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アングロファイルさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1000
性別 男性
年齢 60歳
自己紹介 レビュー数が1000に達したということで、活動を停止します。(今のところ)仕事がひじょうに忙しいので、映画を楽しむゆとりがありません。落ち着いたら再開するかもしれませんが、とりあえず未定です。

皆さま、ありがとうございました。縁があったらまたお会いしましょう。

※変更要望は出すかもしれません。

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21.  カルメン故郷に帰る 《ネタバレ》 
タイトル・ロールのカルメンにばかり注目しがちですが、意外と相棒の小林トシ子がいい味を出していました。佐田啓二に秋波を送る場面なんか、ついつい笑っちゃいます。カルメン自身はストリップを「芸術」だと思っていて、案外まじめなとこもあって、本来ならその辺のズレがおかしみを生むのでしょうが、そこまでは感じられなかったのが残念。どちらかというと、娘がストリッパーになったことを恥じる父親の心情や、盲目の田口先生をめぐるエピソードが印象深く、人情喜劇の部類に入ると思います。 とはいえ、芸術的な(だからへんてこりんなのか?)「裸踊り」をくそまじめな顔つきで踊るカルメンを見ていると、ドタバタの要素も盛り込んであるようです。このように笑いの要素がちょっとちぐはぐだったのが残念でしたが、楽しめました。ところどころで挟まれるクラシック音楽は、これが本当の「芸術」だってことでしょうね。モノクロ撮影版もあるようで、一度見比べてみたいです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-06-26 16:38:22)
22.  彼女を見ればわかること
共感できる人物が出てきません。これは男性と女性の違いもあると思いますが、単にそれだけではなさそうです。根本的にこの監督と“生活感”に違いがあるのかもしれません。カナリアを吸い込んじゃった話はインパクトがありましたが。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-06-13 21:49:47)
23.  カルテット!人生のオペラハウス 《ネタバレ》 
いやはや、みごとに外れてました。高齢者の元オペラ歌手4人をめぐるお話なのですが、過去にすばらしい歌手だったということが、こちらに実感できない。演じている俳優はベテラン揃いで存在感があるのですが、作中人物にはありません。それでもスケベジジイのウィルフととぼけたシシーは面白いキャラでがんばっていますが、主役であるはずの元夫婦2人は新聞紙よりも薄っぺらい人間にしか描かれていません。離婚した理由が最後にならないと明かされないので、レジーがあれほど嫌がるというのも理解できないし、途中で宗旨替えして四重唱をやろうと誘うのはもっと理解できない。ジーンにしても、年をとって思うように歌えなくなったとしても、あれほど四重唱を拒否するというのは、よくわかりません。要するに、人物の心理がほとんどすっ飛ばされているのです。 ただ本作の場合、日本語字幕にもちょっと問題がありそうです。会話がどうつながっているのかよくわからないところが何ヶ所かありましたし、拙いわたしの英語力でも、「ちょっとそれはおかしいんじゃないか」という表現もありました。というわけで、できれば違った字幕か日本語吹き替えでもう一度見てみたいところですが、とりあえず今回の上映では低く評価するしかありません。いい俳優さんや元演奏家をそろえているのに、もったいない話です。
[映画館(字幕)] 5点(2013-05-02 11:14:07)
24.  風とライオン 《ネタバレ》 
これも時代背景がよくわからず、ちゃんと内容が理解できたかどうか怪しいのですが……。とりあえず、ライズリとルーズヴェルト大統領を対比していることはわかりましたが、宗教がらみということもあり、今ひとつピンと来ません。ルーズヴェルトがグリズリーに例えてアメリカ人の気質を語るところは面白かったですし(今も通用すると思う)、ライズリの昔話も興味深く聞きました。しかしそれぞれの価値観には、それほど共感できたわけではありません。話の展開としても平板で、最後の戦闘は見ごたえがありますが、全体としては食い足りない感じ。 一つポイントだと思ったのは、イスラム・アメリカ双方とも子供が登場し、その子供が事態を通じてそれぞれの考え方を理解していくという描き方。これはうまいと思いました。みているこちらは、劇中で語りかけられる子供の立場になって、色々なことを知ることができます。あるいは、子供たち(子孫)にそうしたものを伝えていく必要があるということかもしれません。ライズリ側の最後のあたりなどは、ちょっと『シェーン』っぽい感じもしました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-04-14 22:51:44)
