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1.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3 《ネタバレ》 
実は前作はいまいち乗り切れなかったので、少し心配だった「Vol.3」。杞憂でした。ほぼすべてのキャラクターに見せ場を用意し、見たかったもの、聞きたかったものが詰め込まれたジェームス・ガン的大団円。お腹いっぱい、大満足の2時間半でした。  まず何よりも前作ではピンと来なかった選曲が今回は大ストライク。事前のサントラ禁止状態で臨んだら、まさかの1曲目はレディオヘッド! それも『Creep』!! そしてフレーミング・リップス、ビースティ・ボーイズと来て、決めの一曲はフローレンス・アンド・ザ・マシーン。そのあとおなじみのあの曲を挟んでの終幕はなんとなんとボス!ビッグボスじゃくて本物のボス! とくに『Creep』とフローレンス様の『Dog Days Are Over』はテーマにもしっかり絡んでて、尋常ではない精神状態でジェームズ・ガン的クリーチャーが織りなすドラマとアクションを堪能できました。  母の映画だった第1作、父の映画だった第2作と比べれば、本作は「ファミリー」の映画の趣き。「家族」を持てない/持たない/失ったキャラクターたちがつくり出す疑似共同体的な「ファミリー」の物語。「完璧」を求めた結果、誰も信じられず、誰も認められず、どんどん味方を失っていく敵キャラと対照的に、ガーディアンズの「ファミリー」はそれぞれの「ありのまま」を認めてどんどん大きくなっていく。その行く末はあまりに聖書っぽくもあり、ユートピア的で少し心配にもなるのですが、自らの失言で一度は監督の座を追われたジェームズ・ガン監督だからこそ、「完璧」に到らないすべての「Creepy」なクリーチャーたちを、それぞれの哀しみと傷を持った存在としてまるごと抱きしめるというメッセージがぐさりと胸に刺さりました。  唯一残念だったのは、まだ公開2週だというのに、シネコンの大スクリーンは車がふっとぶやつやニンテンドーのやつに持っていかれて、1日2回の小スクリーンのみの縮小上映だったこと(早く行けなかった私も悪いのですが)。なぜ、どうして? こんなスゴい楽しい映画なのにー。マーベルにもディズニーにも飽きちゃった人、どうせディズニー・プラスでみるからっていう人、マーベル関係ないし前作・前々作見てなくても楽しめちゃうから、映画館で見てー。お願い。
[映画館(字幕)] 9点(2023-05-19 16:03:18)
2.  哀しき獣
『コクソン』を見て、ナ・ホンジン監督の過去作に興味をもって鑑賞。入り組みすぎてごちゃごちゃな人間関係、説明不足のまま突っ走る展開は『コクソン』でも体験済みだったので、それはまあ許容範囲。ただ、終盤のアクションは手が込んでたけど、少し長くてダレてしまった。むしろ、個人的に感心したのは、序盤の殺人事件が起きるまでの緊張感。序盤に中国における朝鮮族社会を丁寧に描いたからこそ、中盤〜後半の主人公の陥る苦境が社会性をおびて「哀しみ」を増幅させる。ただ、哀愁に浸らせてくれないのもナ・ホンジン監督の面白いところ。後半は、一転してミョン社長の独壇場で、マイノリティとして成り上がった人間が持つ独特の凄みとユーモア。見てるこっちは苦笑いするしかない。怒濤のごとく突っ走った後で、ラストは静かにしんみりというのも韓国映画らしい。1本の映画にするには明らかにエッセンスを詰め込みすぎだけれど、それをまとめてエンタメとして提示するパワーもまた、この監督の魅力だと再確認しました。
[インターネット(字幕)] 6点(2019-02-14 13:55:51)
3.  カメラを止めるな! 《ネタバレ》 
観たかったけど、いろいろ忙しくて映画公開時を逃し、DVD化されやっと見れる・・・ということで平日休みの日に意気込んで自宅でプレーヤーへ。予備知識はほとんどなし。前半・・・。うー、これはツラい。変な間とか、なぜ趣味の話とか・・なんか実験的作品だったのか。それが斬新ポイント? そして最初のエンドロール・・・からの「お、これは面白いヤツかも知れない」。やばい、楽しくなってきた。そして撮影開始・・のところで、突然自宅の電話が!!? え、娘の学校? ケガした? 後ろ髪引かれながらプレーヤーをストップ。娘を学校に迎えに行き、病院に連れて行って、その後一緒に帰宅・・・。大事なくてよかった。ただ、普段からサスペンスドラマでさえも「怖いから消して」という娘のため、続きを見ることを断念。そのまま夜に。夜、家族が就寝後、やっとプレーヤーをオン。続きを見る。ヤバい、本当に楽しい。うわー、これは途中で止めたらいけないヤツだ。続けて見なくてはいけなかったヤツだ〜。なんでこんな日に限って、うちの娘は・・・。と思いかけたところで、ラストシーン。大号泣。今作の教訓。観たい映画はやっぱり映画館で観よう。そして、すべての父にとって娘とは、どんなことがあってもそれを力に変えてくれる存在だ。
[DVD(邦画)] 8点(2018-12-13 22:02:56)(笑:2票) (良:2票)
4.  渇き。(2014) 《ネタバレ》 
絶え間なく切り替わるカットやシーンの意味が少しずつわかってくる最初30分は「面白いかも」と思ったけれど、同じテンションでダラダラとバイオレンスやショック描写が続くので、1時間を過ぎるころには飽きてしまい、1時間半ごろにはもういいから早く終われとだけ思ってた。「クソ」を連発する役所広司は「S...」や「F...」を連発するアメリカ映画のパロディなのかもしれませんが、新鮮なのは最初だけ。妻夫木君、オダギリジョー、中谷美紀などのスター俳優なみなさんも、それぞれに10分程度ずつ「演技派でしょ」な感じの見せ場を用意する芸能界的バランス感覚しか印象に残らない。あの大富豪なおっさんが、某IT企業の会長風だったのだけ、クスリと笑えた。小松菜奈さんは、その声とルックスには説得力あったけど、あの「キャハハハ〜」な笑い声だけは完全に演技力不足。そればっかり繰り返されたせいで新人感が拭えず残念でした。二階堂ふみ、橋本愛、森川葵などの「映画好き」が好きそうな若手女優のキャスティングも悪くなかったけど、二階堂さん、橋本さんについてはちょっともったいない使い方だった。よかったのは、清水尋也君。この後演じた『ソロモンの偽証』の不良や『ちはやふる』のSキャラとは全く正反対の「いじめられっ子」演技は、若手演技派としての実力を示したと思う。不謹慎な内容をオールスターキャストで本気でやる、ことには意味があるのかもしれないけれど、この手の作品には本来「最悪でサイコー」なドラッグ的な面白さ、吸い込まれたら抜けだせない感というのは必要なんだと思う。でも、この映画は見れば見るほど冷めていく、ドラッギーとは正反対な方向性で(ラストの雪山で完全に冷め切る)、監督が何をしたいのか、どう見ればいいのか、さっぱりわからない1本でした。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2018-07-15 11:23:42)
5.  帰ってきたヒトラー 《ネタバレ》 
原作既読。ヒトラーの1人称視点で現代とのズレを描く原作と比べると、リストラされたTVディレクターのザヴァツキの視線も取り込んだ本作のほうが、視点が複雑でちょっと戸惑う。とくに、ドキュメンタリー的に一般人が登場するパートでは、彼らの嫌悪感や戸惑った表情がリアルで秀逸なだけに、いっそう視点がわかりにくくなる。また、この手の「出オチ」設定映画は、その「出オチ」で引っ張れる序盤から中盤・終盤への流れが難しいのだけれど、この映画もそのへんはあまりうまくない。ヒトラーとディレクターのロードムービー風の前半はブラック・コメディとして理解できるけど、政治批評色が濃くなる後半への移行のバランスが今ひとつで、総じて「楽しみ方」が宙ぶらりんのまま落ち着かない。けっこう長い『最期の十二日間』のパロディとかも、シリアス展開のなかで唐突に出てくるので笑えないまま。ラストの劇中劇風のオチも、そういうベタなディストピアSFみたいな展開でいいのかよくわからないまま。それでも本作がそれなりに妙な説得力を保持してるのは、ヒトラーを演じたオリヴァー・マスッチの怪演があってこそ。方向性は間違ってるのに一貫した立場から発する言葉に、登場人物だけでなく、いつのまにか自分も何かを期待してしまっていることにドキッとして、背筋が寒くなる。終始支離滅裂で一貫しない演出を補うどころか、そのなかで一本の筋が通ってしまっていたがゆえに立ち上がるカリスマ。その批評性に心底感心してしまった。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-03-30 16:31:59)(良:1票)
6.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス 《ネタバレ》 
母の日に見に行ったけど、父の日にみるべき映画だった。だいたい、これだけの超大作でデビッド・ハッセルホフとナイトライダーでこんなに引っ張って大丈夫かと思うけど、世代的にストライクなので大笑いできました(ただ、日曜午前の劇場はおっさんと中高生男子だらけ。日本ではニッチ映画と化しているよう)。あと、Zuneも。300曲っていう今となっては微妙な容量も味があっていいです。音楽のチョイスも今回は前作以上にマニアック。今回は下ネタも多く、なのに泣かせる話でまとめてくるあたり、ジェームス・ガン監督が好きにやってる感じが伝わってきたのはよかったです。お話的には、家庭内の内輪もめ系の話にいってしまったのと、相変わらず5人のガーディアンズがあんまり悪党に見えないのは残念だけど、ヨンドゥの活躍も見られたし、新キャラのマンティスもなかなか面白くて、総じて満足でした。
[映画館(字幕)] 7点(2017-05-15 15:24:35)
7.  鍵泥棒のメソッド 《ネタバレ》 
これは完全に香川照之の映画でした。もともと彼の過剰気味の演技は苦手です。でも、今作は違いました。チェック・シャツをジーンズにインする香川。バックミラーで顔を見ながら「35歳」と答える香川。正座してノートにメモする香川。ヤクザ役になぜかノリノリになる香川。もう全部が面白くて何度も声に出して笑って、前半はコメディとして大傑作だったと思う。残念なのは、記憶を取り戻した後の大失速・・・。とくに、監督の前作・前々作のクオリティを考えれば、やっぱり後半は普通に面白くない(そしてつじつまも今ひとつ合わない)微妙なサスペンスになってしまったと思う。香川が俳優で開眼し、堺が殺し屋稼業に身を染めてしまってからの記憶復活という展開を見てみたかったかなあ。ラストの堺の新しい恋の予感も蛇足感がたっぷり。前作でも少し思ったけど、内田監督は不思議と堺雅人という俳優を活かしきれていない感じも。香川照之のハマりっぷりと比べたら特にそう思う。あと、内田監督の映画っていつも車が重要なアイテムなんだけど、『運命じゃない人』のクラウンから、『アフタースクール』のポルシェ、そして今作のベントレーと、予算規模に応じて(?)豪華になってるのが、なんだか微笑ましい。その意味では、広末が乗る「白いプリウス」のどうしようもない普通感(しかも大きな家に住むお金持ち一家なのに)もわかりやすい。こうゆう小ネタはいつも楽しいのだけれど、今回はちょっと自分には合わなかったみたい。でも、寡作な監督なので、次はどんなので来るのか、楽しみにしています。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2017-04-02 23:38:18)
8.  回路
ダイヤルアップ時代を知る世代としては、あの「ピー・ギゴー・シュゴゴゴー」みたいな接続音はホラーだ。あの音が響くだけで、どこかに吸い込まれるようで十分怖いわけだけど、その恐怖を、「心霊」「幽霊」という日本の怖いお話に結びつけ、それを見事に映像化してると思う。へんな効果音をBGMに無駄に露出高めの(当時)若手女優さんたちが恐怖に顔をゆがめるという、アイドル・ホラー映画的な趣向も、世界滅亡という必要以上に壮大な物語も、なんだかほほえましく楽しめる。主演のはずの加藤晴彦が倒れた小雪を重そうに持ち上げる場面とかの妙な感じも、「生きる」ことに執着する彼のキャラクターを表すと思えば、どこか受け入れられてしまう。全体として、ジャパニーズ・ホラー特有の怖さと緩さが、行間を読め!系の黒沢清監督作品とうまく融合してる。「インターネット」の怖さとか、加藤晴彦の演技とか、今の時代に見ればちょっと残念な要素もあるけれど、それなりに楽しめると思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-07-01 14:11:05)
9.  鴨川ホルモー
