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アングロファイルさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1000
性別 男性
年齢 60歳
自己紹介 レビュー数が1000に達したということで、活動を停止します。(今のところ)仕事がひじょうに忙しいので、映画を楽しむゆとりがありません。落ち着いたら再開するかもしれませんが、とりあえず未定です。

皆さま、ありがとうございました。縁があったらまたお会いしましょう。

※変更要望は出すかもしれません。

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1.  赤ひげ 《ネタバレ》 
基本的にエピソードの連続なので、時間が長くても長さを感じません。また、各エピソードにそれぞれ凄みのようなものがあり、引き込まれて飽きているヒマなどありません。前半は科白回しや場面設定、語りを中心とした物語ということで、ちょっと舞台劇っぽい印象を受けました。黒澤明の映画としては意外です。もちろん、映像的な演出にも見るべきところは多いと思います。しかし、全体としては語りのうまさ・巧みさが光り、そのあたりが私の好みに合っているように思います。  物語としては、まあ文句のつけようがないですし、たいへん感動的でありました。難を言えば、赤ひげ先生があまりにも完璧すぎるところでしょうか。とはいえ、ユーモアもあって面白いキャラクターになっていました。あと、冒頭で江原達怡が加山雄三を案内するというのは、当時の観客はニヤニヤしながら観てたんでしょうねぇ。こういう遊び心が、余裕を感じさせます。終始オーケストラで攻めた佐藤勝の音楽もマル。
[映画館(邦画)] 10点(2015-10-20 20:39:27)
2.  アンドロメダ・・・ 《ネタバレ》 
『日曜洋画劇場』で見たのが最初でした。とにかく面白かった。数日後、偶然書店で原作を見つけ、さっそく購入。かなり忠実に映画化されていることを知って、驚くと共にこの原作に感心しました。 本作の成功は、まずリアルな設定に徹したこと。物語自体が、実際に起こった事件の報告書という体裁をとっています。演出も、一部映画的な手法をとっていますが、おおむね地に足がついたリアルなタッチで貫かれています。「本物らしさ」の持つ迫真さを感じます。最下層に行くまでの長々しい描写も、本物らしく見せるためには必要不可欠なのです。 それと、物語の基本を「謎解き」に置いたこと。最初は何が起こったのか? という謎で引っ張り、次になぜこんな死に方をしたのか? に移り、最終的には「なぜあの二人だけが生き残ったのか?」という点にたどり着く。最後にはその謎を解いてみせる。形式こそSFですが、実はミステリーの要素が重要な位置を占めています。そのことが、推理小説が好きな私の心をつかんだようです。 あと、未知の存在を科学的に解析・研究する過程・手法。新しい事実を次々と発見していく面白さ、未知のものを解き明かす知的興奮を味わうことができます。これもやはり一種の「謎解き」と言えるでしょう。専門用語も頻出しますが、実はあまり詳しくなくても理解できるように作られています。中学卒業程度の理科の知識があれば大丈夫でしょう。pH すら知らないというのなら、話は別ですが……。ということで、SFということで敬遠しそうな人にこそお薦めしたい名作です。 今回はNHKの放送を見たのですが、字幕にあまり適切でないところがあったのは残念でした。ロボットじゃあるまいし、“燃料”を飲んでいる人っていないでしょう。何の誤訳なんだか。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2011-02-14 20:18:43)(良:1票)
3.  アンコール!! 《ネタバレ》 
いい映画でした。前半は夫と妻、後半は父と子というぐあいに、家族の絆を描いた物語。それをつなぐものが音楽であり、両者が巧みにリンクしているのがよかったです。イギリスの高齢者合唱団が舞台なのですが、ロックを主に歌っているのが面白い。ラップを混ぜたり、男声の衣装が革ジャンにサングラスだったりというミスマッチがいいです。日本でこういう合唱団が歌うとなると、童謡・唱歌と相場が決まっていますからね。しかしそのうち、ビートルズやローリング・ストーンズや永ちゃんをうたうシルバーコーラスが出てくるかもしれません。 かなりよかったのですが、終盤の展開があまりにもパターン通りだったのでちょっとマイナス。しかしそれでも、高く評価したいです。原題は泣かせるいいタイトルで、邦題はちょっと負けている気がしますが、「人生のアンコール」ということを考えれば、これはこれで味わいがあります。
[映画館(字幕)] 9点(2013-07-09 21:15:34)
4.  ある日どこかで 《ネタバレ》 
言うならば「雰囲気映画」でしょうか。1912年を再現した美術・衣装は見もの。撮影も美しいし、鏡を使うなど演出もすてき。音楽はさらにすてき。ジェーン・シーモアは単に美しいだけでなく、作中コリアーがひかれたのもうなずけるような、何ともいえぬ魅力を放っています。ストーリーとしてはやや弱いのですが、ラブロマンスとして「短くも美しく燃え」という一点に絞ったところがよかったと思います。限られた時間だったからこそ、終盤の展開に説得力が出てきます。あれは一応、ハッピーエンドとなるのでしょうか? 冒頭でコリアーが受け取った懐中時計など、説明のつかない部分もあります。しかし考えると、この懐中時計がうまい。この時計は1912年から1980年までの間を、永遠に巡り続けるわけです。2人の愛が永遠であることを象徴するかのように。しかもそのアイテムが時間を示す道具であることが、より暗示的です。その象徴としての時計が重要なのであって、その由来を詮索するのはあまり意味のないことだと思います。一瞬にして永遠の愛を、美しい映像と音楽で堪能する映画でしょう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-03-12 20:58:33)(良:3票)
5.  安城家の舞踏会 《ネタバレ》 
これはよかったです。華族という階級が消滅してしまい、今後どうするのか。意地やプライドやメンツが交錯して家族が対立しているわけですが、最終的には同じ決定に収斂されていく。そこに至るそれぞれの思いの変化が時に繊細に、あるいは大胆に描かれていたと思います。それぞれのドラマに見ごたえがあります。中では達観したかのような森雅之の長男が印象的でした。まあ、全員がハッピーエンドというのが弱いという気もしますが、元華族の人も見るということを考えると、やはり希望をもたせた終わり方をするしかないのでしょうね。それにしても、終戦後一年あまりでよくあれだけのセットと衣装を用意できたものです。当時の映画人の情熱を伝えるという点でも貴重でしょう。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-03-02 20:48:31)
6.  ある貴婦人の肖像 《ネタバレ》 
いや~、これは見ごたえがありましたね。 ただ、ヒロインのイザベルには、あまり魅力を感じません。もっとも、「若くて愚かな女性」の物語なので、それで正解なのでしょう。彼女は伯父の遺産相続後フィレンツェに渡り、オズモンドと出会って惹かれるわけですが、どこがよかったのか今ひとつよくわかりません。芸術家肌の彼が、自由人であるように思えたのかな? このあたりまではまあ普通なのですが、二人が結婚し、以前イザベルに求婚したウォーバートン卿と、オズモンドの娘パンジーが出会うあたりから、俄然面白くなってきます。イザベル夫妻とウォーバートン、さらにはパンジーと彼女に恋するロジエのそれぞれの思惑が交錯し、微妙な人間関係・心理の綾が描かれて行きます。ここでイザベルはあちらこちらから板挟みになり、かなり苦しい立場に追い込まれます。ヒロインが共感を呼ぶような人物ならば、ここは見ているこちらも心苦しくなってきますが、なにしろ魅力のない人物ですから、感情移入することなく客観的に見ることができます。そうなってみると、この人たちの関係はかなり面白い。ローマにやって来ているイザベルの従兄弟ラルフも、いいアクセントになっています。このパートは本当にすばらしい。 やがて帰郷したラルフ危篤の報を受けたイザベルはイギリスに渡り、最後に二人の心は通い合うわけですが、ここで重要だと思われるのは、過去のラルフの行動。イザベルが遺産を相続したのはラルフが父親に進言したのだということを、彼女はすでに示唆されています。遺産相続の結果彼女は金目当てのオズモンドに引っかかり、不幸な結婚をするわけですから、元を質せばラルフが原因と考えられます。しかしそれでも彼に対する思いは変わらなかったわけですから、これは間接的にせよ自らの現状を認め、肯定したことになるのでは。となると、曖昧な終わり方をしていますが、やはりあのあとイザベルはローマに戻るのでしょう。もちろんそこには、暖かい団欒は待っているわけではありません。しかしイザベル自身には、少しは変化が起こっているのではないかと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-10-25 11:22:19)
