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エスねこさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
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ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/23593/
ホームページ http://kine.matrix.jp/
自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

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1.  ガールズ&パンツァー 劇場版
半年ぶりに(まだやってるの!)、4DX版で観てきました。感想後日。 とりあえず、4DX環境では新キャ (詳細はブログにて)
[映画館(邦画)] 8点(2015-11-23 02:13:13)(良:1票)
2.  カンバセーション・・・盗聴・・・ 《ネタバレ》 
残念。自分の中で、どうにも面白さがサスペンスへと深化していかなかった。後半はすっかりパラノイア的ギャグ。バスタブの栓の裏側をチェックする慎重さにはニヤニヤし、マリア像を壊した勢いでリミッターが解除されるラストには笑ってしまった。 多分、テーマに宗教を持ち込んだのと、ジーン・ハックマンの役作りが完璧すぎるのと、物語にぜい肉がないのが原因だと思う。ちょっと出来のいい中篇小説という感じ。 演技もさりながら、映像的にも素晴らしいシーンは多い(特にバスルームのシーンは多分『シャイニング』の元ネタっすよね?)。 この映画が味わえないのが、つくづく残念だなあ…『わらの犬』『タクシードライバー』にも無感動だったオイラなので、多分70年代のこの系列はダメなんだろうな…。
[DVD(字幕)] 5点(2008-01-06 23:36:09)
3.  火星人メルカーノ
作品としては最低なのに、どうしても10点以外をつけるのが不可能だ。 完敗だ。 完璧すぎる。 (詳細はブログにて)
[インターネット(字幕)] 10点(2007-08-18 21:16:25)
4.  蟹工船(1953) 《ネタバレ》 
原作未読。  これですねー、札幌の蠍座のプログラムで『父親たちの星条旗』の直前に観たんですよー。 もうね、『星条旗』の方では米兵視点で完全に「行け行け! 日本海兵殺ってまえ~!」状態ですわ。完全に洗脳されていた(笑…えるか?)。 それくらい、明治以降の日本式資本主義が明快に《画》になっている作品。銃を構えた海兵に労働者を包囲させ、「扇動者は誰だ! 出て来い卑怯者!」ってそれ、アンタが卑怯やん。 評価点は、《船》という閉じた生態系がまずしっかり描かれている事。 その存在目的とエコシステムが、物語の進行に連れて次第に明らかになる事。 やがて準前線的なヤバイ場所まで連れてかれる事を、労働者だけじゃなく観客までも知らずにいる事。 さらには(北海道人なら承知ですが)海で死んだ奴らがカニの餌になり、一段高いレベルのエコシステムまでが象徴的に暗示されている事。  音楽について。 冒頭、スタッフロールの背後で乗船する人々。ここで流れる音楽の厚さに圧倒されます。 誰かと思ったら音楽監修・伊福部明! これ怪獣映画じゃん!(笑) おそらく、船内世界を実社会へ投射させるという物語のメカニズムを生んだ草分け、『白鯨』を意識して、資本主義を巨大な怪獣に見立てるというプリプロダクション時の思考があったんじゃないかと思います。そう。これは、怪獣映画として壮絶に成功しています。 