理描写だと思うのだが…主人公のプロフィールを見る限り、容姿も特にさえない「中年おばさん」がチヤホヤされ周りがフリ回されるという部分がキモなのに木村多江というのは完全にキャスティングミスだろう。木村は確かに端的に見るといわゆる美人ではないし中年だが、妖艶というか何と言うか男をひきつける魅力は非常にある女性である。別に無人島でなくても「モテて」しまうような女性を主人公に充ててしまってはいくら窪塚に「オバサンオバサン」言わせても話の印象が変わっちゃうよね。いや、確かにじゃあリアルな映像を取れる女優を主役にしたてて興行的にいけるかというとそれは難しいけど。製作者に片桐はいりをキャスティングする勇気があったら讃えてたねw
[DVD(邦画)] 3点(2011-06-05 16:32:21)(笑:2票) (良:1票)
3.  ドラえもん のび太の太陽王伝説
これがディズニーやドラゴンボールなら「これはひどい」の1点で片付けているがドラえもんだからあえて0点をつけて言う。かつてのドラえもんなら、例えば魔術師は歴史を変えようとする未来人であるなどの筋を通すためのSF的な設定というものが少なくとも存在した。しかしこの作品はそんな筋はおろか、魔術師の目的すら説明しない。SFアニメドラえもんはいつから恋愛格闘アニメになってしまったのだろう。30周年を迎えて何故今更『王子と乞食』の『白雪姫』になってしまうのだろうか。作者が長年積み上げた物は何だったのか。受け継ぐ者が居なかったことが嘆かわしい。奇しくも同時上映された作者脚本が原案である「おばあちゃんの思いで」が屈指の傑作であったことがその哀しさを増幅させる。かつての大長編はあわよくば大人も楽しませてやる、泣かせてやるという気概があった。それがこれはなんだ。もはや子供だましすら目指していないやる気の無さに唖然とさせられる。死後に迎えた30周年にこの作品では作者があまりに気の毒である。
[ビデオ(邦画)] 0点(2006-08-17 08:15:03)(良:2票)
4.  ラスト サムライ
日本マニアの外人がサムライを書いたらこんな感じになるんでしょうなあ。他の「日本風」映画よりはよっぽどマシだが、日本人から見たらまだ違和感があるね。時代考証もそうだけど、そんなのはたいした問題じゃなく、「精神」の点でまだ勘違いはあるでしょう。日本ロケを行わず、日本にはありえない広大な山間の村を舞台にしてしまったりね。監督にとって次の課題は「狭さ」にも魅力を感じる心じゃないかな。とりあえず茶道からでも始めてみては。
[DVD(字幕)] 7点(2005-08-31 17:13:25)(笑:1票) (良:1票)
5.  サンセット大通り
ストーリーはフィクションだが、映画が語っていることはノンフィクションとも言える。キャストがパーフェクトで、主演のグロリア・スワンソンは実際にサイレント時代に活躍した女優、マックス役のシュトロハイムもその時代の映画監督であり、作中で彼女が見ている自らの主演映画は彼が監督し彼女が主演したQueen Kellyという実在の映画。本人役で登場するセシル・B・デミルも彼女の出演作品を撮っていて人物関係が実にリアルなのだ。ブリッジを囲むメンツもバスター・キートン、H・B・ワーナーなど実際のサイレント時代のスター。パラマウント撮影所のセットも全て実際の建物を使用、また途中出てくるドラッグストアも実際にハリウッドの俳優達が溜まっていた店であり、ハリウッド人の生活の実情と歴史がこの作品には詰まっている。お熱いのがお好き、アパートの鍵貸しますといったコメディの傑作、本作のようなハリウッドの暗部を痛烈に突くような社会派サスペンス、優れた映画監督にして脚本家であったワイルダーの鬼才ぶりに感服。
[DVD(字幕)] 10点(2005-12-15 22:47:35)(良:2票)
6.  フォレスト・ガンプ/一期一会
