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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3872
性別 男性
年齢 53歳

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41.  仮面/ペルソナ
いかにもヘビーな音楽が、「この映画、難解だよ~」って、言ってますね。  何もだからって身構えることはなくって、例えば、「ああ、この映画は、観ながらストーリーを追う必要はないんだな」、とか。  でもやっぱりわかりにくいのは、主に二人の女性しか出てこないんだけど、この二人にあまり特徴的な差がなくって、最初観たとき、ちと混乱しました。ストーリー追わずに画面に集中、とか言いながら、この程度かよ、自分は。ま、髪の長い短いあたりを目印にして、かろうじて区別する。  いや、混乱する理由はもうひとつあって、片方の女性は精神的な病で静養中の患者、もう片方の女性は看護婦、という立場なのに、看護婦の方がしきりに過去を語る。どっちがカウンセリング受けているんやら。  いや、実際、この映画は、この二人を融合するように、いやむしろ一人の人物を分裂させたように描いているみたい。なーんてことは、本作についてもうアチコチにアレコレ書かれているので、そちらを読んでください。私にはよくわかりません。 ただ、ラストが近づくにつれ、二人のやりとりは、血をすするやらシバキ倒すやら、愛憎のイメージそのものと化していきます。んで、終盤はセリフがなくなり、よそよそしい空気の中、二人それぞれの姿が描かれる。 なんだかこれが、「映画の中へ帰っていく」というイメージ。では本作は、映画から飛び出してきた世界だったのか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-04-04 21:04:00)
42.  カウボーイ 《ネタバレ》 
ジャック・レモン演じるホテルマンが一念発起、強引に牛追いの仲間に入ったはいいけれど、住む世界があまりに違い、何かとトラブルに見舞われる。出だしこそ、いかにもコメディタッチですが、牛追いの生活は生死紙一重の厳しい世界。何ともガサツな連中で、主人公も戸惑いが多いのですが、そりゃガサツにもなろうってもの。そういう牛追いの生き様が、グレン・フォードの表情、行動、セリフに、よく描かれています。死んだ仲間への弔辞なんか、何ともいいんですね。暴れ馬を押さえつける場面、グレン・フォード自ら演じているのでしょうか。猛牛との対決はさすがに代役でしょうけれど、危険さがよく伝わる迫真の場面です。もちろんスタンピード・シーンもあります。という数々の場面があってこそ、ジャック・レモンがだんだんガサツになっていくところも説得力があるのですが、まあ結局のところ、牛追いの世界にこれぞという合理的なルールがある訳じゃないんですね。でもやっぱり、牛がいてこそ自分たちの生活があり、牛を大事に思う気持ちが、互いの気持ちを通じ合わせることにもなり、牛追いの仕事のおかげでまた生活に楽しみも見出せる。ラストはまたホテルに舞台を戻してユーモアたっぷり。シャレてるんです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-12-12 09:29:07)
43.  限りなき追跡 《ネタバレ》 
主人公のロック・ハドソン、映画始まって早々、乗っていた駅馬車が悪党どもの襲撃を受け、許嫁を拉致される。彼本人も射殺され。って、それじゃあ映画の先が続かないので、とりあえず何故か、彼は死んでませんでした、ハイ。死んでなかったのでとりあえず彼は、悪党どもの追跡を始めます。というこの時点でもう、だいぶ理不尽な作品ですね。そこがスゴイところ。悪党のリーダー・スレイトンは、これはもうかなりのワルといった感じで(フィル・ケイリーという俳優さんですが、ちょっとチャールトン・ヘストンに似ていなくもなく)、お坊っちゃん顔のロック・ハドソンでは到底かなわないだろう、と思うのですが、さにあらず。主人公の方には(スレイトンを恐れて簡単には協力者が得られないにも関わらず)気がついたら妙な仲間が増えてきて、一方のスレイトンの方は仲間割れやら何やらでだんだん分が悪くなってくる。よせばいいのに、人質交換的に、主人公の許嫁を解放してしまい、逆に一度は殺そうとした元仲間を呼び戻すも、あっというまに射殺(この場面、許嫁と再会した主人公を画面が映しつつ、画面外からの銃声で表現される。これがなかなかのインパクト)。こうなりゃもう、悪党には滅びの道しか残っていない。主人公にタコ殴りにされた挙句、銃を拾い上げ一発逆転!と思いきや、卑怯にも後ろからの投げナイフ攻撃で、あわれ昇天。あの不敵な表情の悪党が、だんだんダメダメになっていって、ダメダメな斃され方で終わっちゃう、という感じ。もちろん主人公の執念の追跡劇が見どころの映画ではありますが、一方なーんかものすごく皮肉も効いている、不思議な味わいのある作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-09-30 23:26:19)
44.  ガンマン大連合
一体どこが大連合なのやら、というのはさておいて、これは出色のマカロニウェスタン、シビれます。フランコ・ネロ演じる主人公ヨドは武器商人、彼がメキシコ革命軍のモンゴ将軍から受けた依頼は、トーマス・ミリアン演じるヴァスコとともに、サントス教授なる人物を連れ帰ってくること。このサントス教授という人、非暴力主義を唱えつつも、メキシコ革命において勢力の一角をなす人物で、シンパがいたりする。という訳で、ヨドとヴァスコのつかず離れずの関係に、さらに教授シンパのオネーチャンが絡み、そしてさらには、彼らを付け狙うジャック・パランスの、これでもかというくらいワルそうな顔。さまざまな人物が見事に個性と存在感を発揮し、いろいろなエピソードで映画を盛りあげてくれます。いやホント、みんな、いい顔してるんです。だから盛り上がる。なぜヨドがコインを自分にくれたのかヴァスコがこだわるのも、いくつかの伏線にもなってて(あるいは、大した意味は無いともいえる)、面白いところです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-23 22:39:18)
45.  借りぐらしのアリエッティ 《ネタバレ》 
冒頭、車から降りた少年は、まず木漏れ日を見上げ、次に視線を上から下に移動して草陰に動く「何か」を見る。この何気ない動きがいいですね。彼は小人の姿を見ることを望む。まあ、この「見たい」って欲望が、なかなかにイヤラシイ感じもしちゃうのですが、何度かもう少しで姿を目にしそうになりながら果たせない。この繰り返しが、ついに少年と小人の少女アリエッティが正面から顔を見合わせる場面を盛り上げるのだけど、このシーンが本当にイイんですね。ゾクッとくるのです。このゾクッとくるのは、イヤラシサとは違った感じ。見つめあった瞬間に風が吹き、背景の花が揺れる、あの美しさ。これぞアニメーションの魅力とでもいいたくなります。またこの場面に限らず、随所で見られる、とことんまで細かいアリエッティたちの動きにも作者のこだわりが感じられ、これも作品の感動に結びついています。そして、人間から隠れつつ人間に依存するだけの弱い存在と思われた小人、そのひとりであるアリエッティが、心臓病を抱え手術を前にした少年に、勇気を与える存在となること。「借り」とか「貸し」とかいう表現が妥当かどうかはわかりませんが、エエ話ではないですか。
[地上波(邦画)] 8点(2015-05-04 17:01:29)(良:2票)
46.  顔のないスパイ
脚本家出身の監督らしく、脚本がよく出来ています。だからアクションも映えるし、サスペンスとしても上々。まず登場人物の行動である「アクション」が先行し、物語の真相たる「意味」がそれを遅れて追いかけ、後から与えられる「意味」が次の「アクション」を多義的でサスペンスあふれるものとする。要するに、物語が、「あ~そうだったのか~」と思った時にはすでにその先へと進んでいて、とにかくワクワクさせられるんですな。で、激しく追い上げる「意味」がついに、クライマックスにおいて「アクション」に追いつく。だから盛り上がる。たとえその真相が、荒唐無稽で「そんなんありえへんやん」というものであったとしても。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-09-07 08:50:48)
47.  蒲田行進曲
ウチの子供たち(小学生と幼稚園児)が、この作品、やたら好きなんですけどね。一体、何考えてんですかね。本作、いかにも“舞台”なんです、と言わんばかりに、オーバーな演技が目立ってしまうのですが、これはきっと、舞台ならではの役者の熱っぽさを、映画にそのまま、取り入れようとしたものでしょう。“役者バカ”を描いた作品なのだから。これに呼応して、映画の描写もまた負けじとコミカルでオーバーな演出となっていて、滑稽でどこか哀しいバカ騒ぎ。何よりも魅力なのはやはり、登場人物たちの愚かしいまでの一途さ、ひたむきさ、ですね。物語の中心にいる3人もさることながら、蟹江敬三監督や清川虹子ママの存在も、負けず劣らず忘れ難い。みな一途、素敵なまでにバカ。それにしても、蒲田行進曲、なのに東映京都。なのにやっぱり松竹。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-04-23 23:05:32)
48.  カンパニー・メン
会社を解雇される人たちのお話が並行して描かれます。もちろん解雇されたら誰だってシャレにならないけれど、エリートである程、立場が上である程、その落差も大きくなる。中心的に描かれるのは、真っ先に解雇される中堅社員。演じるはベン・アフレック、冴えない役をやらせたら天下一品ですね。この時点で閉塞感バリバリの実に身につまされる作品が約束されております。奥さんや子供たちがしっかりしているが故に(だからこそ主人公もホントはもっとしっかりしなければならないが故に)切羽詰まった辛さが滲み出てます。中盤、主人公が家中のガラクタを出してきて妻の前で弱音を吐く場面で、ただでさえ曇った主人公の顔にはさらに木陰がかかり、ドヨ~ンとしているのに対し、涙を浮かべて彼の顔を見上げる妻の顔には明るい光が当たっていて、勇気づけられるのですね。いいシーンです。いい奥さんです。で、その後どうなるかってえと、脇役のケヴィン・コスナーが美味しい役柄を持って行っちゃうのですが(笑)。結局のところ、不安の現代に生きる我々、大きな成功を手にせず小さな不安の数々を抱えて生きるか、成功を手にしてひとつの巨大な不安を抱えるか。このラストがハッピーエンドと言えるか否かは、価値観にもよるし、気の持ちようにもよる訳で。そういう意味では、主人公がどんな選択をしようと、ハッピーエンドにでも何にでもなり得る、ということですな。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-11-30 17:02:09)
49.  間諜X27
クラシック映画=端正な映画、だなんて思っていると、さにあらず。例えばこの映画なんですけど……私だけですかね、観てて気持ち悪いというかコワイというか、妙な気分になるのは。とにかくショットの繋ぎが刻むリズムが、気持ちの悪い、不思議な変拍子。劇中で何度も有名曲が引用される、その音楽のリズムに対し、映像の「間の悪い」リズムが重なり、これはもう妖しすぎるポリリズム。ついでに調子ハズレの月光ソナタなど、音楽までもが変容していく。再三登場する二重写しのシーンなんかも気持ち悪くて気持ち悪くて、おいおいこの映画呪われてるよ、と言いたくなっちゃう。↓皆さんそろってディートリッヒに言及しておられる気持ち、本当によくわかる。この歪んだ作品の中を、ズバリ一本貫く存在、それが彼女なのだから。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-11-04 08:26:01)
50.  ガン・ファイター(1961)
片や札付きの流れ者、片や彼を追う保安官。保安官にとっては個人的に恨みを持つ相手でもあり、しかも同じ人妻を狙う恋敵でもあり。しかし困難を切り抜けていく中で、二人の間には友情らしきものが芽生え、三角関係も無事解消し……と事態が良い方向へ向かうかと思いきや、最後に意外で残酷な展開が待っている。西部劇にこういう題材って、反則ですよ、まったくもう(笑)。という訳で、すべてを自らの力で切り開く男の中の男、といった感じの流れ者カーク・ダグラスが、成すすべも無く運命の渦に飲み込まれていくようなラスト、これはもう何とも言えぬ後味を残します。カーク・ダグラスの曲者ぶりに比べると、やっぱりロック・ハドソンは、クセが無いというか、どこかホモっぽいというか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-09-04 20:49:40)
51.  カーズ2
マックィーンなんぞというキャラは脇役に回した方がよい、という点によくぞ気付いてくれました、おかげで抜群に面白くなったこの第2作。いや続編なんてことは気にせず、単独の作品としてこの“ミステリの傑作”を楽しめばよろしいか、と。もちろんこの、スピード感あふれるアクションも。
[DVD(吹替)] 8点(2012-01-03 12:21:16)
52.  影なき男(1988)
ハメットの小説とは全く関係ない作品で、変な邦題だとは思いますが(“影なき男”って一体誰のことだよ)、これが意外な拾いモノ。面白い。凶悪犯を追って雪山へと入っていく、山男とFBI捜査官の凸凹コンビ、サスペンスと冒険モノの融合。私が面白いな~と思って観ていると、ウチの子供たちも横で熱中して観ており、やっぱり面白いと感じている模様。私がお勧めしても誰も信用してくれないかも知れませんが、ウチの子供たちの観る目は私よりは確かだと思うので、この映画、お勧めです。シドニー・ポワチエも、人種問題を背負って優等生を演じ続けなければいけなかったかつてとは違い、肩の力を抜いてユーモアたっぷり、楽しんで演じているような役柄。一方のトム・べレンジャーの真面目くさった顔。これがまた本作の楽しいところ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-08-17 09:51:55)
