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1.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 
巨匠は“画力”が凄い。飛行機が生物のように息づく。関東大震災の地震の迫力、逃げ惑う群集の緻密さ、雲の描きわけ、背景の草原の草や流れる水も生き生きとしていた。ゴッホの絵画を観るような生命の躍動を覚え、夕日を眺めているような懐かしさも覚えた。画だけでも観る価値がある。世界に誇れるアニメだ。あえて苦言を。堀越二郎の物語だから、ゼロ戦の完成で終点だろうと予想していたが、九試の完成で終ってしまった。ゼロ戦登場はラストの残骸と夢想の編隊のみだ。堀越氏の最も苦労した太平洋戦争時代を飛ばしたのは、「戦争と人間」という主題を避けたかったからだろう。「美しいもの=飛行機」の夢を追い求めると、戦争兵器の設計に関わざるとえなかったという苦悶は感じられない。二郎の人物像の掘り下げが不十分で、生身の人間として映らない。積極的に行動することは少なく、本質的に受け身なのだ。仕事は与えられたものを文句もいわず淡々とこなし、対人関係で問題を起こさない。性悪な人も登場しない。恋愛も受け身だ。菜穂子の女中を助けたあとは、偶然の再会、菜穂子から告白、菜穂子が病院を抜け出し、押しかけ結婚、菜穂子去ってゆく。「美しい姿だけ見せたかった」というが、恋人同士ならまだしも、夫婦間でそんな美学はありえないだろう。本音で語り合い、共に苦労し、助け合ってこそ真の夫婦である。又「愛と死」が主題なのに「死」を描かなかった。特攻によるパイロットの死、妻の死、大空襲、無数の戦没者。戦闘機と死は切っても切れない関係だ。死を描かずに戦闘機の設計者の人生を描くのは不可能だ。残念ながら、底の浅い人物描写でしかない。主人公の愛、苦悩、喜び、怒り、憎しみ、悲しみが感じられてこそ、心の糧となり、感動があり、人間は素晴らしいと思えるのだ。二郎は戦争、妻の死を経ても成長していないと思う。それは妄想の中での師匠との軽い対話でもわかる。「君は生きねばならん。その前に、寄っていかないか?良いワインがあるんだ」日本の敗戦をこれほど軽く描いた例は稀有だ。意味ありげに特高や反ナチのドイツ人が登場したりするが、本筋とは無関係。一本、筋の通った筋書が出来ず、どこを終点にしようか、迷った跡がある。風の使い方は良かった。風で飛んだ二郎の帽子を菜穂子が掴み、風で飛んだ菜穂子のパラソルを二郎が押さえる。愛も戦争も風のように過ぎて行った。けれど生きてゆこう、夢の翼に乗って。
[DVD(邦画)] 8点(2013-09-25 22:26:41)
2.  ガフールの伝説 《ネタバレ》 
ふくろうが高度な文明を営むという世界観だが、鉄器文化を持つことに大いに違和感があった。飛躍しすぎていないか。 鉄剣、鉄兜、鉄面蓋などで武装していては、人間の古代戦士と変わりなく、ふくろうである必然性がなくなる。各種ふくろうの特性を生かした肉体同士での戦闘場面が見たかった。 悪の王国の最終兵器である、砂嚢をしびれさせて動けなくするという「特殊金属」は説明不足の誹りを免れないだろう。何のことやらわからない。砂嚢は鳥類の胃の一部で、食物を砂で細かく砕くものであるので、「砂嚢を麻痺させる」とか「頭ではなく砂嚢で感じろ」といわれてもぴんとこない。心眼のようなものと察しはつくが、すっきりしない。極め付けは「月光麻痺」。月の光を真正面で受けると麻痺してマインド・コントロールされるという安直な設定にはげんなりさせられる。 物語は善悪の王国の対立を軸に、「ガフールの勇者たち」という伝説を盛り込んだ冒険戦記もので、これといった目新しい要素は見当たらない。何より不満なのは、前の戦争の契機と経緯、勇者伝説の詳細が語られないことだ。なので最終決戦場面でも感情移入できない。唯一意表を突くのが、兄がダークサイドに堕ちるという展開だが、どうしてそうなるのかが描写不足だ。弟とそりが合わないだけで、両親の愛情を得られており、心に傷を持つわけではない。妹を攫い、弟を殺そうとする心の闇が見えないので説得力がない。補助的登場人物の扱いもぞんさい。両親は途中で居なくなるし、弟と行動を共にする家政婦の蛇は大した活躍を見せない。旅の仲間はかろうじて合格点。ジルフィーは小さすぎて恋人役には不足。大臣ふくろうのみえみえの裏切りと、時を移さぬ退場は、急ぎ過ぎ。主人の成長物語としても不満が残る。危機はそこそこ描かれているが、幸運に助けられている面が大きい。兄殺しの葛藤が薄い。もっと子供らしい知恵を発揮しての活躍をみたかった。美点はCGの華麗さとアクションの優雅さに尽きる。感動することはないが、CG技術の発展には唸らされる。美術を見るような鑑賞法が最適だろう。
[DVD(吹替)] 7点(2013-05-13 13:06:10)(良:1票)
3.  借りぐらしのアリエッティ 《ネタバレ》 
【メインテーマ】『両親とは縁が薄くてたまにしか会えず、病弱ゆえに友達もいない孤独な少年。数日後には心臓手術を控えており、静養のために母の実家に引っ越す。少年はそこで小人を見る。そしてよかれと思い、ドールハウスの台所を小人の家に据える。人間に見られたら引っ越すという家訓を持つ小人は、少年と対話しにいく。少年は自分の命が儚いことから、小人に「君たちは滅びゆく種族なんだよ」と失言を吐く。小人は「どんなことがあっても生き延びる」と反論。小人のためによかれとしたことが最悪の事態をまねき、意気消沈する少年。しかし小人に助けを求められ、生け捕りにされた小人の母親の救出に成功。初めて人を助ける(守る)という行為をしたことで自信を取り戻し、手術と向き合う勇気をもらう。別れの場面で「君は僕の心臓だよ」というのは生きる勇気を与えてくれたことに対するお礼。小人も人間は悪い人ばかりではないことを知り感謝の涙を流す。小人達は新しい住処を求めて旅にでる』以上のようなことを表現したかったのだろうが、失敗している。少年の心が描けてないから。 【疑問点】①少年は押入れの床下に小人の家があることをどうやって知ったのか?そもそもどうして押入れの床にドアがあるのか?②借りぐらし=失敬ぐらし。小人と人間が対等でないとテーマが成立しない。小人が一方的に人間に従属していたのでは自尊心が育たない。何か恩返ししないとね。③途中小人二人が縫っている大きな袋は何だったのか?④コオロギの脚を食うって何事?人間から借りるんじゃなかったの?⑤いつか海を見たいという母親の伏線は? 【感想】少年と小人の心の交流を中心としているため、アニメ特有の冒険や空想物語のマジックが薄味が薄味になってしまった。小人世界の世界観を表現することに汲々として、人間が描けておらず、冒険も中途半端、起伏の少ない展開で収束。小人にジャンプ力とか飛行能力とか、何か特殊能力がほしい。敵役があの家政婦では役不足でしょう。誰も危機感をもっては見ない。家政婦も小人に対する執着心も唐突すぎる。伏線が必要。蝦蟇にさらわれ結婚を迫られる「親指姫」の方がよほど悲壮感がある。鴉や狸の描写はうまいのだから、もったいない気がします。
[DVD(邦画)] 6点(2011-09-13 18:29:22)(良:1票)
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