巨獣と群集の明快で絶対的(時として逆転もしますが)な関係が赤裸々に語られる本作は、凡百の怪獣映画より遥かに凄い。  スタジオでのお芝居もありますが、汚れきったきたねー衣装を揃え、字幕が欲しくなるほどちゃんとした函館弁を喋らせ、本物の蟹工船にキャスト全員を乗せて、本当に蟹を引き上げさせて、本当に大シケの中で(って下手すりゃカメラマン死ぬよアレ)、本当にスタントを荒波に放り込んで…このリアリズム。ヘルツォークがお坊ちゃまに見えてくるほど、体を張って撮った野蛮さ、無茶苦茶さで、脳天を撃ち抜くような迫力でした。
[映画館(邦画)] 9点(2007-04-18 20:49:27)
5.  かもめ食堂
鮭の切り身に塩をふって、焼き網の上に乗せる。熱源はガスのようだ。当然、油がポタポタ落ちてキッチンはベトベト、換気扇のないらしいキッチンは食堂内と仕切られてないので、店内は場末のホルモン屋のように煤と油が染みついて、そこにはマジックで書かれた「ホッピー」という張り紙が黄ばんで…ないんだな、コレが。 映画のマジックなワケだけど、何となくそこんとこのリアリティのなさだけが気になり、そして悲しかった。言ってみればこの店内、サチエの内面みたいなもんだ。スッキリと美しく、塵ひとつない空間。そこで魚を焼く事は、絶対できない場所。 じゃあキッチンは別の部屋になってた方がよかったのか…? もちろん画面的にはそんな事はないワケで、キッチン・食堂・表通りが素通しで見渡せる店の構造は、(ガラスへの映り込みも含めて)映画中でいろいろな画面の遊びに使用されていて、観飽きる事がない。オイラ的な結論としては、この店はコーヒーとオニギリ以外は出しちゃいけないんじゃないかって気がした。 あと、だれ一人困らずにワリバシを使いこなしてるフィンランド人たちってどうよ。  ま、ゴチャゴチャ突っ込む割に、きっとまた観に行くだろうけど…。
[映画館(邦画)] 6点(2007-03-21 19:06:08)(良:1票)
6.  カルメン(1948)
初リタ・ヘイワース。いっやあ惚れますね~あのアバズレっぷり! いま GyaO で配信されてるんですが、動画特有の画面の暗さでちょっと残念。総天然色のテクニカラーなので、できればDVDが望ましい鑑賞環境でしょう。  …で。 とんでもねー映画です。『カルメン』を観始めたつもりなのに、途中から「なんじゃこりゃああ~っ!」ってひっくり返って悶絶するコト請け合い。だってスペインの話なのに、途中から風景がメキシカンになっちゃうんですよ! 後半はドン・ホセと追撃隊の銃撃戦なんかもあって、ほとんど西部劇です。豪快で爽快な翻案でした。 でもそこが『カルメン』の奥深さというか、どれだけ風景が変わっても物語の本質は同じ。史上最多の映画化数を誇るストーリーってだけはあります(リタ・ヘイワースは史上15番目のカルメンなんだとか…)。 リタが独立してプロダクションを起こした時の第一作ですから、顔ぶれは知り合いで固めたんでしょうか、ドン・ホセには盟友グレン・フォード。過剰に朴念仁なドン・ホセを演じ、リタとの相性は非常にシンクロ度が高いというか演技過剰なリタ版カルメンの魅力を引き立てるのに成功しています。 こんな凄いアレンジを施して壊れない物語ってのも凄いですが、確信犯的にそういう改変をやって、自分たちの魅力を最大限に引き出す脚本を手にしたリタ・ヘイワースの製作力も素晴らしいんじゃないでしょうか。  …余談ですが、フラメンコを踊る時のカルメン描く構図は、必ずパノラマ的なロングショット。群集に囲まれて踊り狂う彼女はなかなか絵になってます。でも足元が映らないんだなコレが。 リタ、怒らないから正直に言ってごらん。フラメンコ踊れないんだね…?
