41. 悪霊喰
《ネタバレ》 なんだこの邦題って。まず見始めて映像、音がよいと思った。私の嫌いな乱暴なカメラワークもないので疲れない。それはともかく中身。これって、カソリック国では上映できないでしょう。カソリックの神父が堂々とHしてそのあまりのよさに「もう神父はやめた」とかすーぐ言っちゃうし、罪食いと取引するような奴が枢機卿なばかりかポープになろうとするし、最終的に元神父の罪食いができあがっちゃうし。だいたいカソリックの神父があんなにボンノーに弱くてどうするんだ。「ドラキュリアⅡ」のユフィジ神父のようでなければいかーん。あんな簡単に女に走ってしまうようでは、神父になる意味がないと思うじゃん。ところでドミニクさんは、アレックスを売ってまで贖わなければならない深刻な罪を犯していたわけよね。それって出てこないんだけど。私は「少年をもてあそんだ」以外にあり得ないと思っているのですが。気も狂いそうなほど不安に苛まれていたデブの金持ちが、一転して笑顔のデスマスク。ここに、キリスト教徒が「地獄落ち」を本気で畏れていることを感じた。だけど、死んだあとにどっちに行ったか誰にも分からないのにね。 [DVD(字幕)] 7点(2006-01-07 00:24:58) |
42. UPRISING アップライジング<TVM>
《ネタバレ》 興行的な成功をあんまり考えない作品だと思うので、どこがどうだったとか、役者がどうだったとかいうことでなく、これを見た日本人が何を思い、何を教訓とするべきか個人的に一つの回答を述べたい。私が強く感じたのは「あまりにも都市化された民族の悲劇」であって、「都市化」とは養老孟司言うところの「脳化」のことである。詳しくは「バカの壁」を参照されたい。養老はぼけてきて何言ってるのかわからない部分が多いが、この点については鋭い指摘であるなあと思う。ユダヤ人は、歴史的ないろいろな事情により、「都市」に住み、「脳化」された職業につきがちで、意識的に財産を可動式に貯えてきたために、侵略側にとってみれば、「移動させやすい民族」であったのだ。侵略側にとってみれば、彼らを移動させても食料の収益が減るでもなく、何ら困ることはないわけだ。養老はこのことを、「ベトナム戦争」や「成田闘争」と比較して語っており、「なぜユダヤ人はかくも簡単に殺されたのか」と言っている。「土地に根付かない民」の不幸である。もっと言えば、「農業」や「畜産業」を行う民にくらべて、「脳化」された職業を生業とすることが、いかに侵略に弱いかということである。ユダヤ人の悲劇は、日本人が農業を捨てない限りは、他民族に侵略されても戦えるのかもしれない、という教訓を残す。またライフライン、交通および通信にかかわる職業を、外国人に明け渡さないこと(この映画でもそういった職業のポーランド人の協力が不可欠であったように)も危機管理上重要である。(櫻井よしこみたいになってきたが) ジョンボイトは「オデッサファイル」で元ナチの将校に復讐し、「アップライジング」ではまさにその敵役を演じたわけで、俳優として実にあっぱれな態度と言える。彼はドイツ人として成すべきことを成したということであろう。 [DVD(字幕)] 9点(2006-01-02 15:17:54) |
43. アバウト・アダム アダムにも秘密がある
《ネタバレ》 いろんなタイプの女の人を、自分ひとりで幸せにしまくる男アダム。普通に考えると、「そんなめんどくさいことよくやるじゃん」なんだが、「アダムさえいれば、男なんてそんなにいっぱいいなくたっていいんじゃん」、という「サンデーサイレンス状態」ともいえる。 「一部の優秀な男」と「その他大勢のどうでもいい男」との差別化である。当然、男子諸君の視聴後感は良くないであろう。なお、アダムがケイトを結婚相手に選んだワケは、「他の女たちと比べて、最も独占欲との折り合いがつけられる女」だったからなのだ。男子にとっては「こーゆー男が実際に現れたなら最悪」の映画であり、女子にとっては、「つまんない男を独占すること以外にも、満足できる形はあるのかも」という思いがよぎってしまう映画であり、見る側の性別を選ぶ作品なのであった。 [DVD(字幕)] 7点(2005-12-29 14:33:22) |
44. アメリカン・サイコ