7.  あの子を探して 《ネタバレ》 
結局、何をポイントにして見ればいいのか、よくわかりませんでした。農村の貧しさか? ミンジが代理教師になるということ自体、なにやら問題をはらんでいるようで、そういう意味では問題提起を果たしているのでしょう。しかし実際に見ていると、「貧困問題」とやらがあまりにも紋切り型であるためか、それほど重要ポイントとは思えないのです。最後も結局「金で解決」といった感じになりますし。  それよりも、お金のためにやる気のない代理教師を引き受けるミンジの方に興味があります。ホエクーを探すために都会へ行くお金を稼ぐため、図らずもマトモな授業を行うあたり、なかなか楽しめます。もしかするとミンジ自身、生徒たちと共に授業をする楽しさを感じたのかもしれません。そう考えると、あれも後半への大切な経過点だったと思えます。ああいった場面があるから、テレビで涙を流すところで説得力が感じられます。それにしたって、この映画を少女の成長物語と見ていいのかどうか、やはりわかりません。つまらないわけではありませんが、なんとなく始まってなんとなく終わった、ようなものでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-06-07 05:09:35)
8.  荒鷲の要塞 《ネタバレ》 
要塞に乗り込むまでの前半、要塞内での中盤、脱出後の後半に分かれていますが、中盤がなかなか面白い。「観客に情報を渡さず混乱させる」という手ですが、スパイがいるということをあらかじめばらしているので、より効果的でした。黒幕の正体も含め、探偵小説の国イギリスらしい内容で、アクションよりそちらの方が楽しめました。  アクションものとしては、爆弾を大量に爆発させたりマシンガンを撃ちまくったりと、派手。この頃英米では、映画はすでにテレビに押されていたことでしょうから、テレビに対抗して派手なアクションを連発したのかもしれません。爆発・銃撃の連続ですが飽きが来ず、長時間も気にならず楽しめました。ロープウェイ上での戦いが、地味でむしろ違和感を感じました。脱出計画も用意周到で面白い。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-08-08 18:16:29)
9.  アマデウス ディレクターズカット 《ネタバレ》 
ディレクターズカット版を見るのは初めてですが、やはり少々長いです。オリジナルの方が締まっていてよかったように記憶しています。こちらも長いこと見ていませんが。  話としては、前半サリエリが中心の物語だったのに、後半は完全にモーツァルトが主人公になっているところが面白い。結局サリエリは、こうした物語でもモーツァルトに食われてしまうことになるわけです。やはり根本的に、人を引きつけるものを持っているかどうかの違いなのでしょう。  オリジナル版を初めて見た時もっとも感心したのは、2人が協力して「レクイエム」を完成させようとする場面。まるで本当にこんなことがあったかのようなリアルな臨場感があり、引き込まれました。しかしそれも、そこまでの話の展開、2人の関係があってこそ説得力が出てくるものです。私にとってこの映画は「レクイエム」のシーンが全てであり、あくまでそれを生かすためにその他のエピソードが配列されています。そう考えると、神の扱いなどもサリエリの動機づけとして使われているだけのようにも思えてきます。だから神の意味するものがどういうことなのか、あまり深く追求するのも意味がないかもしれません。神がどうこうよりも、人間の関係の方が面白い映画ですし。  まあ、「レクイエム」のシーンが面白かったといっても、やはり初見時の興奮には及びません。あれがあることをあらかじめ知って見ているのでは、評価を下げざるを得ません。それでも非常に興味深い作ではありますが。ただやはり、オリジナルの長さでもいいんじゃないかと思ってしまいます。
[映画館(字幕)] 7点(2016-07-15 20:57:05)
10.  網走番外地(1965) 《ネタバレ》 
ヤクザだろうが殺人犯だろうが、人の子であり親は恋しいという、単純ながら深い真実を鮮やかに描いた作品。そのための、脱走までの展開(伏線)がとてもうまい。それ以外にも、人としてのやさしさ、人情を感じさせるエピソードがいろいろ。橘も権田も鬼寅も妻木も、観客であるわれわれと同じ人間であると感じさせ、そのことによって感動を生み出す。これは人気が出るはずです。モノクロで撮影されたのは予算の関係でしょうが、それがかえってリアルな味を生み出して、成功していたと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-05-01 21:38:24)