[インターネット(字幕)] 7点(2006-09-06 04:08:15)
7.  カクレンボ
Gyao の放映で観たので映像の明るさとかイマイチなんですが…これは凄かった! 子供の世界には、大人に伝わらずに独自進化していく文化があります。遊び歌とか、近年では『北斗の拳遊び』なんかの進化もそうなんだけど、大人が介在しない、言葉に置き換え難い、それでいて太古からの歴史を思い出させる遊びが息づいている。 本作はそういう世界に焦点を当てたおかげで、シナリオが説明過多に陥るのを免れている。また、圧倒的な異形の描写が、現実を見失わせるのに十分な効果を発揮。ラストまで息をつかせぬ傑作になっています。 アニメは80年代から「動」を描くジャンルに切り替わった(ここでの宮崎駿の功績を否定する気はないっす)。実はアニメというのはセリフが少なければ少ないほどいい分野。 だから、本作は現段階の日本アニメの『最高』にして『最上』のアニメだ、と評しておきます。  ネタ的には『バトルロワイヤル』とか『リアル鬼ごっこ』を想像させるので万人向きじゃないかもしれません。ここが減点ポイントかな。でも、アニメとしての価値はかなり高いと思っています。観るべし。
[インターネット(字幕)] 8点(2006-08-09 22:01:20)(良:1票)
8.  カフカの「城」
(酔ってるんで注意)作中、最も理不尽なのはクラムでも村長でもなく、フリーダだった…原作では。 この映画化を見て、今までのフリーダの解釈に納得の行く解釈を与えられて、それだけで十分なメリットがあったと思う。フリーダは全てのシーンで自分の得になるようなウソをついている…これは、他人から指摘されるまで気付かない側面だ(カフカは個的に楽しむ文学だからね…)。 もうひとつ、本作を見に行く際に期待していたのは「助手たちをどう描くか」。本気で原作通りのコメディリリーフに徹したのは、正直オドロキました。コレをやられたら、他のシーンがどんな凡作でも高得点を上げないわけにはいかないよなあ。 期待していたシーンは「コニャックが毛皮の表面を流れていく」シーン。微に入り細に入り、まるで拡大鏡で覗いた様な克明さで描かれるこのシーンをどう映像表現するかは、カフカ映像化のひとつの試金石でした。結果は…本気で毛皮の上にコニャックこぼしただけじゃん! 染み込んでるじゃん! ダメじゃん! CGなみのクオリティで描かなきゃ! せっかくカフカが苦労して描写したんだからさー!  …3点引くからな、ハネケ。
[映画館(字幕)] 7点(2006-08-05 02:44:51)
9.  隠された記憶
ハネケ・マラソン第一弾(って、予算の関係から3作しか見ない予定ですが…)。 ミヒャエル・ハネケ監督とはこれが初めてのおつきあいです。噂には聞いてましたが、画面から常時放射される「映画圧力」は尋常じゃありません。「画面を見ろ! 画面を凝視しろ! 画面を注視しろ! 細部を見ろ! 全体を見ろ! 赤を見ろ! 茶色を見ろ! 黒を見ろ! 粒度を見ろ! 視線をたどれ!」という監督の声が絵になって聞こえてきます(途中から、旧レビュアーの某塾某氏を思い浮かべてしまったっすよ (^^;)。 しかし本作はストーリーの仕掛けが仕掛けなので、画面を凝視してないと本当に騙されてしまう。究極に素っ気無いオープニングタイトルが、まずフェイク。途中、フェイクと似たような構図が出てきたと思ったら、リアル。なので、だんだんコッチも本気になってきて、画面を凝視するようになります。すると、「おぉ! 黒いところに映り込みがッ! これはガラス越しの映像…すなわちリアルだッ!」…と理解できるようになってくる(この「犯人」は決してモノ越しに主人公を撮らない)。ちゃんと映像に法則性があるので、この微妙なゲームは大変楽しかったです。 さらに、キチンとゲームを楽しんだ観客はラストシーンの長回しにさりげなく紛れ込んだオチに気づく、というサービス精神旺盛なのか単なる偏屈爺なのかよくわかんないエンディングが待っていたりしますから、これから見るレビュアーの方々は心するのダ(まあ普段から映画見慣れてれば普通に気づくかもしれませんが…)。 