《ネタバレ》 原作があまりにもイケていたために、これについては…だな。だって小説でないとこのオチっておもしろくないじゃん。それに、田中康夫の小説のごとくしつこくディテールを繰り返すことにに意味があるので、(バカ高い外食料理の名前の数々とか、店の名前とか、ハミガキに使う大量の衛生用品の名称とか、)そういうの全部すっとばして映画化は…。あと、原作を読んで私が思い描いてた主人公とは、ビジュアルが違いすぎた。誰が見てもハンサムでお坊ちゃんで、美しい金髪でしょ。外見はチーズケーキみたいな男だと思うの。ベールかよ。お願い小説を読んであげて。クロエはよかったけど。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-12-25 23:31:26) |
45. アポロ13
このときビニール袋に入れた糞便を捨てられなくて、それらの物体がクルーたちのまわりを舞っていたということですが、想像するだけで「おぞ」でございます。しかしそんなことにもめげず、各人の極限まで能力を使い切って、生還したことがすばらしいと思います。いいときは誰だってうまくやれるんだから、ダメになったときにどうするか、考えさせられる作品です。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-25 23:19:23) |
46. アルタード・ステーツ/未知への挑戦
《ネタバレ》 CSで放送があったので、20数年ぶりに見てみる。 …ウィリアム・ハートがエロい。こんなにエロかったかなあ。 今ではオヤジ化が進んで美青年の面影ゼロであるが、当時はエロかった。 カレの最大の武器は口角がキュッと上に上がる小さな口だったのだが、その武器をフルに使ってイヤらしさ全開。主役をゲットしたのね。 そして、惜しみなく脱ぎまくる。もう、共演の女優なんかかすむどころか引き立て役にしか見えないというほどの脱ぎっぷり(それに女優がブスだし)。 西洋では、男性は尻を見せてはいけないのだが、そんなことはおかまいなし。 さすがだハートよ。 あっ内容はどんなだったかなあ。ヤバい(2001年宇宙の旅+エクソシスト÷2+ダリの絵画かな)。 真理を追究してマジになっているくせに、すかさずいっつもセックスしているところが、何かに似ている。村上春樹(の小説)だ。 ※エディが用いた原住民経由の薬物は乾燥ペヨーテ(サボテンの一種)と思われる。 ちなみに故中島らもは日本製のペヨーテ鉢を買い求め乾燥させて食したが、幻覚は見なかったという。味は大変マズいらしい。詳細はドラッグエッセイ集「アマニタ・パンセリナ」。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-24 00:02:57) |
47. アニバーサリーの夜に
《ネタバレ》 いやこれ、秀作です拾い物です。このころはちゃんと可愛かったジェニファー、とてもきれいです。しかし男の趣味が悪い。なんなのこのダンナは。「頼りがい」というものが果てしなくゼロに近いこのアランカミング。どうみてもゲイ風のルックスなのに。お気に入りのパーカーポージーも出てるし。味があるよ。子供が欲しくないってのは、実話なのかな?そんなことを、ぎゃーぎゃー泣きわめきながらでないと言えないところが、微妙に狂ってる。日本ではありえない金持ちの家のパーティー、しかも何気にしょっぱい雰囲気、たまにはよいです。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-16 20:45:53) |
48. アンブレイカブル
《ネタバレ》 これまた「神様」な作品。何があってもケガもしない男がいるなら、それの「ネガ」なる男をも神様はつくりたもうた。神の技の不思議よ。さあ、人間よ、この神の問いの謎を解き、応えよ。 シャマランくんは、キリストを信じず、造物神たる唯一の神を崇める一神教の教徒でもない観客には、いったいどこまで期待しているのですか。「べつにわかんなくていいよ」「べつにきみたちのためじゃないから」「きみたちにも、是非神の偉大さに目覚めてほしいのさ」のうちのどれですかー、先生。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-12-10 01:33:50) |
49. アイランド(2005)