25.  間諜X27 《ネタバレ》 
マレーネ・ディートリッヒは、あいかわらずかっこよくてなおかつ素敵。序盤の娼婦より、ロシアに潜入した時の掃除婦姿が特に魅力的です。スタインバーグ監督も、彼女をいかにすばらしく見せるかに力を入れているようです。そのためか、お話の方はいまいち。「愛に殉ずる女スパイ」というのは、メロドラマとしては格好の材料でしょうが、肝心のX27とロシア軍大佐がどうやって惹かれあったかが、わかりづらい。おそらく当時の観客にとっては、ディートリッヒというだけで、恋に落ちる話は問題なかったのでしょう。しかしX27がどこに惚れたのか、よくわかりません。結局、後半の展開は説得力がなくなってしまいました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-08-13 20:28:03)
26.  カラマーゾフの兄弟(1968) 《ネタバレ》 
原作は未読なのでどの程度忠実なのかわかりませんが、長時間の割には見やすかったです。ただ、一度舞台化したのかと思うほど場面が固定されており、ほとんど会話だけで進んでいくのは評価が分かれそうです。 カラマーゾフ3兄弟の性格づけが面白い。長男は情熱的で激しやすい。逆に次男は冷静・理知的で無神論者。三男は修道院で修行しており、敬虔でまじめ。しかも父親は、この3人の性格を複雑に持ち合わせています。兄弟が極端なほど対比されており、そのあたりが見ものでした。ただ、会話ばかりですと、本ならば適宜読み返して内容を確認しながら進めるのですが、映画だとそうはいかずどんどん進んでいってしまうので困りました。そのためか、人物の心理の変化など捉えきれないところもありました。 後半、長男ミーチャはグルーシェンカの愛を勝ち取ったためか、温厚でおとなしい性格になっていきます。逆に次男イワンが罪の意識から狂気にとらわれてしまい、この2人は前半と後半で人物像が逆転してしまいます。無神論を語っていたイワンの末路は、それなりに意味があるのでしょう。第2部でミーチャが豪遊する場面はだれましたが、全体的に見ごたえがありました。ただ、原作を読んでいた方が理解が深まると思います。原作を知るために見るのは、有効かどうか判断がつきません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-08-12 08:53:25)
27.  ガス燈(1944) 《ネタバレ》 
内容についてよく知らず、サスペンスものだというだけでビデオを借りてきたのが最初。以来、これもお気に入りの一本です。主な舞台はロンドンで、それらしい小道具がちりばめられているのが嬉しい。特にタイトルにもなっているガス燈は、誰かが家で新しく点ける→自分の部屋の灯りが暗くなという、電灯では起こりえない特性を使っているのがミソ。暗くなる灯りがおののくヒロインがの心を象徴しているようですね。そのほか宝石が見つかる場面での月光の使い方、ヒッチコック風の長く伸びる人影など、モノクロを生かした光の使い方が印象的でした。 本作の見どころは、やはりラスト。屋根裏部屋での対決シーンでしょう。これまで虐げられたヒロインが一気に形勢逆転。ほとんどイングリッド・バーグマンの一人芝居ですが、感情を爆発させるのではなく、本当にどこかおかしいのではないかと思わせる“逝っちゃった”芝居は見ごたえがあります。シャルル・ボワイエもいかにもな悪役顔で、往生際の悪さもある意味お見事。これがデビュー作というアンジェラ・ランズベリーも、存在感がありました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-07-24 18:22:37)
28.  風の中の子供
家族の映画としては心あたたまる内容ですが、優等生すぎるかな? 音声がよく聞き取れないこともあって、それほどいいとは思いませんでした。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-05-14 20:52:37)
29.  家族(1970) 《ネタバレ》 
1970年といえば、私は小学校に入る前でした。関西在住なので大阪万博にも何度か行きましたし、何となく見覚えのある風景、当時の「空気」のようなものを感じさせて単純になつかしかった。内容としては、高度成長時代に取り残された家族といっても、当時は将来に対する希望があったことがよくわかります。だから、弟と意見が対立しても、子供が突然死んだとしても先へ進める。きっと何かがあるはずだと信じて前へ進めるというところが、現在と決定的に違う点だと感じました。なにしろ、「人類の進歩と調和」ですからね。 ということで、明るい未来を感じさせて終わるわけですが、もちろんそれだけではなく、この一家にはつらいことも待っているでしょう。しかし、この旅を経験したあとでは、それもきっと乗り越えられるだろうと思わせる内容でした。ドキュメンタリー風の撮影も魅力でした。出演者は山田組(というか寅さん組?)総登場という感じで、それだけで嬉しくなってしまいます。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-03-24 20:44:15)
