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プロフィール
コメント数 284
性別 男性
ホームページ http://ameblo.jp/wunderlich/
年齢 42歳
自己紹介 気になった映画をつまみ食い的に見ています。
うだうだと考えるのが趣味です。

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1.  鍵泥棒のメソッド
この映画に出てくるのは、みなどこかしらダメな人たちである。演技が下手な俳優、恋愛に計画性を必要とする真面目な仕事人、詰めのあまいヤクザ。善良なだけの人も、極悪なだけの人も出てこない。しかしこの映画には、散らばった事象が時間とともに集束し、一つの結末に至る過程の美しさが横溢している。完璧な人間はいなくとも、欠けた人間たちの織り成す物語は完璧でありうる。見事な人間賛歌ではないか! 個人的には、広末涼子演じる雑誌編集長が運転するプリウスの映画的存在感に感服した。プリウスは、あの静かなエンジン音のせいで、「すっ」とスクリーンに映りこんでくる。その静けさを、「あたたかな」、「こっそりと」などのイメージとリンクさせながら撮りきった作品を、僕はまだ他に知らない。整合性のなかに散漫さを入れ込むという、この監督さんの追い続けているテーマが結実した素晴らしい作品になっていると思う。
[映画館(邦画)] 8点(2013-02-09 18:10:15)
2.  カフーを待ちわびて
設定は非常によくできていて、雰囲気も俳優陣も良い感じであるにもかかわらず、あともう少しなんか足りない気にさせる一作。鑑賞後の後味はいいのだけれど。
[DVD(邦画)] 6点(2010-06-22 21:48:02)
3.  カプリコン・1
火星への有人飛行がウソだったらというアイデアに+2点、NASAの陰謀とジャーナリストの攻防がうまくできてるから+2点、余韻を残したラスト(というか、ラストのその後を描いたら結構悲しい話になる…)に+2点、こんなフィクションがあってもおかしくないと思わせるアメリカという国のイメージに+2点。
[DVD(字幕)] 8点(2008-05-12 19:45:03)
4.  かもめ食堂
すてきな台詞が多かった。「やりたいことをやれていていいわね。」「やりたくないことをやってないだけです。」そういう、スタンスが個人的に好きです。物事の判断で方法で、やりたいことをやるというよりも、やりたくないことをしないとうほうが、誤りにくいと思うのはぼくだけでしょうかね。/「私が日本に帰ってしまったら寂しいですか。」「うーん」「やぱりさびしくないんですね。」自分が「さびしい」と答えることによって相手の決断を鈍らせてしまってはという思い。わかる気がするっす。自分の存在が相手にとって重荷にならないように思う優しさをもっと多くの人が理解すればいい世界になると思うのですが。それにしても、普通にしてるのにユーモア感たっぷりのこの映画のキャスト、その時点でもう降参です。合気道の膝行やガッチャマンにも◎。
[DVD(邦画)] 9点(2007-04-29 22:29:41)(良:1票)
5.  カミュなんて知らない
「不条理」と単なる「理由がない」のはちょっと違う。「不条理」には理由はある。でもその理由が理由となるのが何故か周りの人に理解されないだけなのだ。たとえば、誰かを好きになることに究極的な理由はなくても、「本をたくさん読んでるところが好き」みたいな一時的な理由はありえるし、その理由が理由として機能することは多くの人の賛同を得られる。でも、人を殺した理由が「太陽がまぶしいから」では多くの人は納得がいかない。後者を「不条理」というわけだ。ゆえに、人殺しの理由が「むしゃくしゃしてた」というものだったら、それは「不条理」ではない。だから、この映画に出てくるいろんなシチュエーションは、世界が「不条理」に満ちていることを表現し世としているみたいなのだけど、残念なことに、この映画が言う「不条理」は本当の「不条理」ではないのだ。というわけで、テンションはいいのに深みのない作品になっていると思う。おしい。
[映画館(字幕)] 6点(2006-12-24 02:43:49)(良:1票)
6.  カーズ
いままでのピクサーアニメとの一番の違いは、登場するキャラクターに人間がいないこと。「トイストーリー」でも、「モンスターズインク」でも「ニモ」でも主人公は擬人化されたなにかだけど、その空想世界にはかならず「人間」がいた。でも「カーズ」には人間が果たす役割はない。レースを観戦するのも車だ。人間で言うなら陸上競技大会ということになるのか? キャラクターが車だけであることで、結局やってることは陳腐な若者成長ドラマだ。キャラが車であることが生かされているのがレースシーンのみというのでは、今までのピクサー作品に比べて深みが足りなくなるのは必定。映像がすごいといわれても、すでにねた切れ感が漂う。妙に田舎町への郷愁が・讃美感が誇張されているのも気になる。ブッシュ大統領を当選させちゃったのは、クールに分析する都市部のインテリではなく、あんまりもの考えない純情一直線の田舎町野郎どもだったことを考えると、田舎讃美も単純に鵜呑みに出来ない。
[映画館(字幕)] 5点(2006-07-07 01:34:28)(良:1票)
7.  風の中の牝雞 《ネタバレ》 
この映画が描いている倫理的な問題については意見が分かれそうである。僕個人はそういった倫理的な問題点を萱の外にしても、この映画は良く出来ていると言う評価が可能なように思う。それは、この映画が持っているサスペンスフルな緊張感が尋常でないからだ。妻の制止を振り切って外に出て行こうとした夫は、勢い余って妻を階段から突き落としてしまう。このシーンのカメラの静かさは、同情とか思い入れをまったく感じさせず、非情さささえ感じさせる。ゆっくりと起き上がる妻を、ただ見つめる。ラストでは、夫は妻を許し、抱きつく。両脇に垂れていた妻の両手が、夫の背中を這って出会う。このシーンの静かさも不気味なほどだ。これほどの緊張感がある以上、この映画は「映画的」に素晴らしいといわざるをえない。主人公達の選択の是非については、人それぞれで考えるか、あるいは結論にたどり着けそうもない倫理学の先生にでも任せればよい。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-09-21 17:01:17)
8.  亀は意外と速く泳ぐ 《ネタバレ》 
ひたすらおもしろい。大爆笑よりクスクスわらいが好きな人には絶好の映画となるだろう。小ネタの切れで9点献上。特にラーメン屋さんの生き方にはしびれた。しかし、緊急事態が終わってからの何とも言えないさみしさをどうしたらいいのだろう。もしこの映画がポジティブに終わったのだとしたら、それはやっぱり500万円の作り出す妙な楽しさということになるのではなかろうか。そんなところが少し気になって10点にはならず。ちなみに、パーマネントってそもそも「ずっとかわらない」って意味だから、「永久パーマ」は意味がだぶってます。そこも妙におもろい。
[映画館(字幕)] 9点(2005-08-08 09:10:17)(良:1票)
9.  過去のない男
題名をみて、てっきりお堅いな映画かなと思いきや、めちゃめちゃ笑える作品じゃないですか!映画自体はかなり淡々としてるんですが、見てる僕ははじめから終わりまで笑い転げてました。全ての台詞を暗記するまでみてやる! 主人公が幸福を見つけるというストーリーではまったくなく、記憶を失ったら幸せになっていたというお話。そこら辺が結構皮肉っぽくて考えさせられます。フィンランドという名前だけは知られている地域の風土を見れるのも面白い。僕はこういうの大好きだけど、派手な展開が好きな人には向かないだろうからこの点数。
7点(2005-02-28 16:51:08)
10.  飾窓の女
おそろしきフリッツ・ラング。サスペンスの盛り上げ方がとてもうまい。「フィルム・ノワール」という映画群を把握するにはまさにうってつけの作品。
9点(2004-12-11 15:23:21)
11.  隠し剣 鬼の爪 《ネタバレ》 
最近、サムライを辞める侍の映画が増えてきた。時代は幕末とはいえ、欲深な家老VS下級武士という構図は、日本の経済発展を支えてきた企業の構図とほとんど同じ。企業に縛られて生きていくのに疑問を感じる人にとっては他人事ではない。だから、『ラストサムライ』のサムライ礼賛とは違って、そもそもサムライという肩書きを背負うことへの疑問の視点をもったことでこの映画はひとつ深いところにある気がする。『たそがれ…』が老成した大人の映画だったのに対し、『隠し剣…』は青春映画である。『たそがれ…』にあったぎらぎらした緊張感や、理想的に洗練された立ち振る舞いはこの映画にはない。でも、サムライという肩書きに徹しきれない所(友人の狭間も、最後は鉄砲に殺されて、サムライとして死ねなかった)や、友人討ちを拝命する時の逡巡する態度、たまにがさつで不器用な立ち振る舞いに若者らしさがでてる。この味わいも悪くない。「もう2度と人を殺したくない」というのは、間違いなく若者の台詞である。大人なら「そういう運命も仕方がない」になりそうだから。がんばれ若者。僕も含めて。
8点(2004-11-05 09:08:26)
12.  影武者 《ネタバレ》 
武田信玄の「影」として生きることを決意した主人公は、勝頼の子、竹丸とのふれあいに生きがいを感じた時点で「影」ではなく「生きている人間」となった。本当の「影」は死せる武田信玄。主人公・信長・家康・武田24将のすべてを、死してなお動かしつづけた。本当の意味で「影」の武者だったのは信玄だ。「不動如山」の「動かぬ山」とは、信玄の振りをしていた主人公ではなく、文字通り「死んで動かない信玄」だったのではないか? この映画が炙り出そうとしていたのは、描かれた「生きる影武者」ではなく、描かれてはいない、つまり「影武者」のさらに影にいた信玄ではないか? そんなことを考えた。ラストで、川に流される仲代達矢と、まったく流されないまま水に沈んでいる「風林火山」の旗。この物理的な矛盾をうまく解釈するには、上のようにこの映画の主眼が信玄にあったと考えるほかはない。それにしても、熊本城・姫路城・伊予松山城・小田原城など、外国向けを意識したのか戦国時代にはありえない立派なお城を出しすぎではないか? せっかく躑躅が崎の館はリアルに作ってるのに…。
5点(2004-10-28 19:43:19)(良:2票)
13.  艦隊を追って
ロジャーズのソロでタップするシーンが観れて良かった。衣装がかなりセクシーで、ちょっとビビれます。アステアと海兵さんのダンスシーンもさすがの迫力。アステアがピアノを弾くシーンも珍しくてお得。「トップハット」や「踊らん哉」にくらべて有名な曲が少ないのが残念だけど、アステア&ロジャーズfanの僕としては大満足でした。
7点(2004-06-23 13:36:24)
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