これは一見フォレストの自伝のようであり、実はそうではない。フォレストという主観で物を語らない無垢の存在を案内役に、アメリカの社会を、歴史を、客観的視点から見つめ直す映画だ。ヒッピー文化は何だったのか主観で肯定したり批判したりする必要がありますか、彼らは皆1人の人間です。ジョン・レノンや大統領と接することは特別ですか、彼らもまたヒッピー達と同じ1人の人間です。そう語るかのように無名の放浪者だろうと、スーパースターだろうと大統領だろうと誰に接するにも何も変わらない態度で接する彼。何をするにも計算するわけでも人を陥れようとするわけでもなく失敗もするし、大きな成功もつかんでいく彼。世の中色眼鏡をかけずに偽善も悪意もなく生きるとどれだけ穏やかなのか、この映画は語っている。先進的な特撮を次々に導入しこの少し変わった映画を完成度の高いものにしようとしたゼメキスのセンスも光る。
[DVD(字幕)] 9点(2009-02-09 00:41:21)(良:2票)
7.  ALWAYS 三丁目の夕日
戦後のどん底から再び先進国へ、日々豊になる生活と、あらゆる可能性に満ちたある意味アメリカよりも「自由の国」であったあの時代の風景と空気を、東京の下町の庶民の生活を通して再現。庶民としての視点に自分が置かれるというのが最大の魅力で、家にテレビが到着するのを共に心待ちにし、冷蔵庫、洗濯機と生活レベルが向上していくのを共に体験、そして完成していく東京タワーを見ながら、劇的に成長していく国と共に伸びていく可能性を感じる。あえて三種の神器に感動する家族、長嶋の真似をする子供や、テレビに集まり力道山に熱狂する民衆といったある意味ではステレオタイプとも言える昭和感を時系列的に映像化してしまったことで、その昭和感は語り草から体感的なモノへと昇華されている。それにより実現した空気感、すなわち進行していく時代とそこに生きる臨場感は、実写の記録映像では逆に表現できない映画ならではのもので、そこにこの映画の存在価値がある。一方で当たり前のように街を行きかう都電、躍動感と重量感に満ち溢れる姿で鉄橋を渡る東北本線C62晩年の雄姿、東北人の郷愁の場として隆盛を極めていた当時の上野駅の賑わい(建物は現在と変わらないところが余計に感慨深い)を日本映画史に残る渾身のVFXで見事に再現し、発展で「過去のもの」となる対象への懐古まで想起する。これほどまでに画面が切り替わる度にワクワクさせられた映画はかつてなかった。戦後、昭和、高度成長期という「空気感」を表現するためベタベタな昭和人情的ストーリーがついているが、そのベタベタの古い日本的価値観の集大成のようなストーリーがまたほほ笑ましい。アメリカ的価値観の集大成であるアルマゲドンがアメリカ人を扇情させたように、この映画は日本人のノスタルジーをとことん扇情する。日本人でよかったとまで思わされる。これほど郷愁に満ち溢れる気分になったのは初めてである。どれほどストーリーがベタで臭かったとしてもこれは傑作と言わざるをえない。
[DVD(邦画)] 10点(2012-01-17 07:07:28)(良:2票)
8.  キング・コング(1933) 《ネタバレ》 
キングコングの表情が怖い。あまりにも豊な表情を見せてくれるコングだが、悲しい表情、怒りの表情、どのような表情を見ても恐怖を感じる。ジュラシックパークのヴェロキラプトルだろうがハンニバル・レクター博士だろうが貞子だろうが今まで映画やテレビに出てくるようなキャラクターを見て怖いと思ったことは一切、ただの一度も無かったがこいつは怖い。怪物映画としてそう思わせられたことはそれだけで10点に値する。話自体もテンポよく風刺の効いたストーリー。センスが極めてよく、そして欠点が無い。1933年でこれは無いよなあ…それにしてもこの怖さは何だろう。何か潜在的なモノな気がする。母親に似てるとか…いや、キングコングの中に人間が投影できうるからこその怖さだろう。外部からやってきた何か強大な力によって拘束され、盲目に信じる物、愛する者を追い、都会の中で迷い、そして死んでいくキングコングの姿は、ある意味、理不尽な世界の中で迷い続ける人間の人生の縮図なのかもしれない。