好きか嫌いかでいえば好きな映画です。大学という空間、それも京都の大学だからこそ生まれる「ワンダーワールド」?を描いた青春映画としてとても気持ちいい。個人的には、青龍会のお話は、その内部のゴタゴタも含めて、何やってるのかわかんないサークル、怪しげなサークルの1つ1つにある小さな青春物語のメタファーのようで、とても楽しかった。ただ、万城目学の小説はやっぱり映像化向きじゃない。本だからこそ生まれる世界観の豊かさみたいなのが彼の小説にはあるのだけれど、映像化されちゃうと、その豊かさが途端に平板でつまらないものになってしまう。この手の小説は、小説の世界を映像にする際に何らかの「解釈」が必要で、そこをすっとばして小説に書かれていたことをそのまま画にしてみたっていうのではダメなんだということを再確認しました。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-05-11 00:11:44)(良:1票)
10.  駆込み女と駆出し男 《ネタバレ》 
昔の言葉と現代言葉が入り交じった台詞まわしの独特のリズムが印象的。ぶつ切り気味の編集は最初ちょっと戸惑ったけど、冒頭の40分くらいで慣れてくると、こちらもリズムがあってだんだん心地よくなってきました。ただ、このテンポは、主演の大泉洋があってこそという感じ。「すばらしい」とか「すてき」という言葉を時代劇のなかに持ち込んで、変な感じにならないのは彼のキャラがあってこそだと思います。逆に言えば、彼じゃなかったら、この映画全然ちがったものになってたかも、と思える好演です。その成長が物語の重要な柱になってたじょごを演じていた戸田恵梨香もよかったし、満島ひかりもあいかわらずの安定感でした。そして、ラストのオチは「そうきたか〜」とニヤリとさせるもので、さわやかな後味を残してくれました。個人的には、壮大な感動作系の音楽と、そのテンポや編集がちょっとあってなかったような。いかにも感動させる系のシーンで音楽がなっても、ブツッと切れちゃうので、そこだけはどうも乗り切れない部分もありました。全体としては、この映画は素直に見てよかったなと思える佳作だったと思います。
[DVD(邦画)] 8点(2015-08-30 05:51:29)(良:1票)
11.  紙の月 《ネタバレ》 
原作既読。1990年代初めという時代設定にうまくのれない。街の風景やファッションや人物像は結構現代風だし、あのエレクトロなBGMもそういう雰囲気を醸し出す。でも、「最新のBMW」が古かったり、「届いた」って迎えるのが懐かしいPerformaだったりで、微妙に時代感を出してきて、そのたびに「あ、これ90年代の話だったな」と確認させられて、ペースが乱れる。賛美歌の使い方とかもいかにもな感じで個人的にはマイナス。ラストで走り出すシーンはBGMなしでもよかったんじゃないかなあ。そのほうがシーンの「美しさ」が際立ったように思う。原作で痛感したお金の怖〜い部分(というか優れた消費社会批評になってる)はちょっと薄れたのも残念。むしろ、映画版では主人公の「解放」がテーマに強調されてて、原作のテイストで見たかったなと思いつつも、映画は映画で独自の方向性はよかったように思う。大島優子と小林聡美の2人の女性キャラも効いてるし、廻りの男性が本当にどうしようもないのは、ここまでやればかえって気持ちいい。とくに夫はダメ人間扱いだったけど、バブル崩壊直後のあの時代に「上海」に目をつけてるところ、ビジネスマンとしては先見の明ってあったっていうか、実は優秀な人だったのでは、と思える感じもまたよいです。ただ、最後のタイ?のシーンは余計。どうせファンタジーなんだから、あーゆーのはいらなかったような・・・。
[DVD(邦画)] 7点(2015-08-21 19:26:25)
12.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 
カプローニが面白い。少年時代の主人公はカプローニに憧れるが、彼の作る飛行機はごちゃごちゃしてて全然美しくない。そのあと、主人公が作ったのは、その対極にあるような、物事の装飾をそぎ落としたシンプルな形状の戦闘機。カプローニの飛行機はまるで、監督宮崎駿自身が作ってきた娯楽作品であり、最後のゼロ戦はこの映画の比喩のようにも映る。でもゼロ戦はラストでは美しいながらも、人々を死へと追いやる凶器となる・・・。創造性と人間性の、なんというか危険な諸刃の部分を見せつけられた気分。それは、心が通い合っているようで全く身勝手な二郎と菜穂子の夫婦にも言える。他人が共に暮らすと言うことの困難と、でもそれが奇跡のようなバランスで可能になることの美しさ。難病夫婦ものという古今東西使い果たした陳腐なネタを陳腐なまま、この物語の中核においてしまう大胆さ。とにかく、とても恐ろしい作品であり、最後の最後に宮崎駿は、観衆を突き放して1人で遠~~い世界に行ってしまった感じ。ああ、でも自分はカプローニ、嫌いじゃないんだよなあ・・・。この映画でもどうみても一番人間らしく魅力的なキャラクターだった。いまの時代、必要なのは二郎じゃなくてカプローニだと思うのだけれど・・・。
[地上波(邦画)] 7点(2015-02-21 23:42:08)
13.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 《ネタバレ》 
70年代懐メロとSFアクションの融合という技法は新鮮でとにかく楽しい! ダメキャラ5人(?)組が団結し、強敵に立ち向かうという物語の骨格はシンプルだからこそ、随所に散りばめられたチャレンジ精神が光る。コメディとドラマのバランスもよく、うまくハズしつつもきちんと伏線を回収し、物語の流れを損なわない演出技術は確か。正直、今回使用された70年代の「名(迷)曲」はよく知らない曲ばかりでしたが、それでも物語にしっかりハマってちゃんとこっちの気分を上げてくれるのだから見事です。むしろ、自分もよく知らない曲ばっかだった分、「Vol.2テープ」からのラストの(みんな知ってるアノ)2曲でガツ~ん! こういう憎い演出が随所に光ってて、まさに新感覚のSFファンタジーとして新しい流れを作るかもしれない。もちろん、物語的な突っ込みどころの多さ、物語がサクサク展開しすぎて「タメ」がない、5人があんまり極悪人に見えない、ハワード・ザ・ダック(苦笑)・・・などケチをつける箇所もあるけど、「ダークナイト」以降、リアル路線一辺倒だったアメコミ系大作の流れを変える可能性を秘めた快作。本国では興行的にも成功したみたいなので、次作では、ジェームス・ガン監督のカラーをもっと押し出して、これぞ新世代スペースオペラだ、というのがもっと見たい!
[映画館(字幕)] 8点(2014-10-10 06:13:43)(良:1票)
14.  華麗なるギャツビー(2013) 《ネタバレ》 
『ムーランルージュ』が大好きなので期待しましたが・・・2番煎じ感は否めないか。背後に花火が上がる中で満面の笑顔!という、完全な「出オチ」と言えるギャツビー登場シーンが、映画のなかでテンションが一番上がったけど、あとは下降線だった。ディカプリオ見てれば楽しいけど、バズ・ラーマンらしい映画全体を1つのパッケージにしてしまうパワーはいまひとつ感じられず・・・。
[DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2014-03-11 13:30:36)
15.  GIRL ガール(2012) 《ネタバレ》 
あれ? 最初のレビュー? 公開時はけっこう宣伝もしてたと思うのだけれど・・。国際線の飛行機で鑑賞。奥田英朗ってこんな作風だっけ? 原作読んでいないのですが、奥田氏のほかの小説から勝手に推測するに、奥田氏は、この映画に出てくるような(痛い)女性たちを皮肉な視線で眺めつつ、でも彼女たちの一生懸命さをちゃんと認めるっていうようなスタンスだと思います。でも、この映画での描き方は、その皮肉な部分が消えて、(檀ふみをのぞけば)テレビでそれぞれの女優さんがやってるキャラを繰り返してるだけ。そんな映画が面白いわけがなく、女性誌なんかがつくる虚像でしかない。奥田氏が原作だからということで選ぶと痛い目に合うかも。
[映画館(邦画)] 3点(2012-08-28 12:20:52)
16.  借りぐらしのアリエッティ
序盤の父とアリエッティの「借り」のシーンで高まった期待の回収先がないまま終わってしまった、という感じ。個人的には、ストーリーはたいして展開しなくても小人の借りぐらしという世界観に浸る「雰囲気映画」という路線も別に悪くないと思う。ただ、雰囲気を楽しもうとすると、翔君の「滅び行く種族」発言とか家政婦さんの突然の悪役展開など、中途半端なメッセージやドラマがそれを邪魔する。あと、セシル・コルベルに日本語で歌わせる必要があったのか? 「雰囲気映画」だったら、ラストこそその世界観に浸っていたい部分なのに、突然の「かーりぐぅらーししてたのおー」でぶち壊しです。いや、セシルは本当にがんばって日本語の詞をモノにしてると思います。でも、なぜわざわざエンディングであれを流さなきゃいかなかったのか。雰囲気に浸りたいのに浸らせてくれないフラストレーションを抱えての終幕でした。
[地上波(邦画)] 5点(2011-12-19 06:17:37)(良:1票)
17.  ガン・ホー
不思議な映画だ。冒頭の「自己改造セミナー」から川での水練まで、奇妙キテレツな日本描写のオンパレード。日本語の発音がまともにできない俳優に日本人を演じさせるというトホホなお約束。本当に酷い。けれど、文化ギャップを笑うというハリウッド・コメディの定石を考えれば、これらのステレオタイプもある種のメソッドとして理解できるし、それに目くじらを立てるのもどうかなという気もする。それよりも不思議なのは、この映画のメッセージだ。映画の序盤から中盤までは、時代の変化についていけず、自分たちの価値観にこだわり続けるアメリカ人のほうが偏狭な人たちであるかのように描かれる。そして、主人公は日本のやり方を認め、また日本人ビジネスマンもアメリカの価値観を認めるようになる。ジャパン・バッシングまっただ中に作られたこの映画を、当のアメリカの観客たちはどう見たのだろうか? この映画のメッセージは、80年代の観客にはリベラル過ぎたのではないか? 内容的には、80年代に量産されたコメディ映画の定番パターンであり、いま見て新鮮に思うものはあまりないが、「異文化を笑いながらも認める」という姿勢には、どこかハリウッド的な懐の深さを感じさせる。
[DVD(字幕)] 6点(2011-07-08 08:24:03)
18.  崖の上のポニョ
まもなく2歳の娘が食い入るように見て、鑑賞後「もにょ、はちった」(ポニョ・走った)を連呼していた。娘はきっとこれから何回もこの映画を見て、その意味を考え、だんだんと理解していくのだなあと思った。「子ども向けにつくった」とは、うちの娘みたいな1人の人間の成長に寄り添うという、監督のとんでもない覚悟がこもった言葉なのかもしれません。そう考えれば、確信犯的な説明不足もなんだか納得できてしまう。ラストの展開など、ストーリーには不満もあるけれど、うちの娘が最初に目に焼き付けた「波の上を走るポニョ」の画だけでも見る価値は十分にあります。
[DVD(邦画)] 8点(2009-07-05 13:49:58)
19.  華氏911
ブッシュをネタにしながらも、それはあくまでネタ(あるいは切り口)であって、僕自身は、9/11以降に加速度的に変化していくアメリカ社会(と、それとつながっている日本を含めた世界)の深層を描こうとした試みであったように感じた。特に、深刻な失業問題をかかえる地方都市から兵士が次々と送られていく姿が印象的。現代の世界には、「国」「国民」だけではくくれない見えない「境界線」が存在していることを見せてくれる。もちろん、イラクやアフガンでの「被害者」たちの姿が見えないという批判は成立するけど、そのすべてをこの映画に求めるのも酷なものだ。そうした一連の試みが成功しているかどうかという点では、まだまだ疑問は残るけど、ある程度の素材は提供されていたと思う。少なくとも、これを見て、アメリカ人ではない人々が、「ブッシュって悪い奴だ!アメリカっておかしな国だ!」っていうカタルシスを味わうだけで終わっちゃいけないというのだけは強く感じた。まあ、映画として採点するのは難しいなあ。とりあえず2時間の上映時間で喜怒哀楽を味わいながらも、考える機会を与えてくれたということで、7点ということにしておきます。
7点(2004-09-14 23:55:06)
20.  から騒ぎ
ケネス・ブラナーが監督として絶好調だった時代の勢いが感じられますね。豪華キャストみんなが楽しそうに演じていたのが印象的で、それを軽妙なコメディとしてまとめあげた演出にも感心。安心して楽しめる一本。
8点(2004-03-08 17:52:29)
010.16%
120.32%
260.95%
3345.40%
4457.14%
511217.78%
612319.52%
716025.40%
88914.13%
9426.67%
10162.54%

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