53.  華麗なる一族
「心臓に毛が生えている」とはどういうことかが、よーくわかる3時間半。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-08-07 14:13:13)
54.  からっ風野郎
ゴリラ似の素人俳優が主演のやくざ映画。この主演のヒト、何でも、本業は作家なんだってさ。え?みんな知ってるって?どれだけ演技がヘタか確認するために本作を観たって?ふむ、あんたもよっぽどのからっ風野郎ですな。ま、確かにヘタなんですけど(素人俳優によくある通り、他人のセリフの間、次の自分の演技のみに意識が行ってて、目が泳いでしまってる)、大丈夫、見慣れてくると違和感なくなります。タイトルは「からっ風野郎」ですが、この主人公、イマイチ、からっとしていない。どーせ俺バカだから、みたいなノリはいいんだけど、思い切りが足りなく、少々ジメッとしている気がするんですけどね。そこが可愛いと言えば可愛いところ。見た目はゴリラですけど・・・。若尾文子演じるオネーチャンを孕ませてしまった挙句に、何とか堕胎させようとするくだりなど、いかにもヘナチョコ。当の御本人の『金閣寺』などではもっとエグイこと、やってらしたじゃないですか。ま、そういう訳で、どこか青っぽい主人公の活躍を青っぽく演じ切り、やくざ映画でありながら青春映画としても楽しめる、なかなかの快作になっております(実際、オモシロイ)。最大の見どころは何と言っても、「三島由紀夫 in 遊園地」。三島由紀夫、後に割腹自殺を遂げるアノ三島由紀夫が、何と木馬に乗ってデートしている姿! 彼のセリフじゃないけれど、まさに「その手があったか!」と言いたくなるシーンですね。
[DVD(邦画)] 8点(2010-03-29 22:49:21)
55.  隠し砦の三悪人
スターウォーズの原点みたいによく言われますが、冒頭あたりに出てくるいかにも汚らしい群衆シーンとか(これがスバラシイ!)、隠し砦の現実離れしたロケーションとか(これもナイス!)、こういったあたりは『猿の惑星』の原点だ、とも言いたくなります。あとは、ユーモア、アクション、危機また危機、というまさに娯楽の極致(ここまでくると、サービスし過ぎ?)。「いい映画」ってのは自分だけのために大切にしたいもので、人に薦めたくなるのは「面白い映画」。本作はその両者を兼ね備えた見事な作品ですね(ま、強いて言えば、後者、ですけどね、えへへ)。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-04-04 16:26:23)
56.  ガス燈(1944)
ガス燈が時々暗くなっただけで騒ぎすぎなんだよ~、と言いたくなるのだけど。さらに、犯人バレバレやんけ~、とも言いたくなるのだけど。犯人バレバレな分、はたまたヒロインが妙にカンが悪かったり良過ぎたりする分、見どころは「展開をどう見せるか」にあるわけで、陰影に富んだ映像とともに、物語はどこに行きつくのやらわからない微妙な展開を見せ(あとで考えれば結構無難な展開だったナーという気もするが)、よく出来たサスペンス映画でした。ケチをつけるなら、「出来すぎのサスペンスには必ずしもハラハラさせられない」ってトコですかね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-03-14 18:16:44)
57.  華氏911
何でもこの映画、カンヌ映画祭に出品されて「なかなかよく調べたで賞」を受賞したらしい。正直、この映画の内容については、どう考えていいのか、あるいはどう感じていいのかすら、よくわからないところがある。いわゆる軍産複合体などのお馴染みのネタについての、ドキュメンタリーという体裁ではあるけど、その中には“破線のマリス”が充満している。そんなこんなの結果、民主党小浜氏の勝利により、問題続出のブッシュ政権は、世界恐慌というあまりにもクサい最後っ屁を残して、今、ついに終わろうとしている。では今後状況な今よりマシになるのか?それはわからない。アメリカという国の歴史は、他国を蹂躙し不平等条約を押しつけ遮二無二覇権を目指してきた歴史であろう。