ハネケ翁はドイツ魂の凝縮したようなオッサンなので、画面設計は相当にメカニカル。室内劇の部分は、映画というより演劇のロジックですね。この誠実さ、分析しやすさが、画面圧力をはねのけて映画と「戦う」だけの理性を引き出してくれます。「極めて左脳的な作品だった」というのがオイラのファースト・インプレッションでした。  ●2010/11/23追記: 盗撮者の撮影する映像の厳格さに誰も触れてくれないのが悲しいなあ…。あと、ラストカットは多重解釈できるようになってるっすよ(少なくとも誰か「夢の続きかも」「あのシーン自体も盗撮の可能性が…」って指摘してよ~!)。
[映画館(吹替)] 7点(2006-07-29 19:05:54)(良:1票)
10.  快盗ルビイ
かつて、頭脳明晰怜悧酷薄悪逆非道なルビイ・マーチンスンを、よりによって小泉今日子がやると聞いた時…ある、非常に恥ずかしい悪党像が脳裏に思い浮かんだ。それは10年後に『踊る大捜査線 the MOVIE』の殺人鬼の姿として現実のモノになってしまうのだが…こっちはこっちで、当時映画館で頭を抱えたんだよなあ。和田誠監督、思いっきり換骨奪胎したもんです。監督ぅ、最初からこの路線なら、人情モノのクライムノベル『地下鉄サム』とか『赤ちゃんはプロフェッショナル!』とかを原作に使った方がよかったんちゃいますか。 最後の最後で全てを〆る名古屋章の演技に7点。ほんの短い出番なのにもの凄い画面掌握力だと思う。実際、彼のシーンで泣いちゃったもんなあ…初見の一回目だけね(笑)。 ●追記:こないだ『カンパニー・マン』の冒頭を見た時、明らかに日常モードのルビイ・マーチンスンに似たジェレミー・ノーザムの風貌を見て「ふんふん、こいつが一番悪賢い奴ね」と、ラストシーンを見抜いてしまったのはネタバレになるのでアッチでは秘密だ。
[映画館(邦画)] 7点(2006-07-19 04:56:22)
11.  帰って来たヨッパライ
狙いは断然、60年代映画のセックスシンボル緑魔子(異論はおありでしょうが)だったんですがね…ちょっとだけ世代がズレてるせいで、彼女の映画観たことなかったんすよ…そんな想いを吹き飛ばすくらいに北山修が若~ッ!! …いやオイラは彼のコトをまず“自切俳人”として認識する、ごく限られた世代なのですが…。 とまあ、あの時代の雰囲気をムンムンに感じながら、そして昔韓国・今北朝鮮、と完全に回帰してしまった世相(かつての韓国大統領朴ちゃんも今の将軍様並みに言われてたんよ)におののき、胸が一瞬映るだけの緑魔子のヌードにヘナヘナと脱力しつつ、シュールなようでいて辛気臭い展開に日本映画独自の湿気を感じてムシムシした上、教科書的な異化効果&予想外に骨太で安定感ありまくりのシナリオに萎え、来るべきカタストロフの普通さにキョトンとしちゃったワケです。 でも! 最後まで画面にかじりつくように見続けることができたのは、クルセイダーズ3人のとてつもなくヘボい演技力のおかげでした(口パク完全に合ってないし~ (^o^;)。いっやあ、あそこまで下手だと監督が狙った以上のシュールな映画になってしまうっすよ。表情ゼロで、あの棒読みのセリフが醸し出すトボケた雰囲気は、一度でも演劇の訓練を受けた人間ではやれないんじゃないかな。演技ではない天然のノホホンぶりが、作品が追う痛烈なテーマと絶妙なコントラストを作っていました。こぉれはレアだよ~。 緑魔子を堪能できたとは言い難い作品なので、また別の60年代映画にチャレンジするか…。 
[DVD(邦画)] 6点(2006-07-19 01:26:26)
12.  カンパニー・マン