30.  かもめ食堂
テレビドラマ『すいか』が大好きなので、以前から気になってはいた映画でした。実際に見てみると、当然ながら木皿泉の世界とはかなり違う。どこかほっこりしたところは共通してますが、こちらはなんといっても説教くさくない(笑)。気楽に見られます。昔、NHKで佐々木昭一郎という人が海外で生活する日本人を主人公にしたドラマを作っていましたが、どちらかというとそっちに近いでしょうか。もちろん、そのドラマほど芸術を気取っていることもなく、素直な作りという印象。 しかし逆に言うと、インパクトに欠ける。どちらかというと「ながら見」に向いていて、真剣に向き合うという気にさせられない。何度も見返そうという気にもならない。そういうたぐいの映画でした。 まあ、シナモンロールは食べたくなったかな。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-02-22 22:43:34)(良:1票)
31.  風と共に去りぬ 《ネタバレ》 
映画館でしか見たくない映画№ 1。今回で三度目の鑑賞。さすがにアラも目立ってきます。前半は時代に翻弄されるヒロインということで、かなり面白い。スカーレットは「強い女」というイメージが強いのですが、実はそうでもないんじゃないかと思います。しょっちゅう弱音を吐いているし、肝心なところではレット頼み。しかしこの人、かなりしぶといです。どちらかというと、逆境に立たされた時に本領を発揮するタイプじゃないでしょうか。そういう意味では、かなり魅力的です。そうしたことを考えると、やはり前半の最後、「二度と飢えることはありません!」と神に誓う場面がもっとも感動的です。 後半、特にレットとくっついてからは、ケンカしては仲直りというパターンを繰り返すため、やはり飽きてきます。時代性が薄くなってしまうのもマイナスポイント。あと、『ベン・ハー』などと並んで、ハリウッド式大物量投入映画の代表格に思われますが、後半だけ見るとそれほどでもないです。 ということで、一時期ほど高評価はできませんが、それでも映画史に残る作品であることは確かでしょう。もっともこれは、南北戦争という「アメリカで起こった唯一の内戦」を扱っていることが大きいと思います。アメリカ人にとっては、かなり特別な意味を持っているようですから。まあ、日本人がそれに合わせなければいかんということもないと思いますが。
[映画館(字幕)] 8点(2011-07-11 21:58:06)(良:1票)
32.  勝手にしやがれ 《ネタバレ》 
たぶん3度目の鑑賞。これまではつまらないとしか思いませんでしたが、今回はちょっと面白かった。ワンシーンを細かくつないだ編集。複数のテイクを使ったのか、あえてつなぎをおかしくしてリズムを崩してあります。かと思うと、ミシェルとパトリシアの場面では、長回しを使ったり。あとは、アメリカがモチーフとなっているようです。パトリシアはアメリカ人だし、ミシェルはハンフリー・ボガートにあこがれている様子。それと、アメリカ車がたびたび話題になっています。アメリカに倣ったということで、暗にアメリカを揶揄しているとも思えます。 ただし、それ以外は相変わらずつまらない。特にミシェルとパトリシアの会話は退屈。話の流れも、警官を殺して警察に追われているのだということが、今回初めてわかったような。多少の面白さはありますが、個人的には「ジャン=ポール・ベルモンドが人気スターになった」という以上の価値は感じられません。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-03-22 21:39:16)
33.  かげろう侍 《ネタバレ》 
珍しい(と思う)ミステリー/サスペンス仕立ての時代劇。おまけにユーモアたっぷり。捕物帖とは一線を画したところがあります。 ある藩のお家騒動に関する書類が盗まれたのが発端。その犯人捜しを命じられたのが、雷蔵演ずる弥十郎。犯人は、崖崩れのため足止めされた宿に泊まっているらしい。つまり泊まり客の中に犯人はいる。ミステリーで言うところの「クローズド・サークル」の状況です。しかも、続いて起こる殺人事件。弥十郎探偵は、許嫁のお珠ちゃんを助手に、密かに捜査を進めます。ここで、投宿している客の人生が垣間見られるのが、時代劇らしいところ。 弥十郎は犯人を突き止めますが、その決め手となるものは単純でもの足りない。実は、犯人捜しがメインではなく、サスペンスに重点が置かれているようです。最後は宿から離れて青空の下、文字通りのクリフハンガーでサスペンスを盛り上げます。ここで驚いたのは、最後がヒッチコックの某作品そっくりだったこと。