[DVD(字幕)] 10点(2005-11-17 05:12:19)(良:2票)
9.  ドラえもん のび太の海底鬼岩城
何に惹かれたのかは覚えてないがごく幼少の頃一番好きだったドラえもんの映画。実に良くできた脚本で、バミューダトライアングルと海底都市などの一般的な伝説を盛り込み、普段触れることは到底出来ない海底を分かりやすくナビゲートしてくれるそこらのハリウッド映画など軽く超越する神秘に満ちた一大アドベンチャー。本筋など自動報復システムなどという冷戦への風刺であり、ウケ狙いのしょうもない子供だましギャグの連発のみがかろうじて子供向けアニメであることを思い出させてくれる。遺骸の崩壊やジャイアンとスネオの「死」など子供なら本気で泣き出すに違いないシーンが多々あり、今でも評価は高く実際見た子供も面白いと言っているにも関わらず興行的にシリーズワーストクラスであったのは子供には見せたくない映画と捉えられたのが原因であるのではと思うほど本気で大人までハラハラさせようという話の組み方。バギーの漢っぷりなど母親をマジに泣かせにかかっており何故ターゲットを大人にまで向けるほど真剣なのか。「あなたのためなら壊れてもいい」「バギーであることが悲しい」なんてセリフに感銘を受ける子供が居たらそれは早く目覚めすぎだろう(笑)。子供向けアニメということを忘れた大暴走、そして大長編屈指の名作。
[DVD(邦画)] 9点(2006-08-15 12:30:39)(良:2票)
10.  ALWAYS 続・三丁目の夕日 《ネタバレ》 
前作では描ききれなかった銭湯などの描写や、映画や若者のファッションなど当時の流行のナビゲートに取り組んでおり、それをつなぐストーリーが、お前それ羽田空港出したかっただけやろ!!と思わずツッコミたくなるような、ただでさえベタであった前作以上に強引で予定調和的になってしまっていることがたまに苦笑を誘い、まとまり自体は前作のほうが良かった印象ではある。しかしあえて三種の神器に感動する家族、長嶋の真似をする子供や、テレビに集まり力道山に熱狂する民衆といったある意味ではステレオタイプとも言える昭和人感を映像化し、語り草から体感的なモノへと昇華させたのが前作の魅力であるのは間違いなく、進行していく時代とそこに生きる臨場感はそのままに、前作の続き、昭和人として、日本国民としての「人生の続き」を体験できるまさしく続編映画になっているという点では期待を裏切らない。特に昭和人情の描写という点は前作よりも強化されており、「純文学なんて」と引いて見ていたが、思いがけずそれに感動してしまった3丁目の人々のような体験をまさに自分がしてしまうようなストーリーに仕上がっていて、茶川が自信を滲ませながらも「これまでで一番の駄作かもしれない」と言った小説が人々の心の琴線に触れたように、確かにストーリー的には駄作であるのかもしれないが、なぜかそのストーリーは(日本人の)心の琴線に触れノスタルジーを想起する。なんとも騙されたような気分にもさせられるが、こういうのが名作というものなのであろう。
[DVD(邦画)] 9点(2012-01-17 08:32:20)(良:2票)
11.  タクシードライバー(1976)
社会に対し根拠の無い故に解消もできない怒りを覚えた若者が犯罪に走り民衆もそれを支持してしまうといういわゆるアメリカンニューシネマ。実際にこの映画に触発された精神病患者がレーガン暗殺未遂事件を起こすのだが…今となっては映画というより思想自体が古臭く世代が違う自分にははっきり言って理解しようがない。社会も病んでいるのかもしれないが、それが犯罪を、それも殺人を犯す理由にはならない。病んでいるのは犯人である。見所はデニーロと、当時13歳というジョディ・フォスター、二人の天才役者の演技くらいか
[ビデオ(字幕)] 4点(2005-08-28 07:42:08)(良:2票)
12.  戦艦ポチョムキン 《ネタバレ》 
ロシア革命を正当化する真っ赤っ赤なプロバガンダ映画。時代的にしょうがない面もあるが誇張のしすぎや自己矛盾などが多数ありプロバガンダ色が強すぎる。有名な「オデッサの階段」(ここはフィクションだが)で特にそれは見られ、殺されるシーンは女性ばかりだったりと偏った内容は逆に信憑性を歪めるのではないか。しかしプロバガンダとしても、踏みつけにされた死体は一人の子供だけでほかの死体はわざわざまたいで歩いていたりといった「違和感」のあるシーンもあり詰めが甘すぎる。圧巻はフィクションの階段シーンより、「たった1杯のスープのために」船上で下官達が上官達を虐殺していくシーンでしょう。自分達が上官を虐殺したことを忘れるかのように、たった1体の味方の死体を祭り上げる。今も昔も赤い方々は変わりません。映画の出来自体は当時の映画の水準があまりわからないので高得点はつけれないが退屈はしなかった。
[ビデオ(字幕)] 5点(2005-08-27 17:30:18)(良:2票)
13.  クワイエットルームにようこそ
久々に良質なアイデンティティのある日本映画見た気がするな。しかしまあ内田有紀が素晴らしかった。こんな主人公のこんなストーリーをよく演じきれるな。汚いシーンや下品なシーン、内田有紀の健康的イメージと綺麗さが無ければ評価は変わってしまったかもしれん。彼女の底抜けの明るさと男勝りの強さ、かつそういうシーンでなくても漂う色気は自然体で、素の彼女もこんな感じなのかなと思わされる。日本のキャメロン・ディアス(しかもキャメロンより上品だ)。シニカルである部分社会派でエロティックでシリアスでしかもコメディ。「ユニーク」な登場人物の数々。8点級だがもっと長く見ていたいと思えた希有な作品なので+1
[DVD(邦画)] 9点(2009-06-04 06:48:41)(良:2票)
14.  シェーン
無駄に力をひけらかすことも無く(彼自身は自分が正義ではないことも知っていた)じっと耐えていたがお世話になった主人と、何よりその妻や子供に危機が及ぶようになると命を張って戦う、ああ、日本人の心(?)サムライ魂だよ。一方で典型的西部劇ヒロイズムも合わせ持つ作品で、それに拒否反応が出ない限り西部劇としては最高傑作。悪役の言い分もオヤジの意地もオヤジの妻とシェーンの間にある感情もシェーンに憧れる子供の気持ちもみんな理解できる。シェーン、カムバーク。ええ話や。惜しむらくは子供に眉毛があれば
[インターネット(字幕)] 9点(2006-01-07 15:45:53)(笑:2票)
15.  スカーフェイス 《ネタバレ》 
誰にも食われまいと虚勢とも言えるほどの強がりと信念に生き成り上がった主人公だが、彼の人生の結晶とも言うべき掴み取った豪邸の彼の部屋に並ぶ監視テレビに象徴されるように、頂点を掴むにつれかつての強がりが薄れ利己的で保守的な傾向が強まり、そして彼をそこまでのし上げた最大要因である信用も失い仲間と対立し滅びてゆく。追い詰められ取り戻したかつての虚勢で銃を乱射し、虚しく最後の一撃を背後からぶち込まれるトニーの姿が、「外面的には全てをつかんだが、お前は強くないんだよ。これまで仲間がお前の背後を守ってきたことに気付くことができなかったのか。」というメッセージのようで印象的。究極のハードボイルドであり、グッドフェローズなど後のマフィア映画や、GTAといったビデオゲームにまで強烈な影響を与えた成り上がり映画の最高峰。
[DVD(字幕)] 10点(2005-11-29 12:49:19)(良:2票)
16.  ムーラン・ルージュ(2001)
名作と呼ばれるミュージカル映画はいくつかの名曲の中の名曲と残りの映画を長引かせるものでしかない退屈な駄曲で構成されていて、それがミュージカル映画の一つの欠点でありましたが、この映画は惜しげもなく投入される既存の大ヒット曲だけで構成されており、それもニコールとユアンが全て吹替えなしで素晴らしく歌いきっています。ミュージカル映画が衰退した時代の中、今後ミュージカルの再興があるとすれば主流はこのような映画となるでしょう。ストーリーは椿姫であり、ロミオとジュリエットでしかない所に、逆に製作者がこの映画の歌曲や踊りといったエンターテイメントの部分に大きな自信を持っていることが窺えます。ムーラン・ルージュという実在の、華やかな歴史がある社交界を舞台にしてムードを高める演出もニクイ。最初から最後までハイテンションで、観客は考える暇も無く、次から次へと押し寄せる音と光の波にのまれるしかありません。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2006-08-06 05:04:58)(良:2票)
17.  地球が静止する日
その事件が起こる目的や必然性について、科学的裏づけがなく(ある程度こじつけでいいにも関わらずそれすらできていない)SFになってない駄パニック映画の典型。それならアルマゲドンやダイハードみたいにベタでもお涙頂戴でもいいからハリウッドらしく盛り上げてくれればいいのだがそれもなく結局最初から最後まで目的も必然性も無いまま終わりどこを楽しむ映画なのか。理解したことを端的にまとめると、子供のしつけさえ出来てればもっと早く地球は救われたのでは
[地上波(吹替)] 3点(2011-05-30 07:39:55)(笑:1票) (良:1票)
18.  マチェーテ 《ネタバレ》 
一度見たら忘れない俳優ダニー・トレホ主演のマカロニウェスタンならぬタコスブシドーとでも言おうか新感覚アクション。映画の成り立ちから、タランティーノ仕込のバイオレンスさ、超豪華キャストに女優人の脱ぎっぷりまでとにかく異色。サスペンス風味のストーリーの割に展開は早く、最後はボス対ボスの川中島剣勝負、周りは発砲せず傍観、そしてセガールの潔さと思いっきりタランティーノブシドー。細かく見るとツッコミ所満載で深さが足らんてぃーのだがかるーく楽しめるB級モドキの娯楽作。
[DVD(字幕)] 7点(2012-03-13 16:45:28)(笑:1票)
19.  イヴの総て
演劇界で成り上がるのは智謀をめぐらせば容易なことであり、また容易であるが故に突き上げによる転落も早い。演劇界の幻想を見事に突き崩した優れた映画だが同年のサンセット大通りと比べると、ハリウッドがブロードウェイを外部から一方的に風刺したもの、ハリウッドがハリウッドを内部から自己総括したものという責任の差か、どちらが深層に迫れているかという点では後者より劣る。
[DVD(字幕)] 7点(2006-02-09 09:10:20)(良:1票)
20.  ブーリン家の姉妹
時代劇ということで、時代劇にありがちなもっと時代考証に力を入れすぎていてゴテゴテしてて当時の価値観などある程度の知識が無いと会話内容を理解するのも難解だったり、風習など時代の雰囲気の再現にこだわりすぎていて話が進まないスピード感の無い作品かと思いきや、意外にも最低限の見た目上の時代考証のみで細かい所はばっさりし話の展開が重視され言葉使いも現代風のわかりやすい愛憎劇に仕上がっていて好印象だった。敷居の高いイメージがあるイギリス王室の時代劇だが、このような作品なら見ても良いと思え、これまで避けてきた同時代を扱った他の作品にも興味が湧くような内容だ。これでまだヘンリー8世の6人の妻のうちまだ前半2人の話なんだよなあ。この後ジェーンが王子を産んだ時点で決着しそうなものだが、同じような一族の出世レースと失脚・処刑は繰り返され、末には何度「黙殺」されそうになったかわからないアンの娘エリザベスに権勢が転がり込むんだから面白い。その辺までのエピソードも同じタッチで描いてくれれば喜んで見るんだが…
[DVD(字幕)] 8点(2009-07-08 06:49:39)(良:1票)

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