Menu
 > レビュワー
 > かささぎ さんの口コミ一覧
かささぎさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 7
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  アトランティスのこころ 《ネタバレ》 
スティーブンキング原作「Hearts in Atlantis」を、スコットヒックスがファンタジックなヒューマンドラマにアレンジしており、とても楽しめる作品。人生のシーンを語る映画としても素晴らしい出来栄えだ。「シャイン」を手がけた監督であるが、ファンタジーな要素を加味しつつも一貫してリアリティを保つ姿勢や効果的なカメラワークによる演出で最後まで心地よく観賞できた。スタンドバイミーを髣髴とさせるノスタルジックな構成だが、制作者の主題がうまくまとめられていると思う。冒頭は、写真現像を行う仕事場でプリズムを覗く50歳のボビー(デイビッドモース)が、幼馴染みの訃報をきっかけに少年時代を回顧していく。自転車に憧れる少年ボビー(アントン)は、不思議な老人テッド(アンソニーホプキンス)と出会うが、テッドはただ善良なだけの老人ではない。謎めいていて深い知性すら感じさせる人物として描かれている。原作で彼はエイリアンだが、映画では人間として描かれていることや、追ってくる「奴ら」をFBIの者として仄めかしているのは、SF特有の技巧感やオカルト的な印象を払いのけるためだろう。人物同士の距離感も絶妙で興味深い。ボビーの母親が狭量な人間性を次第に露にし、テッドの善良さとは対比的に描かれる。演技面では、アンソニー、アントンもさることながら、ガールフレンド役キャロルを演じたミカ・ブーレムが際立っていた。快活で顔立ちもいいが、バットで殴られて泣きじゃくるシーンでの技量は観る者を引き込んでやまない。物語は、無邪気で輝かしい記憶とほろ苦い現実を背中合わせに描かれていく。幼き日々の記憶は一瞬に思え、かけがえがないようにみえる。幻のようであり二度と戻ることはない。森の中にある小川、祭り、キャロル、そしてテッド、少年時代の記憶にしか存在しないアトランティス。ボビーはテッドともキャロルとも別れるが、涙を流すシーンもなくすべては謎めいたままで物悲しい雰囲気すら漂っている。ボビーのその後にも触れず、鑑賞者の期待を裏切るかのようにキャロルとの再会もない。しかし、このような現実の流れが稀有な何かを引き立たせている。鑑賞者が受ける印象は様々だろうが、あえて明快にしないことが、かえって多くのことを語らせることに結びついていると思う。映画としてのヒューマンドラマは、最後にキャロルの娘とモース演じるボビーが出会う、この名優の笑顔で十分だろう。
8点(2004-11-08 03:42:24)
000.00%
1114.29%
200.00%
300.00%
4114.29%
500.00%
600.00%
7114.29%
8228.57%
9228.57%
1000.00%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS