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ミスター・グレイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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1.  影なき男(1934) 《ネタバレ》 
発明品を作っている?ワイナントの影から始まる冒頭部分からしてサスペンスに富んでいますし、懐中電灯の光が頼りの真っ暗な研究所のシーンもスリリングですし、謎解きシーンの人物の見せ方も上手いです。しかし、そんなミステリー部分よりもちょくちょく見せる仲睦まじい夫婦の描写が素敵です。本編とは何の関係もないのですが、小突き合い戯れるところとか、奥さんがお酒をグラスについで渡そうとすると夫はボトルの方をとって飲んでしまうとか、クリスマスプレゼントを交換し射的しているところとか、そういう何気ない夫婦のシーンが実に魅力的ですし、しかもこんだけじゃれておいといて命の危険がある時は本気で心配し、渾身のキスシーンとくるのですから当てられてしまいます。 また、夫婦の子供代わりである犬のアスタの存在も面白くて、愛らしくも夫婦の言うことを全く聞かないところが良いですし、ラストに目を隠す見事な仕草もお洒落じゃないですか。
[DVD(字幕)] 9点(2009-09-28 18:46:58)
2.  カリートの道
例え最悪の事態を招くことが見越されていても男には守らなければいけない崇高にしてバカなルールがあり、それにのっとって行動しなければならない。その決まりを破らないパチーノがとことんクールです。そんな〝漢〟をノワール調で描いた映画なのですが、恋愛シーンがとても良いのです。雨の路地で愛した女を待ち、びしょ濡れになりながら様子を窺うシークエンスは初恋のように淡く幻想的でドキドキさせます。パチーノと言ったら殊に90年代以降、シャウトを交えた雄弁な役柄が多いのですが、やはり孤独で佇む沈黙が良く似合います。そして鏡に映るぺネロープ・アン・ミラーの美しい裸身を見てドアチェーンを破ってくるラブシーンの情熱的で官能的なことといったらないです。甘美な大人の色気が漂っています。  役者陣も完璧で暴れん坊ショーン・ペンの見事な雑魚キャラっぷりも、ぺネロープ・アン・ミラーの妖美も特筆ものですが、やっぱりアル・パチーノでしょう。あの見る者を惹きつけて止まない吸引力は一体どこから出しているのでしょうか。
[ビデオ(字幕)] 9点(2008-01-15 18:22:01)(良:2票)
3.  影(1956) 《ネタバレ》 
何とも奇妙な謎の事件から導入し好奇心を掻き立て、勢いのみに留まらず三本の興味深い話で次々と魅せ、最後には数本が絡まったように見えた糸が一本に解ける面白さがある。三つの不可解な事件が一つに繋がるのはあまりにも偶然が過ぎるのだが、そんなことを気にさせないほど、すんなりとそれぞれの過去の回想に入っていき結末を知りたくなってしまう話の聞かせ方がとにかく巧い。特に二話目は緊張感があってドキドキさせられる。虎穴で仲間の足を蹴った時のあの反応、たった一人のところ狂気に駆られた表情で「手を出すんだ!」と凄まれる恐怖。計算尽でさり気なく事の結末である義足を見せるのも見事だ。作中に漂う空気も暗澹としており、白黒映画ならではかもしれないが物語のキーとなっている陰影のつけ方も不安を呼び起こすようで良い。もちろん1956年製作のポーランド映画であり政治的な内容だが、単純にスパイサスペンスとしても十分に楽しめる。
[ビデオ(字幕)] 9点(2007-03-05 18:49:52)(良:1票)
4.  狩人の夜 《ネタバレ》 
恐怖映画としては、もはや風化し古臭い印象を拭い去ることはできません(悪夢的幻想としては素晴らしい)。しかしながら本作は、脳裏にバッチリ焼き付くような陰影に富んだ映画的な場面の連続なのです。例えば、川に沈む母親の死体の奇妙な美しさは特筆すべきものですし、ロバート・ミッチャムと子供たちの食卓と地下室での攻防やボートでの脱出劇(移動感も良い)、あるいは馬でゆっくり追跡する不気味なミッチャムを目撃する納屋のシーン、そしてミッチャムとリリアン・ギッシュ!との対峙等々、設計も実に見事です。あざとい監督だったら、ミッチャムが家庭に入り込み母親が消されるまでの不毛な心理劇に時間を割いていたでしょうが、そんなことはせず常に転がし続けたところに面白さがあるのです。
[DVD(字幕)] 8点(2012-03-02 18:38:18)(良:3票)
5.  河内カルメン 《ネタバレ》 
原作を読んだことはありませんが、この内容、文章ではこんなに楽しくできないでしょう。つまり本作には映画ならではの楽しさが詰まっているのです。野川由美子さんの魅力が十分に引出されているのはもちろんですが、例えば、露子が同性愛のモデルの先生に部屋に閉じ込められ迫られるシーンで、男が助けるためドアに体当たりしようとすると、悲鳴が聞こえドアがパッと開き、露子が何食わぬ顔して颯爽と階段を降りてくる…。この軽快さ、快活さが、本作の全てを象徴していると思います。
[DVD(邦画)] 8点(2010-03-01 18:14:00)
6.  カサブランカ 《ネタバレ》 
最初の方のボギーの酒場の見せ方など、あまり上手い具合にいっていない部分があると思っていたのですが、バーグマンの登場で一変します。彼女は個人的に趣味ではないですし、このキャラクターの心情は男の私には良く分からんのですが、そんな問題を差し引いても多額のお釣りがくるぐらい本作では魅力的に見えます。 例えばボギーと予期せぬ再会を果たし目がウルウルしてくるところとか、夜中に酒場に訪ねて来てドアを開けると光が彼女を照らし出すところとか、こういった綺麗に撮ろうという配慮がなされているからこそ二股状態の曖昧なキャラクターにもかかわらずバーグマンが完全無欠のヒロインになっているのだと思います。 そんな彼女を見送るボギーも格好良くて、キザったらしくて聞いているこっちまで赤面してしまうような台詞をサラリと言ってのけてしまうところがボギーならではでしょう。  それからピアノ弾きが歌う「As Time Goes By」は言わずもがなですが、国家を歌い合うシーンもパワフルです。
[DVD(字幕)] 8点(2009-09-11 18:52:01)(良:1票)
7.  ガルシアの首 《ネタバレ》 
グリンゴ(アメリカ人)の殺し屋コンビが、廃車と見紛うオンボロの車に乗って追って来るガルシアの家族たちを一掃してしまうシーンの過激さはどうでしょう。ガルシア一家とは対照的にピシッと上品そうに決めていながら、コートの下から突然マシンガンをぶっ放すあの野蛮さが強烈に頭に焼き付きます。 もちろん、でっかいサングラスをかけたウォーレン・オーツがとことん格好よいですし、女が泣く姿もまるで聖女のように美しいですし、時折まざるスローモーションもことごとくバッチリ決まっています。…個人的にはスローモーションというのは、ほとんどの場合において滑稽に見えてしまい間の抜けた印象しか受けないのですが、ペキンパーが使うと凄く良いものに見えてしまうのですから不思議です。
[DVD(字幕)] 8点(2009-05-15 18:32:58)
8.  花様年華
あらゆる画面がほぼ完璧に近く、男と女の機微も非常によく捕えられていて、バカみたいに肌を露出させたりしなくとも男と女に驚くほど色気があり艶っぽいです。何気ない日常が断片的に切り取られているようでありながらも、現実と小説の世界が見事に交錯し幻想的にもなっています。もはや言わずもがなですが、トニー・レオンもマギー・チャンもとことんセクシーで惚れ惚れしてしまいます。・・・ただ気になってしまうのは、これは少々計算が立ち過ぎていて〝これ見よがし〟な印象も受けることです。  《追記》再見したのですが、やはり芸術を意識したような感じが鼻に付くところがあります。例えば、ラストのカンボジアの風景のカットをいくつか挿入し過剰なBGMをかけているところなどは、やり過ぎているように思えます。
[DVD(字幕)] 8点(2009-04-06 18:21:58)(良:1票)
9.  飾窓の女
エドワード・G・ロビンソンという俳優さんのイメージはどうしたってギャングな印象が強く、それはあのオーソン・ウェルズが善玉として撮った時でさえ(46年「The Stranger」)、彼にはどこか相手をささくれ立たせるような雰囲気がありました。しかし本作では、そんな雰囲気が皆無に近く360度見まわしたって紳士であり人の良いオヤジであり見事に観客を迷宮へといざなっているのです。なぜにそういう風に見えたのか分かりませんが、一つにはあの何気なく掛ける眼鏡などで素朴さを演出した事が大きいと思います。本作ではそういった道具の使い方が非常に巧みであり、他にも対象の姿が映る鏡や暗闇でのガラス、女の家にある外に出るまで三重にもなっているドアなどの装置がサスペンスを盛り上げ、質を一層高めています。最たるシーンは飾窓の女が実際に現われる場面であり、それこそまさに非日常か幻想のように窓に映るキラキラした服の美女は迷宮の入り口に相応しいのです。
[DVD(字幕)] 8点(2009-02-16 18:17:05)(良:1票)
10.  ガンヒルの決斗 《ネタバレ》 
最初にちょこっとしか出てきませんがカーク・ダグラスの町と比べ、アンソニー・クインの仕切る町の張り詰めた空気はどうでしょう。見事なまでに緊張感に満ちておりカーク・ダグラスの孤立無援さが良く出ていますし、それによりカークの凄む、殴るなどのちょっとしたアクションも正義漢の潔癖的強さとして際立っているのです。それは辺りが暗くなってくるとさらに素晴らしくなり、アンソニーがカークの立て籠るホテルに話し合いに行くシーンなどは本作の最大の見せ場だと思います。欲を言えば最後に待っているだろうなと思っていた大銃撃戦が無かったのが残念ですが、ラスト〝漢〟二人の決闘から三人の別れのシーンも実に良いです。
[DVD(字幕)] 8点(2008-11-04 18:07:17)
11.  過去のない男 《ネタバレ》 
本作にはいわゆるラブ・ストーリーがあるのですが、映画において主役にロマンスがおとずれる場合、美男美女もしくは片方がそれに値しないとはじまらないと思っていたのですが…、なっ、な~んと!そんな必要は全くないということを見事に証明してくれました。失礼ながら〝過去のない男〟もイルマも全く美男美女ではないうえに、もう枯れかけているオッサンとオバチャンときているのです。それなのに、身元が判明して女房のもとへ帰ることになった時、コンテナにイルマがやってきて男と抱き合うシーンが驚くほど感動的に見えてしまうのです。これは凄いことですぞ。さらに普通なら失礼ながら気持ちが悪くなってしまうキスシーンがなんと艶かしいのでしょうか。色使いにしてもそうですけど、普通は毒々しくなってしまうものを決してそうは感じさせないのがカウリスマキ監督の凄いところですね。それから忘れてはならぬのが、と言いますか、忘れられないのは救世軍の女ボスが歌うシーン。これが強烈です。
[DVD(字幕)] 8点(2008-07-15 18:19:00)
12.  火事だよ!カワイ子ちゃん 《ネタバレ》 
基本的にはお役人を皮肉ったドダバタ笑いの連続で、お約束的なものが多くおそらく現代人にとってはラストのオチなど簡単に読めてしまうのでしょうが、その運びはなかなか絶妙です。水着を着た女の子が入ってくるタイミングの良さ、当然起こるだろうなと思っていた火事騒動も見事で、忘れた頃に室内パーティ会場から外の寒々しい雪景色で家がボンボン燃えているシーンに切り替わるあたりは本当に巧いと思います。それに金魚のフンの如く連なって歩くセクハラ親父消防士たちはそれぞれユニークですし、暗闇でクジの賞品を返せというくだりの辛辣さもなかなかです。
[DVD(字幕)] 8点(2007-12-14 18:16:26)
13.  喝采(1929) 《ネタバレ》 
若いが故か強く己よりも母の幸せを優先する娘の葛藤と、賢くも強くもなく衰えぶりが顕著な母親の姿に時代の趨勢と場末の踊り子の悲哀、愛の存在を感じずにはいられません。一見してクズと分る母親の男と好青年トニーの相違がその思いを一層強めています。しかし何と言っても印象深いのは最後に娘が踊る場面であり、長い間、離れ離れで対照的な異質の世界の住人であるにもかかわらず踊り子としてスター性を発揮する姿に母子の繋がりを思い知らされます。だから本来なら最後にトニーが戻らない方が悲劇としての物語性やキャバレーの踊り子の哀しい性を完結に表現していたと思いますが、親子にどっぷり感情移入してしていた私としてはトニーの帰還に惜しみない〝喝采〟を浴びせたい。ホントに彼はナイスガイだ。甲斐性無しの私には戻るなんて芸当はとても出来ませんよ。ええ。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-10-04 18:09:40)
14.  風の又三郎(1940) 《ネタバレ》 
割りと原作に忠実に作られているので賢治の特異な世界観を損なうことなく実写化に成功しています。原作(最も読まれているであろう新編において)と同様に本作では三郎が本当に〝風の又三郎〟なのか明示されません。風の又三郎は大人が信じないような子供社会の伝説の一種です。大人になると無理にでも論理的に説明をつけようとしてしまいますが、子供は濁りの無い目で純粋に信じることができます。そして原作にはない又三郎の鉛筆紛失事件を挿入するする事によって又三郎の存在をさらに不明瞭にしています。しかもこの事件は子供たちにとっては風の又三郎の仕業として永遠の語り草となるでしょうが、観客には妹の仕業という種明かしをしてしまっているのです。つまり観客は全ての答えを提示されたうえで判断を委ねられるのです。童心を忘れずにいられたかどうかを。様々な年代で見たいと思う作品です。  ・・・ところで年長者が年下の子の面倒を見るという分校スタンスは良いですね。一クラスにおける生徒数や教員の多忙さ、学力向上等を考えると様々な問題が生じて無理な話かもしれませんが、週一日や一日一時限だけでも学年混合のクラスがあったら失われつつある昔の大切な人間関係を取り戻せるかもしれないとさえ思わせます。教師でもあった賢治の理想の教育環境を垣間見た気がしました。 
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-08-25 18:16:41)
15.  ガスパール/君と過ごした季節 《ネタバレ》 
登場人物は誰もが不幸な境遇にありますが、それを感じさせないほど温かい視線で描いています。困っている人を見ると助けずにはいられない人の好いロバンソンと、損だと分っていながらも結局助けてしまう性質のガスパールの優しいコンビは好感が持てます。鼠小僧よろしく盗みを働くシーンですら、金目の物を盗むんじゃなくて食料を盗むので笑えます。捨てられたおばあちゃんもTVで活劇の死亡人数を必死にチェックするというぶっ飛んだ趣味を見せ、元気の良さが伝わってきます。このおばあちゃんを演じた女優さんも素敵です。全く身寄りのない欠けた者同士が集まって肩寄せ合って一つの家族のようになるハートフルな物語ですが、最後にロバンソンを思うガスパールの気持ちが「泣いた赤鬼」の青鬼みたいで泣かせますね。役者さんたちは全く無名?ですが、雰囲気は抜群です。ところで彼らは日頃「元気?」と尋ね合います。久しぶりに会った訳でもなく常に一緒に居ても尋ねるのはきっと良い事ですね。照れ臭いけどいつか実践してみたいです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-08-02 18:18:40)(良:2票)
16.  カウボーイ&エイリアン 《ネタバレ》 
始まりの西部劇のパートが予想を越えて素晴らしかったので、その後、予想の範囲内で紋切り型の魅力に欠けるエイリアンが登場してきた時は正直言ってガックリきてしまいました。“全編が西部劇であったら良かったのに”と思うところもありますし、欲を言えば“あれもこれも”となってしまうのですが、結局のところ軽過ぎるものの、お約束はおさえていますし面白かったです…と言うよりもハリソン・フォードが70近いとは思えぬほどカッコ良かったです。活躍シーンが意外と乏しいにもかかわらずその存在感は圧倒的で、少年に語り掛けるシーンや、部族の?部下との擬似親子関係など(じっくり見せられたら泣いてた)、実に魅力に溢れていて、もっと登場シーンを増やせよと思ってしまうくらいです。  ただ、予算を下げてジョン・カーペンター監督あたりが撮っていたら大傑作になっていたかも…。
[映画館(字幕)] 7点(2011-11-02 18:50:42)
17.  海外特派員 《ネタバレ》 
雨中の階段で起きるヴァン・メア殺害シーンから続くカーチェイス、風車小屋でのかくれんぼ、ホテルでのユーモアを交えた騒動、展望台での殺人の緊張感と工夫を凝らした面白いシーンが展開され見所満載ですが、その一方で後半、主人公のジョエル・マクリーの扱いがぞんざいになるのは気になります。ヴァンの拷問シーンに飛び込んでくるのもffさんですし、そこから黒幕のフィッシャーの人物像が魅力的に見えてくるのも主人公の影を薄くしている一因で、やや物語のリズムが悪くなっています。  飛行機墜落シーンはCG全盛の現在、リアルさの観点から見れば陳腐に思えるかもしれませんが、逆に言えば当時の技術でこれだけの迫力を演出しているのは凄いことです。
[DVD(字幕)] 7点(2011-02-18 18:29:20)
18.  限りなき追跡 《ネタバレ》 
これは紛れもなく〝追跡〟の映画であり四六時中、馬で駆けまわり移動しますし、逃げる側も裏切った仲間をわざわざ足跡として残し追われる者と追う者の距離感を出してくれます。ラストの斜面を使った殴り合いも見事ですし、スパニッシュで会話している部分ですら内容を把握できてしまうほど確かな出来で(おそらく英語の部分ですら言葉は不用だ)、僅か90分足らずでまとめ上げてしまっている簡潔さも素晴らしいです。 …が一方で、主人公のロック・ハドソンとヒロインの魅力は乏しいですし(ウォルシュ映画のヒロインとしては個性を欠いている。リー・マーヴィンをひっくり返してしまうのは彼女でも良かったのでは?)、悪役もこズルいばかりで小物感が否めませんし、ハドソンと行動を共にするジェス(キャラクターに一貫性が無い)と先住民の扱いはぞんざいであり、南北戦争の話などにしても中途半端な印象をぬぐえません。  …ところで、明かに意識して正面に向かって発砲したりするのですが、これは3D上映もしていたんですかね?
[DVD(字幕)] 7点(2010-10-19 18:30:48)
19.  影武者 《ネタバレ》 
長篠の合戦シーンで、討ち死にしていく様を一切映さずに省略するのは良いのですが、他ではあまりお目にかからない、非常に印象的な馬がのた打ち回っている悲惨な光景が、くどいくらいで冗長に感じられます。もちろん無敵の騎馬隊が敗れ、武田家の滅亡を意味し、影武者が単騎突入をかける重要なシーンであるとは思うのですが、あのシーンを長々と見せるのはどうかと思ってしまいます。  それから、細かいところで目に付くところもあります。例えば戦場で砂埃が舞い旗がこれでもかとパタパタとひらめく風の演出はとても良いのですが、そのバックの木々がぜんぜん動いていなかったり、はたまた冒頭のシーンでの燭台の影は本来なら消すべきなんじゃないかとか…なんか揚げ足取りのようですが、このスケール壮大な黒澤映画だからこそ細部が余計に気になってしまいます。  それと、やっぱりどうして役者さんだと思います。仲代さんも凄いのですがこの役には不向きに見えますし、予定では勝新だったらしいですが、それが実現していてもこの3時間にも及ぶ超大作の風向きまでは変えられなかったような気がします。それが可能だったのは三船敏郎だけだったろうと。黒澤監督作品を立て続けに見ることができる今、ミフネ不在の黒澤映画を見る度に黒澤には三船が必須だったのだとすら思えるのです(また三船も最高なのは黒澤映画においてである)。
[ビデオ(邦画)] 7点(2009-08-03 18:27:08)
20.  艦長ホレーショ 《ネタバレ》 
海洋、軍人ものなので男くさ~い内容をイメージしていましたが、長期間、大海原をかけ戦闘を繰り返す活劇としては面白味に欠けていますし、常に澄み切った空は美しいのですが、せっかくの海なので嵐も見せてほしいと思います。・・・しかし本作の主体は冒険活劇ではなく、グレゴリー・ペックとヴァージニア・メイヨの恋模様を描いた完全なるロマンスの映画なのです。それも女と話すのが苦手そうに咳き払いをするペックと、芯の通ったお嬢様のコテコテの恋愛模様かと思いきや、そうではなく互いに別の決まった相手がいるという高い障壁のある禁断の恋…。惹かれ合いながらも愛し合うことができない二人の微妙な距離感が絶妙ですし、個人的にヴァージニア・メイヨは趣味じゃないのですが、とっても綺麗に撮られています。特に病に伏せ熱に浮かされる姿などはとても艶っぽく、ペックがイチコロになるのも当然です。
[DVD(字幕)] 7点(2009-04-01 18:12:27)
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