1. 悪魔の手毬唄(1977)
《ネタバレ》 原作は結構長いのですが、うまくまとめてわかりやすくしていたと思います。というか、むしろわかりやすすぎ。調べていくと最後には恩田幾三と神戸にたどり着くので、過去の事件については見当がつきやすいでしょう。そこから現代の事件もわかろうというもの。途中で観客に真相が見抜けるというのは、前作『犬神家の一族』と同じです。それにしたって、動機は弱いけど。 が、今回は、ストーリーを追うのに手一杯で、人物描写はそれほど深みがない。仁礼家と由良家の対立とか因縁もあまりピンとこないです。ドラマ部分に関しては磯川警部に一任したようで、金田一との交流とか(一緒に自転車に乗るシーンがイイ)、リカさんへの思慕とか、その辺りが見どころでした。若山富三郎をキャスティングすることで、ドラマとしても見られるものになったかなと。岸恵子があんな田舎の旅館の女将というのは、まったく合ってないと思います。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-05-12 20:01:31) |
2. 愛のメモリー
《ネタバレ》 主人公がイタリアに行くあたりで「奥さんとそっくりな女に会うのか、つまり『めまい』だな」と察しがつきました。そのため、サスペンスとしては緊張感が削がれたのが残念。謎を含んだ物語展開なので、人物の心理があまり掘り下げられておらず、最後は感動の再会のはずですが盛り上がりに欠けました。カメラグルグルもほとんど恋愛映画のパロディにしか見えません。ソフトフォーカスの映像などに見るべき点はありましたし、バーナード・ハーマンはあいかわらずいい仕事をしていると思いましたが、全体としてはそれほどとは思われませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-09-15 22:08:03) |
3. 秋のソナタ
いや~、怖いなぁ。「女は怖い」と言っても、特に怒られませんよね? 父と息子では、ここまで恐ろしくならないでしょう。ベルイマンとは相性が悪いのか、引き込まれましたが、ほめたくなるほどではありませんでした。最後まで来るとキリスト教的な思想が背景にあるようですが、それもよくわかりませんでしたし。しかしデジタル・リマスター版を劇場で見る機会がありそうなので、足を運んでみましょう。とりあえず、主演2人の芝居はおみごとでした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-04 17:10:08) |
4. アンドロメダ・・・
《ネタバレ》 『日曜洋画劇場』で見たのが最初でした。とにかく面白かった。数日後、偶然書店で原作を見つけ、さっそく購入。かなり忠実に映画化されていることを知って、驚くと共にこの原作に感心しました。 本作の成功は、まずリアルな設定に徹したこと。物語自体が、実際に起こった事件の報告書という体裁をとっています。演出も、一部映画的な手法をとっていますが、おおむね地に足がついたリアルなタッチで貫かれています。「本物らしさ」の持つ迫真さを感じます。最下層に行くまでの長々しい描写も、本物らしく見せるためには必要不可欠なのです。 それと、物語の基本を「謎解き」に置いたこと。最初は何が起こったのか? という謎で引っ張り、次になぜこんな死に方をしたのか? に移り、最終的には「なぜあの二人だけが生き残ったのか?」という点にたどり着く。最後にはその謎を解いてみせる。形式こそSFですが、実はミステリーの要素が重要な位置を占めています。そのことが、推理小説が好きな私の心をつかんだようです。 あと、未知の存在を科学的に解析・研究する過程・手法。新しい事実を次々と発見していく面白さ、未知のものを解き明かす知的興奮を味わうことができます。これもやはり一種の「謎解き」と言えるでしょう。専門用語も頻出しますが、実はあまり詳しくなくても理解できるように作られています。中学卒業程度の理科の知識があれば大丈夫でしょう。pH すら知らないというのなら、話は別ですが……。ということで、SFということで敬遠しそうな人にこそお薦めしたい名作です。 今回はNHKの放送を見たのですが、字幕にあまり適切でないところがあったのは残念でした。ロボットじゃあるまいし、“燃料”を飲んでいる人っていないでしょう。何の誤訳なんだか。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2011-02-14 20:18:43)(良:1票) |
5. 雨の訪問者
《ネタバレ》 評判がいいようなので期待したのですが、それほどでもなかった。5分で説明できるようなネタを2時間延々と続けたという感じです。ブロンソン演ずる大佐のやり方が、ほとんど詐欺で嫌でした。いくら相手が殺人犯とはいえ、ああいうやり方は卑怯でしょう。弱い者いじめにしか思えない。観客を惑わすためだというのが透けて見えてしまいます。ヒロインと夫や母親との関係も扱われていますが、印象が弱い。雰囲気はありますが、ほとんど雰囲気だけという気がします。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-09-23 16:51:07) |
6. アガサ/愛の失踪事件
ダスティン・ホフマン演ずるアメリカ人記者が気取った成り上がり者という風情で、どうにも魅力に乏しい。かといって、アガサの意図するところは秘密にされているので、こちらにも共感できない。結局どっちつかず。アガサのどこに惹かれたのかも不明確。終始退屈で、DVDが発売されないのも道理です。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-09-20 17:07:10) |
7. 愛と喝采の日々
《ネタバレ》 バレエのシーンは美しいのですが、肝心のドラマがありきたり。「それを聞きたかった」というのはわかるのですが、裏返せば予想の範囲内ということで、平凡です。「女にとって結婚か仕事か」というのは今でも生きているテーマだと思いますが、うまく活かせなかったようです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-09-29 21:09:34) |