Menu
 > レビュワー
 > なんのかんの さんの口コミ一覧。8ページ目
なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2336
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順12345678
投稿日付順12345678
変更日付順12345678
>> カレンダー表示
>> 通常表示
141.  アメリカの伯父さん
生物学者がネズミを例にひいて「状況を把握できないことが苦悩だ」と言う。しかしその「状況を把握できないで苦悩するネズミ」を、上から客観的に観察すると、それは滑稽に見える。この苦悩と滑稽の絡みあいこそが人生、ってことかしらん。映画の大枠だけみると、安全地帯から観察しているものの無責任さや上品ぶった語り口が想像され、フランス映画お得意のおすましした世界だな、と思われるかもしれないが、でもそこはかとないしみじみした情感も感じられるところが悪くない。島で再会する場面、当人たちにしてはひどく厳粛、それをネズミの類型を通して一度滑稽に転化し、そのネズミがまた人間に戻ってくると、滑稽を含めた人間の営みがより大きな厳粛さの中に吸い込まれていくような、宗教的な悟りとは別ものだけど、ある種の安定した人生観が見えてくる。行動心理学でとりあえず説明しようとし、でもそれで割り切れない部分にいとおしさを感じさせるような、そんな映画。
[映画館(字幕)] 7点(2008-01-06 12:26:33)
142.  天草四郎時貞
佐藤慶は、横からの光で陰影が出てこそ生きる顔。白黒映画向き。いっぽう大川橋蔵は、こうこうとしたライトの下でこそ映える顔。カラー映画向き。この白黒映画は、主演俳優にとっても監督にとってもつらい組み合わせだったんじゃないか。でもまったくつまらないかというと、そうでもなく、革命論としてああだこうだ思考している部分は濃い。ラストで「日本の夜と霧」を小さくしたようなディスカッションシーンがある。みんなの心が一つの意志で固まり同じ目的に進むというような、革命の機が熟するとき、ってのは永遠に来ないのではないか、という問題が提示される。分裂と離反を繰り返してこそ革新的であり続けられるのだとしたら、革新的であることが革命を向こうへ向こうへと押しやっているのではないか、というパラドックスがある。急進派と慎重派を両極とした幅広い団結は可能か、そのような団結に意義はあるのか、といった問題にもなってくる。そういう面倒くさいことは映画でなく本でやってくれ、という意見もあろうが(おそらく大川橋蔵もそう思っただろうが)、60年代とはこういう時代だったのだ。「日本の夜と霧」から「白昼の通り魔」へとつながる革命崩壊三部作とでも呼ぼうか。
[映画館(邦画)] 6点(2008-01-05 12:23:39)
143.  雨の午後の降霊祭 《ネタバレ》 
強い妻と弱い夫の話と思わせておいて、ここからがネタバレの核心ですが、実は妻の弱点を包み込んでいる夫の愛がラストで明らかになる、ってところがポイントの話だったと思う。大昔に見た映画で、白黒ならではのしっとりした質感は思い出せるのだが、あとは不確か。いま日記の記述をひもといてみると、「妻への一途な愛・献身」とか「絶望的な企てに加担していく悲劇」とか「愚行ゆえの神々しさ」などと記されている。「妻の死を願うまでに思いつめているのにズルズル犯行を続けていくあたりのアッテンボローの演技が見もの」だそうだ。「アーサーのイメージがも一つ弱いのが、スリラーとしてみたときに弱点になる」そうだけど、このアーサーってのが何なのか思い出せない。死んだせがれの霊だったか。無責任な書き込みで申し訳ない。レビューなしの作品で見たことある映画だと、つい埋めたくなってしまうもので。
[映画館(字幕)] 6点(2008-01-04 12:21:34)
144.  愛の讃歌 《ネタバレ》 
伴淳が女のもとへ、ほかの用事にかこつけながら出かけようとし、それを周囲がからかう場なぞ「寅」で何度も見ることになるシーン。「今日も待ち人来たらずか」のせりふは、やがてタコ社長によって反復される。実質の主人公である有島一郎の、想いを秘めながらひたすら倍賞へ尽くす姿は、そのままインテリの寅さんのようでもあるし、また寅シリーズによく登場する口下手なインテリそのものでもある。これ、寅が始まる2年前の作品。人生で後悔したくない、後悔させたくない、という互いの想いが、ややこしく絡み合ってしまう恋人たちの物語。その背景となる瀬戸内海の島は、若者を閉じ込める拘束場所だが、ユートピアにもなっている。おそらく現実の地方暮らしだったら、娘が父なし子を出産したらこう温かくは見守られず、どろりとした非難の眼差しも少なからず向けられるだろう。そうしていたたまれず大阪に逃げていくという話になる。でもこの映画では地元の人々に祝福されての出発へと話を展開させることで、故郷というものが無垢のままに保存された。そうである世界から、そうであってほしい世界をひねり出していくのが、山田洋次の基本姿勢と言えるかも知れない。
[DVD(邦画)] 7点(2008-01-03 12:18:43)
145.  暁の脱走 《ネタバレ》 
日本兵における“マジメ”がいかに異常なものであったかが、よく分かる。上官の足にヨーチンを塗り息を吹きかける主人公。その滅私奉公ぶり、ひたすら忠義を尽くすことの、マゾヒズムといってもいいような喜びすらが感じられる。よそから見ればビョーキだが、男だけの組織のなかではそれが安定したシステムを形作る基本単位の“マジメ”なのだ。これに対するのが山口淑子の春美、彼女こそ男を不幸にする元凶なのだけど、彼女は滅私の対極、“個人”が“私”のなかに満ちあふれ輝いている。敗戦直後の男性観・女性観の典型がここに見られ、しかしこれは典型として今でもある程度有効なのじゃないだろうか。疲れきって兵隊たちが帰ってくる場から、酒保でのツーツーレロレロでのはしゃぎぶりへのダイナミックな揺れぐあいなどに、脚本黒澤明のリズムが感じられた。ラストのゲートを突破するハラハラも彼の好んだモチーフだし、若山セツ子が聞く軽音楽(ポルカ?)の効果などにもやはり黒澤を思ってしまう。もしかすると谷口監督の個性かもしれないのに、ごめんなさい。
[映画館(邦画)] 7点(2008-01-01 12:26:57)
146.  あなたと私の合言葉 さようなら、今日は 《ネタバレ》 
これ監督名伏せて部分だけ見せられたら、増村保造と思ったかもしれない。乾いたタッチ・早口のテンポ、といった崑の特徴と思うもののうち、いくらかは大映に移籍後、この社のトーンに影響されて発展したものもあるのではないか。でも笑いの取りかたのしゃれてるところは崑ならでは。若尾文子の代理で結婚を断わりに行った京マチ子が、菅原謙二にホレてしまうのを無表情で演じ続けるあたり。菅原のとこの仏頂面の女事務員倉田マユミの使い方。菅原・船越英二・川口浩の三人が飲み屋で隣り合わせるおかしみ(船越はひたすらついてない役で笑わせる)、などなど。小津的ホームドラマではあるが、昭和30年代半ば、車社会へ向かう日本の、働く女性の面も具体的に提示されている。おせっかいな母をやらせると三好栄子の右に出るものはなく、新人田宮二郎は廊下で立ち話をしていた。
[映画館(邦画)] 7点(2007-12-23 12:20:29)
147.  アシク・ケリブ
悪口で言うのではなく紙芝居のような映画。絵本のような映画。次にどんな絵が出てくるかワクワクしながら見るおとぎ話だ。石になる果物。グルグルまわる虎の首。芸術は様式性が強くなると、洗練され繊細な感覚になって原初の生命力から遠ざかってしまうことが多いのだが(モダンジャズがアフリカの民俗音楽から遠ざかってしまったように)、この監督は、断固アカヌケてやらないぞ、と決意してるみたいで、土ぼこりの匂いを残しつつコッテリした中央アジアの様式性を展開する。奇跡のよう。ときに使われる広々としたロングショットは、堂々と天に突き抜け、輝いてまぶしい。
[映画館(字幕)] 8点(2007-11-13 12:13:21)(良:1票)
148.  the EYE 【アイ】 《ネタバレ》 
ただ不鮮明な映像という手だけでも、角膜手術後の視界という設定を重ねれば、ある程度不気味がらせることはできる。ぼんやり見えているものが、本当に向こうにあるものなのか、そうでない別のものなのか。また、この主人公が視力を失ったのは二歳の時で、手術後も視覚で認識するということになじめず、つい触覚に頼ろうとその不鮮明なものに手を伸ばしてしまう、という設定。鏡像は手で確認できないということでその設定はイキたが、怖がらせるのにもっと使い道があったような気もする。一番怖かったのは、エレベーターにいた背中向けてるじいさんだ。西洋のホラーでは力強いものが身をそらし爪を立てて襲ってくるが、こちら東洋では非力そうなじいさんがうつむいて怖がらせるのだ。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-27 12:16:12)(良:1票)
149.  明日へのチケット 《ネタバレ》 
キアロスタミ篇が好き。ずうずうしいおばさんとひたすら服従している若者の謎のカップルが乗車してくる。このずうずうしさぶりがやたらリアルで、こういう人、世界中の至るところにいるんだなあ、と思わせる。ここに若者の同郷の少女が絡んでくる。これがちょっとミステリアスな表情するかわいい子で、おばさんと彼女と、これでも同じ女性という種属なのか、と驚かされるほどの鮮やかな対比。後段でついに堪忍袋の緒を切って逃げた若者を追い、列車の中を探し回るおばさんの表情に少女のような不安が浮かんでくる。しょんぼり一人で下車したおばさんを見つめる少女の表情に、おばさんのような冷たさが浮かんでくる。本当はたぶんそういうテーマではないのだろうが、これ、女は不気味かつ不思議という話と私は見た。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-19 12:17:03)(良:1票)
150.  あるいは裏切りという名の犬
ミレーヌ・ドモンジョが、人生の辛酸なめ尽くした老娼婦役で出てきたのには驚いた。あの国の女優さんはシモーヌ・シニョレやジャンヌ・モローのように、おばさんになってもう一度貫禄で勝負できるのがいい。もっともシモーヌやジャンヌは、若いころからタダモンではないという気配が漂っていたが、この人はかわいいだけのタダモンだった人でしょ。人生の年輪は馬鹿にできぬ。で男の方の友情と裏切りの話はというと、ラストの仕掛けがしゃれてるくらいで可もなく不可もなくといったところ。鳴りっぱなしの音楽には閉口した。
[DVD(字幕)] 6点(2007-10-05 12:16:37)
000.00%
100.00%
200.00%
320.09%
4331.41%
52279.72%
691439.13%
773931.64%
834314.68%
9682.91%
10100.43%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS