101. アパッチ(1990)
この映画で印象強かったことといえば、T・L・ジョーンズが夜中に眠れず起きてきて食べてるのがなんでチョコのアイスバーなのかなーと。台詞のたびに歯が黒くて、そういうどうでもいいことのみ気になったのでした。 [地上波(吹替)] 4点(2012-05-30 00:52:48) |
102. 安城家の舞踏会
《ネタバレ》 台詞回しの古さとか屋外のセット等に時代を感じてしまうけれど、観終わって後じわじわと余韻がきた。もはや絶滅言語のような日本語を話す原節子。なんとまあたおやかな。それでいて賢くて芯が強くて、もう安城家の姉兄方は家の今後のことは敦子さんに丸投げだ。どうしようもなく不安なくせに強がるばかりの長男に、特権階級プライドが富士山より高い長女、やんごとなき殿様育ちで人を疑うことすら上手くできない当主。そんな中敦子さまはひとり顔を上げ、前を向くのだった。「安城家の美しい思い出」を刻むために催した舞踏会だったけれど、この家の真の美しさはゴシップ乱れ飛ぶ虚ろなパーティーなどに無く、ラストのダンスシーンに結晶している。お父様と敦子さんが踊るダンス。上質な暮らしに守られてきた上品な二人が踏むステップのしなやかで美しいこと。ついに長男の虚勢が削がれ、彼が号泣するに至るのもわかるってもんです。下々な私に別世界の輝きを見せていただいた、そんな気持ちになる作品。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-05-09 11:23:14)(良:1票) |
103. アメリカン・サイコ
《ネタバレ》 も、妄想オチってか。誰が死んでんのかそれとも死んでないのか名前間違いが伏線だとか や わかりづれえっ。名刺バトルで脂汗とか人気店の予約を取れるのがステイタスだとかバカみたいなバブル狂乱っぷりには趣があったけれども・・だからなんなんだ。サスペンスではあるけど真っ裸でチェーンソー持って走るC・ベールは怖いというよりシュールで笑いそうになるしなあ。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2012-04-09 17:27:20) |
104. 悪魔のような女(1996)
《ネタバレ》 なんかどっかで見たことあるような感じだし、ネタが割れてしまうとあー、なあんだあ、と腰砕けになる。S・ストーンは衣装とっかえひっかえでアジャーニは無意味にやたら裸になる。ラストシーン、プールで死に物狂いの沈め合い、やっとこ命からがら女2人上がったとこでベイツ刑事がちゃらーんと登場。木の陰から。もっと早く出て来いと思った。 [地上波(吹替)] 4点(2012-03-06 00:56:01) |
105. アイズ ワイド シャット
《ネタバレ》 贅を尽くしたパーティやら豪邸やら、金ぴか豪華な舞台にトム・クルーズとキッドマンがばーん、とゴージャスにはまって映像はとても流麗な印象。夜のNYの街にもくっきりと輪郭があり、安アパートにも灯るクリスマスツリー。綺麗。でも話はよく分からない。ミステリアスな記号をあちこち散りばめてるけど、全体を覚醒した目で俯瞰すると起こった事件も事件とすら呼べないような気もするし。今作では周囲に振り回されてるトム・クルーズが好印象。娼婦のとこで「先にお金の話をする?」って台詞が可愛いじゃないですか。手土産持って後日ふらっとまた来ちゃうのも。ああでもキューブリックが表現したいのはこんなことじゃないだろうな。すみません監督この映画わかりません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-11 01:21:27) |
106. アザーズ
N・キッドマンのほぼノイローゼ気味な所作が、彼女の美貌と相まってしっとり暗いゴシック・ホラーに雰囲気ぴったり。思わせぶりな場面がところどころあるので、勘のいい人ならオチがわかってしまうかも。私は見事に大驚きしました。 [地上波(吹替)] 7点(2012-01-21 01:06:52) |
107. 愛のむきだし
盗撮だ股間だ勃起だとしょーもないキーワードが飛び交うばか映画、と言ってしまうには4時間もの長きにわたってみんな結構必死に愛を捜し惑う姿にそこそこ真摯さも漂う不思議な作品。なにやら確固とした信念らしき情熱がこの作品を貫いていて、くだらん、と一蹴するのはためらわれる。大人の男どもがど変態とダメ人間しか出てこないのに比べて、若手俳優たちの眩しいこと。闘う構えも清清しい暴力聖母の満島ひかりに、盗撮行為すらあっさりぽん酢テイストに変換した西島隆弘。性悪そうな顔立ちを、ことさら醜くゆがめて迫る安藤サクラ。見応えありすぎ。「オレは変態だけどきちんと生きている」ユウの絶叫に、お、おお、そうか、と思わずつりこまれてしまうのだった。うーん、怪作。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-01-10 02:13:18)(良:1票) |
108. 穴(2001)
ご都合主義が過ぎるプロットには大いに不満だけれども、こちらの腰が引けるほどのソーラ・バーチの邪悪っぷりと、いつまでも耳にざらつく音楽が印象的。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-01-08 23:58:25) |
109. 愛と哀しみの果て