《ネタバレ》 長い。なのにこの物足りなさは何かと考えてみるに、ドラマ性の欠如。必然性が無いのに、話を進めるためにだけ物事は進む。リンカーンとジョーンズの馴れ初めのエピソードとか必要不可欠だと思うけどなあ。だから面白く見れないんだよ。このごろ映像の方に力が入ってるやつって、どうも物足りないんだなあ。アダムとイブ。楽園からの追放でなくて脱出。「神」を暴き滅ぼす。これが一神教の創造主と人間の関係だったらどうなんだ?1回見れば充分。 [DVD(字幕)] 6点(2005-12-03 00:00:57) |
50. Avalon アヴァロン
生活感のない女の人が生活感のないPCつけっぱなしの部屋でなぜ急にシチューを作るのか? 急にシチューを作るにはだなー、野菜や肉などの材料がたまたま冷蔵庫にあったということでないと無理。そういうものが常に冷蔵庫にあるのなら元気に自炊しているはず。(料理は生きる元気を生む)元気に自炊している女ならあんなんか?急にシチューを作りたくなる気持ちはわかるけど、それには材料。 [ビデオ(字幕)] 5点(2005-11-30 21:03:13)(笑:1票) |
51. 愛してる、愛してない...(2002)
《ネタバレ》 面白かった。「危険な情事」のフランス版?池田理代子の漫画でこういう短編があったな。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-23 18:22:13) |
52. “アイデンティティー”
《ネタバレ》 うん面白かった。2回目はメモを取りながら詰めてみたが、解明できたとはいいきれない。 死体のそばにあるルームナンバーは人格のできた順番なのか?しかし、2~5が表示されていない。死ぬ順番には、人格の重要性が関係あるのか?あるようなないような。4人の女性人格のうち、ジニーはブロンドであるから、(彼の母はHAIR Br, EYES Br)母の投影された人格ではなくマルコム自身のおびえる女性人格であり、おそらくルーの暴力にさらされていながら離れられない。マルコムを殴っていたのは父であるから、ルーは父であるのだが、「妊娠はウソ」であったため、父親になることをマルコムから否定されている。他の3人の女性は母キャリーの人格が分かれたものであるが、ティミーは3人の母を殺していることになる。アリスは「慈愛あふれる母」人格だが、冒頭から昏睡状態のため「慈愛」をあらわすことができない状態にされたまま死ぬ。キャロライン(女優)は「売春」と「慈愛」をを排除した残りの母の人格というべきであり、「ヒステリーでわがままでみえっぱり」とされている。パリスは実在の母からキャロライン的な部分を除いた「売春婦」の象徴である。すると、「父」が登場していないのだ。ジョージは「継父」であるから、マルコムにとっての「父」足りえない。私は「エド」こそマルコムの思い描く「父」であったと考えるのだが。深読みしすぎ?ともあれ楽しめる作品です。ジョーンキューザックへの不満ははひとまず置いておこう。 [DVD(字幕)] 9点(2005-11-23 12:48:26)(良:3票) |
53. 愛人/ラマン
《ネタバレ》 うわっいやらしい。と思ったです。アノーはエッチなやつに違いない。フランス人。 レオンがしびれる。最後ふつーに中国人の女と結婚しちまうところが最高ですね。「駆け落ちじゃあ」とかなったら台無しだ。自分のこういう話をネタにするところが、デュラスは相当嫌な女ですね。しかしせつない話ではある。及川光博がPVで白いスーツにメガネで「香港の実業家」を気取った姿に、若干「ラマン」のレオン感がありました。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-11-16 23:37:48) |
54. アンナと王様
《ネタバレ》 チョウユンファが出ているとついつい点が甘くなります。出ているんですよー、フェロモンが。 しかしユンファ好きというのは恥ずかしくてつい隠してしまうもので、この作品を見た人に「デブだし全然ダメー」と言われて「そうですよねー」とうなずいてしまう悲しさ。隠れユンファ。 王様よかったなー。これはユンファでないと成立しませんでしたね。この王様って、タイではいまでも神様のように尊敬されているって。この時代に植民地化を免れたのは奇跡とユンファの努力なのですね。相手がジョディだったので、へんなジェラシーも全く感じませんでした。ユンファは老けないようにがんばってこれからもフェロモンふりまいてほしいです。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-15 21:10:59) |