11.  悪魔の手毬唄(1977) 《ネタバレ》 
原作は結構長いのですが、うまくまとめてわかりやすくしていたと思います。というか、むしろわかりやすすぎ。調べていくと最後には恩田幾三と神戸にたどり着くので、過去の事件については見当がつきやすいでしょう。そこから現代の事件もわかろうというもの。途中で観客に真相が見抜けるというのは、前作『犬神家の一族』と同じです。それにしたって、動機は弱いけど。 が、今回は、ストーリーを追うのに手一杯で、人物描写はそれほど深みがない。仁礼家と由良家の対立とか因縁もあまりピンとこないです。ドラマ部分に関しては磯川警部に一任したようで、金田一との交流とか(一緒に自転車に乗るシーンがイイ)、リカさんへの思慕とか、その辺りが見どころでした。若山富三郎をキャスティングすることで、ドラマとしても見られるものになったかなと。岸恵子があんな田舎の旅館の女将というのは、まったく合ってないと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-05-12 20:01:31)
12.  アメイジング・グレイス 《ネタバレ》 
ウィルバーフォースについてはまったく知らなかったのですが、一応内容は把握できたので、その点はちゃんと作ってあると思いました。しかしこの題材なら、映画よりもテレビシリーズでじっくり見たいです。時間がないのであくまでウィルバーフォース一派だけの話になっていましたが、奴隷制度をめぐる当時の世相や賛成派の話を入れた方が物語に厚みが出るでしょうし、更に理解が進みそうです。題材からしても、もっとじっくりと腰を据えて描いてほしかったところです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-01-16 22:22:22)
13.  嵐を呼ぶ男(1957) 《ネタバレ》 
これも以前見ましたが、レビューのために再見。バックステージのロマンスものだと思ったら、母子ものだったとは意外。しかしロマンスの要素や芸能活動の裏で暗躍する怪しげな連中など、いろいろ取り込んでいます。これらをうまくからめた話の筋はなかなかよかったのではないでしょうか。ドラマーとしての将来をつぶされたと思ったら、母親と心が通じるとか。いちおうハッピーエンドですが、単純にめでたしめでたしで終わらないところが、かえってよかったと思います。お母さんが芸能界を「ヤクザな世界」と言っていますが、実際にヤクザが出てきますね。現在は知りませんが、当時はああいうものだったのでしょう。あと、評論家がそんなに発言力を持っていたのかというあたりは、ちょっと疑問に感じました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-08-13 17:21:37)
14.  アイリス(米英合作映画)
題材としてはよくありますし、今後もこうした映画やドラマは作られるでしょう。本作はイギリス映画らしく、淡々としていて感情的にならない。こうした作品が陥りがちなお涙ちょうだいや大げさな悲劇的展開にならないところがいいです。2人の過去と現在を平行して描くのは、目先が変わって飽きてきませんが、やや散漫に思えるところもあります。しかし、過去の関係があってこそ現在の関係が生きてくるので、この構成自体はうまいと思いました。ただ、アイリスがなぜジョンを選んだのかはよくわかりません。原作が夫の書いたものですから、そこはあたりまえなのか……。しかしそこがこちらにもわかれば、終盤の展開ももっと説得力のあるものになったと思います。 ところで、ジム・ブロードベントは助演男優賞なのですが。主演でもよかったような気がしますが。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-06-28 20:28:25)
15.  秋のソナタ
いや~、怖いなぁ。「女は怖い」と言っても、特に怒られませんよね? 父と息子では、ここまで恐ろしくならないでしょう。ベルイマンとは相性が悪いのか、引き込まれましたが、ほめたくなるほどではありませんでした。最後まで来るとキリスト教的な思想が背景にあるようですが、それもよくわかりませんでしたし。しかしデジタル・リマスター版を劇場で見る機会がありそうなので、足を運んでみましょう。とりあえず、主演2人の芝居はおみごとでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-04 17:10:08)
16.  有りがたうさん 《ネタバレ》 
実にのんびりしたお話で、時代がよく表れていると思います。バスの停車場で毎回一服というのも、今では考えられません。バスの車内でもタバコを吸っていましたし(笑)。しかしそのため、途中でちょっとだれてしまったのは残念。 お話としては、売られてゆく娘を中心にすえつつ、色々なエピソードで楽しめました。特に桑野通子と石山龍嗣の応酬が楽しい。しかしその桑野通子も、最後の語りで、ああこの人はもう帰ってこないんだろうなと思わせる。売られずにすんだ娘との対比も生きて、なかなか重みのある結末でした。重みといえば、コメディタッチで笑わせながら、要所要所で問題意識を投げかけるあたりもバランスがよくてけっこうでした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-04-29 17:55:36)
17.  赤い陣羽織 《ネタバレ》 
製作はなんと歌舞伎座。原作はもちろん木下順二の戯曲ですが、歌舞伎座でもよく上演されるようで、十七代目勘三郎は歌舞伎座での初演者らしい。映画化されたいきさつはよくわかりませんが、好評だったのでしょう。 コメディというか「滑稽劇」ですが、今見ると苦しいところもあります。とはいえ、一応楽しく見られました。権力者への風刺劇として、山本薩夫の監督起用は適任でしょう。ドラマの盛り上げ方もうまい。 しかし本作の見どころは、なんといっても香川京子と有馬稲子の両女優。香川京子は「できる奥方」を凛とした美しさで演じています。それに対して有馬稲子の方は、誰からも言い寄られるあだっぽい女房役で、これまた美しい。この2人の亭主が、そろって気が弱くあたふたしてばかりなのも、おかしいところ。戦後「女と靴下は強くなった」と言われたそうですが、この作品などそれを象徴しているのかもしれません。出演者はみな楽しそうで、特に多々良純あたりはかなり乗ってました。見ている方も楽しくなります。
[地上波(邦画)] 7点(2012-10-21 11:25:17)
18.  青空娘 《ネタバレ》 
明朗快活青春映画。楽しく見ました。あくまで明るく、あくまで元気に、あくまで前向き。こういうところが、高度経済成長期らしいところでしょう。未来に希望の持てる時代だったのですね。義理の母に邪険にされるあたりがのちの大映ドラマのようで、こんな時代にもルーツがあったとは驚きです。川崎敬三と菅原謙二の不思議なライバル関係とか面白い。蝶々・雄二の息のあったところも見られます。増村監督で同じ年の『暖流』はダメでしたが、これは楽しめました。こういう作品ならもっと見てみたいです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-05-15 22:37:30)
19.  ああ結婚
一応コメディ・タッチですが、お国柄や時代を反映してか、そんなに笑えない。フィルメーナが結婚にこだわるというのも時代を感じさせて、今なら結婚せずにすませるかもと思います。ドメニコにどれほど惚れているのか、映画を見ただけではあまりよくわからない。マストロヤンニの軟派ぶりは面白かった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-04-08 16:58:37)
20.  兄とその妹(1939) 《ネタバレ》 
お洒落でモダン。女声合唱のタイトル音楽が、それを象徴しているように思います。主舞台となる間宮家は、戦前のことゆえ日本家屋で和服の生活ですが、洋装の妹・文子が思いっきりモダンな要素となっていて、三宅邦子の義姉と好対照になっています。兄も含め、それぞれを思いやる三人の心の機微がよく描かれていたと思います。特に、文子役の桑野通子が素敵でした。前半は大きな事件がなく、状況説明や伏線とはいえ、やや間延びした印象となったのが残念でした。よく言えば、伸び伸びしているのですが。 最後に大陸に渡るというのも、その後の経緯を知っているだけに、めでたしめでたしとは思えず、尻切れトンボな思いが残りました。間宮家はけっこう裕福な家庭のようでしたが、そうした層の方が現地の情勢についてうとかったのかもしれません。まあ、当時のスタッフがこの最後になにを託していたかというのは、私にはうかがい知ることはできませんが……。 ちなみに、文子が同窓生とウェルナーの「野ばら」を歌う場面があるのですが、詞が現在一般に知られている近藤朔風の訳詞ではありません。誰の訳なのでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-01-22 21:53:47)
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