『CUBE』はあまり評価できないオイラですが、コレは凄かった~! 何が凄いって、全く知らない俳優だったジェレミー・ノーザムの壮絶な演技力がとんでもない! 人畜無害のボンボン顔で始まって、「正直顔」から「嘘つくの下手なんです顔」まで、表情ひとつで明快に演じ分けるオープニング。スパイとして採用され、ジャック・サーズビーという仕事用の新しい人物像は自分で決めなさいと言われ、誰にも見られないようにニコッとする場面、ハイここでタイトルが入ります。何を見せたい映画なのか、非常に明快なオープニングでした。もちろんノーザムの演技の幅はストーリーに従ってガンガン広がっていきます。「スパイ初日で垢抜けないけどテンション上がってます顔」「オレは新しい人間に目覚めたんだ家庭の事でゴチャゴチャ言うなよ顔」「ボクいま何も見てません聞いてませんよ顔」…これはもう、ストーリーなんかじゃなくて演技だけでおなかいっぱいになる傑作。っていうかこういう卓抜な演技に支えられて、自分のアイデンティティを洋服並みに入れ替えていく主人公の姿は、もはや快感ですらあります。実存のザルと呼んでいいかもしれない。テンポとキレのいい、シャープなクローネンバーグって印象でした。やっぱり『ハイ・ライズ』は期待しちゃうナタリ~。
[DVD(字幕)] 9点(2006-06-15 23:00:02)(良:1票)
13.  合衆国最後の日 《ネタバレ》 
全権を掌握していたはずの大統領。その彼が単に役所のトップでしかなかった事を悟った時の衝撃。官の論理を延々と述べ立てて、政府の方針を変える事を拒む長官たち。サイロを占拠し、全てを操るパワーを手に入れながら、それを行使できないテロリスト。まったく救いのない70年代の縮図ですなあ。大統領の死の間際、事の真相を明らかにするよう懇願するが、誰も返事をせずに臨終を看取るエンディングが秀逸でした。真実・国民の審判・正義。そんなモノが意味を持たなくなった現代政治の、言ってみれば愚痴映画です。けれど、ホンキの愚痴には観客を涙させる力がある。泣きましたね。テレビムービーという「視聴者を引っ張り続けるためにダレ場を許さない」特殊な造りが、本作ではプラスに働いていたと思います。●追記:アマゾンで調べたら、TVMじゃなかった…あのいかにもTVっぽい、ちゃっちいオープニングとエンディングは何なんだ…? あと、劇場用だとすると、ちょっとカメラアングル(バストショット)が平板でショボいぞ。加えてあの画面分割は『ハルク』の元ネタでもあるワケですな。
[DVD(字幕)] 7点(2005-06-04 23:37:21)
14.  眼下の敵 《ネタバレ》 
ああこいつのレビューは大変かも…でもオイラ的には避けて通れないしなあ…。 いま名づけましたが「Uボート映画の原理」とでも言うべきモノがありますな。 1.潜水艦には頭脳派の名艦長が搭乗している。 2.いろいろあって駆逐艦に目をつけられる。 3.駆逐艦の艦長は猟犬なみにタフな野生派か頭脳派。 4.潜水艦1隻を沈めるために爆雷を出血大サービスするが、初手は爆発深度を予測されて失敗。 5.丁丁発止の駆け引きをするうちに潜水艦側が手詰まりになって、 6.耐圧深度ギリギリまで潜って難を逃れる一発勝負に出たり、 7.音をひそめて死んだフリしたりして、 8.一発必中の機会を待つ…。 この「駆逐艦」の部分を「軍事アナリスト」に変えたりすると、もうちょっと幅が広がりますね(苦笑)。さて、このうち8割くらいは、この映画で生まれた定石と言っていいんじゃないでしょうか。これは潜水艦映画が、他の多くの戦争映画とはジャンルのレベルから違うという事です。上記ルールを半分以上守ってる映画は、(沈むか、逃げ回って逃げ回って運がよければ一発逆転という展開しかない)潜水艦側に圧倒的に不利です。もう観客が、潜水艦の艦長に感情移入しないワケがない。これ、戦争というよりスポ根ドラマの枠組みなんですよね。本作以外にも『深く静かに潜行せよ』『レッドオクトーバーを追え』『U-571』…例の日韓2作は見てませんが…。 ところがこの原理に従わない潜水艦映画がふたつありまして、『Uボート』と『クリムゾン・タイド』ですな。潜水艦を舞台に「戦争」を描こうという勘違いをしたせいで(って言っても『Uボート』は潜水艦ファンへのメッセージでもあり確信犯でしょうけど)「別にミサイル基地の中でも塹壕の中でも撮れるやん」って感じの映画になっちゃってます。その他の例外はSF映画。『海底2万リーグ』『渚にて』『ミクロの決死圏』『復活の日』『アビス』…まあここでの潜水艦は戦闘目的ではなく冒険装置・人類生存装置みたいな役割ですから。敵はタコさんだしね。 というワケで「潜水艦映画」の規範を作り、ストーリーを戦争の本質から上手に切り離し、潜水艦という卑怯な弱者をヒーローに仕立て上げちゃった本作の功績は限りなく大きいのです。ただ本作には原作がありまして、原作ではもっと濃い駆け引き(『U-571』で使われる死んだフリ作戦もある)が展開されてます。ご参考までに。
[地上波(吹替)] 10点(2005-06-01 04:36:14)(良:3票)
15.  カムイの剣
えーっ、評価低い…忍者アニメのバックに宇崎竜童の音楽を入れたのは、当時は画期的だったんですよ~! でもま、『AKIRA』のサウンドには勝てませんが。忍法“横一列斜め十五度走り”も、当時けっこうマネしたなあ。
[映画館(吹替)] 9点(2005-05-28 03:59:52)
16.  カリガリ博士 《ネタバレ》 
中一の頃、なぜか学級文庫に古い古い映画事典が置いてあり、そこに『カリガリ博士』のストーリー紹介が百枚近いスチルと共にストーリーボード形式で載っていたのです。おぞましく危うい展開に、何度も何度も読み返し、即夢中になりました。そんな若かりし頃から幾星霜。宿願かなってDVDが発売され、数年前にやっと鑑賞する事ができたわけですが…スチルの印象と大幅に違うのに驚きました。あの不思議なセットをバックに人々が動き回ると、シュールさがどんどん増して行くんですねー。逆に「絵」としては強烈だったチェザーレの逃亡シーン、郊外の田舎道は動画になるとイマイチでした。やはり建築物のセットの素晴らしさだと思います。 ストーリーについて。本作の公開された1919年は、パリ講和会議にベルサイユ条約の締結で第一次世界大戦に決着のついた年。無謀なベルギー越境作戦によって自ら大戦を始め、最後まで敗北を認めなかったドイツ。戦争に善悪はなく政治の延長線だと考えていたドイツ。戦後処理でダダをこねまくり、賠償金を値切ろうとし、連合国に「やりすぎだ」と噛み付いたドイツ。帝制を廃しただけで軍と官僚は責任を取らずにゴッソリ人材を温存したドイツ。『カリガリ博士』を見ると、国家と国民がメンタルに離れつつあったのを感じる事ができます。「院長は連続殺人鬼なんだ!」と叫べば拘束着を着せられ沈静房へ入れられてしまうドイツ人のやるせない状況。果たしてどっちが狂っているのか? …ほどなく歴史に登場するヒトラーが、あくまで主人公の側から出てきた人間である事を考えると、この作品はもう一段、深みと暗さを増してきます。 そして自国・我が身を振り返った時、政治と狂気の間に存在する「カリガリ的状況」に静かなため息をついてしまうのですな。最近のニュース、なんか前衛風の書き割りみたいに見えてきませんか?
[DVD(字幕)] 6点(2005-05-09 21:43:09)(良:1票)
17.  GIRLS★GIRLS
「あげまん」ならぬ「さげチン」なるモノが存在するかもしれない…という、妙な説得力に満ちた映画(いやあ、大マジで、ホントにすごいさげチンぶりでした。笑いっぱなし!)。去年『ロシアン・ブライド』という映画で大失敗(純度100%のポルノだった)したので、前知識なしのタイトル借りにはちょっと抵抗があったんだけど、自分のカンを信じてネットレンタル。今回は成功だったようです。15分でエンディングが読めるのはご愛嬌。観客の予測を先読みして思いっきり迷走する主役三人に「おいおいおい! そーじゃねーよ!」と突っ込みを入れたりヤキモキしたり。「キャラ」と「観客」の間合いの取り方が絶妙で、感情移入できる作品でした。武骨でメカニカルなイメージのあるドイツ映画ってところにも、飽きさせない新鮮さがあったようです。これがアメリカ映画やフランス映画なら「てやんでェこんなん見てられっか~っ!」って…まあ、あのへんの青春セックス映画なんて食傷気味なワケですよ。この作品も難点がないワケじゃないが…主役のインケン、どう見ても高校生じゃないだろ。ま、それがベッド上ではすっごい良い味になるんですが(どーしても感じられないって演技がメチャメチャ可笑しい)。標準的な佳作だと思いますが、私的にチョイとプッシュしたいので、2点UPしときます。 (2007/12/24:サービス期間終了)