55. ALI アリ
《ネタバレ》 兵役拒否は知らなかったな。ところでアリという人は、なんでこんなに女癖が悪いんでしょうか。ほとんど病気じゃん。イスラム教は一夫多妻だっけ。じじいになってもそれだけは直らないのね。次から次へといろんな女の人と結婚するほうが、一人にしぼってるより疲れると思うけど。理解できん。 [DVD(字幕)] 5点(2005-11-15 20:47:19) |
56. アイズ ワイド シャット
《ネタバレ》 正直に言って、これ分からなかったです。キューブリックは私にとっては「合うやつ」と「合わないやつ」にはっきり分かれるなあ。何年か後にまた見たら分かるのかなあ。浮気するとかしないとかでなんでそんなに深刻に悩む必要あるかなあ。もしかしてコメディなのか。トムはあいかわらず全力投球。ニコールは当然スタイルばっちり。キューブリック。これが遺作とは。こんな分からないもの遺されても。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-11-14 23:16:39) |
57. アメリカン・ヒストリーX
《ネタバレ》 重ーい映画。なんだかオリバーストーンが好きそうなネタだなあ。エドワードは「ファイトクラブ」では軟弱者を演じたが、この作品では正反対のマッチョ野郎になった。これって、本人内心「どーだ」気分で織り込み済みなんでしょうね。 前半、「あーもうみるのやだ」ってみんな思うでしょ。でも、我慢して後半行くと、意外な展開が。そうか、後半のために前半がどうしても必要だったのね。あたしは、あの後半部分で何かを感じましたね。うまく言えない何か。1対1で真剣に向き合ったときに、「差別感情」は意味を成さない、とかそんなようなもの。ラストはウルっときました。あの黒人のにーちゃん、イカすじゃないかい、とホメホメしてあげたい。いったいどうやってブラザー軍団を抑えることができたんでしょうか、その力関係、どうなってんの?誰か教えて、と言いたくなった。でも実際にそのシーンがあったら台無し。つらいけど、1回は見て欲しい作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-13 21:06:48) |
58. あなたにも書ける恋愛小説
《ネタバレ》 これの敗因は、いったいなんだろうか。愛するロブライナーがー。と頭を抱えてしまうこの作品。どうしちゃったんだろう。こんなにつまんないの作って。ピクリとも感じなかった。悲しい。ロブライナーが自画自賛しているのも涙を誘う。エフロンもこのごろだめだしなあ。ラブコメ界の不調はいつまで続くのかなあ。おっと、「幸せになる彼氏の選び方」がありますぜ。もういいよ、ロブライナーはー。 [DVD(字幕)] 5点(2005-11-13 19:17:43) |
59. アニー・ホール
《ネタバレ》 ウッディアレンではやっぱりこれが一番よかった。ウッディ出演作は、見ているうちに彼のルックスがかっこわるいということを「忘れた」状態になってしまうのが不思議だ。なんでしょう、この感じ。催眠術か手品にも似ている。ダイアンキートンは「美人」じゃないけどすごくよい。ウッディが惚れるのも納得できるなあ。こんなに言葉の多い映画(たけしと反対をいく)なのに、どうもダイアンの服装だけがいちばん印象に残っている。ミアよりダイアンだよ、やっぱり。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-09 21:23:34) |
60. 悪魔を憐れむ歌
《ネタバレ》 アイディアよし。今思えば、それってマトリックスのスミス感あり。こっちが先ですね。 デンゼル出演作の中ではよくできましたと言える。これ好きですね。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-07 21:00:01) |