調べてみると、製作年度が近い(もちろんこちらがあと)。ということは、和製ヒッチコックを意図した作なのでしょうか。そう言われれば、ユーモアあふれるところや、光の使い方が独特なところなど、それらしくもあります。しかしなにぶん時代劇ですから、それほど似ているとは思いませんでした。最後になって気づいたくらいですから。 それはともかく、本作には独特の面白さがあってよかったと思います。推理力もあって女にモテモテの弥十郎と、推理マニアでけっこういいところを突いてくる、ヤキモチもしっかり焼いているお珠ちゃんのコンビが絶妙でした。特に雷蔵の弥十郎は魅力的で、シリーズ化されていないのが残念なくらいです。ヒッチコックに似ているかどうかはともかく、楽しく見ることができました。
[地上波(邦画)] 7点(2011-03-03 21:49:39)
34.  がんばれ!ベアーズ 《ネタバレ》 
たしか『ベンジー』に次いで、映画館で見た洋画第2作だったと記憶しています。それ以後テレビで二度ほど見ましたが、長らくごぶさた。久しぶりに見たら、以前とは印象がかなり異なりました。 始まって感じたのが、「なんでこんなに地味?」ということ。画的にも凝ったところはないし、ストーリーもよく言えばサクサクと、悪く言えばすっ飛ばして進行します。ベアーズのメンバーは、少々誇張はあるものの、どこにでもいそうな子供(ただし悪ガキ)で、もう少しマンガチックな作という記憶があったのですが、それは吹き替えでのアニメ声の影響でしょうか。画作りもむしろドキュメンタリーのような雰囲気があり、子供におもねっていないというか、実は子供向けの映画ではなかったんじゃないかと思ってしまいました。 見ごたえがあったのは、最後の決勝です。山あり谷ありでさすがにドラマチックな展開になるのですが、しかし演出はあくまでクールで写実的。ルーパスがフライをキャッチするところや、最後のケリーのホーム突入なども、もっと盛り上がるのかと思ったら、あっさり次に進んだのは驚きでした。やっぱりリアル重視という感じです。 さて、決勝で監督のバターメーカーとベアーズメンバーが不和となるのですが、それは結局、バターメーカーが自分のために必死になっていたからだと思うのです。最初の試合での大量失点、そして試合放棄。この屈辱に対し目にもの見せてやれという気持ちで、バターメーカは動いていたので、ベアーズのメンバーのためではなかったのですね。この不和の解決方法がすばらしい。子供たちは、ただ沈黙するのみ。そしてカメラは、その表情を丁寧に映し出します。それこそが実に雄弁に、見ているこちらの気持ちに突き刺さります。下手にセリフで説明せず観客に人物の気持ちを伝える。見ごたえのある、すぐれたシーンでした。思い出補正もあり10点ですが、決して身びいきでなく、愛すべき良い映画だと思います。
[映画館(字幕)] 10点(2011-02-22 22:41:49)(良:3票)
35.  華麗なる賭け 《ネタバレ》 
犯罪と恋愛をゲームとして楽しむ、スタイリッシュでゴージャスな大人の映画……を目指したのでしょうが、いかんせん野暮ったい。やはりスティーヴ・マックィーンとフェイ・ダナウェイをキャスティングしたのが、裏目に出たのか。前半の犯罪はともかく、後半が2人がイチャイチャしているだけにしか見えません。また、金を手に入れたクラウンが呵々大笑するのですが、あれを見る限りクラウンというのは成り上がり者で、大金を持ち慣れていない者が分不相応に金持ちになったんじゃないかと思えてきます。そういうところもマイナス点です。金は持っているが精神は貧しい、みたいな。金を取り戻せばいい保険会社と、あくまで逮捕にこだわる警察との違いを描いたあたりはよかったのですが。あと、画面分割の演出は、たしか大阪万博のパビリオンでよく見た記憶があります。当時の最先端を行っている映像だったのでしょうね。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-12-07 21:45:32)
36.  カサブランカ 《ネタバレ》 
これも久しぶりに鑑賞。ロマンスだと思っていたら、反ナチ映画だったのですね。しかしラブストーリーもうまくからめてあり、そのコンビネーションがいいと思いました。また、主役2人だけでなく脇役も魅力的な人物がそろっており、それぞれ存在感があります。イヴォンヌなどちょい役ですが、「ラ・マルセイエーズ」の場面でフィーチャーするなど、うまい使い方だと思います。  で、結局イルザが本当に愛したのは、ラズロだけだったのでしょう。彼が死んだと思ってリックに“逃げた”わけですが、生きているとわかったらすぐに飛んでいったことでも、イルザの気持ちはわかります。インテリな思想家を愛するというのも、バーグマンによく合った役でしょう。リックはとばっちりを受けた形ですが、まあ理由も言わずに突然消えたら、それはヘコみますわなぁ。「人情家」という評判ですが、前半のリックにはそうしたところが見えません。イルザに去られて、人として大切なものをなくしてしまったのでしょう。彼女と再会し、当時の事情を知ったことで、その行動に納得がいった。このことによってリックは大切なものを取り戻す。つまりこれは、男の魂の復活を描いた作品だったのですね。最後に2人を逃がすのは、報われないながらも、あの時可能だった愛情表現なのでしょう。真に相手を愛している人間にしかできない行為であり、やはりこれには感動を覚えます。 「アメリカに乾杯」とかあからさまな箇所もありますが、十分普遍性のある、いい映画だと思います。   【2013年05月19日追記】「新・午前十時の映画祭」で見ました。セリフやちょっとした動作が人物の心理や関係を物語っており、細かいところまできちんと描かれた、繊細な作だという印象を受けました。特に最後の空港での場面は圧巻。よく「恋愛と結婚は別」と言いますが、イルザはそういう気持ちだったのかもしれません。今回1点プラスします。
[映画館(字幕)] 9点(2010-10-05 18:43:27)(良:1票)
37.  勝負をつけろ 《ネタバレ》 
裏街道を生きる男と男の友情物語……だと思うのですが、肝心の2人の関係が強いとは思えません。つまり、そこまでして助けようとする理由がわからず、見ていてフラストレーションがたまります。話はサクサク進むのですが、どうも表面的に筋をなぞっただけという感じで、ここぞというポイントがありません。クリスティーネ・カウフマンはとてもかわいいし、ベルモンドも格好いいけど、どうも雑な仕上がりになっています。最後も後味が悪いのですが、これはフランスの暗黒街映画独特の味でしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-19 19:20:25)
38.  がんばっていきまっしょい(1998) 《ネタバレ》 
全体的に誇張を押さえた地味な描写で、個人的にはいいと思います。特に主役5人の女の子は、マンガチックにならずに個性を主張していて、好感が持てる。コーチ役の中嶋朋子も地味にいい。ただ、クライマックスでスローモーションにして歌を流すというのは、あまりにもありきたりだし、それまでのリアルな描写とそぐわない。あれで盛り上げようとしたのでしょうが、逆にあざとすぎて興ざめしました。病気や恋愛など、部活動以外は中途半端な扱いで、悪くはないけど、なくてよかったかも。題材としてはいいと思いますが、もう少しなんとかならなかったものか。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-08-10 08:51:44)
39.  海外特派員 《ネタバレ》 
ヒッチ作品はだいたい見ていますが、これは初鑑賞。スロー・スターターですが殺人が起こってからは、傘でうまく表現した逃亡や風車小屋のサスペンスなど、かなり見せます。終盤ではアメリカに帰って終わりかと思っていたら簡単には帰れないなど、サービス満点でお腹いっぱい。ただ、少々長いと感じました。最後のイギリスからの放送は、時局柄とはいえよけいに思えます。あまり日本では知られていないようですが、主人公カップルの知名度が低く地味だからでしょうか。しかし映画の完成度は高いと思います。いろいろな要素を取り入れた欲張った作品ですが、それを破綻なくまとめたのはお見事。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-01 19:56:54)
40.  顔(1957) 《ネタバレ》 
松本清張の小説はいくつか読んだのですが、どれもつまらなかったので映像化作品も全然見ません。これは岡田茉莉子が出ているので見てみたのですが、やっぱりハズレでした。 とにかく、ご都合主義が多すぎ。誰もが思うのが、ちょっと見ただけの人物の顔をいつまでも覚えていられるのかということ。一応劇中で「一度見たら忘れられない顔」と言われていますし、なにしろ岡田茉莉子のような美女なので印象には残るでしょうが、やはり疑問です。あと、事件現場にコンパクトが落ちたり、殺そうと思った人物が交通事故で死んだりと、うまくいきすぎて興ざめです。また、主要人物が倫理観のあまりない小悪党ばかりなので、同情できません。このため一応サスペンス映画ですが、こちらが主人公の立場に立つこともなくハラハラドキドキ感を欠いています。 よかったのは笠智衆のひょうひょうとした刑事と、おばさん役の千石規子。どちらもドラマを締めていました。ところで、千石規子は余貴美子みたいだなぁと思って見ていたのですが、考えたら逆ですね。しかし、ああいう感じでいい味を出していました。 それと、目撃者は労働運動の闘志だったという設定で、それがあとで効いてきます。が、脚本でよかったのはそれくらいで、全体としてはそれほどとも思いませんでした。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-03-20 09:02:07)
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