それは手を変え品を変え、今でも続いている(もちろん自国に有利なように働きかけるのは、どこの国でも同じだけど……それ「自体」を商売にしてしまっているのが、アメリカではないか)。そういう観点からすれば、所詮この映画で主張されてることって、我々から見れば、正義vs悪の対立でも何でもなく、ただの「対岸の国の中での、ケンカ」に過ぎない。アメリカはいつまで経ってもアメリカだ。……ただし、ただし。やっぱりこの映画、面白いんだ。これだけ見事に「ブッシュ=悪人」というテーマで映像作品を作っちゃう手腕は大したもの、ホトボリの冷めた100年後くらいにこの映画を観た人の中には、「このブッシュって人、オモシロイねえ」とブッシュ・ファンになっちゃう人も続出するのではないだろうか(笑)。そしてまた、この映画は、前半は全速力でブッシュをボロクソけなしつつも、後半は、戦争というものの持つ問題に(意図してか、意図せずにか)踏み込んでいく。だから、観てて、ツライ。本当にツライ。いや、戦争に限ったことではなく、人が人を殺めるという、人間の歴史、人間の将来、そういったものが、重くのしかかってくる。考えすぎか?そうかも知れない。でもやっぱり時々は考えざるを得ない、今この瞬間にも、誰かのもとに何らかの不幸が訪れ続けているのだ。何か手はあるのか?我々に救いはあるのか? 少なくとも、ブッシュの退陣が、その解決には、ならないだろう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-11-30 16:23:42)
58.  カリガリ博士
若者とオッサンの会話で始まる冒頭、いきなり「ワシは亡霊のせいでヒドイ目にあったわい」とのたまうオッサン。そこに、これまたいきなり、亡霊のごとく生気のない女性がフラフラ~と現れる。げげっ、気味悪いな~、と思ってたら、若者いわく「彼女、オレの婚約者なのよ。彼女とオレは、アンタよりもヘンテコな体験したのさ」、だそうです。わはは。どんな会話やねん。しかし確かに、彼の語る物語としてのこの映画、奇妙キテレツなセットの中で容赦なく幻想的物語が繰り広げられ、目を白黒させてしまう異様さ。と同時に、この不思議なセット、「あ~カラー映像で観てみたいな~」という気がしてしょうがない。でもきっと、カラーで観たら幻滅するんだろうナ。この映画の不気味さというものは、おそらく、時代を経たモノクロのキチャナイ映像、これ自体が、実は大きな効果を発揮しちゃってるんでしょう。はるか昔に作られた映像、という隔絶感。それも、「単に“昔”を記録した映像」などではない。まさに、我々の決して手の届かない大昔、とっくの大昔に、こんなモノが作られてしまっている、という、その事実そのものの驚き。精緻に作りこまれた古代遺跡のような、いわば“オーパーツ”のごとき存在感、そしてそのような遺跡を現に目前にしながら、なおも感じる、遥かな距離感(そういや、遅ればせながら『神々の指紋』読んでるんですけど、記載されてるネタが古いですね、このテの本、高校の頃だいぶ読みましたよ・・・←って映画と関係なーい)。時代の重み。こういう類のオドロキと感激を与えてくれる映画は、もはや作ることはできないでしょう。タイム風呂敷を使っても無理でしょう。
[DVD(字幕)] 8点(2006-12-14 23:46:04)
59.  風の谷のナウシカ
はじめて本作をTVで観たのは高校生のころでした。ナウシカにマジ惚れしました。観終わってからしばらくは、胸がせつなくなりました。何しろ男子校だったからな、ぶはははは。まあそれはともかく、アニメの登場人物に「表情」を感じた初めての作品でした。
[地上波(字幕)] 8点(2005-05-16 23:10:43)
60.  カンフーハッスル
いや~、小川直也じゃないですけど、私もしっかりハッスルさせていただきましたよ~。この映画は、まあ、「『マトリックス』はこうやって撮るんだよ」、ってな感じの作品ですな。『マトリックス』も、タコ坊主みたいなオッサンや、サルみたいな顔の悪役のオッサンやらがもっともらしい顔して闘うというダサさ、これがなかなかよかったワケですが、いやいやそんなのまだヌルいと。どうせならジジイ&ババアの壮絶バトルが観たいだろう、と。まさにおっしゃる通りです。すばらしい。さらには小道具の使い方が見事。鐘にあんな用途があるなんて、一体誰が思いつきますかね。すばらしい。まあ、そんなこと思いついても人生においてめったに役にたちそうにないけど。それからあと、どうせ中身のない映画、あんまりカネかけ過ぎちゃだめよ、と。そんな、いろんな教訓のある映画ですかね。
[映画館(字幕)] 8点(2005-04-04 22:43:33)
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