《ネタバレ》 夫の浮気あり性病感染ありロマンスあり経営破たんに永遠の別れ、ときた。はあ。「女の一生劇場」を見せられたようなおなかいっぱいになる濃厚さを、アフリカの広大な自然が見た目の伸びやかさでうまく中和してくれている。ロマンスの二人がM・ストリープとレッドフォード・・って今ひとつ食指が動かないんだが。でもほとんど地球創生のような圧倒的な大地に押し負けせず、堂々演じきるにはこれ位大物感のある二人じゃないとだめなのかも、とも思うけど。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-12-27 02:02:20) |
110. ある子供
《ネタバレ》 タイトルの子供ってブリュノのことを指すのだろうか。およそ計画性とか堅実といった言葉から遠ーく離れてるコイツ。社会性が育ってなくてやってることといえば怪しい下請け的な見張りにこそ泥、子分は中学生かい!目先の金のために、なんと我が子を売っ払う、この心の欠落ぶりにはちょっと呆然とする。ただ困ったことに、こいつ性根が酷薄なわけじゃないんだよ。奥さんが倒れたら取り乱し、取り返したわが子を抱える腕の大事そうなこと。ほとんどがダメで構成されてるのに、時々垣間見える可愛げの部分に女はほだされる。ダメには目を瞑ってしまう。なんかわかるなあ(独り言)。この二人、また似たようなこと繰り返すんだろうな。奥さん、苦労やねえ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-11-19 01:36:55) |
111. 愛に関する短いフィルム
ポーランドだってお天気の日はあるのだとは思うけど、この映画の曇天具合、どんより感が東欧=抑圧のイメージをますます増幅してしまう。屹立する団地群の愛想の無さと、重ーい灰色の空。屋上で氷をかみしめるオタクな少年。人々の服もカラフルじゃないし、ミルクの白とパンの色と灰色の空の三原色みたいだ。心弾む要素がこうも少なくても、愛は育つ。自閉的ゆえに極めて純度が高くて危なっかしい。案の定傷つく彼。哀しい展開に、覚悟して見届けたけど意外や救いのあるラストにじわっときました。 [映画館(字幕)] 7点(2011-11-19 00:09:00) |
112. アデルの恋の物語
自らを破滅させるような恋。同じ女子とはいえ、私には理解不能なまでに情念が濃い人というのはいるものです。現実にもプチ・アデルはちらほらいるものの、そこは本家イザベル・アジャーニの迫力の足元にも及びません。精神崩壊が外側にもあらわれた彼女の痛々しいこと、でも何故か目をそらせない美しさも漂っててなんか凄い怪物のようです。ああまで突き抜ける彼女が羨ましいような、いややっぱりひくような。 [ビデオ(字幕)] 7点(2011-10-28 17:42:22) |
113. アナライズ・ミー
《ネタバレ》 ところどころくすっと笑えはするんですが、笑わそうとしすぎ。ほんとにところどころ、です。追突した車のトランクがばーんと開いて、人質もろ見えのあげく何重にもぐるぐるテープ止めする冒頭のシーン、あれが一番笑いました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-10-10 17:28:02) |
114. あんなに愛しあったのに
大げさにいうと、この映画から人生を学んだ気がした。一発大逆転も、晴天の霹靂も人生にはないんだな、と。でも確実に励まされたような、肩を抱かれたような、そんな気がした。放射線状に3人が別々の方向へ歩みだすシーン、なぜだか美しくて目の奥が熱くなった。 [ビデオ(字幕)] 8点(2011-09-21 17:52:56) |
115. アウト・オブ・サイト
J・ロペスのプロモーションビデオみたいな映画。なんだってソダーバーグがこんな仕事したんだろ。井筒監督がみゆきを撮ったみたいなもんか。全編漂うぺらぺら感。一昔前のコスメ販売員みたいにかっぱり化粧したジェニロペが全然連邦捜査官に見えない。ラストシーンの台詞はもうベタ過ぎてハリウッドスターを鼻で笑ってしまった。ああつまんなかったなあと思っていたら数年前に一度見ていたことが判明。そんな映画。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2011-09-11 01:30:30) |
116. アメリカン・ビューティー
《ネタバレ》 これのどこがコメディーなのか。私はひとつも笑えなかった。これはアメリカの話じゃなく、わたしの、おそらくあなたの話でもある。どこの家も(おそらく)抱えているであろう見栄や虚勢や世間体をこうもリアルに描かれるとは。隠してなんぼの生活をしてるのにまるでかさぶたをはがされるような嫌悪感。ざわざわするような悪寒といやな汗。私は重症か。大佐の奥さんが息子のガールフレンドに「散らかっていて・・」とありがちな言葉を口走ったあとに映される塵ひとつない室内 このシーン ホラーかと思った。もうアメリカには大草原の小さな家は存在しないのか。 [地上波(字幕)] 8点(2011-08-04 00:08:21)(良:2票) |
117. アメリ
私もこの映画と感性が合わなかった一人。画は小奇麗だけど自分大好きなヒトにキュートでしょ、可愛いでしょと言われても。手紙偽造シーンは呆れを通り越して不愉快。『夏の庭』(湯本香樹実 著)から言葉を借りますが「人の人生に猿芝居を持ち込むな」ってことですよ。 [ビデオ(字幕)] 4点(2011-07-13 13:28:52) |