[DVD(字幕)] 7点(2005-01-28 04:19:53)
18.  カブキマン
カブキは日本の古典的“大衆”芸能であるからして、当然ながらスーパーヒーロー物の要素を本質的に含んでいる。この舞台様式の裏に隠されたヒロイズムをアメコミヒーロー文化の文脈で解釈し直したのが…ごめんなさい嘘です叩かないで~。いわゆる「ガイジンの想像する勘違いジャパン」ってイメージを狙った企画だったんでしょうが、トロマに製作を任せた事(きっと安かったんだろうな)と、後の江戸木純氏が関わった事で、予想を遥かに上回るバカ映画となりました。当初予定が勘違い度50%だったとすれば、出来上がりは確信犯度98%くらいの高純度です。カブキマン、登場時に見栄切った後でオペラ歌ってますし。刺身じゃなくて生魚丸かじりしてますし。いや本当、捨てる金のあるバブル時代でないと完成しなかったでしょうねえ。ちなみに江戸木氏、序盤で凶弾に倒れる(ってよりミ○○を食ってるシーンの方がインパクト有)老歌舞伎役者サトウ爺をやってます。ほんとバカ映画に体張る人だなー。こんな映画を作るほどにはなれなくても、観て笑い転げるくらいの心の余裕が欲しい今日この頃。敬意を込めて6点献上。●追記:登録の際に imdb を漁っていて気付いたんですが、オーストラリアでは154分のディレクターズ・カット版つうのが公開されてるようです。すげえよ…どうやったらそんなに話が伸びるんだろう…?
[ビデオ(字幕)] 6点(2005-01-04 19:38:29)
19.  華氏451
高校の頃、ブラッドベリの原作を読んで感動してビデオも見たんだけど…くだらねえ。とことんくだらねえ。原作で非難されている『映像』をメディアとして使ってるのに、そこに何にもヒネリがない。自作だけは特別なんですか。そうですか。いろいろエピソードをカットしておきながら。観客を納得させるには『モンティパイソンのホーリー・グレール』の幕切れくらいの大仕掛けをやってくれなきゃねえ。まだ見てないが、リスペクト作品である『華氏911』にも同じような「自分は特別」志向を感じる。案外この2者はカウンター・カルチャーに根ざす、深い深い部分で似てるのかもね。美術的には『時計仕掛けのオレンジ』『スリーパー』の先取りって事で評価はできる。全然違う原作を選んでおけばよかったんだと思う。
[地上波(吹替)] 2点(2004-12-25 16:43:13)(良:1票)
20.  カラマリ・ユニオン 《ネタバレ》 
「さーて10点にしようか9点にしようか」と考えてこのページを開いたら、何と皆さんの点数の思い切らない事。ま、癖のあるカウリスマキ節だからなあ。仕方ないよなあ。でも、強烈にカッコよかったっすよ。ラスト直前のスタンド・バイ・ミーを歌いだすとこなんか特にビリビリッと来たっすね。リュック・ベッソンなら『サブウェイ』だし、タランティーノなら『レザボア・ドッグス』に当たる「見せたい絵だけで繋げてみました」な作品。この先にはおそらく『タンポポ』『コヤニスカッティ』くらいしかないだろう。ストーリーの論理性をトコトン排除するとスタイルがクッキリ浮かび上がるという典型ですな(タランティーノもここまでイサギヨクやってくれれば評価上げてやるんだけどなー)。そして『ブルース・ブラザーズ』への強烈なリスペクトが見られる作品でもあります。これが後のレニグラシリーズへと繋がる要素なんだと思うけど、『カラマリ・ユニオン』の方が好きだな。転がって、転がって、どこまでも堕ちていくロックンロールライフのクールなカッコ良さ。4~5作分の映画のエッセンスが詰まった、濃密な転落光景のコラージュ。
9点(2004-09-06 01:49:12)(良:1票)
071.09%
1162.48%
2223.42%
3324.97%
4456.99%
5558.54%
68413.04%
713420.81%
811417.70%
98913.82%
10467.14%

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